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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第5章 X791年編
  魔法舞踏会

妖精の尻尾(フェアリーテイル)ギルドにて・・・

「ん?皆さん、一体何をやってるんだ?」

「ダンス・・・?」

俺とウェンディが見たものは、ナツさんを回転させているリサーナさんと、
同じ様にエルフマンさんを回転させているエルザさんだった。

「一体何をやってるんですか?」

俺は近くにいたミラさんに聞いてみた。

「実はね・・・」

事の始まりはナツさんとハッピーが仕事しようと依頼の紙を見ていたら、
ベルベノっていう脱獄囚を捕まえる内容だった。依頼主はバルサミコ伯爵。
さらにマカオさんがバルサミコ家でそのベルベノが出てくるという噂を聞いたそうだ。
さらにそこでは魔法舞踏会があるらしい。
しかしそれに参加するには魔導士である事と、ダンスができる事であり、
どうやらダンスの練習をしているそうだ。しかもダンスはソシアルダンスだという。

「ソシアルダンスですか。素敵だね。」

「ああ・・・あっ!」

そーだ!

「ウェンディ。」

「?」

「Shall we dance?」

俺はそう言い、手を差し伸べた。

「一緒に踊ろうぜ。」

「お兄ちゃん・・・!I’d love to!」

ウェンディは手を取ってくれた。そして俺達はダンスをした。



「へぇ~、コージとウェンディって、踊りが上手だね。」

ハッピーがそう言う。

「まぁ、コージはここにいる男子よりかは上手いと思うわよ。」

シャルルのキツイ一言であった。

「Shall we dance?」

「・・・しょうがないわね。」

シャルルはハッピーの手を取ってくれた。

「俺達も踊ってみようぜ!」

「うん!面白そう!」

ロメオとキナナさんも踊り出した。

「お嬢さん、俺と踊ってくれませんか?」

マカオはミラをダンスに誘った。

「いいですよ。」

「やったー!!!」

「てめぇ!どさくさに紛れて汚ねぇぞ!!!!」

「うるせぇ!どけぇ!!」

「お前こそ!!」

「父ちゃん・・・。」

苦労しそうだな、ロメオ・・・。

「おい。」

「な、何!?」

「言っておくが、俺は踊らねぇぞ!!」

「誰も踊ってなんて言ってないでしょ!!」

ガジルさんとレビィさんの会話を聞いてしまった。すると・・・

「「レビィ!俺と踊ろうぜ!!」」

ジェットさんとドロイさんがレビィさんにダンスを誘った。

「何だよ!俺が先だよ!!」

「俺が先だ!!」

「俺だよ!!」

「俺だ!!」

しかし、2人がケンカしている内に・・・

「「ああ!!」」

「しょうがねぇな、そこまで言うなら・・・。」

「だから、何にも言ってないって・・・!」

「「ああ!何だよそれ!!!」」

ガジルさん、レビィさんの事・・・まさかな・・・。

「ダンスなら任せろである!」

「ビスタ。あんたのダンスは違う。」

「ハッキリ言って邪魔だ。」

「ガーーン!!!」

リサーナさんとエルザさんのキツイ一言でショックするビスタさんであった。








































夜、バルサミコ宮殿にて・・・

「よっと!妖精の球(フェアリースフィア)解除!!」

プアン!

「お、おぉ~・・・!早いな・・・!!!うぷっ!!!」

「コージがいればどこへでも行けるね!!」

「便利だな。」

「妖精三大魔法をこう使うとは・・・。」

(おとこ)だ。」

「この宮殿で魔法舞踏会が開かれるのね。」

妖精の球(フェアリースフィア)の中にいたのは
ナツさん、ハッピー、グレイさん、エルザさん、エルフマンさん、
ルーシィさん、ウォーレンさん、ミントとシャルル、そしてウェンディがいた。
どういやらナツさんはこれをやっても酔うみたいだったがな・・・。
ちなみに、ダンスをしたい為に来ました人もいまし・・・

「(俺の場合、別の用事があるしな・・・もしかしたらだけどな・・・。)」

ドン!ガタッ!

