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スーパーヒーロー戦記

作者:sibugaki
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第68話 獅子の魂

 
前書き
 それは、小さな出会いの大きな戦いの物語。
 漆黒の闇から生まれた宇宙。その宇宙に生まれ出でた生命。
 その生命を破壊しようとした巨大な太陽。あれは一体何だったのか?
 夢か? はたまた現実か? その真相を知る術は未だ何処にもない。




スーパーヒーロー戦記……はじまります 

 
 喫茶店アミーゴ。それはかつてショッカーとの戦いに命を燃やしたある改造人間が住処とし、安らぎの場とした場所。そして、その喫茶店には一人のマスターが居た。

「はぁ……本日は曇天なり、その上世界は暗雲が立ち込めて客はピタリと来ない始末……ったく、商売上がったりだぜ」

 アミーゴのマスターである立花籐兵衛は一人店の中でグラスを磨きながら溜息を吐き愚痴を漏らしていた。正にそんな時であった。突如喫茶店の扉が開いた。

「いらっしゃい。こんな時に客とは珍しい……うん?」
「お久しぶりです。立花さん」

 店に入ってきたのは二人の少女と一人の青年であった。しかもその内二人は立花に見覚えがある人物であった。

「おや、なのはちゃん、それに君はあの時の客だね?」
「貴方は、あの時のマスター」

 光太郎はそのマスター、立花籐兵衛に見覚えがあった。それは南光太郎が始めて仮面ライダーBLACKに変身した後の事だ。行き場を失くし、喪失していた光太郎にとって、その気さくなマスターの笑顔と彼の出す温かなコーヒーは最高であった。
 そのマスターとまさか此処でまた会う事になろうとは思っても居なかった。光太郎はその出会いを運命的な物の様にも思えた。

「そっちの子は初めて見る子だね。私は此処のマスターで立花籐兵衛と言うんだ。宜しくね」
「はじめまして。私は八神はやてと言います。宜しゅう」
「ほぅ、君は関西の子かね? わざわざ此処まで私の店まで来てくれるとは嬉しい話じゃないか」

 どうやらはやての関西鈍りを聞いて彼女を大阪から来た子と思ったのだろう。だが、実際にははやては只単に大阪鈍りなだけであり彼女は列記とした海鳴市出身の子である。

「それより立花さん、また私達を此処に匿って貰えませんか?」
「何やらまた大変な事になってるようだな。ま、カウンターに座りなさい。詳しい話はコーヒーでも飲みながらゆっくりと聞くとしよう」

 カウンターに座った三人に立花の煎れる自慢のコーヒーが置かれる。
 あぁ、この香りだ。
 南光太郎、そして高町なのははこのコーヒーの香りに懐かしさを感じた。他のコーヒーにはない、ましてインスタントでは出せない香りがそのカップに注がれたコーヒーから漂ってきた。
 そして、その香りを始めて鼻にしたはやてもまた、何処か安心出来る香りでもあった。

「えぇ香りやなぁ。豆の煎り方から入れ方まで偉いこだわってるんですねぇ」
「そりゃそうさ。私ぁこれで飯を食ってるんだからね。何より客にコーヒーを煎れるのは私の楽しみでもあるんだよ」

 立花らしい言い分でもあった。三人は早速立花の煎れてくれたコーヒーを口に入れる。口の中に染み渡るほろ苦いながらも深みのある味わいが三人にほんの僅かながらも安らぎを与えてくれた。

「それで、一体どうしたんだい? 見た所三人共結構疲れてるみたいじゃないか?」
「実は……」
「僕から話します」

 南光太郎は立花籐兵衛に全てを話した。自分の正体を。今まで行ってきた戦いの事を。そして、今の世界の危機を。全て話したのだ。
 それを聞き、立花籐兵衛は険しい顔をし眉間に皺を寄せ腕を組んだ。

「秘密結社ゴルゴムか……ショッカー、デストロンに続きまさかそんな組織まで出てくるとはなぁ」
「ショッカー、デストロン? 一体それは何ですか?」
「そうか、君は知らないんだな? ショッカーとは半年前に世界征服を企てた悪の組織なんだ」

 ショッカー。その名を読者の皆様を知っているだろうか?
 それは今から半年前の事。突如としてあちこちで人間を拉致し、改造手術を施し怪人を作り上げ、世界を征服しようとした悪の組織である。そして、その悪の組織により人生を捻じ曲げられた男達が居た。
 だが、その男達の行方は未だ分かっていない。何処に行ったのか? そして、彼等が生きているのかさえも分からない?

