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真剣恋にチート転生者あらわる!?

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第7話

悠斗side



俺が揚羽様の恋人になってから一月が過ぎた。
九鬼家の方々にも報告はしましたよ。
英雄様に報告したら、
「ふはははは!そうか。そうか。流石は姉上が認めたら男だ。悠斗ならば、姉上をずっと支えてくれるだろう。これからは、家族としてもよろしく頼むぞ、義兄上殿!」
と、言われましたよ。英雄様は非常に優秀な方で 今は、九鬼帝様の仕事を手伝ったりするほどの方だ。そんな方に義兄上と呼ばれる日が来るとは思いもしなかた。
紋白様に報告したら、
「そうか。なら、悠斗は妾の兄上になるのじゃな。悠斗よ。これからもよろしく頼む。姉上は優しい故に、いつか悩んだりする日がくるやも知れん。その時は側で支えてやって欲しい」と、言われました。最近は紋白様も、俺に懐いてくれたので良く遊びの相手になったり、家庭教師役をしたりしている。
最後に九鬼帝様に報告しに行ったときは、流石に驚きを隠せなかった。初めて拝謁して姿を見たのだが、身長が2mを越える巨漢の方だった。筋肉質な体で精悍な顔立ちで、見る者を威圧させるような風貌だった。また、顔はかなりのダンディーな方だ。拝謁した場所は、帝様の書斎で俺と九鬼帝様とクラウディオさんの3人だけだった。
俺から、揚羽様と付き合っていると告げると、帝様はこの様に言われた。

回想


「ふはははは!揚羽より、話は既に聞いておる!お主のような強者(つわもの)を我が九鬼家に入れるのは、我は大賛成だ。しかし、九鬼家は大企業でもある。お主の事を知っている者は少ないが、いきなり現れたお主を揚羽の伴侶にするには、少し難しい。それでだ。悠斗よお主が本当に揚羽に相応しいか、試す為に試練を与える。異論はあるか?」

「いえ。ありません。ポッと出の俺が簡単に認めてもらえるとは、思っていませんでしたから」

俺は帝様と視線を合わせる。互いの瞳に己が姿が映る。すると、帝様はニヤリと笑った。

「ふはははは!我の威圧に屈せぬとはな。ヒュームが次世代の後継者と言うだけはあるな。お主なら、侍従隊の0位を与えるのに相応しいかも知れんな」

「ありがたいお言葉です。帝様。して、俺を試すための試練とは如何に?」

「うむ。それなんだがな。クラウディオ!」

「は!此方が資料になります」

帝様の後ろに控えていたクラウディオさんが、何処からか取り出した資料を手渡す。帝様は軽く目を通して机に置いた。

「お主は昔、傭兵をしていたそうだな」

「はい。曾ては傭兵をしていた事もありました。それがなにか?」

まさか、神様が作った捏造設定が此処で出てくるか。俺はポーカーフェイスを維持する。此処で下手な反応をするのは、得策では無いと判断したからだ。

「一時期はかなり名が売れた傭兵だったらしいな。そこでだ、我が九鬼家の開発した兵器を使い紛争や内戦に参加して各地の戦いを鎮圧して来るのだ。お主・・・いや、悠斗が有名になれば自ずと、愛用している武器に注目が集まる。さすれば、我が九鬼家の軍需部門が潤う事になり、より世界に知れわたる事になる。更に、悠斗よ貴様は有名になり揚羽の伴侶として何ら不足のない人物として見られ、晴れて結婚する事になろう」