突如、扉が開いた。

「どちら様ですか?」

女性の人が現れた。髪は茶髪で赤色の服を着ていた。

「(うわぁ!!すっげぇ美人!!)」

「って、そんな事わざわざ念話しなくていい!!!」

ウォーレンさん・・・一応、仕事できた人もいますから・・・。

「あんたは?」

「私は、この宮殿の主バルサミコの娘で、アチェートといいます。」

「(舌噛みそうな名前・・・。)」

「「「「「ウォーレン!!!」」」」」

あんた、しばらく念話するな!!!

「俺は妖精の尻尾(フェアリーテイル)のナツだ。」

「我々は、貴公の父君からの依頼を受けてきたのだが・・・。」

「ああ、それなら聞いております。ただ・・・。」

「ただ?」

「あなた方同様にもう1つギルドが依頼にくると聞きましたが・・・。」

「我々以外に・・・?」

「どこのギルドだ?」

「天馬かラミアかな・・・?」









































「いいえ、私、人魚の踵(マーメイドヒール)よ。」

その声に俺達は振り向いた。
そこには薄紫色の髪をし、紺色のスカートに赤色の服を着て、
まるで学生服に近い様な格好をしていた。

「誰だお前?」

「私は人魚の踵(マーメイドヒール)、パープル・ユリアーヌよ。」

「(何ー!?あの人か!!)」

また念話で・・・というか・・・

「一体誰なの?」

「現在、週ソラで彼女にしたい魔導士2位のパープルさんだよ!!」

ウォーレンさんが念話をやめて直接話した。

人魚の踵(マーメイドヒール)って?」

「女子だけのギルドだよ!」

「へぇ~、そんなギルドもあるのか。」

7年経つと色々増えたりしてるんですね・・・。

「う~ん・・・。」

何かそのパープルさんが俺達男子を見てきた。

「中々いいボウヤ達ね・・・。」

「ボウヤって・・・」

「俺もボウヤかよ!!」

「舐めてんのか?」

グレイさん、エルフマンさん、ナツさんがそう言う。

「(パープルさんが俺を見てくれた・・・!!)」

「「「「「お(てめぇ)(貴様)(アンタ)はもう黙ってろ!!!!!」」」」」

ウォーレンさん、そろそろ殴りますよ・・・(怒)

「あら?」

「ん?」

何か俺を見てきた。

「可愛いわね、あなた。」

「その可愛いという言葉、やめてください。」

「いやよ。私、あなたの様な子がタイプなの」

「!!!」

この言葉にウェンディが反応していた。

「まぁいいわ。今は仕事の方をしないといけないわ。」

「あ、案内しましょうか。」

アチェートさんがそう言う。

「俺・・・あの人苦手になりそう・・・ウェンディ、どうした?」

「え!?な、何でもないよ!!」

何かウェンディの様子が少し変だったが、依頼主の元へ行く事とした。





























「私が依頼主の・・・バルサミコ伯爵だ!!」

アチェートさんの膝の上に座っている子供の様に背が小さい人が伯爵であった。
よし!俺より身長が小さい!!!

