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ワンピース -炎とゴムの姉は虫(バグ)-

作者:nyonnyon
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バギー? クロ? 誰ですそれ?

 海賊一匹討伐いたしました、未だ弟に会えていないモンキー・D・アモスです。

 さてさて、ルフィを追いかけてイーストブルーを転々としている私ですが、ただいまでっかい魚型の船、

海上レストラン『バラティエ』に来ております。

 え? 道化のバギー? 百計のクロ? そんなものは知りません。

 今、私はとても空腹だ。 ココまでくる途中、補給に寄れる支部が無かったのは痛かった。 まさか食料が尽きようとは……。 でも、つい今しがたまで恐怖政治の餌食になっていた街から食料を集めるのは気が引けるし……。

 バグバグの実の力を使えば、食事なんてものは取らなくても生きていけるんですが、それでは生きていることの3割以上は損をしているでしょう。

 うちの家族、健啖家が多いんですよ。 じいちゃんも、エースも、ルフィも、もちろん私もよく食べます。 一度ヒナさんと食事に行った時、「その体のどこにあれだけのものが入ったのかしら? ヒナ困惑」と言われました。 そのあとに「あれだけ食べて太らないとか、ヒナ嫉妬」とも言われましたけど……。
 太らないのは、別にバグバグの実の能力とかじゃないですよ? 多分、動き回ってるからじゃないでしょうか? まぁ、どうでもいいですね。

 では、いざバラティエへ。


◇◆◇◆◇


 ……え~っと、これはどう言う状況でしょうか? 血まみれのフルボディくんを片手で持ち上げる黒服の男性がいます。

 あ、フルボディくんが義足のおじさんに蹴りだされましたね、何をやったんでしょうか? と、いうより、あの特徴的なヒゲは……!!!
 ゼフ!! 【赫足】のゼフじゃないですか!!! かなり有名な海賊の一人ですね。 あれ? でもゼフって亡くなってませんでしたっけ? 双子の兄弟とかですかね?

 っと、それよりも、「いらっしゃいませ、イカ野郎」って接客されましたけど、大丈夫なんですかこの店? 海軍でも有名らしい人気店と聞いていますが、接客無茶苦茶でしょう!?

「いらっしゃいませ、美しいレディ」

 私の接客をしていたイガグリ頭の店員さんを蹴っ飛ばし、フルボディくんをボコボコにしていた男性がこちらにやって来ました。 おや? なかなかのイケメンで、……こ、これは!!!


 ぷふふふふ!!!!!  眉毛がおもしろすぎます!!!! おもしろ眉毛です!!!! お、お腹痛ひ……。 あだ名は眉毛君に決定ですね!!! これは不動のあだ名でしょう!!
 え? サンジ? なるほど、サンジ君というんですね? ということはマユジ君とあだ名を変更しましょう!!!

 で、マユジ君。 私の席はどこでしょうか? お腹が空きすぎて死にそうです。

「レディ、こちらへどうぞ」

 目をハートにしながら接客してくれるマユジ君。 すげぇ、眼球の形からハートになってる。 人間の限界超えてるだろう……。 マユジ君まじやべぇ。 ハンパねぇ。 ……とりあえず席につきましょう。

「こちら、メニューになります。 あぁ、クールな横顔が素敵だぁ」
「とりあえず、おすすめを持ってきて。 5人前でよろしく!!」
「あぁ、注文の仕方も決まってるぜぇ。 ぁはい、かしこまりまs……って5人前!!?」

 驚くのは無理ないか。 見た目そんな食べそうじゃないしね。 それよりも早く5人前用意してくれ……。 お腹と背中が入れ替わってしまう……。

「ええ、5人前よ。 早くしてね、お腹が空きすぎて死にそうなの」
「それはいけない!! かしこまりました。 すぐにご用意いたします」
「よろしく~」

 軽く手を振りながら、注文を通しに厨房へ戻るマユジ君を見る。 ウエイターなのかと思っていたが、そのまま厨房に入っていって鍋を降り始めたところを見ると、コックだったみたいだ。