「だが、そのショッカーは半年前に壊滅してしまってね。その後で新たに設立した組織、それがデストロンなんだ」
「まさか、ゴルゴムの他にそんな組織があったなんて」
「私もそれを聞かされた時ぁ肝を潰されたよ」
「聞かされた? 一体誰にですか?」
「あぁ、つい最近此処に通うようになった知り合いの後輩でね。名前を確か……風見、風見志郎って言ってたな」

 風見志郎。その名を知っているだろう。言わずと知れた仮面ライダー3号こと仮面ライダーV3の事である。

「その風見志郎って奴はデストロンと戦ってるって言ってるんだが、何処に行ってるんだか? 最近はめっきり顔を出しゃしない」
「そうなんですか」

 それを聞いた光太郎がさも残念な顔をした。もし、その風見と言う青年が入れば心強い力になってくれただろう。だが、所詮は無い物ねだりである。

「それじゃ立花さん、ゴルゴムとデストロンが手を組んだ……と、言う事なんですか?」
「嫌、事態はもっと最悪な事になっちまった」
「どう言う事ですか?」
「ゴルゴムとデストロンだけじゃない。ミケーネ帝国や百鬼帝国、それにベガ星連合軍や星間連合、あらゆる悪の組織が一同に手を組んで侵略同盟なんて物を作り出しちまったんだ」
「侵略同盟!?」

 初めて聞く名称であった。そして、それは正しく最悪の組織であった。あらゆる悪の組織が手を組み、こうして世界を征服しようと同盟を結んだと言うのであればそれは恐ろしい悪の組織となる。

「ですが、それにしちゃ奴等の侵略は遅くないですか? 奴等が同盟を結んだと言うのであれば世界は既に奴等の手中に入っててもおかしくない筈です」
「うむ、それなんだがなぁ……どうも奴等、ヒーロー達を倒した後お互いを牽制しあってるみたいなんだよ」
「牽制しあっている?」

 以外な話であった。互いに同盟を結んだ間柄でありながら何故互いに牽制しあう必要があるのか?

「ま、所詮は悪の組織だ。目先の利害の一致で一時的に手を結んだだけなんだろう?」
「そうなんですか……ですが、もしそれが本当なら、まだ俺達には勝てるチャンスがあるって事ですね!」

 光太郎の脳裏には一筋の光明が見えた。もし侵略同盟が立花の言う通りの目先の利害の一致からの組織だと言うのならまだ付け入る隙がある。
 だが、その為にはまだ戦力が足りない。今のままではとても侵略同盟を打ち崩せる戦力ではないのだ。

「光太郎兄ちゃん。どうすれば私達勝てるんやろうか?」
「簡単だよはやてちゃん。敵がくっついたんなら、私達も同じようにくっつけば良いんだよ」
「その通りだよ。それも、僕達は侵略同盟の様な目先の同盟じゃない。地球と言う青い星を護る為に集った正義の仲間達なんだ!」

 なのはと光太郎の言い分が一致した。侵略同盟に打ち勝つ方法。それは、全てのヒーロー達が集い手を合わせてこれに挑むしかない。その為にも、一刻も早く行方知れずな仲間達を見つけ、再び一致団結しなければならないのだ。

「ま、何にしても今の君達は酷く疲れてる。今日はゆっくり休むと良い。部屋は二階にあるから其処で寝なさい」
「有難う御座います。立花さん」
「止せやい立花さんなんてくすぐったい言い方。普通におやっさんで良いよ」
「そうですか、それじゃ……有難う御座います。おやっさん」

 笑顔で光太郎は立花の事をそう呼んだ。光太郎にそう呼ばれながら、立花はふと心の中で笑っていた。またこうして私の事をおやっさんと呼んでくれる人間に出会えるとは。しかもその人間があの時の青年だとは。これも何かの運命なんだろう。
 そう、立花は密かに思っていたのであった。
 そんな時、点けていたテレビ番組のバラエティが突如変わり、ニュース番組へと変わる。

【番組の途中ですが、此処でニュースをお伝えします】
「何だよ、折角この後ナナコ・ミズキの新曲紹介だってのによぉ」

 半ば不満げな顔をしながら立花は番組を見る。

「あれ? 立花さんはミズキさんを知ってるんですか?」
「知ってるも何も私はナナコ・ミズキの大ファンでねぇ」

 以外であった。結構立花は硬派な人間と思われがちなのだが以外とミーハーな部分もあるようだ。其処がまた立花の良い所ではあるのだが。

「へぇ、立花さんもナナコ・ミズキのファンだったんですか。僕もなんですよ」

 どうやら光太郎もファンだったようだ。そんな他愛無い話に盛り上がる一同であったが、速報で入ってきたニュースはその会話を強制的に打ち切るにじは充分に足り得る内容であった。

【突如としてK市工業地帯に謎の赤い巨人が現れました。専門家の話によるとあの赤い巨人はかつて地球を救ったウルトラマンの同類ではないかと推測されております】

 キャスターが読み上げた内容はそれこそ耳を疑う内容であった。最初は性質の悪いやらせかと思ったがその後に映された映像を見てそれが真相だと分かった。
 確かに、赤い巨人が暴れているのだ。全身が赤で統一されており、腹部には名を表すであろう奇妙なマークが彫られている。そして、その顔は頭部を除けばあのウルトラセブンと似ているのだ。