「だはははっ!!名前も酸っぺぇけど・・・!!!」

「顔も酸っぱいね!」

「アンタ経ちちょっと黙ってて!!」

ナツさんとハッピーの言葉にルーシィさんが怒鳴る。

「さっそく仕事の内容だが、依頼書に書かれたものより、ちぃと複雑でな・・・。」

「聞かせてもらおう。」

「ここにいる、超美人の私の娘の事なんだが・・・」

「シタカミーさんだっけ?」

「違うよ~アチェードあぐぅ!!舌噛んだ・・・。」

「アチェートさんです、ナツさん。すいません、話を進めてください。」

「うむ。今晩行われる魔法舞踏会は、実は娘の婿を決める舞踏会なのだ。」

「ええ~!?お婿さんを!!?」

「あら、お婿さん探しなのね。」

ルーシィさんとパープルさんがそう言う。

「その際、7年に1度だけ披露される指輪がある。
 それがバルサミコ家に代々伝わる大切な指輪なのだ!!」

「じゃあベルベノは指輪を狙って・・・?」

「うむ。実はベルベノは7年前にも指輪を狙い、失敗しておる。
 お陰で婿選びも台無しになった。」

「しかし、ベルベノはこのふうで、いくら変装して舞踏会にまぎれても、すぐにバレルのでは?」

「ベルベノは変身魔法を使うわ。」

パープルさんがそう言ってきた。

「さらに奴はマジカルドレインを使うのだ!」

伯爵がそう言う。

「マジカルドレイン?何だそりゃ?」

「触れた魔導士の魔法を短時間だけ複数コピーできる魔法よ。」

パープルさんがマジカルドレインの説明をしてくれた。

「へぇ~!中々やるじゃねーか!!」

「君達の力を結集し、ベルベノから指輪を守るのだ!!
 できるだけ多くの人を頼みたかったので、2つのギルド、君達に依頼したのだ。
 こやつをとっ捕まえて、再び牢獄に送り込んでほしい!!」

「任せておきな!」

「ご期待には必ず答える!」

「それであの~・・・ベルベノを捕まえたら、依頼書に書いてある通り・・・」

「ん?キャッシュで400万(ジュエル)払おう。」

「やったぁー!!!!」

「ルーシィさん、こんな時に・・・アンタは・・・。」

やれやれ・・・。

「ふふっ。私1人で捕まえれば、私だけになるわ。」

パープルさんがそう言う。

「・・・・・・。」

「ん・・・?」

アチェートさん・・・何か浮かない顔だな・・・?






























着替え室にて・・・

「完璧、エビ!」

「うふふ。可愛すぎて、私がプロポーズされちゃったらどうしよう・・・!!」

ルーシィはそんな事を言い、着替え室が出た。
この着替え室は1人用の部屋である。

「ルーシィ、準備はできたか?」

「うわっ!!何でそんな本気モードになってんの!?」

ルーシィはエルザの格好を見て驚いていた。
エルザは紫色のドレスを着ておった。ルーシィは赤色のチャイナドレスを着ていた。

「仕事とはいえ舞踏会に参加するには最低限の礼儀だ。」

「私、大丈夫かな?」

「ウェンディ!すごく可愛いよ!!コージ君絶対にメロメロだよ!!」

ルーシィはウェンディの格好を見てそう言う。
ウェンディはピンク色のドレスに肩に赤色のケープを着けており、髪はツインテールであった。

「でも・・・ちょっと恥ずかしい・・・////////」

ウェンディは頬を赤くし、そう言う。

「さあ!!舞踏会の幕は上がった!!!我々もステージに上がるぞ!!!!」

エルザの体から赤い炎の様なオーラが現れた。

「エルザ、お芝居の時を同じ位のりのり!!!」

「よ~し!私も頑張る!!その前に・・・お兄ちゃんに、見せてもらおう///////////」

こうして3人は舞踏会の会場へ行くのであった。


























会場にて・・・

「(ウォーレン、ベルベノらしき奴は・・・?)」


「(監視魔水晶(ラクリマ)で会場全てを調べてるんだが、今のところ見当たらねえな。)」

ウォーレンは会場とは違う場所におり、監視魔水晶(ラクリマ)で会場を見ていた。

「怪しい奴がいたら、すぐに教えるよ!」

「それまでは、なるべく自然に振舞って。」

「こっちでも見損ねていたら教えてね!!」

ハッピーとシャルル、ミントがそう言う。


「ナツ達は・・・?」

「あ!いました!!」

ウェンディが指を差した。
そこには白いスーツを着たエルフマン、ウェイターの様な格好をしているナツ、
赤い服に黒いネクタイとズボンの格好をしたグレイがいた。しかし・・・

