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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
  第8話:出会微少

 
前書き
みんなのアイドル再登場!


 

 
(エンドール)
トルネコSIDE

やって参りました世界最大の都市エンドール。
流石に賑わっており、人混みに迷いそうであります。
リューラさんとはぐれないよう手を繋ぎ歩きたいのですが、何故だか私達と一緒に行く事になった妖狐が、11.2歳の男の子に化けて私とリューラさんの間に入ってきます。

簡単に説明しますと…ドン・ガアデを助けた後、他者を騙す能力を世界の役に立てたいと、リューラさんの許しを得て旅の仲間になったのです。
彼の名前は『アローペクス』と言い、自身でも『オイラの事はアローって呼んでくれ!』って事ですが…

一人称が“オイラ”の田舎狐がアローペクスなどという格好いい名前なのはどうなのかと!?
何より、狐のクセに優しく能力を役立てるようにと諭したリューラさんに恋心を抱いてしまったらしく、レイクナバへ(トーマス)を返しに戻った時、息子のポポロへ敵対心を露わにしていたのが腹立たしい!

先程も『迷子にならぬように…』と言って彼女に手を差し伸べたら、アローが私の手を取り中継役としてリューラさんの手を握るという、いけ好かない態度に出てきました。
犬如きにビビってたクセに…まぁ尤も、あの(トーマス)は私も怖いですけど…

「しかし都会は人が多いなぁ…」
「この程度で驚いていては、これから世界を旅するのに足手纏いですよ。 もう数日早ければ、武術大会が行われていた為もっと観光客が多かったのですから…見たかったですねぇ、武術大会」

お前の所為でエンドールへ来るのが遅くなったと嫌味を含めたのですが…
「良かった…私…人混みが…苦手……ちょっとでも…人が減ったくれたのは…助かります」
「じゃぁオイラ早速リューラの役に立ったんだね!」

違う!
お前は私達の邪魔をしてたんだ!
この勘違い狐め…



本当ならば直ぐにでもお城へ赴いて、リック王子の書簡を届けたいのですが…
時間は既に夕暮れ時。
こんな時間に謁見を求めるのは如何なものかという訳で、本日は宿屋に泊まり明日朝一番でお姫様の下へ伺う事にします。

『お金が勿体ないからオイラはリューラと一緒の部屋で良いよ』と、ペットOK的な事を言ってきたので、強引に3部屋を確保しルームキーを各自に渡します。
この悪たれ狐を幼気な少女(リューラさん)と同室にしたら、何をされるのか分かったもんじゃない!

「何を言いますアロー…私達はもう仲間ですよ。お金の事など気にせず、君も一部屋使いなさい」
「ちっ………ありがとうトルネコ。心遣いに感謝です!」
アローは小声で舌打ちをし、直ぐに表情を変えて礼を言ってくる。
100%本心でない事が手に取るように分かった。

「トルネコは…優しい。…良かったね」
私も妖狐(アロー)も互いの心は読み切っているのだが、その対象になっているリューラさんが唯一分かってない。
私の良い人像を壊さぬ為にも、今後もアローには優しく接する振りをせねば…

トルネコSIDE END



(エンドール)
アローペクスSIDE

生まれて初めて人間達と同じように宿屋へ泊まる。
すげーワクワクしてきたぜ!
これもリューラのお陰だろう。

大きな悪戯をしたオイラを殺す事もなく、優しく今後の事を考えてくれたリューラ…
美しすぎるぜ! 惚れちまったぜ!!
お父さんを捜す為、世界を旅しているみたいだし、協力してオイラの良さを知ってもらおう!

まぁ邪魔なのはトルネコの親父だな…
コイツの考えは直ぐに解った…
リューラの美しさに目が眩み、息子の交尾相手に確保しておきたいんだろう。

あんなヘタレにリューラは渡さねー!
この旅を通じて、オイラが男らしいと知ってもらい、一緒に幸せな未来を築き上げるんだ!
だからオイラは今、シャワーを浴びているリューラの部屋の前で、アホが忍び込まないように見張ってやってるんだ。

すると、どことなく性格の悪そうな女が階段を上がって、リューラの居る部屋の前を通り過ぎようとしている。
オイラとしては早く立ち去ってもらいたいのに、オイラの事をジロジロ見て笑顔を振りまいてくる。
何だコイツ…気持ち悪い!

「あら~、結構可愛い男の子じゃない!? 坊やお名前は?」
女はオイラに名前を聞いてきた…
何で名前を聞いてくるんだ? 大体“可愛い”ってなんだよ!

「う、うるせーなぁ…何だよお前…?」
「あら!? 随分と口が悪い坊やね…まぁ良いわ。私の名前はマリー…よろしくね」
お前の名前なんか聞いてねーよ…あっち行けよ馬鹿!

「お前の名前なんかどうでも良いんだよ…オイラに何の用だよ…」
「可愛い男の子に話しかけるのに、用なんて必要ないでしょ! こんな美女に話しかけられたんだから、本当は嬉しくてズボンの中が膨らんでるんじゃない?」

「あっち行けよ…お前みたいな下品な女に、興味を持つ男なんていねーよ!」
「ふっふ~ん! ところがドッコイ居るんだな。私にはアンタでも敵わないイケメンの彼氏が、ちゃ~んと存在するんですよ! ガッカリかな坊や?」

どんな悪趣味野郎なんだ?
オイラに人間の見た目を語られても、狐だから解らねーっての!
リューラみたいに、心の清らかさしか理解出来ねーんだよ!

「そんな彼氏が居るのなら、早くそいつんとこに行けよ」
「うふふ…言われなくても行きますよ! さっきモンバーバラからやって来た腕の長さがチグハグな旅行者が、あそこの人気踊り子と共に私の彼氏らしき人物が一緒にいたって情報を仕入れたのよ! これで離れ離れになった恋人同士が、一緒に甘い時間を過ごせるようにならわ。ライアンちゃんを騙くらかして、ハバリア行きの船に導かないとね! うふふ…やっと希望が見えてきたわー♥」

何やら一人で浮かれる馬鹿女は、嬉しそうに小躍りをしながら別の部屋へと入っていった…
イタイ女なのか?
良くは解らんが、放っておいた方が面倒が無くて良いだろう。

尤も翌日の早朝には、あの女達は宿屋を引き払い、言っていたハバリア行きの船に乗って出かけてしまったらしいけど…
世の中には変な奴が沢山居るんだなぁ…

アローペクスSIDE END



 
 

 
後書き
設定年齢
リューラ:12歳
トルネコ:アラフォー
ネネ:まだまだピチピチ
ポポロ:10歳
アローペクス:12歳ぽい 
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