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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダムSEED
  0186話

 夜も更け、MS工場も昼程の騒がしさは無くなっている。そんな中、俺とウズミはブリーフィングルームで顔を合わせていた。オーブが攻められる可能性については既に指摘した。だが、それはあくまでも今回の本命とも言える交渉の前菜に過ぎないのだ。

「さて、まず1つ目に関してはこれでいいだろう。では2つ目の話に入ろうか。だが、その前に……エリカ・シモンズから水中用MSについて報告は上がっているか?」

 今までの話から唐突に変わったからだろう、何かを思い出すように視線を宙に彷徨わせてから頷く。

「うむ、聞いている。M1アストレイはあくまでも地上戦闘用のMSであり、島国であるオーブを守るのには向かないという話だな?」
「ああ。島国という関係上、敵が上陸するとそのまま本土決戦という流れになる。それなら領海に敵が入ってきた所で攻撃すればいいという事だ」
「確かに君の話も分かるが、その為に海軍が存在している」

 確かにアークエンジェルがこのオーブに近づいた時のように、オーブ海軍が出張ってくれば問題は無いだろう。……それが、アークエンジェルのように単艦であるのなら、だが。

「今回はアークエンジェルだけだったからその言い分も分かるが、連合軍が戦力を集中したらどうにもならないだろう? 同性能の艦が戦うのならどうやっても数の多い方が有利だ。戦術でその差を引っ繰り返すにしても、10倍、20倍相手の敵にはどうしようもない」
「……認めよう」
「だが、そこに水中用MSというファクターがあるとどうなる? ジンとメビウスのキルレシオを思い出して欲しい。また、イージス艦1隻を動かすのに必要な人数と、MS1機を動かすのに必要な人数。それを考えるとどちらが得策かは分かってもらえると思う」

 MS1機で敵艦数隻を沈める事はそう難しい事ではないだろう。それを考えると、人的資源が他国よりも少ないオーブとしては水中用MSは美味しい話の筈だ。
 他国に攻め込んでいる連合やザフトにしてみればMSやMAの補給や整備に母艦が必要かもしれないが、オーブの防衛という事だけを目的にするのなら補給も整備もモルゲンレーテなりなんなりで可能だというのも大きい。
 ……アークエンジェルの基となったクサナギの事を考えれば、少数ではあるが母艦的な役割を果たす事が可能な艦もある事だし。

「なるほど、アクセル君の言う事も分かる。しかし君もシモンズ主任から聞いていると思うが、水中用MSのベースとなる為のM1アストレイの開発を完了させないとどうしようもないというのも説明されていると思うが?」

 良し、食い付いた!
 俺の説明を聞くまでもなく、ウズミなら水中用MSの重要性については理解していただろう。しかし本人が言ってるように、ベースとなるM1アストレイ開発の遅延が響いて水中用MSの開発にはまだ手を出せないでいた。

「そこで、だ。俺からウズミ代表……いや、オーブにちょっとしたプレゼントを送らせて貰おうと思う」
「プレゼント?」
「そうだ。ついてきてもらえるか? 何、行き先はこのMS工場の中だ」
「……よかろう」

 ウズミが頷くのを確認し、ブリーフィングルームを出る。そこから10分程でエリカに用意してもらったMS用コンテナのある場所へと辿り着く。幸い夜も更けてきた事もあり、このコンテナの周囲には誰もいないのでウズミが姿を見られて騒がれる事も無かった。

「さて、このコンテナの中身が俺からのプレゼントだ」
「MSコンテナ? 先程の話からすると、ザフトのグーンでも鹵獲したのか?」

 訝しげに呟くウズミ。……なるほど、その方法もあったか。シーリオンを渡すよりは同じMSという括りのグーンの方が参考になるべき部分も多いだろう。
 そんな風に思いつつ、パスコードを入力してコンテナを開く。
 そこにあったのは装甲を青に塗られた機体。大きさとしては18m前後のMSと比べると一回り程大きいか。どこか戦闘機を思わせる形状で、グーンのようなゴツイ機体に比べるとどこか優美さを感じさせる。DC戦争でDCが開発した水中用AM、シーリオンだ。

「こ、これは……?」

 シーリオンを見て、思わずといった様子で声を上げるウズミ。その様子を見ながら俺は口を開いた。

「水中用AM、シーリオンだ」
「AM? シーリオン? 見た事も聞いた事もない機体だが……説明をして貰えるかな?」
「アーマードモジュール。通称AM。その中でも読んで字の如く水中での戦闘に特化してる機体だ。電動推進機関を使う事により高いステルス性能を有している。また、テスラ・ドライブという高効率反動推進装置を装備しており、短時間ではあるが空を飛ぶ事も可能」
「……」
「そして、この機体は核融合ジェネレーターを動力源とする」
「っ!?」

