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レインボークラウン

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第七話

                  第七話  七人いると
 春奈は塾で授業の後に魔法の復習をしながら一緒にいる梨花に顔を向けてこんなことを言ったのだった。
「ねえ、今度来る娘だけれど」
「もう魔法知ってる娘みたいね」
「初心者じゃないのね」
「何でも私達より前から魔法のこと知ってたみたいよ」
 その時からだというのだ。
「塾に通ってね」
「どの塾なの?」
「大阪の塾で、ここに転校してきて」 
 それでだというのだ。
「入って来るのよ」
「大阪なのね」
「大阪の阿倍野だったらしいわ」
「へえ、大阪の阿倍野だったの」
 春奈は阿倍野と聞いてこう言った。
「大阪でお金持ちの人が住むところよね」
「そうだったわ、だから」
「お金持ちの娘なのかしら」
「そこまではわからないけれど」
 梨花は首を傾げさせてもいた。
「とにかくね」
「大阪からこの町に来るjのね」
「そう、八条町にね」
 そして彼女達の塾にだというjのだ。
「来てくれるのよ」
「そうなの。わかったわ」
「魔法は楽しいし六人いれば余計に面白くなるから」
「これが七人になったら」
「もっと面白くなるわ」
 そうなるというのだ。
「絶対にね」
「そうなのね、それじゃあね」
「楽しみにしていましょう」
「是非ね」
 二人で話してだった、そうして。
 二人も新しく来る娘を待っていた、それを見てだった。
 先生達はのどかにこう話した。
「皆楽しみにしてるわね」
「そうね、いいことね」
 今日子先生はそのにこにことした顔で自分と同じ顔の今田先生に話した、先生達はいつもと同じ調子である。
 そしてその調子でこうも言うのだった。
「色々あると思うけれど」
「それでもよね」
 今度は今田先生が今日子先生に言っていた。
「きっとあの娘達にとっていいことになるわね」
「最後はね」
 紆余曲折はあるだろうというのだ、二人の先生達はそのことを前提としてこれからのことを楽しみにしているのだった。


第七話   完


                2013・2・3 
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