 ほ~、手際よく作っていくな~。 流石本職。 これならすぐにでも料理が出てくるだろう。

 そう思って待っていると、

「姉ちゃん!!?」

 懐かしい弟の声が聞こえた。



 振り返ると、こちらに歩み寄ってくる弟の姿。 私の知っているころより大分背が伸びている。 シャンクスさんからもらった麦わら帽子も似合っている。

 ……いい顔になったじゃない。

 それが素直な感想だった。

 そばまでよってきたルフィは、

「久しぶりだなぁ、姉ちゃん。 こんなところで何してんだ?」と、聞いてきた。

 こう言う聞きたいことをズバッと聞く性格は昔から変わってないなぁっと、ちょっと昔を思い出し、しばし談笑に花を咲かせる。

 そうこうしている間に、「そうだ、俺の仲間を紹介するぜ」と、数名の座るテーブルに案内される。 多分この子達がルフィの仲間なのだろう。

 ものすごく鼻の長い男の子。 どこかで見たことがあるな? ちょっとヤソップさんに似てる気がする。 知り合いかな? それにしても長いわねぇ。
 剣を三つぶら下げた男の子。 三つも何に使うんだろう? 邪魔なだけじゃない? 二刀流ならわかるけど、最後の一つどう使うのよ? 予備? 

 最後は、可愛い女の子……おんな、の子……?


◇◆◇◆◇


 いきなり大声を出したと思ったら、ルフィの奴が海軍の女に向かって行った。 ウソップとかは止めようとしたみてぇだけど、そんなんじゃあいつは止まんねぇだろう。
 それにしてもルフィのやつ、自分が海賊だってわかってんのか? 海軍になんて話しかけたら、最悪捕まるぞ?

 そう思って様子を伺っていると、なんだか楽しそうに話してんじゃねぇか。 知り合いかなんかか?

 っと、ルフィがこっちを指差して、海軍の女が歩いて来る。 さっきの海軍大尉(だったか?)より威圧感があるな……。 階級が上のやつかも知れねぇ。 やべぇな、負けるつもりはねぇけど、勝てるかもわかんねぇ。

 いつでも刀が抜けるように集中しておく。 バレないように平穏を装いながら気を張るのはなかなかに骨が折れるな。

 ……どういうこった? なんだか微笑ましいもんを見る様な目でこっちを見てきやがる。

 まずはウソップ。 鼻にばっかり目がいってるな。 そりゃあ、あの鼻は何度でも見ちまうよな。
 それから俺。 刀を見てるな。 怪訝そうな顔をしてるってことは、三刀流は見たことがねぇみたいだな。

 最後にナミをみて……。 お? どうした? 動きが止まったぞ?





 ブワッ!!!!!





 おいぃぃいいい!!! いきなり泣き出したぞ!!!!
 何がどうなってやがんだ!!!!?




◇◆◇◆◇



 お、おぉぉぉ、


 ルフィに……、あのルフィに……、




 彼女が出来てる!!!!!!!

 お、おお、おおぉぉぉぉおおおお、お姉ちゃんは、嬉しいぞぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!


 お、落ち着け。 と、とと、とりあえず、彼女さんに挨拶せねば。 姉として、弟を頼まねばならぬ!!

 ガッ!

 彼女さんの手を取り、硬く握手。 なかなかに良い手をしている。 だが、何がなんだかわかっていないって顔をしてるな。
 ここは一発ビシッと決めておこう。 姉として。

 すーはー、よし!!!