「あれは、以前俺達を助けてくれた光の巨人に似ている」
「K市って言ったら此処からすぐ近くじゃないか! しかもあそこにゃ日本のエネルギーの約40%を賄ってるんだ。あそこを破壊されたらそれこそ日本はエネルギー問題になっちまう」
「こうしちゃいられない! すぐに行って来ます」
「待て! あんた生身の人間が40メートル以上もある巨人に太刀打ち出来ると思ってるのか?」

 立花の言う通りであった。ニュースに映っているのはそれこそ40メートルを越えると思われる光の巨人なのだ。以下に光太郎が改造人間でありRXにパワーアップしたと言ってもそれでも太刀打ち出来る相手ではない。

「それでも、俺は行かなくちゃならないんです! これ以上奴等の好き勝手にさせる訳にはいかない!」
「ほなら私も行くで、光太郎兄ちゃん!」
「私も一緒に行きます」

 立花の制止を無視して行こうとする光太郎になのはとはやても続く。

「ちょっと待ってくれよ。二人共付いてきちゃ駄目だ。俺が行く所にはあの巨大な巨人が居るんだよ」
「大丈夫です。私怪獣との戦った経験がありますから」
「私には経験はないんやけど、遠距離から光太郎兄ちゃんを助ける事位は出来る筈やで!」
「二人共……」

 二人の目は真剣そのものだった。恐らくこれ以上何を言っても二人は引き下がらないだろう。それに、二人の言う通りなのはの怪獣との戦闘の経験は頼もしいし、はやての援護は何よりだ。

「分かった。だけど二人共くれぐれも無茶はしないでくれよ」
「はい!」

 二人は了解し、店を出て行く。喫茶店アミーゴを出て数歩も歩かない所。店を出たまん前には一台の見慣れないバイクが止まっていた。
 全身を青で彩られた大型バイクだ。そのバイクだが、何処と無くバトルホッパーに似ている。嫌、もしやこれは……

「お前……まさか、バトルホッパー?」
【私の名前はアクロバッター。仮面ライダーBLACK RX。私も共に君と戦いたい】
「やはり、その声はバトルホッパー。お前も生まれ変わったんだな……勿論だ、一緒に戦おう! アクロバッター」

 光太郎が笑いながらアクロバッターに触れた。触れた手から伝わってくるのは懐かしい感触と暖かみであった。バトルホッパーも蘇った。あの時、シャドームーンの手により完全に破壊され残骸と化したバトルホッパーが、今光太郎の目の前にアクロバッターとして生まれ変わり現れたのだ。

「なぁ光太郎兄ちゃん。その喋るバイクって何?」
【始めまして、もう一人の世紀王様。私の名はアクロバッターと申します。以降お見知りおきを】
「へぇ、偉い礼儀正しいバイクやねぇ。私は八神はやて。こっちは友達の高町なのはちゃんや。宜しゅうな」
【はい、宜しくお願いします】

 互いに自己紹介を終える一同。それが済んだら即座に移動を開始しなければならない。
 一刻も早く現場に向わねばならないのだ。真相を確かめる為にも。




     ***




 K市工業地帯では正しく炎が渦巻く光景が映っていた。そして、その中には一人の赤い巨人が暴れまわっている光景があったのだ。

「酷い……まるで地獄絵図だ」

 現場にたどり着いた光太郎がそう言う。目の前に居るのは40メートルもある巨人だ。その巨人が工業地帯を我が物顔で破壊し続けているのだ。
 回りには逃げ惑う人達が見える。
 その人達に対し巨人が瓦礫を投げつけてきた。

「危ない! 変身!」

 即座にRXへと変身し、瓦礫を蹴り砕く。その後も巨人は人達に対し瓦礫を投げつけてきた。それらを悉くRXが破壊していく。

「止めろ! 何故こんな事をするんだ?」
【何故だと? 貴様等みたいな下等な人間を俺達ウルトラマンが何時までも守ってやると思ったか? 貴様等はこの俺が滅ぼしてやる!】
「そうはさせるか! 例え相手がウルトラマンだとしても俺は戦う!」

 RXは目の前にいるウルトラマンに対し挑む構えを見せた。例え敵わない相手だとしてもこれ以上あのウルトラマンの暴挙を許す事は出来ないのだ。

「光太郎兄ちゃん、私も一緒に戦うわ!」
「気をつけるんだはやてちゃん。ウルトラマンの力は未知数だ。正面から挑めば俺達なんて一溜まりもない」
「そ、そないにやばいんか? ウルトラマンって」

