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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダムSEED
  0166話

 アークエンジェルを迎えに来た第8艦隊の先遣艦隊。その艦隊が今、ザフトのクルーゼ隊による攻撃を受けていた。それを救出する為に出撃した俺、キラ、ムウはそれぞれの戦闘を繰り広げている。
 キラのストライクとムウのメビウス・ゼロは先遣艦隊に襲いかかっているジンと。そして俺のブリッツは隙あらば俺の脇を抜けてストライクへと向かおうとしているイージスと。

「あまりつれなくされると、落ち込むな!」

 トリケロスに装備されているビームライフルを発射。それをシールドで防いだイージスは、こちらへと急速に近づいてビームサーベルを振り下ろしてくる。しかしそれは後退する事で回避し、左手にブリッツの腰に括り付けてあったジンの重斬刀を装備する。
 ブリッツが新たに装備した重斬刀がPS装甲には効かないと判断したのだろう。より攻撃的にビームサーベルを振り下ろし、薙ぎ払い、突いてくる。その攻撃をバーニアの噴射による最小限の動きで回避し、トリケロスで防ぐ。そして……

「そこだっ!」

 幾ら攻撃をしても当たらないという状況に苛立ったのか、より攻撃的に、さらに攻撃的にという風に防御の事を忘れたかの如くビームサーベルで斬りかかってくるイージス。俺が回避に専念して反撃していない事や、装備しているのが重斬刀だというのも関係していたのだろう。
 大きく振り上げられたその一撃を回避し、左手に持った重斬刀でイージスのコックピットがある胸の部分に大して横薙ぎに強烈な一撃を加える。

 ガンッ

 という音が響くが、もちろんイージスの装甲は無傷だ。
 ……そう。装甲は確かに無傷だが、コックピットに伝わる衝撃はかなり強烈なものだったのだろう。PS装甲は確かに通常攻撃を無効化する。だが、その際に与えられる衝撃までは無効化してくれないのだ。
 その衝撃の効果か、イージスの動きが一瞬止まり……

「はぁっ!」

 その隙を逃す筈もなく、動きの止まったイージスのコックピット付近に重斬刀を叩き付け、さらに叩き付け、そして最後に叩き付ける。
 コックピット周辺を集中して狙った効果もあり、イージスの動きは完全に止まっている。もしかしたらアスランが気絶しているのかもしれないが。
 PS装甲を叩き続けた為、既に刃物というよりは棍棒としてしか使えなくなった程に刃が潰された重斬刀を振り上げ……そのまま後方へと叩き付ける。同時に右手のトリケロスからランサーダートを2本発射。ロケット推進により鋭く発射された2つの矢は、重斬刀の一撃をなんとか回避したジンの胴体へと突き刺さり、内部から炸裂するという効果を十分に発揮してジンが爆散した。
 しかしジンは残り2機でムウとキラで受け持っていた筈だが……違う、残り6機だと!? 後詰めが出たのか? おまけに視界の端ではムウのメビウス・ゼロがガンバレルで1機のジンを撃破したものの、後詰めのジンによる攻撃を食らいその機体から黒煙を上げている。

「すまんアクセル、しくじった。くそっ、立つ瀬ないな」
「気にするな。こっちもイージスは半ば無力化したと言ってもいい。残りのジンはブリッツとストライクでどうにかなるだろう。お前はアークエンジェルに帰投しろ」
「悪いな、気をつけろよ」

 短く言うと通信を切りアークエンジェルへと向かっていく。アスランに関しては原作通りに進めばこちらの戦力になるのだからこの時点で撃破する訳にもいかず、ナスカ級がいる宙域へと蹴り飛ばす。敵機の数は残り5機。なんとかなる……っ!?
 そう思った瞬間、先遣艦隊の内の1隻にミサイルが着弾、爆発する。

「数が多い!」

 先遣艦隊の旗艦であるドレイク級のブリッジへとバズーカを撃ち込もうとするジンの背中へ重斬刀を叩き付ける。イージスへと幾度も叩き付けられて既に完全に切れ味を失ったその重斬刀は、刀としてはともかく打撃武器としてはそれなりに使えるようで、殴りつけたジンをバズーカを持ったまま戦艦のいない宙域へと吹き飛ばす。そのジン目掛けて最後の一本であるランサーダートを発射。胴体を貫通し爆散させる。
 っ!?
 ジンが爆散したその瞬間、念動力により危険を感じ取る。

