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なりたくないけどチートな勇者

作者:南師
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2*ルナティック体験版

見渡す限り草、草、草でたまに土。
そして360度が北海道よろしくな地平線。
しいて言うなら遠くに岩山的な物がちょこんとある程度。
それ以外はなにもなし。

自分、目覚めたらこんなところで寝てました。


いやいやいや、ちょいまて、何故こんなところで寝ている自分。
丁寧にパジャマまで着て、昨日寝たのは自分の家のふかふかベッドで青臭い草ベッドではない、そもそもここは家ではない。

…うん、わかってるよ、うん。昨日の自称・神が自分を異世界とやらに飛ばした(正確には落とした)からここにいる。

さすがにこの状況で昨日のあれは夢でした、とは言えない。
つまるところ、ここがその異世界なのだろう。

どんな世界かはしらねぇけど。
はぁ…


まぁここまできたらどうとでもなれだ。
変な能力ついてる(らしい)しどーにかなる…はず。


……自信無くなってきた。

とりあえずどっかいこう、歩き出さなきゃどこにもつきません。

とっ、なんか落ちた。


ナニコレ、赤い表紙の本、つかパンフ?
えーと【神様の力の使い方と異世界について】?

あんなら最初っから渡せ、あの貧乏神!!
そしてなんつーご都合主義。


…とりあえず読もう、薄いけど、4ページくらいしかないけど。
ホントに書いてんのか?


【そのいち・イメージしたらなんでもできます、なので知ってる技や魔法をベースにどんどんやってみましょう。】

…うん、この能力はご都合主義と命名しよう。
そして言いたい事は何となくわかる。
某未来ロボのポケットもなんかつかえたけど本家は袋だしね。
全く同じじゃないらしいね。
つまり応用がきく。


【そのに・その世界には魔法があります。
そして、いろいろと出せますが魔法の力は君には無いです、なので魔法じゃありません。もっと神秘的な、神懸かった、私のスーパーなちからです。
常人にはとうていできない能力です。】

魔法、ね。
お約束だよね、自分にとっては恐怖でしかないが。
というか必要な情報が最初の一行だけじゃねぇか。
そして最後の方はスルーだ、いちいちつっこんでらんねぇ。


【さいご・その世界では言葉が通じますが、文字は読めません。
以上。】

…終わり?
もう?
こんどは書くのめんどくなったか、なんか手書きっぽいし、コレ。
てかまだ2ページはのこってんのになにさのこりの2ぺー…うわっ、きたねっ!
ナニコレ、地図って書いてっけど到底みえねぇ、萎びたミミズ並べたほうがまだ地図といえる。

字は綺麗なのに神様に絵心はないらしい…。
ん、他にもなんか書いてる。

【PS・これ読み終わったら戦闘だから練習してみなさい。
とゆうわけで、後ろ向いてみて。
じゃあ、健闘を祈る、おーばー♪】

おーばー…。

…よし、歩こう。
人生は前に向かって歩くのが一番、後ろに気配や獣の臭いを感じても、振り向かず、前をみて……。


「ブルァァァァァァァァ!!!!!」

ひいぃぃぃぃぃ!!!!!!

そう、自分がパンフを読んでる間に自分の後ろ5メートル弱の所に待機なさっていたのが、何を隠そう、オッコトヌシ様の如き雄々しい猪様でございます。
これから祟り神になるんじゃねって勢いで睨んでおられます。

自分、死んだな。

っと、来る来る来る、突進してくる!
死にたくないって!
うぉっ!

なんとか避けた、右に転がってなんとか凌いだ。
そして彼は走って行った。
けどね、あれよ。

「ブフゥゥ」

やっぱし戻ってくるのね。
わざわざ止まって自分にロックオンして。
遮蔽物がないからぶつかったりしないから彼も無傷だし。

「ブファァァァァァ!!!」

次きそうです、はい。
つかきます。
やらなきゃやられる。
練習って、言われても死にそっすよぅわっ!!!

またきた、突進。
直線でしかこないから避けるのは簡単だけど、
いかんせん体力がもたない。
なにか、なんかないかっ。

「ブルァァァァァァァァ!!!」

っつ!
またくる!

彼は止まって方向をこっちを向こうとしている。
もういい、どうとでもなれ。
だめでもともとじゃい。!
そう思いながら自分はポケットからコインを出して。
構える、猪さんに狙いを定めて。

そして

「吹きっ、飛べーー!!!」

叫びながら撃った、藁にも縋る思いであのクソ女神の言葉を信じて。
真っ先に思い付いた必殺技的な物をぶっ飛ばした。

すると

ドゴオォォォォォォ!!!!!