 はやては初めてウルトラマンを見た。確かに巨大だ。そして強力であった。しかも光太郎は知っていたのだ。ウルトラマンがこの程度の力でない事を。
 だが、それを一番良く知っているのはなのはだ。彼女は最もウルトラマンと長く接してきた為にウルトラマンの強さを一番良く知っているのだ。

「二人共気をつけて下さい。あのウルトラマンは私達を倒す事に一切躊躇いなんてありませんよ」
「分かってる。なのはちゃんは下がっててくれ。俺とはやてちゃんで奴を食い止める!」

 デバイスを失い、魔力もないなのはではウルトラマンに対峙する事は出来ない。RXとはやては二人で勝ち目の無い戦いを挑んだ。

【下等な人間風情がこのウルトラマンに挑むと言うのかぁ?】
「あぁ、挑ませて貰う! 俺はこの星の人間だ。お前の勝手で滅ぼされて溜まるか!」
「私だってそうや! 私はまだやりたい事が沢山あるんや。こないな所で滅ぼされて溜まんないわ!」

 はやてがデバイスを手に魔力弾を放った。それに続き、RXがウルトラマンに対し蹴りを叩き込む。
 魔力弾がウルトラマンに命中し、その直後その顔面にRXの蹴りが叩き込まれる。しかし、ウルトラマンにとっては蚊に刺された程度にも効いていない。それどころか反撃にと手を振るっただけで軽く二人を吹き飛ばしてしまった。

「ぐぁっ、パワーが違い過ぎる!」
「ってか、これって私達まるで蚊か羽虫みたいなもんやないか!」
【今更己の無力さを知ったか? だが、俺に逆らった罰だ。貴様等は散々苦しませた後に殺してやる!】

 ウルトラマンが下卑た笑みをを浮かべながら手を振るってくる。まるで木の葉が舞うかのようにRXとはやては吹き飛ばされた。まるで勝負にならない。RXのパワーではウルトラマンに対抗出来ないし、まだ魔導師として戦い慣れていないはやてではウルトラマン相手に苦戦を強いられる始末だ。
 明らかに分の悪い戦いであった。まるで蚊や蝿が人間に挑むような光景だ。それでもRXは諦めずビルを蹴り飛翔しウルトラマンに格闘戦を挑み、はやては遠くから魔力弾を放つ。しかしウルトラマン相手には全く歯が立たないでいた。
 正しくそんな絶望的な戦いが今、戦えないなのはの前に展開していた。
 今の自分にははやてや光太郎の様に戦う事が出来ない。魔力を全てはやてに託し、デバイスを失った今の彼女には戦う力などほぼないのだ。故にこうして黙って見ている事しか出来ない。それがとても歯痒かったのだ。

「このままじゃ光太郎さんやはやてちゃんが……どうしたら……一体どうしたら良いの?」

 あの二人を助けたい。だが、今の自分には二人の様に戦う事が出来ない。戦えないのだ。少なくとも、魔法を使って二人を助ける事は出来ない。
 だが、なのはは知っていた。自分の中にあるもう一つの力の存在を。それはとても強力であり、同時に恐ろしい力であり。

「あの時の赤い光……あれを使えば……あの光を使いこなせれば、きっと二人を助ける事が……」
【それを使ってはいかん】
「え?」

 突如声がした。一体何時現れたのか。突如なのはの前にはあのメフィラス星人が立っていた。

「貴方は……」
【あの赤い光……あれは使ってはいけない禁忌の力だ。それを使えば、君は君で居られなくなる。それはとても悲しい事だ】
「でも、それでも二人を助けられるなら……私は……私はあの力を使います!」

 例え自分を捨てても構わない。大切な人を、友達を助けられるのならばその力を使う事を厭わない。それがなのはの想いであった。

【だが、君が君を捨てれば、君は全てを失うことになる。愛する友達も、愛する世界も、愛する記憶も全てを失うことになるのだ】
「全てを……失う?」
【そう、全てをだ。君はそれを恐れて力を捨てた。その力を今再び手にした時、君は人として得てきた全てを捨てる事になる。それで良いのかい? 君はそれで良いと言うのかい?】

 メフィラスの言葉はなのはを迷わせた。皆を助けたい。だが、その為には全てを捨てねばならない。それは嫌だ。今まで得てきた大切な時間を、幸せな時間を全て手放したくないのだ。だが、だとしてもこのままではどの道全てを失う事となってしまう。

【まだ其処に人間が居たかぁ!】

 突如、ウルトラマンの声が聞こえてきた。それと同時に、こちら目掛けてウルトラマンの豪腕が振り放たれた。

「しまった!」
「なのはちゃん!」

 傷ついた光太郎やはやてでは間に合わない。そして、今のなのはにもその豪腕を避ける事など出来ない。なのはは目を瞑り覚悟を決めた。しかし、そんななのはをメフィラスが身を挺して防いだのだ。

「え?」
【まだ君に死なれては困るのでねぇ。私が防ぐ内に早く離れ給え】

 いかにも人を食った態度を見せるメフィラス。全く分からなかった。何故メフィラスは自分を助けてくれたのだろうか。
 それに、あのメフィラスは夢にも出て来た。意味深な言葉を放ちながら。一体メフィラスと自分の関係は何なのだろうか?