 俺の説明を聞き入っていたウズミだったが、核融合ジェネレーターという単語を聞くと思わず息を呑んだ。

「……今、何と言ったかね?」
「核融合ジェネレーター」

 再びその単語を聞いたウズミは数度深呼吸をし、気持ちを落ち着けてから口を開く。

「君……いや、このような機体を製造する事が出来るのだ、君達と言うべきなのだろうな。君達はNジャマーを無力化する技術を確立したのかね?」
「惜しいな。Nジャマーは核分裂を抑制させる装置だ。これは核融合ジェネレーター。Nジャマーが効果を発揮するような前時代的な低効率の核分裂エンジンではないので元より効果がない」
「……君は一体どこの組織の者だ? 少なくても連合ではないだろう。もし連合がこのような技術を持っているのなら今頃ザフトは核によって滅びている筈だ。そしてNジャマーによって無力化されない核融合ジェネレーターという動力炉を使った機動兵器をこうしてポンと渡してくるのだから、ザフトとも考えられない」

 オーブの獅子の瞳は、俺の心の底までを覗き込むかのようにこちらを見ていた。
 だが、俺としてもシャドウミラーという存在を背負っているのだ。この程度で負けてやる程に弱くはない。

「俺の所属云々は今はどうでもいいだろう? 今問題なのはこの機体だ。ロック等は掛けていないから誰でも動かす事が可能になっている。この機体を解析すれば水中用MSの開発期間はかなり短縮すると思うが?」

 ロックは掛かっていないが、いざという時の為に技術班謹製の外部から作動する自爆装置が仕掛けてある。しかしオーブ政府が妙な真似をしないのなら使用するつもりはないので教える必要もないだろう。

「……確かに、君の話が真実ならこの機体は宝の山と言ってもいい。この機体の存在価値はそれこそアークエンジェルや5機のGよりも格段に上だ。……だが、本当に私達にこの機体を譲渡しても構わないのかね? この機体の技術を解析する事により、私達は核融合ジェネレーターやテスラ・ドライブといったオーバーテクノロジーを手に入れる事になるが」

 ここで何も望まないでシーリオンを渡すと、かえって疑われるか? ならそうだな……

「もちろん、俺としても無料で渡す訳ではない。先程ブリーフィングルームで話したアラスカでの戦いには、恐らくアークエンジェルも参加する事になるだろう」
「……何?」
「良く考えてくれ。アークエンジェルの正規のMSパイロットは誰だ?」

 正規、という単語を強調する。傭兵の俺はあくまでも外様のMSパイロットだ。軍の上層部が評価するとしたら俺ではなく正規のパイロット……つまり、コーディネーターのキラになるだろう。

「キラ・ヤマト君だろう。それがどうした?」
「本当に分からないのか? あるいは分かってない振りか? まあ、いいが……知っての通り今の連合上層部はとある思想集団に牛耳られている。青き清浄なる世界の為に、ってな」
「ブルーコスモスか」
「そう。あの異常者集団だ。その思想に染まった連合の上層部が、果たしてコーディネーターのキラを主戦力にして戦い抜いてきたアークエンジェルを認めると思うか? 俺はそうは思わないな。コーディネーターがストライクのパイロットをやっていた事を知っているアークエンジェルのクルーごと、アラスカと共にサイクロプスで一緒に消し飛ばす方法を取ると思っている。……連合にとって有益と判断される数名の人員は転属という形で引き抜くかもしれないがな」

 原作通りに進むのなら、ナタルにムウ、フレイの3人か。

「……君は、それでいいのか? 君とてアークエンジェルに雇われている傭兵なのだろう?」

 既にブルーコスモスについてはある程度の情報を入手しているのだろう。そう聞いてくるウズミの様子は、ポーズではなく真剣にこちらの事を心配しているように思えた。

「心配は無用だ。アークエンジェルの艦長であるマリュー・ラミアスは確かに情の人だが、その能力は高い。いざとなったらアラスカを脱出するだろうさ。さて、ここまで言えば俺が何を言いたいのか分かって貰えるな?」
「アークエンジェルを受け入れろ、と言う事か」
「ああ。恐らくその時には共にアラスカを脱出してくる艦も多いだろうが、それら共々受け入れて貰えると助かる」