「ん?コージがいないぞ?」

コージがいない事にエルザは気づく。

「本当だ・・・どこにいるの?」

「私、聞いてきます。」

「では、私とルーシィは行動する。」

そう言い、ウェンディはナツ達の元へ行き、エルザとルーシィはベルベノ探しに行った。

「お、ウェンディ。どうした?」

「お兄ちゃんは?」

「それが、コージの奴。色々大変だったぜ。」

「?」

「更衣室の時なんて、女と間違われてドレス持って来られて怒鳴ったっけな!」

「あれはうけたぜ!!!」

「あははは・・・(汗)」

「あら?あのボウヤはいないのね。」

そう言ってきたのはパープルであった。
パープルは紫色の色っぽいドレスを身に纏っていた。
その姿にグレイとエルフマンは顔を少し赤くなった。

「(すっげぇ服着てらぁ・・・!!)」

「(お、おう・・・。)」

「(パープルさん素敵だ!!!)」

ウォーレンも念話でそう言う。

「まあいいわ。私はあのボウヤが来るまでベルベノを探しておくわ。」

パープルはそう言い、どこかへ行くのだった。





























一方、コージは・・・

「たく!あの人達は俺を女と勘違いするとは!!」

俺はその事でまだ怒っていた。

ゴーン!ゴーン!

「もう12時か・・・くそっ!」

あの人たちが女と間違えた所為で!!

「んぐぅ!んぐぅっ!!」

「?」

何か声が聞えるな・・・声のした更衣室を開けてみた。

「!?大丈夫か!!」

1人の男の子供が縄で縛られていた。口も白い布で塞がれてた。

「何があった!?」

「舞踏会の前、アフロヘアーの男に捕まって!!」

「ベルベノか!!ウォーレンさん!!」

「(こっちも監視魔水晶(ラクリマ)で見た!!待ってろ!!今探す!!)」

どうやら状況がわかった様だ。

「(くそ・・・いま指輪探しで色々人がいるな・・・あっ!)」

「見つけましたか!!」

「(野郎、ウェンディといる!!)」

「何だと!!あのアフロ野郎!!!」

俺は急いで会場へ行った。

























一方、会場にて、12時になったと同時に巨大な時計の中から指輪が現れ、
アチェートの婿になりたがる男達は一そいで走って行った。その中にはエルフマンもいた。
ウェンディはダンスを誘ってきた子供と踊っていた。
また、ダンスする場所は魔水晶(ラクリマ)のついたもので、
2人だけでダンスできる様な広さしかなかった。

「(お兄ちゃん・・・まだかな・・・。)」

「(ウェンディ!そのガキがベルベノだ!!)」

「え?」

すると、その子供は突如、飛んだ。

「変身、解除ぉぉっ!!!」

子供姿がかわり、アフロヘアーの男、ベルベノとなった。

「うっははは!!!」

「うわっ!!」

驚くウェンディ。

「あっ!!きゃあああっ!!」

ウェンディは驚きのあまり、後ろに倒れ、落ちてしまった。

「ウェンディ!!」

ガシッ!!

「お、お兄ちゃん!!」

落ちそうなウェンディを俺は(エーラ)を出し、助けた。

「大丈夫か!!」

「う、うん。それより・・・」

「天竜の咆哮!!」

「!?あいつがベルベノか!!!」

ベルベノはウェンディからドレインした魔法で、
天竜の咆哮を放ち、指輪を取ろうとする男達に向かって放った。

「「「「うわぁぁっ!!」」」」

さらに指輪が天竜の咆哮によって飛び、ベルベノを手に渡ってしまった。

「へへへ。バルサミコ家の指輪は、確かに、このベルベノ様が頂いたぜ!!」

「ベルベノ・・・」

「おのれ!!指輪を返せ!!!」

「やーっと面白くなってきたぞ!」

ナツさんはベルベノに近づき、攻撃をした。

「俺が相手だ!火竜の鉄拳!!」

「ひ。火竜の鉄拳!!」

「何!?」

ナツさんは驚いた。ベルベノが自分と同じ魔法で攻撃してきたのだからだ。

「ドレインされてたか!!」

ドォーーーン!!

「火竜の咆哮!!」

ナツさんは飛ばされながらも、火竜の咆哮でベルベノを攻撃した。

「火竜の咆哮!!」

しかしベルベノも同じく、火竜の咆哮で攻撃してきた。

ズドン!ズドン!!