「加速っ!」

 咄嗟に精神コマンドの加速を使用し、その場を離脱。次の瞬間にはブリッツのいた場所を緑のビームが通り過ぎ、先遣艦隊の旗艦であるドレイク級を中に乗っている筈のフレイの父親ごと撃ち抜いた。
 俺ごとドレイク級を狙う、だと? ……クルーゼか!?
 ビームの来た方をモニタに表示すると、そこにはクルーゼ隊の旗艦であるナスカ級、ヴェサリウスの姿があった。
 そしてドレイク級が沈んだと見るや、まだ残っていたジンが攻撃の矛先を変えるべく進路をアークエンジェルへと向ける。

「キラっ!」
「分かっています!」

 キラへと通信を送り、アークエンジェルへと向かった4機のジンへとトリケロスに内蔵されているビームライフルの銃口を向け……

『ザフト軍に告ぐ。こちらは地球連合軍所属艦、アークエンジェル。当艦は現在プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの令嬢、ラクス・クラインを保護している』

 宙域全てにアークエンジェルから発信されたナタルの声がオープンチャンネルで響き渡る。……そうか。結局原作通りになってしまったか。

『偶発的に救命ポッドを発見し、人道的な立場から保護したものであるが、以降当艦に攻撃が加えられた場合それを貴艦のラクス・クラインに対する責任放棄と判断し、当方は自由意志でこの件を処理するつもりである事をお伝えする』
「ア、アクセルさん、これって!?」

 動揺したキラの声。俺はそれをただ黙殺するしかなかった。

「っ!? キラ!」

 いつの間にか気絶から復帰していたのか、イージスがこちらへと向かって来る。嫌なタイミングで復活を……
 だが、当然ラクスを人質に取られたアスランが攻撃を仕掛ける事が出来る訳もなく、ただ通信がキラへと送られてきただけだった。直前まで俺とキラが通信をしていた為に、アスランの通信がブリッツにも聞こえてくる。

「救助した民間人を人質に取る。そんな卑怯者と共に戦うのがお前の正義か! キラ!」
「アスラン……」
「彼女は助け出す、必ずな!」

 それだけを言うと、ナスカ級へと帰還していく。俺は無言でストライクとの通信を切断する。俺に出来るのは、キラとアスランの繋がりを知らない振りをしておくだけだった。





「兄ちゃん、無事だったか」

 アークエンジェルへと帰還し、ブリッツから降りた俺にそう声を掛けてきたのは早速メビウス・ゼロの修理に取りかかっているマードックだった。

「ああ、だが重斬刀はもう使えないがな」

 既に鈍器と化した元重斬刀だったが、それでも一応という事で格納庫の隅へと移動させられている。

「ま、どうせ拾い物だ。巨大ビームライフルは既に回収してエネルギーの充電を始めている。……にしても、この船が出航してからの事を考えると疫病神に思えてくるな」
「疫病神って言ったらクルーゼの方だろ?」

 コンピュータの前でマードックと一緒にメビウス・ゼロのチェックをしていたムウが口を挟んでくる。確かにクルーゼは人類を滅亡させようとしているんだから正真正銘の疫病神以外の何者でもないな。……出来れば早い内に殺しておきたい所だが……へリオポリスで仕留め損なったのが痛い。次に奴が戦場に現れるのはアラスカでのサイクロプスの自爆攻撃の時だったか。だが、あの混戦ではクルーゼを発見出来るかどうかは疑わしいな。
 そんな風に考えていると、ストライクから降りたキラが俺達の後ろへと移動してくる。

「どういう事ですか!」
「どうもこうも……聞いたろ? そういう事さ」

 ムウはそれだけ言ってメビウス・ゼロの方へと向かう。それを追うキラ。

「あの子を人質に取って脅して、そうやって逃げるのが地球軍って軍隊なんですか!」
「そういう情けねぇ真似しか出来ないのは、俺達が弱いからだろ? 俺にもお前にも、艦長や副長を非難する権利はねぇよ」

 そんな2人のやり取りを聞きながら、俺はMS格納庫を出てパイロットスーツを着替えてから自分に与えられた部屋へと戻る。





「……ふぅ」

 ドサリ、とベッドへと倒れ込む。
 人質、か。過去にシャドウミラーとして色々と汚い真似をしてきた身としては、色々と思う事がないでもない。基本的にこの艦に乗っているのは技術畑上がりのマリューや民間人のキラといった風に、軍人らしい軍人はそう多くはない。だからこそ、その軍人であるナタルやムウにとっては救助した民間人を人質に取るという手段を容認する事も出来たのだろう。