「話は分かりました。要するに、紛争や内戦で活躍して九鬼家の実力を世界に知らしめれば良いのですね?」

「そうだ。悠斗。貴様なら、容易いだろう?」

机に両肘を立てて、口元で手を両会わせにしてニヤリと笑う九鬼帝様。その、鋭い眼光は俺がどれだけの男か計っているのだろう。

「分かりました。なら、いくつか作ってもらいたい武器や装備が有るのですが、よろしいですか?」

「構わん。兵器部門の担当者に話を通しておく。クラウディオを通じて要望を出すがよい」

「ありがとうございます。あと、ひとつ聞きたい事が有るのですが宜しいでしょうか?」

「なんだ?申してみよ」

「その試練は何時から開始されるのですか?あまり早いと、引き継ぎが出来ないので」

いや、流石に小十郎なら揚羽様の事なら一緒にいた時間が長いから、大丈夫だと思うけど形だけでも引き継ぎなんかはしたいしね。

「安心しろ。揚羽が卒業してからだ。あと、半年は揚羽の専属執事を続けてもらう。揚羽は高校卒業後、九鬼財閥の軍需鉄鋼部門を統括してもらうつもりだ。揚羽が担当する部門は世界を動かす老人共がいる場所だ。生半可な場所ではない。だが、揚羽にも頑張ってもらわねばならぬからな。若い頃の失敗は糧になる。それを揚羽には身を持って、知ってもらわねばならんからな。失敗から学ぶ事は沢山あるからな・・と、口が滑り過ぎたな。 他に聞きたい事はあるか?」

「いえ。ありません。半年も準備の時間をくれるのであれば、紛争や内戦に介入して終結させるなど容易な事ですから」

いくら、帝様であっても我が子を思う気持ちは強いのだろう。本当なら、そのまま俺を専属で残してやれば、揚羽様の仕事で役にたてるはずだ。交渉事なら、俺が殺気を放ってやれば相手が黙るだろうしな。(それは脅迫ともいうがな)それを分かっていて敢えて外すのだ。容易な決断ではなかっただろう。だが、俺は俺に与えら試練を乗り越えなければ、揚羽様の伴侶になれない。ならば、俺がやることはただ1つ。

(久しぶりの戦争か。暴れまくるか。まあ、人間はBETAに比べれば遥かに柔らかく弱いからな。有名になるためには、派手にやるしかないか)

ある程度の予定を頭の中で構築する。後は有名になる方法などを考える。そんな事を考えていると、帝様が口を開いた。

「時に悠斗よ。紋白をどう思う?」

「紋白様ですか?まだ、幼く小さな方ですが、武は揚羽様に及ばず、商才は英雄様に及ばずと言ったところですが、それを上回る人を見る目ですね」

「ほう?紋白をそのように見るか。まさか、ヒュームと同じ答えがくるとわな。分かった。悠斗よ下がってよい。努努(ゆめゆめ)試練の事を忘れるでないぞ。良いな!」

「は!かしこまりました!」



て言う、やり取りがあったんですよ。まあ、試練を乗り越えるのは師匠との修行してた頃を思い出すから、悪くはないんだけどね。 そんな事を考えていると、拳が俺の顔面目掛けて迫って来る。俺は、それを右手で受け流す。そこから俺が追撃を仕掛けようとしたところ、死角から七首(ひしゅ)が飛んでくる。それを開いている、左手で受け止める。

「へ!私たちとの、戦闘訓練中に考え事をするなんてね!舐めんじゃないさ!」

「・・む!やはり、当たらないのね」

「いやはや、流石ステイシーに李だね。危うく、一撃もらう所だったよ」
そう、俺が考え事をしていたタイミングはステイシーや李等と一緒に、侍従隊の戦闘訓練をしている時だったのだ。今は、2対1の対人訓練をしている最中なのだ。

「チッ!私たちの方が数の上では優位なんだけどね!悠斗の強さは圧倒的すぎるんだよ!」

「ステイシー。落ち着いてちょうだい。さっきのチャンスを生かせなかったのは痛いけど、まだ負けた分けではないから落ち着いて攻めましょう」

「悪いが、冷静になる時間はくれてやれんよ!」

左足で地面を踏み込み一気に間合いを詰め、ステイシーに右足で蹴りを放つ。僅かに反応が遅れたが、なんとか両腕でクロスガードして蹴りを受け止めるが、一撃の重みが違うためステイシーが吹っ飛ぶ。

「きゃあ!」

「ステイシー!」

吹っ飛んだステイシーに気をとられた、李に接近する。李はステイシーの事を考えるよりも、俺を迎撃するために暗器のヒョウを両手の指に挟んで投擲してくる。この暗器の姿形はクナイに似ている。10個のヒョウが俺に向かってくるが、それを全て叩き落とす。両者の間合いは互いに15歩と言った具合に開いた。