「っ!」

「ひひ。ダンスしてる間にお前の魔法もドレインさせてもらったのよ。」

「ならば、私が相手だ。」

今度はエルザさんが戦うようだ。

「グレイ!エルフマン!アチェート殿を頼む!」

「任せろ!!」

(おとこ)だ!!」

グレイさんとエルフマンさんがアチェートさんの護衛に回った。

「俺達も降りるか。」

「うん。」

俺も下へ降り、ウェンディを降ろした。

「換装、煉獄の鎧!」

エルザさんは黒い鎧とデカイ剣を換装した。

「換装、煉獄の鎧!」

だがベルベノも同じように煉獄の鎧を着た。・・・似合わない・・・。

「はぁ!!」

ガキィン!!

「ふん!」

ベルベノは剣でエルザさんの剣を払った。そして元の服装へ戻った。

「無駄だ!ここにいる妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバーの殆どの魔法はコピー済みよ!!」

「じゃあ、私はどう?」

そう言ってきたのはパープルさんであった。

「喰らいなさい、バブルショット!!!」

「泡!?」

パープルさんの手から、泡がショットのようにベルベノに襲いかかってくる。

「天竜の咆哮!!」

ベルベノは天竜の咆哮でパープルさんの放ったバブルショットを吹き飛ばした。

「くっ・・・!風はやっかいだわ・・・!!」

「ひひ。」

「てんめぇ、ウェンディの魔法をドレインしやがって・・・!!!俺が相手だぜ!!!」

俺がベルベノと戦うか!!!

「(それに奴には聞きたい事があるしな・・・!!!)」

「よーし!俺もやるぜ!!モノマネ野郎がどこまでやれるか、とことん付き合ってやるぜ!!」

「まあ待てよ。俺はお前等と戦う為にここへ来たんじゃねぇ。」

「うん?」

「ああ?」

どういう事だ・・・?

「前回は失敗したが、さらに7年間辛抱強く待ったのは・・・
 アチェート、お前にプロポーズする為だ。」

「え?」

「プロポーズ・・・!?」

「どういう事ですか?」

俺はベルベノに聞いてみた。

「お前とはガキの頃からの付き合いだったが、俺はずっと、お前に惚れてたんだぜ。」

「・・・・・・。」

幼馴染・・・に似た感じだったのか・・・。

「使用人の息子だった貴様を、特別に娘の遊び相手にしてやった恩を忘れたか!!」

「はん!アンタに屋敷を追いだされてから、何度もアチェートに会いに言ったが、
 アンタは身分違いを理由に、毎回門前払いをしてくれたな!」

「え!?パパ、私そんなの聞いてない!」

「ええい!お前は黙っていなさい!!!」

「俺もそのごもっともな理由で勝手にアチェートの事を諦めた。
 だがそのせいで心が荒んじまって、いつしか悪事に手を染め、気がつけば刑務所暮らしよ。」

「・・・・・・。」

この人が悪事に染まった理由がわかった気がする・・・。

「あいつ、何をごちゃごちゃと!!」

「待て!」

「?」

ナツさん・・・話の内容理解してないんですか・・・。

「私も捕まえたいんだけど・・・」

「悪いけど、もう少し待ってくれ。」

ベルベノを捕まえようとするパープルさんを俺は止める。

「でもよ!務所の中でお前に気持ちをちゃんと伝えてなかった事をずっと後悔してた!
 だから俺は、脱獄してこの7年に1度のチャンスを賭けたのよ!!しかも2度もな!!」