【おのれ、メフィラス! 貴様何の真似だ! 人間は全て抹殺せよとのあのおお方からの命令を無視するのか!?】
【生憎、私は私のやり方を通しているだけだ。そのやり方を君達にとやかく言われる筋合いはないのだよ】
【おのれ、我等星間連合を裏切るか。ならば!】

 ウルトラマンの拳から膨大なエネルギーが発せられた。そのエネルギーはメフィラスの結界を破壊し、跳ね飛ばしてしまった。

【ぐぉっ!】
「メフィラスさん!」

跳ね飛ばされたメフィラスはビルの壁に叩きつけられる。叩きつけられたメフィラスの元へなのはは向おうとしたが、そんな彼女をウルトラマンの巨大な腕が掴み上げて行った。

「あうっ! 何で、何でこんな事するの? ウルトラマン!」
【人間はもう不要だ。だから滅ぼすだけの事よ。貴様も死ぬが良い!】

 なのはを掴んでいたウルトラマンの力が増していく。恐ら握り潰すつもりなのだ。凄まじい力が体全身を締め付けてくる。

「あぐっ! うああぁぁぁぁ!」
「なのはちゃん! 止めろ、止めてくれウルトラマン!」
「止めぃ! 私の友達を今すぐ離してやぁ!」

 なのはを助けようとウルトラマンに挑むはやてとRX。だが、二人共やはりウルトラマンが相手では全く歯が立たずやはり跳ね飛ばされてしまった。

【フハハ、非力な人間め。其処でこの人間が粉々の肉塊になる様を見届けるが良い!】
「やめろおおおおおお!」
「いやああああ! なのはちゃあああああん!」

 最早二人には立ち上がる力さえない。ウルトラマンの腕が高く掲げられる。そして、思い切り振りかぶった。恐らく地面に思い切り叩き付けるつもりなのだ。
 そんな事されたらなのはは耐えられる筈がない。ウルトラマンの言う通り肉塊へとなってしまう。
 だが、その時であった。突如遥か大空からまた別のウルトラマンがやってきたのだ。
 そのウルトラマンはかつて、超獣に苦戦していた光太郎やなのは達を助けてくれたウルトラマンであった。

「あれって、アストラさん?」
【む、別のウルトラマンか?】

 ウルトラマンが突如現れたアストラを睨む。その前で、アストラは構えを見せた。

【レオ兄さん! 止めてくれ、貴方はこんな非道な事をする人間ではなかった筈だ!】
「え? レオ? この人が……アストラさんのお兄さん?」

 レオと呼ばれたウルトラマンに掴まれたまま、なのははそれを見た。確かに、アストラとレオは何処と無く似ている。しかし、こんな皮肉な事があって良いのだろうか?
 折角会えた二人の兄弟。だが、その兄弟が今、皮肉にもぶつかり合おうとしていたのだった。




     ***




 レオと呼ばれたウルトラマンの前に突如として現れたまた別のウルトラマン。その姿は殆ど同じ姿をしていた。
 その名をアストラ。かつて南光太郎や高町なのは達が超獣と戦っていた際に助けてくれたウルトラマンである。
 そして、アストラは言った。「レオ兄さん」と。

「アストラさんの……お兄さん?」
【レオ兄さん、今すぐこんな馬鹿な事は止めてくれ! こんな事、以前のレオ兄さんはしなかった筈だ!】
【馬鹿な真似だと? 良く考えろアストラ。俺達の様なウルトラマンがこんな下等な地球人を守ること事態が馬鹿な真似ではないのか?】
【それは、本気で言っているのか? レオ兄さん!】

 アストラの両拳が震えている。激しい怒りに震えているのだ。アストラの中にある戦士の血がレオのその言葉を許さないでいたのだ。
 強き者が弱き者を淘汰するなど間違っている。あってはならない事なのだ。

【レオ兄さん、僕は兄さんを止める。これ以上兄さんを間違った方向へ行かせない為に!】
【やれるものならやってみろ! 弟である貴様が兄貴である俺に勝てる筈がないのだからなぁ!】

 アストラとレオがぶつかりあった。人間対巨人の戦いから巨人対巨人の戦いへと移り変わった。
 圧倒的不利から互角の戦いへと移り変わったのだ。そして、レオとアストラ、それぞれの戦い方はとても良く似た戦い方をしていたのだ。
 まるで格闘技、それも武術を思わせる。その激しい打ち合いが展開されていた。