「チッ!簡単に間合いに入れてくれないな」

「・・・・当たり前。悠斗の間合いに入れば、CQCがあるから不利だもの」

互いにゆっくりと円を描く様に動く。ジリジリと間合いを詰めて行く。
周囲の音が消えて静寂が世界を包み込んでいる。 カサリと音がする。1羽の鳥が木の枝から飛び立った。

「はあ!」

「せい!」

互いに一気に間合いを詰め拳を放つ。互いの拳がぶつかり合う。互いの拳が離れる。李は回し蹴りを放ってくる。

「やあ!」

「当たらんよ!」

俺はそれを回避する。李は地面に着地する。そこに右の拳を放つ。李は、後方宙返り(バグ転)で回避して後ろに下がる。

(あ、今日の下着は白なんだな)

李がバグ転する瞬間下着の色が見えたが、それは役得?と考えておく。
李は体勢を立て直して俺の顔に右側から横に払う蹴りを放つ。

「てい!」

「ふん!」

李の蹴りを右腕でガードして掴む。李は片足で立っている状態だ。

「せいや!」

「きゃあ!?」

その掴んだ足を一本背負い投げでの要領で抱えて投げる。李は地面に叩きつけられるすんでで止まる。

「俺の勝ちだな」

「・・・・また、負けた」

李の足を放してやる。李は素早く立ち上がった。 パッパと服に付いた埃等を払う。

「そう言えば、ステイシーは何処に行ったんだ?」

「悠斗が投げたでしょ。ほら、歩いて帰って来たわよ」

「こら!!、私を殺すきか!!危うく死ぬかと思ったわよ!ヒュームが受け止めてくれなかったら、死んだわよ!」

怒鳴り声を上げながら、此方にステイシーが向かってくる。隣にはヒュームさんが一緒にいた。
二人が側にやって来た。

「お疲れ様です。ヒュームさん」

「おう。お疲れさん。相変わらず手加減して戦ってる様だな」

「当たり前ですよ。下手に力を入れたら、最悪地球が割れますよ」

「それは間違いないな」

ハッハハと笑うヒュームさん。すると、隣でプルプル震えていたステイシーがキレた。

「ナチュラルに私を無視すんな!!しかも、手加減されて勝てないなんてどんな人間だ!!」

「だって、悠斗なのよ?当たり前じゃないかしら?」

「李も冷静に返事をするなぁぁぁぁ!!もっと悔しがりなさいよ!」

「そう?私も充分悔しいけど、悠斗と手合わせする事によって、私達は前より確実に強くなってるのよ」

「う!そ、そりゃそうだけど」

李の発言を受けて、縮こまるステイシー。確かにこの二人は最近実力が伸びてきているのだ。

「ゴホン!まあ、二人共精進するのだな。それより、悠斗。技術開発部の連中が来て欲しいと言っておったぞ。なんでも、お主が開発を頼んだ物が出来たそうだ」

「(やった!これであれが使えるぜ!)え?もうですか?まだ2週間しか経ってないのに。分かりました。すぐに行ってきます」

「ああ。行ってこい。後は任せておけ」

「行ってきな」

「・・・・行ってらっしゃい」

3人に見送られて俺は、技術開発部に向かうのだった。




悠斗sideout



侍従隊side



悠斗が技術開発部に向かうのを見送った3人は、のんびりとお喋りをしていた。

「うー!また負けた!クッソ~!いつか、悠斗をギャフンと言わせてやる!」

「まだ、言ってるのね。悠斗は特殊なのよ。負けても恥じる事じゃないわ」

「それでもよ!リベンジしたい気持ちは簡単には収まらないのよ!」

「まあ、ステイシーがやる気になるのは良い事だが、悠斗はあと半年もしたら九鬼家侍従隊から居なくなるぞ」

「「え?」」

ヒュームの言葉に固まる二人。3人の周囲の空気が一気に冷え込む。

「帝様が揚羽様との婚約の為に、悠斗を試す為の試練を出したそうだ。クラウディオが言っていたのだから間違いない」