「る゛フ゛ィ゛のごど、よろじぐね゛ぇぇええええ」



 決まらなかった。 涙が止まらない。
 彼女さんもポカーンとしている。

「う、う、ルフィに、こんな可愛い彼女さんができるなんてぇ。 生まれて25年。 今日ほどお姉ちゃんをやってて良かったと思ったことはないよぉぉぉぉぉ」
「え!? いや、私は……」
「うん、うん。 大丈夫、大丈夫。 わかってるよ……。 うちの弟だと、色々と大変でしょうけど、末永く仲良くしてあげてね。 元気だけが取り柄みたいな子だけど、いい奴なの。 ご飯だっていっぱい食べるのよ。 好きな食べ物はお肉、後はマキノさんの料理ぐらいかしら? あ、ごめんなさい、彼女さんの前で他の女の話はタブーよね。 でも、私もしばらくルフィとはあっていなかったから、もしかしたら好みが変わってるかも……。 そのあたりはあなたの方が詳しいんじゃないかしら? 今はもう一緒に住んでいるの? いえ、一緒の船なのだから、同棲しているのと同じことよねぇ。 部屋は? 同室? いいわねぇ。 年はいくつ? 見たところルフィと同い年ぐらいかしら? 付き合い始めてどれぐらい経つの? 長い? 短い? ……そうね時間なんて関係ないわね。 あ、でもまだ結婚はダメよ。 せめて私が結婚してからにしてもらえると嬉しいのだけど……。 そんなの待ってたらすぐにおばさんになっちゃうわね。 でも……、今はまだダメよ。 まだまだ、あなたもルフィも若いんだから。 そうね、せめて20歳までは結婚は待って欲しいの。 お姉さんからのお願いよ。 いいえ、待って、わかっているわ。 恋人同士の二人の仲が熱く燃え上がってしまうことはどうしようもないことだから、待てないと言うなら仕方ないわ。 そうなれば私のお願いなんて聞いていられない事も重々承知しているわ。 でも、できればルフィが20歳になるまでは待って。 そこまでは我慢して。 ……大丈夫、お互いの愛が本物ならたった3年位すぐよ。 20歳なら私からはなにも文句はないわ。 今までできなかった分存分にイチャイチャしていただいて構いませんからね。 あ、子供ができたらすぐに呼んでね? どんなことがあってもすぐに飛んでいくから。 でも、じいちゃんにだけは知らせちゃダメよ。 あの人、無茶苦茶するんだから。 あぁ、そんなことより、私に甥っ子か姪っ子ができるのね、きっと可愛いわよ。 なんたってあなたとルフィの子供なんですもの。 どっちに似るのかしら? ね、あなたはどっち似の子が欲しい?」

「いや、だから、その……」

「そうよね、そうよね、どっちでもいいわよねそんなこと。 なんといっても二人の愛の結晶なんですもの。 どっちだって可愛いに決まってるわ。 でも待って、甥っ子か姪っ子が出来るってことは私は叔母さんってことよね? 30歳にならずしておばさんと呼ばれるのか……、ちょっと複雑ね。 でも、でもいいの。 可愛い甥っ子か姪っ子のためだもの。 呼び方なんてどうでもいいわね。 あなたもそう思うでしょ? それでね、t」

「あ、あの!!」
「ん? な~に?」
「私、ルフィの彼女じゃありません」

 ……。

 ……。

 ……え?



◇◆◇◆◇



 ……恥ずかしい。 とても恥ずかしい。 穴があったらさらに掘り下げて誰も到達できないぐらい深くまで潜ってしまいたい心境だよ……。 今ならレッドラインを掘り抜けることができるよ……。

 ナミちゃんと呼ばれるルフィの仲間の女の子(なんでも航海術に長けているのだとか)を勝手に彼女と勘違いした挙句、なんか色々と暴走してしまったのを覚えている。 あぁ、恥ずかしい。 変なことは言ってないよな?  

 落ち着いたところで彼女の説明を聞いた。 なんでも、まだ正式な仲間ではなく、ある目的のために協力している子らしい。

 くッ、うちの弟は性に疎いとは思っていたが、こんなにも可愛い女の子を前にしてなにも反応しないとは……、お前は本当に男なのか!!!

「で、ルフィ、この人は?」
「ん? あぁ、俺の姉ちゃんだよ。 海軍本部で働いてんだ」
「あぁ、そういえば自己紹介すらしていなかったわね。 モンキー・D・アモスです。 このルフィとは実の姉弟になるわ。 よろしく」
「どうも……」

 ノリが悪いな、このマリモ頭は。 長っ鼻君みたいに驚いてます!!! って顔をしてくれるとすごくわかりやすいんだけど。

「ところで、ルフィのお姉さん。 ここには何をしに? まさかルフィを捕まえに来たんじゃ?」

 恐る恐るといった感じでナミちゃんが聞いてくる。 まさか、まだ悪いこともしていないルフィを捕まえるわけないじゃない。(←既に海軍支部襲撃のことは頭に無い)

 「ご飯を食べに来たのよ、ルフィを捕まえる気はないわ、今はね」と言うと、ちょっとほっとした様な雰囲気になった。


 では、さっきから私のテーブルでずっとこちらを伺いながら、料理を置こうかどうか迷い続けているマユジくんのところに行こうかしら。
 私のご飯!!! 待っててねぇぇえええええ。 
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