【ぐっ! お、おのれぇ……】

 レオが苦悶の表情を浮かべる。アストラが徐々にだが押し始めているのだ。対してレオは片手になのはを掴んでいる為実質上片手でそれを相手する必要がある。
 それがレオを苦戦に陥れる結果となっているのだ。

【僕はもう迷わない。兄さんが間違った道を進むと言うのなら……】

 レオの胴体に正拳突きを決めたアストラが叫ぶ。吹き飛ばされたレオが腹部を抑えながらアストラを睨んだ。

【僕は兄さんを倒す!】
【ふっ、それはどうかな?】
【負け惜しみをぉ!】

 叫び、アストラがレオに飛びかかろうとする。だが、その時レオは手をアストラの前に突き出して来た。

【うっ!】

 その直後、アストラはあるで硬直したみたいに動かなくなってしまった。そうだ、レオが突き出した手。その中にはなのはが掴まれているのだ。もしこのまま殴りかかればレオと共に彼女も殺しかねない。それはアストラの出来ない事でもあった。

【形勢逆転だな。どうするアストラ? 俺を殺そうとすればその前に俺がこの娘を殺す】
【兄さん、あんたは其処まで性根が腐ってしまったのか?】

 アストラがレオを睨む。だが、それに対しレオはせせら笑っていた。まるでその言葉すら褒め言葉と受け取れるかの様に。

【腐った? 確かに俺は腐ってるかもなぁ? だが、そのお陰でこうして充実した戦いが出来る。もう誰かを守るとか言う下らない事をする事もないのだからなぁ】
【兄さん……嫌! 僕はもうお前を兄さんとは思わない!】
【だったらどうする? この娘ごと俺を殺すか? 出来る筈がない。お前はそう言う人間だ。そして、お前はこの俺に成す術も無く倒されるのさ!】

 言葉の直後、レオがアストラを蹴り飛ばす。思い切り吹き飛ばされて地面に倒れこむアストラ。起き上がろうとするアストラの胸部にレオの足が叩きつけられた。

【ぐはっ!】
【脆いな。所詮人を守ろうなどと考えるから俺達ウルトラマンは馬鹿な目を見る。だが俺は違う! こうして自由に生きる。そしてその為にもこうして俺はこの星の人間を殲滅し、この星を新たな故郷とするのだ!】
【ぐっ……】

 アストラがレオの足を退けて立ち上がろうとする。だが、そんなアストラの前に再びなのはの掴んだ手を見せる。少しでも抵抗すれば握り潰すつもりで見せたのだ。

【どうした? 抵抗しないのか? 出来るならしてみろ。最も、その瞬間俺はこいつを握り潰すがなぁ】
【に、兄さん……貴方と言う人は……】
【ハハハッ、何とでも言うが良い。お前は俺の手で殺されるんだよ! そら死ね! 死んじまえ!】

 更に激しくアストラを踏みつけてくる。苦痛の表情がアストラの顔から浮かんでくる。どうする事も出来ない。只成すがまま。そんな光景が目の前にあった。




     ***




 私のせいだ。私のせいで……
 レオに捕まっていたなのはは目の前の光景に心を痛めていた。自分を掴んでいるレオはアストラを良い様に嬲っている。反面、アストラは人質を取られている為に満足に戦えないのだ。
 そして今、アストラはレオにより完膚なきまでに叩かれている。既にアストラの胸のカラータイマーが赤く点滅しだしている。このままでは倒されてしまう。
 嫌だった。無力な自分の為に仲間が傷つく事が何よりも辛かった。自分では何も出来ない。何も出来ない自分の為に大切な人達が傷ついていく。
 そんな事、もうなのはに耐える事は出来なかった。

「アストラさん!」

 声を張り上げ、なのはは眼下に居るアストラに向い叫んだ。その声がアストラの耳に届く。

「アストラさん、戦って下さい! 私の事は構わなくて良いですから!」
【なっ!】
【ちっ】

 なのはのその言葉にアストラは驚かされた。自分の身を投げ出してまで戦ってくれと。あの幼い少女はそう言っていたのだ。普通そんな事を言える筈がない。
 だが、アストラの耳には確かにそう聞こえてきたのだ。

【五月蝿いガキだ! まずは貴様から死ねぃ!】

 その言葉が耳触りだったのか、アストラよりも先になのはを殺そうと手の力を強める。

「あぐっ! ア……アストラさん……戦って、戦って下さい!」
【黙れ! そんなに死にたいのなら貴様から死なせてやる!】
「お願い! アストラさん、戦ってええええええええええええ!」
【ぐっ……うおおおおおおおおおおお!】