「じゃ、じゃあ、悠斗は試練の為に侍従隊を止めるんですか?」

「いや、一時的に外れるだけだ。試練が終了すれば、侍従隊に戻ってくるそうだ」

ホッと溜め息をするステイシー。悠斗が侍従隊を抜けないと分かった途端安堵の表情を見せた。
李が口を開く。

「・・・・すると、今技術開発部に行った理由は、試練に関係する物なんですか?」

「ああ。そうらしいな。なんでも特殊なスーツや武器らしい」

「「特殊なスーツ??」」

二人が頭の上に?マークを浮かべる。ヒュームはそれに構わず説明を続ける。

「なんでも、擬態機能が備わったスーツらしいぞ。俺も詳しくは知らんがな。研究者曰く、「これが量産された暁には、諜報活動する部隊の疲労が極端に少なくなる」らしい。あとは、不思議な銃を頼んでいたな。麻酔弾しか射てない銃だ」

「なんだか、聞いていると疑問しか出てこないんですけど」

「想像しがたいですね。どんなスーツでどんな銃なのかしら?」

ステイシーと李は顔を顰める。ヒュームはニヤリと笑う。

「まあ、あとはM1911とモシン・ナガンを頼んでいたな。それ以外の武器は基本的に現地調達するつもりらしいな」

「まあ、M1911はまだサイドアームとして使うんだから分かるとして、なんでわざわざ第一次世界大戦よりも前に出来たボルトアクションライフルを注文したんだ?同じボルトアクションならレミントンM700の方が使い易いのにな」

「そうね。それに、わざわざボルトアクションに制限しなくても良いのに。セミオートやオートマチックならSVDドラグノブやPSG1にVSSなんかがあるのに」

「まあ、あまり多くても邪魔になったりするからな。悠斗なりの考えがあるのだろう。それより、そろそろ訓練を再開するか」

「え?まさか、ヒュームが相手なの?」

「・・・・また、厳しい相手」

ステイシーと李の顔が引き攣ってゆく。それから暫くのあいだ、女性の叫び声が響くのであった。




侍従隊sideout



揚羽side



我は学園での全ての授業を終え、自宅に帰って来ている。時刻は既に夜の9時を回ったばかりだ。 我はシャワーを浴びている。熱い水滴が白い素肌に辺り体を暖める。何時も通り悠斗は脱衣場で待機しておる。小十郎は部屋の外だ。

(ふう。父上から話は聞いたが、悠斗が我の側からいなくなるのか。寂しくなるな。我との結婚を認める為の試練か、悠斗なら無事にクリアしていくだろうな。暫しのあいだ会えぬのが残念だが、その分今のうちに甘えるとしよう)

蛇口を捻りお湯を止める。脱衣場の扉を開けて中に入る。

「揚羽様。タオルでございます」

「うむ」

悠斗からバスタオルを受け取り、体を拭いて行く。悠斗がハンドタオルで我の髪を優しく拭いて行く。

「悠斗。暫し待て」

「は!」

悠斗は我から離れ待機する。我は下着を着て寝巻きの浴衣に袖を通す。最近は少々涼しくなってきたので、そろそろ浴衣を着るのは終わりかもしれん。

「悠斗。目を開けて構わぬ」

「は!揚羽様」


悠斗の両目が開かれる。 青い瞳が我を見つめる。我は、悠斗に近付き頭を両手で押さえて唇を奪う。

「う!・・ち・・・・ちゅ・・・ちゅぱ・・・ん ・・・くちゅ・・・ん」

悠斗は最初は驚いた様だが、すぐに我の舌を弄ぶ。我も最近は悠斗の舌の動きに合わせられる様になった。

「ち・・・ちゅ・・・・ん・・・・んん!・・・・ちゅぱ・・・ちゅ・・・くちゅ・・・ん」

脱衣場の中に粘着質な水の音が響く。互いに呼吸を忘れてキスに没頭する。やがてどちらからともなく唇を離す。互いの唇の間に1本の唾液で出来た糸が出来る。それを指で絡めとり口に入れる。

(ほんのりと悠斗の味がするな。うむ。美味だな)