 原作ではアラスカから脱出する事が出来たのはアークエンジェルだけだったが、連合軍とオーブ軍がぶつかる以上、戦力は多い方がいい。俺としてはあの戦場からなるべく多くの戦力を生き残らせて、オーブの戦力としたい所だ。

「しかしそれでは、オーブが連合軍に睨まれてしまうが?」

 本気で言っているのか、あるいはブラフで言っているのか……恐らく後者だろう。
 それにウズミからすれば、シーリオンという物的証拠はあれども俺の情報に全面的に信頼を置く訳にもいかない。それは俺を信頼出来る出来ないの問題ではなく、為政者としては当然の判断だろう。
 だが、残念だったな。ここで切り札を使わせて貰おう。

「本気で言っているのか?」
「もちろん本気だとも。オーブには連合軍と真っ向から戦える力はないのだ。ならわざわざ火種を抱え込む必要もないだろう?」
「キラ・ヤマト、ユーレン・ヒビキ、ヴィア・ヒビキ」

 突然並べられた名前に最初は不審気にこちらを見ていたが、すぐにその名前が何を意味しているのか悟ったのだろう。こちらを厳しい目で睨みつける。
 そして俺は最後のピースを口に出す。

「そして……カガリ・ユラ・アスハ」
「……」
「さて、もう一度聞こう。本当にアークエンジェルを受け入れる事は出来ないか?」
「……よかろう。もし本当に君の言っているように事態が進んだとしたら、アークエンジェルとその他の艦も纏めて引き受けよう」
「さすがオーブの獅子。見事な度量だ」

 俺の茶化すようなその言葉に一瞬眉を顰めるが、改めてシーリオンへと視線を向け、再びこちらへと視線を向ける。

「先程も聞いたが、改めて聞かせて貰いたい。……君は、一体何者だ? このシーリオンという機体の事はまだいい。……いや、良くはないが私の知らない組織が作ったのだと無理にでも納得しよう。ザフトのアラスカ攻撃においても、傭兵独自のネットワークがあるというのならそれも信じよう。しかし、カガリとキラ君の事に関しては知ってる者は殆どいない筈だ。何故その情報を持っている? まさか、それもまた傭兵のネットワークで得た情報だとは言わないだろうな?」
「さて……世の中には絶対に漏れない秘密というのは、それこそ絶対にないものなのさ」

 原作知識……いや、以前コーネリアに説明したように歴史の流れを大体知っているという風に説明するつもりだが、それはまだ早い。

「だが、そうだな。俺の言った通りに事態が動いて、このオーブに再度アークエンジェルが来たその時……俺の事を教える事が出来るだろう」
「……よかろう。正直、まだ半信半疑……いや、3信7疑くらいだが、このシーリオンという機体が現存する以上は全くの出鱈目という訳でもあるまい。そのような時が来て欲しいような、欲しくないような複雑な気持ちだが、その時を待つとしよう」

 ふぅ、何とか今回の交渉は無事成功だな。後は、俺の持つ情報を得る為に非合法な手段を取るかどうか……この様子を見る限りウズミに関しては大丈夫そうだが、下の暴走があっても困る。

「このシーリオンという機体、有効に使わせて貰おう。まさしく我がオーブにとっては宝の山だからな。それで、この機体は君から譲渡されたと公表しない方がいいのかね?」
「そうだな。今、この時点で俺の名前が広がるのは避けたい。機体の入手経路についてはそちらで適当に設定してくれて構わない。それと……ウズミ代表は大丈夫そうだが、下の暴走には気をつけてくれ。幾ら俺が平和主義だといえども、降り掛かる火の粉は払うしかないからな。……こんな風に」

 ウズミの目の前で、コンテナの壁へと右手を添える。そのまま手を握りしめていき……コンテナの壁には俺の右手によって毟られたような傷がついていた。そのままウズミの目の前まで手を持っていき、握っていた手を開く。すると、毟り取られたコンテナの欠片が床へと落ちていく。
 それを驚愕の表情で見ているウズミへと笑い掛ける。

「オーブの獅子としての、賢明な判断を期待する。……では、今日の交渉はこれで終わりにしようか。有意義な話し合いだった」

 その場にウズミを一人残してMSコンテナから出て行く。チラリと近くにある時計を見ると、既に日付が変わっていた。……マリューに怒られないといいんだがな。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:36
PP:115
格闘:254
射撃:274
技量:264
防御:264
回避:294
命中:314
SP:446
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:278 
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