 なのはの叫びがアストラの闘志に火を点けた。レオの足を払い除け蹴りを放つ。思わず退くレオに対し、アストラは立ち上がり構えた。

【僕は……僕は戦う。だけど、その子も助け出す!】
【生意気な事を、貴様が来る前にこのガキを握り潰してやる!】

 その時であった。突如、上空からまたしても赤い火の玉が降って来たのだ。その火の玉は上空で砕け、そしてその中から現れたのは、何と! 全く同じ姿をしたウルトラマンレオであったのだ。

【これ以上貴様の好きにはさせんぞ! ディヤアァァ!】
【なにっ、ぐふっ!】

 突然の乱入に驚くもう一人のレオ。そして上空から落下してきたウルトラマンレオのキックを諸に食らってしまった。

【レ、レオ兄さんが二人?】
【騙されるなアストラ! あれが俺に見えるか?】

 驚くアストラを叱咤するウルトラマンレオ。そして、両手を突き出しタイマーショットを叩き込む。それを食らったレオの姿がミルミル変わっていく。

【お前は! ババルウ星人!】

 レオであった者。それはババルウ星人であった。ババルウ星人はウルトラマンレオに変身し、人類を欺いていたのだ。

【ちっ、もう少しで邪魔なウルトラマンを一人片付けられたってのに……】
【諦めろババルウ星人。俺に化けた時点で貴様の負けは決まっていたんだ!】
【ほざけ、こっちにはまだ人質が居るんだ! 少しでも妙な真似をしたら握り潰すぞ!】

 そう言ってなのはを掴んでいる手を突き出す。それ自体が間違った行いであった。

「貰った!」
【何!】
「リボルケイィィィン!」

 突如、ビルの屋上から飛び降りたRX。その手には光り輝くリボルケインが握られていた。そのリボルケインの一閃がババルウ星人の手を切断したのだ。

【ぎゃあああ! 俺の、俺の腕がああああ!】
「今だ、はやてちゃん!」
「こいつも持って行けえええええ!」

 ここぞとばかりにはやてがババルウ星人の顔面目掛けて魔力弾を連射した。ウルトラマンの時にはさほど効いた感覚はなかったがババルウ星人に戻った今ではそれがかなり効いたらしく顔面を抑えて倒れこんでしまった。

「やりぃ、どや見たかぁ!」
「ははっ、って、なのはちゃん!」

 すっかり忘れてた。腕を切り離した後、主を失ったババルウ星人の手から逃れられたなのはだったが、今の彼女には飛行能力はない。その為40メートル近くの高さから地面へ真っ逆さまに落下していたのだ。

「あわわわわっ、おおお落ちるううぅぅぅぅぅぅ!」

 必死に減速させようと手をばたつかせるが無駄な行為であった。もう後数秒もしたら地面に激突してしまう。その直後であった。
 ふわりとなのはの体が持ち上がるとその体は近くにあったビルの屋上に置かれた。メフィラスであった。メフィラス星人がなのはを抱き抱えて屋上に降ろしたのだ。

「え? あ、あの……」
「無事で安心したよ。しかし随分マヌケな様を見せてしまったようだ」

 どうやら先ほど吹っ飛ばされた自分を恥じていたようだ。そんなメフィラスに何を言っても恐らく今の彼には慰めの言葉にはならないだろう。
 
【お、おのれええええええええ! 貴様等あああああああああああ!】

 そんな時、怒り狂ったババルウ星人がなのはとメフィラスに向ってきた。完全に怒り狂っている。残っていた手を握り締めてビルを叩き潰そうと振り下ろしてきた。
 だが、そんなババルウ星人の顔面に向かいメフィラスは電撃にも似た光線を放つ。バリバリと衝撃音が響き、ババルウ星人が吹き飛ばされた。

【がはっ、な、何故だメフィラス! 何故……】
「ババルウ星人。君はやってはいけない事をした。私を怒らせるとどうなるか、それを君の体に思い知らせてやるとしようか」

 メフィラスのその言葉には何処か重みがあった。今までの何処か紳士的で軽そうな感じの声ではない。その声には純粋なメフィラスの怒りが篭っていたのだ。
 そのメフィラスの姿が瞬く間にババルウ星人やウルトラマンと同じ大きさへと変わっていく。その体からは怒りを思わせるオーラが漂っているのが見えた。