我はそのまま、悠斗に抱き付く。鍛え上げられた胸板に頭を預ける。
悠斗は見た目は優男だが、中身は別物だ。
限界まで鍛え上げられた身体でありながら、それを服の上から感じさせない程の隠匿技術もあるのだ。悠斗も我を優しく抱き締めてくれる。右手で頭を撫でてくれる。

「ん・・・暖かい気持ちになるな」

「そうですか。しかし、いきなりどうしたのですか?流石に、俺も驚きましたよ?」

「なに、悠斗が居なくなると思うと寂しくてな」

「仕方ありません。流石に九鬼家の令嬢である揚羽様の婚約者が、ポッと出の侍従では体面的によろしくありませんから。試練を与えられるのは普通かと」

悠斗は更に優しく我の髪を撫でる。我は悠斗を強く抱き締める。顔を上げて悠斗の顔を見る。

「分かっておる。しかし、悠斗と離れたくはない。我を此処まで弱くしたのは悠斗なのだぞ。悠斗の正で我は弱くなったのだ。責任を取るのだぞ!」

「分かっております。揚羽様。お慕い申しております」

どちらからともなくキスをする。唇と唇が触れ合うだけの優しいキスだ。我は悠斗を強く抱き締める。脱衣場で熱くキスをした我はそのまま、悠斗を部屋に連れ込んだ。
今は、互いに布団の中にいる。我は悠斗の右腕を枕にして横になっている。

(ああ。この時が永遠に続けば良いのだがな)

悠斗の胸板に頭を預ける。悠斗の心音一定のリズムを維持しているのが分かる。

(そう言えば、川神から死合いの申し出があったな。我は受けるべきであろうか?)

既に川神百代とは3度戦ってるが、未だに決着は付いた事はなかった。
3度目の死合いでは片腕を折られ、骨が2本外されたがそれでも揚羽自身は負ける気がしなかった。

「揚羽様。なにか、難しい事を考えられておられますね」

「うむ。川神院から四度目の死合いの申し出があった。それを受けるか悩んでおるのだ。悠斗よ、我はこの死合いを受けるべきだと思うか?」

悠斗は我の髪を左手で撫でながら口を開いた。

「揚羽様に心残りがあれば受けるべきかと。あと半年で揚羽様も高校を卒業されます。社会に出たときにあの時死合いをすれば良かったと、心残りになる位ならば武人としての揚羽様の信じる道を行く方が良いと思います」

「(そうか。悠斗は我が我である様にするべきと申しているのか。・・・・ならば、心残りを作る位ならばこれが我の武人としての最後の死合いだ!)そうか。悠斗。ありがとう。我は決めた。死合いを受ける!」

「そうですか。ならば、明日には返事を送らねばなりませんね」

「うむ!小十郎ならば場所が分かる。小十郎に手紙を渡しあやつに行かせる」

それから我は悠斗の胸板に頭を乗せて静かに眠るのであった。
次の日に小十郎に手紙を川神院に届けさせるのであった。




揚羽sideout



とある父親side



我は今、電話である男に注文をしておる。

「安辺総理。国会で必ず通してくれ。これは日本の為だ」

「難しいですが、やってみましょう。小湖元首相が提出した時はダメでしたが、聖域なき改革のためですからね。必ず通してみせます」

「うむ。よろしく頼む。貴殿が政権与党の内に目玉政策として、通してくれ。支援は任せてほしい。でわな」

受話器を置く。クラウディオが紅茶を出してくれた。

「よろしいのですか?わざわざ、首相を動かしてまで」

「なに。表向きは我と愛人が重婚するために通させるだけよ。本来の目的は我に使う分けではない」

「紋白様ですか」

「そうよ。ヒュームからの報告では、紋白は悠斗に惚れている節があるらしい。ならば、たいして紋白に何もしてやれなかった父親として、僅かながら力添えをしてやるのだよ」

紅茶を口にする。芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。砂糖のほのかな甘味が口に広がってゆく。

「そうですか。まあ、帝様が信じる様にするべきかと存じます」

「ああ。そうだとも。我はアレクサンダー大王の生まれ変わりなのだからな!ふはははは!!!」


何処かの飛行機の中で、男の笑い声が響くのだった。




とある父親sideout 
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