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魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~

作者:雪月花
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第17話『時の砂時計』

カズマ「失礼しま~す。シャーリーさん居ますか~?」

シャーリー「あ、カズマくんいらっしゃい。入って入って」


 シャーリーさんに手招きされラボの中に入る。


カズマ「何ですか?用事って」

シャーリー「うん、デバイスについて何だけど…これを見てくれる?」


 そう言ってモニターに映し出されたデバイスの設計図をみる。
 初めて見る形状のデバイスだな。


カズマ「あの、これは何ですか?」

シャーリー「これが、ブレイブハートの真の姿なの。ブレイブハートの開発コンセプトは覚えてる?」

カズマ「えっと、確かフロントアタッカーからセンタガードまで一人で行うことが出来るようにするため…ですよね?」

シャーリー「うん♪その通り。あの時はまだまだ開発途中だったけどつい最近やっとブレイブハートにだけ出来るようになったの。だから、この機能を搭載させたいからちょっとデバイスを貸してくれない?」

カズマ「はぁ…そう言う事なら構いませんが」


 シャーリーさんにブレイブハートを渡すと「直ぐに出来るから待っててね」と言われ待つこと数十分。


シャーリー「おまたせ~、通常の運用は今までと変わらないけど新しい機能『合体(ユニゾン)』と『エクシオン・モード』を積んだから。好きなときに合体(ユニゾン)させてこの銃剣型(ガンブレードタイプ)にできるように慣れておいてね」