【ヒッ!】
【覚悟は良いかね? 最も、出来ていないとしたらご愁傷様としか言い様がないがね】

 メフィラスの両の手が堅く握られる。それをババルウ目掛けて突き翳す。

【待てメフィラス!】
【むっ!】

 その時、ウルトラマンレオがメフィラスの肩を掴んだ。それに気づいたメフィラスは振り返りレオとアストラを見た。

【何かね?】
【奴の相手は俺達にさせてくれ! 奴は俺達ウルトラマンの誇りを汚した。俺達の手で決着を付けたいんだ】
【……】

 双方は互いに黙り込んだ。レオの真剣な眼差しがメフィラスを睨む。
 と、メフィラスは翳していた手を下げた。見れば握り締めた拳もそれを解いている。

【分かった、君達に任せるとしよう。私もこんな感情を抱いて戦うのは不本意であったのでねぇ】
【有難う。メフィラス】

 ババルウに背を向けるメフィラスに変わり、レオとアストラが並び立つ。

【フハッ、フハハハハハッ! 馬鹿な奴等だ。さっさと俺を殺せば良かった物を! お前等はもうお仕舞いだ!】
【負け惜しみを!】
【負け惜しみじゃねぇ! お前等が茶番をしている間に、俺が増援を呼んでおいたんだよ。もうすぐ幾千幾万の円盤軍団がこの地を破壊し尽すんだ! 最後に勝つのはこのババルウ様さあああああ!】

 諸手を挙げて叫ぶババルウ星人。それに対し身構えるレオとアストラであった。
 ……辺りは未だに静寂が支配している。皆それぞれ待ってみた。
 だが、一向に円盤らしき物が来る気配がない。

【な、何故だ? 何故来ないんだ!】
【円盤部隊? それならば私の配置していた部隊が既に片付けておいたよ。謎の円盤だったので敵だと思っての事だったらしいのでねぇ。どうやらあれは君の円盤であったか、これは失礼】

 そう言いながら肩を震わせて笑うメフィラスが居た。どうやらババルウが呼んで置いた増援部隊はメフィラスが事前に配置していた円盤部隊が全て片付けてしまったようだ。それを知ったババルウは青ざめた顔をした。

【どうやらこれで本当に手詰まりのようだな】
【レオ兄さん、あれで倒そう!】
【よし、行くぞ!】

 レオとアストラが動きを見せた。アストラが方膝を付きその後ろでレオが両腕を前に突き出す。それを掴む様に下からアストラの両手が合さる。その重なり合った手から真っ赤な光線が放たれた。

【受けてみろ! 僕達兄弟の絆を!】
【そして、これが俺達最強の技!】
【【ダブル・フラッシャアアアアアアアアアアア!】】

 レオとアストラの合体技であるダブルフラッシャーがババルウ星人に命中する。真っ赤な光線はババルウ星人の体を焼き尽くし、やがてバラバラに破壊していく。破壊されたババルウ星人の亡骸を見て、二人のウルトラマンは戦いが終わったと確信する。そして、その次にメフィラスを見た。

【どうやら戦いは終わったようだな。では、私は失礼させて貰おう】
【待てメフィラス。お前は何故俺達を助けてくれたんだ?】
【助ける? 何を馬鹿な事を。私は只この美しい星が汚されるのが嫌なのでこうして出て来ただけの事。本来君達と私達は敵同士だ】
【ならば、此処で今俺達を倒すか?】

 レオとアストラは構えた。双方共にそれなりに消耗している。恐らく今の二人ならメフィラスであれば訳なく倒せるだろう。

【そのつもりはない。私は争いごとは嫌いなのでね。そう言った血生臭い事は他所でやってくれたまえ】

 レオ達との戦いを拒否したメフィラスはその姿を人間サイズへと縮めていく。そして、またなのはの前にその姿を表す。

「有難う、助けてくれて」
「なに、礼には及ばんよ。君は私が認めたこの星の代表なのだからね」

 相変わらず何処か含みのある笑みを浮かべるメフィラス。そんなメフィラスに、なのはは思い切って尋ねてみた。

「メフィラスさん。貴方は私のこの力を知っているんですか? もし知っているのなら教えて下さい!」
「それは出来ない。私も其処までは知らないのでね。只、これだけは言える。君が内に秘めた力を解放した時、この世界は崩壊する。この世界で天寿を全うしたければ力を解放させない事だ。まぁ、どうするかは君次第だがね」

 それだけ告げるとメフィラスの姿が徐々に消えだして行った。

「あ、待って!」

 まだ聞きたい事があった。だが、それを言う前にメフィラスの姿は忽然と消え去ってしまった。もうメフィラスの姿は何処にもない。残されたのはメフィラスの全く意味の分からない言葉であった。

「私の中にある力。それを開放したら世界が崩壊する……一体何なの? 私は一体……」

 疑問は募るばかりであった。だが、その疑問の答えを知る日が少しずつ近づいていると言う事を、この時はまだ、知る由もなかったのである。
 そう、今この時は……




     つづく 
 

 
後書き
次回予告

砂漠地帯で激突しあう烈火の騎士と閃光の魔導師。
ゴルゴムにその心を支配された騎士を救う機会は今しかない。
急げはやて! 急げ光太郎! ゴルゴムの悪しき支配から騎士の誇りを取り戻せ!

次回「騎士の涙、少女の叫び」おたのしみに 
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