「・・・!!!」

ベルベノはアチェートさんの元へ行き、跪いた。

「アチェート、俺の嫁になってくれ!」

そしてそのまま指輪を差し出した。

「そ、そんなもの、断るに決まってるだろ!!」

伯爵がそう言う。果たして、アチェートさんの答えは・・・

「はい。」

だった・・・・・・・・・て

「え?」

「「ええええっ!!?」」

「「何ぃ~!!!??」」

俺達は驚くのだった。

「アチェート!!!」

「ベルベノ、私もずっとあなたを待っていたのよ。」

そうだったんだ・・・!じゃあ、あの時の浮かない顔って・・・ベルベノを・・・。

「本当か!?じゃあ、本当に俺の嫁さんになってくれるのか!!?」

「ただし・・・」

「え?」

「自首して。罪を償ってからよ。」

「・・・・・・わかった。?」

アチェートさんは左手のを差し出した。
ベルベノはアチェートさんの左手の薬指に指輪をはめてやった。

「「「「「「「「うおおおおおおおっ!!!!!」」」」」」」」

「素晴らしい!!」

「はぁ?」

「ホント素敵!!!」

「感動しました!!」

「ああ。」

「だってよ。」

「うむ!あれこそ(おとこ)だ!!!」

「ふ~ん。やるわね。」

俺達とパープルさんはこれを見て思った事を言う。

「何だかなぁ・・・ごわぁ!!」

エルザさんがナツさんを横から押した。

「2人の門出に拍手だ!!」

エルザさんの言葉と同時に拍手をする。

「(あ、そうだ。聞きたい事があった・・・ん?)」

俺は誰かがベルベノを見ているのが見えた。

かちゃ

「っ!?」

ま、まさか・・・!!?

「避けろ!」

「え?」

ビュン!!!

「がぁ!!」

「っ!!!」

突如、後ろからレーザーがベルベノの右肩を当てた。

「何っ!?」

「何だ!?」

「嘘!!?」

「これは・・・!?」

「べ・・・ベルベノーーーーーー!!!!!!!」

アチェートさんは叫び、倒れるベルベノに近寄る。

「わ、私、治癒をします!!」

ウェンディはベルベノに近づき、治癒をかけてやった。

「や~れやれ。バルサミコ家の指輪。
 いい魔力とかあるのかと思ったが、大した事のない物だ。骨売り損のくたびれ儲けだったぜ。」

「「「「「「「「!!?」」」」」」」」

声をした方を俺達は向いた。そこには1人の男がおった。
右手には銃の様な形をした物があった。

「な、何だ貴様は!!?・・・まぁいい・・・ベルベノをやってくれ・・・」

ビュン!!!

「うおっ!!?な、なな、何をする!!?」

「ふん。顔が酸っぱそうな顔をしたチビ親父、うざいんだよ。」

「なんじゃとぉ!!!」

「殺すぞ?」

「ひぃ!!!」

伯爵は男の気迫にビビり、腰を抜かした。

「貴様!!何者だ!!!」

「俺か?俺の名はダルギール様だぁ!!!!」

「(ダルギール!!
 凶悪な魔道士で、あらゆる危険なマジックアイテムを作って、指名手配されたんだ!!)」

ウォーレンさんが念話そう説明をする。周りの人達も驚いていた。

「何でその男が・・・!?」

パープルさんも驚いていた。

「こいつがバルサミコ家の侵入とかを聞いてな、少し協力してやっただけだよ。
 ああ、ちなみに監視魔水晶(ラクリマ)があったから、
 俺の発明した魔法機械によって、俺だけを映らないように仕組ませておいたぜ。」


「(どうりでこいつの姿が見つからない訳だ!!)」

「(だてに科学者って名乗ってるだけあるわね・・・。)」

「(なんて奴ー!!)」

ハッピー、シャルル、ミントの念話が聞えた。


「バルサミコ家の指輪がどんな物かを調べてみたかったが・・・どうも下らん物だ。」

「なぜベルベノを撃ったのは!!」

「必要無いから殺しただけだ。
 本当はバルサミコ家の指輪はいい物だったら、殺して奪う予定だったけどな。」

「てめぇ・・・許さねえ!!!」

(おとこ)としてあるまじき行為!!!」

「待ってナツさん、エルフマンさん。」

ナツさんとエルフマンさんが攻撃しようとするのを俺は止める。

「んだよ!!?」

「何だよ!!?」

「・・・やっぱり・・・お前、ベルベノと一緒にいたのか・・・。」

俺はそう言う。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です!
今回の話はアニメ版で出てきた話ですが、オリジナル展開にし、オリキャラも出しました。
今回出てきたオリキャラのパープルさん。
彼女の容姿は遊戯王のタッグフォースの藤原雪乃と同じです。
何となく、出してみたくなりました。彼女はいずれまた別の話で出そうと考えています。
次回はこの後のオリジナル展開で戦いとなります。お楽しみに~!! 
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