轟音と一緒に巨大なレーザーのような物が飛んでった。
そして30メートルほどの距離の地面をえぐって消えた、猪さんは痕跡も残ってない。

いや多分あの黒いばらばらになった塊がもともと猪だったものだろう。
うん、猪様の成れの果て。

対する自分は茫然自失。

「はいっ?」
事が起こってからこの言葉を発するまで20秒はかかった。
そして

「なんじゃこりゃぁぁ!!!」

叫んだ、限りなく。
そりゃあまさかホントにツンデレビリビリ少女の必殺技がでるとはおもっちゃいなかったからね。

とりあえず。

身体は無事だけど精神ズタボロです。

このままいけばいずれ、いや、絶対ストレスで胃潰瘍になる自信がある。
…はぁ

とりあえず落ち着こう、はい深呼吸。
吸ってーはいてー、吸ってーはいてー。



……

………

うん、なんとか落ち着いた。
心はボロボロのままだけども。

っと、まずは現状を確認しましょう。
・切羽詰まった自分は超○磁砲をぶっ放した
・猪さん滅殺

以上の事からあの自称・神は本物の神様で、自分命名・ご都合主義能力は…長いからESPでいいや、魔法じゃないらしいし、ぶっ放したの超能力だし。
とりあえずあれも本物の能力っつーわけであるということがわかる、うん。

わかるけど、釈然としない。

シュバッ!

うん、本物だ。
中二病の象徴である[目からビーム]ができた。

まじでなんでもありだなぁおい。
あぁ、鬱になる。

とりあえず、身を守る術を会得したので歩き回ってみよう。まずはあの岩山にいってみましょうか、あそこならなんか見えるかもしれないし。






?????

ガチャガチャガチャ

ガチャガチャガチャ

鎧の擦れ合う騒々しい音が扉の向こうから慌ただしくきこえてくる。

「隊長!また東の方向よりこんどは謎の光の筋が飛んでいきました!」

鎧姿の男が報告をするため扉を開けて駆け込んできた。

「何処にむかってだ。」

隊長と呼ばれた20歳ほどの赤髪の青年が、低い威厳のある声で質問する。

「北の空に飛んで行きました!
また、魔力は感知されませんでした!」

「…そうか、下がっていいぞ。」

「ハッ!」

兵士が下がると青年は頭を抱えた。
何分謎が多すぎるのだ。

いきなり東の草原から轟音と奇怪な光がでてきて、さらにこんどは光の筋が空に向かっていった。
さらにそれらから魔力が感じられない、つまりあれは魔法ではない。
そんな珍事が目の前で起きては兵士たちも警戒せざるをえない。
そしてなによりも謎なのが近頃あの草原のに住み着いていた[カームル]と呼ばれる魔物の魔力反応が消えた事。

カームルとは見た目はでかいだけの猪だが、肉食で凶暴、魔法は効かず、剣も厚い皮膚と魔力の壁による防御で弾かれ、なにより一撃の破壊力が凄まじい。
並の者なら一撃で即死だ。

それが消えた。
討伐隊を編成しようとしていた矢先なので、普通は喜ばしいのだが、なにせ何故消えたかが謎なのである。
その原因がこの城を襲わないともかぎらない。

直接行って調べるのが一番だが、場所が草原で、草と土以外なにもない。
あるとしても小型の魔物くらいだ。
なので隠密部隊に行かせても、隠れることが出来ず意味が無い。

この城で一番強い彼が一人様子見に行くわけにもいかない。
彼自身、凄腕の魔法剣士だが、それでも一人ではカームルを倒せないからだ。
したがってそのカームルを倒した者が一人だろうと数人だろうと彼一人では絶対に勝てない。

したがって彼は決断し、近くにある魔法石をとって、それにむかい言った。

「第1師団から3師団までを率いて原因を探りにいく。
各隊長、副隊長も含め全員だ。
出発は10分後、ほかの隊は全力で城を守れ。
そして、姫だけはなにがあってもお守りしろ。」

この城には8師団までが揃って居て、そのなかでも数が若い方が強い。
つまりこれは戦争にいくのと同じような量だ。
普通は有り得ない。

しかしそれに対し、了解の意が魔法石から聞こえてくる。
それだけ事態は深刻なのだ。

そして彼はそれを聞き、マントを取って部屋を後にする。

第1師団隊長、ゼノア・ランドルフ。
彼は、戦争並の軍隊を率いるために歩き出した。

 
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