「アクセルさん、いるかしら?」

 ドアがノックされて聞こえてきた声。それはこの艦の艦長である筈のマリューのものだった。

「ああ、開いてるぞ」

 ベッドから起き上がり、マリューを出迎える。開いた扉から顔を見せたマリューはその手に飲料水か何かが入った容器を持っている。

「ちょっと話を聞いて貰いたくて。……もしかして寝てた?」
「いや、ちょっと休んでただけだ。入ってもいいぞ」
「ありがとう。……はい、これ。お茶だけど構わないかしら」
「ああ」

 差し出された容器のストローを口に含み一口啜ると、緑茶特有の軽い苦みが口の中に広がる。

「……」
「あら、どうかした?」
「いや。大西洋連邦の艦なのに、まさかお茶と言われて紅茶じゃなくて緑茶が出てくるとは思わなかった」
「そう? 結構人気あるんだけど」

 俺がベッドに座り、マリューは机の側にある椅子へとその腰を下ろす。

「で、話というのはやっぱりラクス・クラインについての事か?」
「……ええ。アクセルさんはバジルール少尉のあの行動をどう思った?」
「そうだな、知っての通り俺は正規の軍人という訳じゃない。傭兵という仕事柄色々と汚い事もやってきた」

 正確には傭兵ではなく特殊部隊なのだが、それはこの際どうでもいいだろう。

「だからと言う訳じゃないが、俺は自分が生き残る為だったら民間人を人質にするという事だってそう躊躇せずにやるだろうな」
「……」
「もっとも……だからと言ってマリュー、お前が俺みたいになる必要はないがな」
「え?」
「以前も言ったと思うが、お前の情の深い所は軍人としては欠点かもしれない。だが、人間として見るのなら十分な美点だ。それにこのアークエンジェルという艦は普通じゃないだろう?」
「普通じゃない?」
「ああ。何せブリッジ要員の半分近くが民間人で、パイロットにしたってムウはともかく俺は傭兵。キラに至っては学生だ。おまけにへリオポリスの避難民も乗り込んでいる。……そんな艦の艦長が典型的な軍人だったらどうなると思う?」

 マリューが自分の持っている容器へと口を付け、少し考えてから口を開く。

「効率的に動く事ができるんじゃないかしら?」
「まぁ、それもある。だが、その結果軍人としての訓練を受けていないサイ達はかなりのストレスなりなんなりが掛かっていただろう。その点、マリューは良い意味でも悪い意味でも情が深い性格をしている。そんな艦長だからこそ学生組は精神的に安定しているんだと思うがな」
「でも、艦長が軍人……それこそバジルール少尉のような人なら今の私達のように追い詰められてはいなかったんじゃないかしら?」

 自分の言った言葉に落ち込むマリュー。自分よりもナタルの方が軍人としての適性は高いと理解しているのだろう。

「確かにそうかもしれないが、必要な時には人に頼っても構わないだろう? それこそ今だってC.I.C.はナタルに任せてるんだし。同じようなものだと思わないか?」
「頼っても……いいのかしら」
「当然だ。俺だってもちろん何かあったら手を貸すさ。いつでも頼ってきて構わない」
「……本当に?」
「ああ」

 俺よりも年上の筈のマリューが見せたその表情は、どこか心細そうなものだった。

「何、俺とマリューはそれなりに長い……訳でもないのか」
「ふふっ、そうね。アクセルさんと会ってからまだ半月程度しか経ってないのに……随分と長い事一緒にいるように感じられるわね」
「それ程中身の濃い日が続いたって事だろう。……それよりも、なんでマリューは俺の事をさん付けで呼ぶんだ? 普通にアクセルで構わないが」
「最初に会った時からアクセルさんと呼んでいたから、それで慣れてしまったのね。……アクセル?」

 改めて俺を呼び捨てにする照れによるものか、顔を赤くして俺の名前を呼ぶマリュー。その様子に口元に笑みを浮かべながら持っていた緑茶入りの容器を掲げる。

「じゃ、今日は俺の名前をマリューが呼び捨てにした記念日だな」
「ちょっと、何よそれ」

 俺の言葉に笑みを浮かべるその様子からは、すでに部屋に入ってきた時の沈んだ表情は消え去っていた。

「……ありがとう、アクセル」
「ん? 何がだ?」
「何でもないわよ。それよりもう少し話していっても構わないかしら?」

 マリューのその言葉に頷き、この激動の半月の中で初めてゆったりとした時間を過ごす事が出来た。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:510
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:259 
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