カズマ「はい、解りました」









 魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
 第17話『時の砂時計』









カズマ「え?ロストロギアの回収ですか?」


 俺達フォワードは現在部隊長室で本局から依頼された任務の内容の説明を受けている。


はやて「そうなんよ。今回もレリックである可能性が高いからってことでうちらに依頼が来たんやけど」

ティア「それで、そのロストロギアは何処にあるんですか?」


 ティアが尋ねると、なのはさんが大きめのモニターに地図を映し出した。


なのは「資料によると、この辺りなんだよね」


 その一点に印をつける。ふむ、あまり遠く無いな。


エリオ「そんなに、遠くでは無いですね」

はやて「せやから、今回はスターズだけで行ってもらおうと思っとるんやけど…どうかな?」

なのは「私は大丈夫だと思うよ。そろそろ単体での捜査を経験させておいた方が良いと思うし」

はやて「ならティアナ、スバル、カズマくん。まかせたよ」

カズマ&スバル&ティア「はい!」









 ◇◇◇◇◇








スバル『ティア、カズマ、そっちはどお?』

ティア『いいえ、こっちには見あたらないわ』

カズマ「こっちにも―――ん?」


 目の前に何かこの場所には似つかわしく無いものが見えた。
そして、それを拾い上げる。


カズマ「もしかして……これか?」


 どっからどう見ても砂時計にしか見えないがおそらくこれが目的の物だろう……多分。


ティア『どうしたの?カズマ。何か見つけたの?』

カズマ「ああ、目的の物……らしき物を発見した」

ティア『了解、今からそこに行くから待ってて』

カズマ「あいよ」


 数分後スバルとティアほぼ同時に俺の所に到着した。


スバル「お待たせ~」

カズマ「おう」

ティア「それで、ロストロギアは?」

カズマ「ああ、これだ……ほら」


 ティアにポンッと投げ渡す。


ティア「ちょっ――ちょっと!?」


 それを、驚きながらもギリギリでキャッチする。
さすがは、ティアだな。


カズマ「お、ナイスキャッチ」

ティア「落としたらどうすんのよっ!まったく…」


 軽く文句を言いながら、ロストロギア(?)をくまなく見る。


ティア「どう見てもただの砂時計よね…これ」

カズマ「だろ?だから、これが本物のロストロギアかわからなくってなぁ」


 再び、砂時計をティアから受け取る


スバル「ねぇねぇ、これ回したらどうなるんだろう」


 スバルの一言で俺はこれを無性に回してみたくなってきた!
よし、試しにやってみるか!本物かどうか確認も出来るし。


ティア「ちょっと、止めときなさいよ!もし、本物のロストロギアだったらどうする気なのよ!」


 回そうとするとティアが無理矢理俺の手から砂時計を奪い取ろうとする。


カズマ「や、やめろよ、ティア!?危な―――うわぁ!?」

ティア「へ?―――きゃあ!?」


 俺はそのままバランスを崩しティアの下敷きになるような形で倒れる。それが、普通の地面なら良かったのだが俺の後ろは運悪く崖だ。しかも、結構高い。
俺は、ティアを片手で抱き寄せながらロストロギア確保するための手を伸ばす――そして、触れた瞬間強烈な光が放たれ俺達を包み込み俺の意識はそこで途絶えた。









 sideティアナ・ランスター









スバル「ティアー!大丈夫!?」

ティア「なんだったのよ……あの光は…。大丈夫よ、心配しないで」

スバル「今からそっちに行くね」

ティア「ええ」


 スバルの声であたしの意識を覚醒させスバルに安否を伝える。
光のせいで少し目がチカチカするけど見えないほどではない、見上げると自分が結構高いところから落ちたのに気がつく。


ティア「カズマ、あんたは大丈……夫…?」


 さっきまでそこに居たはずのカズマの姿が何処にも見あたらない。


ティア「カズマ!何処に行ったの!?カズマ!」


 いくら呼んでも返事は帰ってこない。


ティア「ねぇ!返事をしてよ……カズマ!」


 念話で呼びかけてもカズマの声は聞こえてこない。
何度も……何度も、呼びかけるけど応答はない。あたしの脳裏には最悪の言葉が過ぎる。
その瞬間、あたしは足下から崩れ落ちた。


スバル「ティア!」


 そんな、あたしをいつの間にか降りてきていたスバルが支えてくれる。
ゆっくりと、地面に座らせてくれる。


スバル「ティア、どうしたの?」

ティア「スバル……カズマが……カズマが……」

スバル「カズマがどうしたの!?」

ティア「いなくなっちゃた……!」

スバル「え……」


 目に涙を溜ながらスバルの顔を見上げながらそう言う。
 そると、スバルも信じられないと言いたそうな顔してもの凄く驚いていた。

 その後、部隊長達に連絡してカズマの事を伝えた。すぐに、捜索班が作られたがカズマは発見されなかった。








 side高町なのは









なのは「辺りをくまなく捜索したけどカズマくんらしき人物の痕跡すら残ってなかったよ」


 部隊長室でカズマくん捜索の結果報告をする。それを聞きながらとても暗い顔をしていた。自分ではわからないけど多分私もそんな顔をしているんだと思う。


フェイト「はやて……これからどうするの?」


 フェイトちゃんがポツリと尋ねる。はやてちゃんは重い口を開いた。


はやて「カズマくんの捜索は打ち切り、機動六課は今まで通りの任務に戻ることにします」


フェイト「はやて!!」


 フェイトちゃんがはやてちゃんに、もの凄い剣幕で迫る。こんなフェイトちゃん見たこと無いよ……。


はやて「大丈夫……カズマくんは戻ってくる」

フェイト「なんで、はやてにそんなことが解るの!」

シグナム「テスタロッサ、ひとまず落ち着いて主の話を聞こう」


フェイトちゃんをシグナムさんが落ち着かせる。


はやて「ありがとう、シグナム。私がそう確信した理由は発見したロストロギアや」


 そう言ってモニターにティアナ達が回収した。砂時計型のロストロギアが映し出された。


はやて「この、ロストロギアの名称は『時の砂時計』つまり、時間を移動できるんよ」

なのは「時間移動……って、もしかして!?」


はやて「せや、なのはちゃんが思てる通り。カズマくんはおそらく、これの力で過去に……行ったんやと思う。だから、必ず戻ってくる!私たちはそれを待っていよ…ね?」


 私たちはただ待つしか無い彼を信じて…。
 
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