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インフィニット・ストラトス~二人の白の騎士~

作者:トータス
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第2話 『守りたいもの』

 
前書き
お待たせいたしました。
ようやく続きを書き上げることができました。
どうぞお楽しみください。 

 




それは日本の領空に突然現れた。


 日本は領海,領空共に24時間体制で常に監視している。

 正体不明の船舶や航空機が領海,領空に接近すればレーダーがそれを捉え警告を発することになっている。

だがそれはいきなり領空に出現した。

日本政府はそれに対しただちに非常事態宣言を発令。 陸・海・空の自衛隊が出動し太平洋,太平洋沿岸に防衛線を張った。







防衛司令部


「いったいアレはなんだ!?」


その言葉は,その場にいる者の気持ちそのものだった。

モニターに映し出されているものは,この世界最強の兵器『IS』だ。
正式名称『インフィニット・ストラトス』。宇宙空間での活動を想定し,開発されたマルチフォーム・スーツである。


開発当初は注目されていなかったがある事件をさかえに一変する。


『白騎士事件』―――――――ISの存在が発表されてから1カ月後に起きた事件だ。

日本を射程内とするミサイルの配備されたすべての軍事基地のコンピュータが何者かに一斉にハッキングされその結果,2341発以上のミサイルが日本へ向けて発射されるという歴史に類をみない大事件。

 日本は混乱の極みに陥った。
 平和ボケしていた国民は突然の出来事に戸惑い,絶望した。


だがそのミサイル群を白いIS――――――通称『白騎士』が迎撃した。


白騎士はミサイルの約半数を落としたのだ。(つるぎ)のみで・・・・。


その光景を見て各国は,色めき立った『白騎士』を捕獲もしくは撃破しようと軍隊を送り込むほどに。

ところが大量の戦闘機や戦闘艦など軍事兵器の大半を白騎士によって無力化された。『白騎士事件』での死者は皆無だった。

 この『白騎士事件』以降,ISとその驚異的な戦闘能力に関心が高まることになった。


よって従来の兵器を凌駕する『IS』の圧倒的な性能が世界中に知れ渡り,宇宙進出よりも『飛行パワード・スーツ』として軍事転用が始まり世界各国の抑止力の要が『IS』に移っていった。


ISは核となるコアと腕や脚などの部分的な装甲であるISアーマーから形成されておりその攻撃力,防御力,機動力は非常に高く究極の機動兵器である。


 特に防御機能は突出して優れており,シールドエネルギーによるバリアーや『絶対防御(ぜったいぼうぎょ)』などによってあらゆる攻撃に対処でき,操縦者が生命の危機にさらされることはほとんどないなど安全面においては絶対の信頼がおかれている。

さらにISには武器を量子化させて保存できる特殊なデータ領域があり,操縦者の意志で自由に保存してある武器を呼び出せる。ただし,全ての機体で量子変換容量によって装備には制限がかかっている。

 ハイパーセンサーの採用によって,コンピューターよりも早く思考と判断ができ実行へと移せるようになっていることも大きな要因となっている。



コアを製造できるのはISの開発者である篠ノ之(しののの) (たばね)博士のみで,ある時期を最後に篠ノ之博士はコアの製造をやめたためISの絶対数が467機となってしまった。

 これにともない専用機を持つ者は特別扱いされることが多くなった。コアの数に限りがあるため新型機体を建造する場合は,既存のISを解体しコアを初期化しなくてはいけないといった問題もある。
 しかし,現在日本に接近している『IS』は500機以上,これだけでも世界をゆるがす問題になっている。
 

 日本が保有しているIS部隊と米国のIS部隊,その他の国のIS部隊を総動員しているがまったく数が足りていないのが現状だ。
 


 



 ◆






「それにしても奴らはいったい何者だ?」

「さぁ,現段階では敵なのか味方なのかまったくわからないわ」


 アメリカ軍IS部隊,副隊長のイーリス・コーリングが長年の付き合いでもあるアメリカ軍IS部隊,隊長ナターシャ・ファイルスに今回の正体不明のIS群について何気なく聞く。

 彼女たちは普段は『地図にない基地(イレイズド)』で共に軍属している。だが,今回の正体不明のIS部隊による日本侵攻で日米安全保障条約にもとずき防衛に駆り出されたのだ。


 アメリカの真の狙いは正体不明のISがどこの国,あるいは組織のものか突き止め正体不明のISを鹵獲,それに使われている技術を解析することだ。
 前回の『白騎士事件』のような失敗を繰り返さないように今回は慎重に,あくまで日本の支援という形をとっている。



「あのISを鹵獲することが今回の任務だろ?」

「そうね。世界に現れた新たなコアを搭載するIS・・・・・。上層部はどうしても新たなコアの情報がほしいそうよ」

「あんだけの数と一戦まじえるこっちの身も考えろよなぁ」

「まったくだわ。こっちは圧倒的にISの数が足りてないのに」

「他の国は?」

「現在IS部隊を日本に主に派遣しているのはロシア,中国,ヨーロッパよ」


 世界中のISが日本に集結しつつあった。


〈レッドアラート,IS搭乗員はただちに出撃せよ!!〉


 艦内に警報が鳴り響き,乗組員が大急ぎで自分の持ち場に走る。ナターシャとイーリスもすぐさまカタパルトデッキに走る。


 カタパルトデッキに到着すると2人の体が光に包まれる。それもほんの1秒にも満たないわずかな時間でISを身に纏い発進位置に移動する。


「やっと出番かぁ!」

「そのようね」

「イーリス・コーリング,出るぜ!」

「ナターシャ・ファイルス,行くわよ!」


 2機のISが空に飛び立ち,他の艦からもISが続々と空に上がっていく。

 この戦いを生き残った者は口々に言う・・・・・・。

 戦場で白騎士を見たと・・・・。












  ◆











気づいたら暗闇の中にいた。

 最後に見た光景は敵の艦の至近距離でスーパーヴァリスタを撃ったところで意識が途切れた。
 僕は死んだのか。

 ここが地獄なのか。


「・・・れ・・・・い・・」


 声なのか?


「これ以上行かせるな! ここで食い止めるんだ!!」
「俺たちをなめるな!」


 誰かが戦闘をしている。
 止めなくては,これ以上悲しみを生み出してはいけない。


 体を動かそうとするがピクリともしない。
 動け・・・こんな時に動かなくてどうするんだ!

 また後悔するのか!
 これ以上,だれかが傷つくのはもうごめんだ!



 すると突然,視界が光に包まれた。
 

 そこには戦場が広がっていた。

 撃沈した駆逐艦。
 空中で撃墜される戦闘機。

 ナイトメアではなく,見たこともない騎士の甲冑を纏った人間が同じく全身を鎧で覆った騎士と空中で切りあい,撃ち合う。


 それにあの大型浮遊航空艦が確認できる。

 

 ここはいったいどこなんだ・・・・・・。


 いや,考えるのは後だ!

 この手をまた血で染めることで,助かる命があるならいくらでも染めてやる。


 
 もう少し付き合ってもらうよ―――――エスペランサ。






 その日,世界に青い翼を羽ばたかせ白騎士が戦場に舞い降りる。
 



 

 



























 
 

 
後書き
いかがでしたか?
いよいよ次の話はライがISの世界に本格的に介入していきます。
投稿が遅れるかもしれませんがこれからもよろしくお願いします。
ご意見やご感想があればよろしくお願いします。 
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