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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語

作者:マルバ
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SAO編 主人公:マルバ
番外編:バトル・ロワイアル
  番外編 第三話 ルール説明

 
前書き
ご無沙汰しております。
最近体調が最悪で、更新が相当遅くなっております。
一ヶ月に一回更新とか、最初の更新速度はどうしてしまったんだ…… 

 
 シリカは一人、競技場を訪れていた。シリカ以外の《リトルエネミーズ》のメンバーは全員バトル・ロワイアルに参加するため、一緒に観戦する仲間がいないからだ。なぜシリカだけバトル・ロワイアルに参加しないのかというと、彼女はエントリー直前にたまたま防具を壊してしまったので受け付けてもらえなかったのだ。
 チケット代(1000コルもした、いい商売だ)を購入すると、あたりを見回す。最前列の方に知り合いを見つけ、彼女は急いで駆け寄った。

「アスナさん! お久しぶりです!」
 二人ならんで新聞の号外を呼んでいたリズベットとアスナは慌てて振り返り、シリカの姿を認めると挨拶した。
「シリカちゃん、久しぶり。二週間ぶりくらいかしら?」
「そうですね。ユイちゃんは元気にしてます?」
「元気いっぱいよ。今はキリトを見送りに行ってるよ。すぐ戻ってくると思うけど……」
 リズさんも久しぶり、とシリカがリズベットに挨拶している間に、アスナはチラッと選手控え室の方を見た。中からワンピースの少女が走り出ると、アスナの方に駆けてくる。それに少し遅れて、赤い服を着た背の高い男が現れた。アインクラッド最強の男であり、ユイのことを知る数少ない仲間でもあるヒースクリフだ。
「ユイちゃん、パパはどんな感じだった?」
「張り切ってましたよ! まだまだ出番は先ですけどね、パパはDブロックですから。……あれ、姉さんも一緒なんですね」
「ユイちゃん、こんにちは。団長さん、お疲れ様です」
 シリカはユイに挨拶すると、ユイの後ろからやってきたヒースクリフにも声をかけた。ヒースクリフは大仰にうむ、と頷くと、アスナのすぐ近く、演説台のような場所に立った。彼がチラリとアスナに視線を送ると、すぐにアスナも立ち、彼の側に移動する。ヒースクリフは大きく息を吸い込むと、会場全体に聞こえるように叫んだ(シャウトした)

「あー、プレイヤー諸君! ようこそ、我々のステージへ! 私は今回のバトル・ロワイアルの主催者、ヒースクリフである。開催に先立ち、規則の確認を行わせていただく。チケットの裏を見ていただきたい」
 シリカは慌ててチケットを取り出すと、裏返して書かれている規則を確認した。先日貼りだされたものと全く同じ規則が羅列されている。ヒースクリフはそれを次々と読み上げていくが、最後の規則の前で一旦話を切った。
「さて、問題の八番目の規則だが、知っての通り今回のバトル・ロワイアルのような多人数参加型のデュエルは基本的にソードアート・オンラインのシステムにおいて定義されていない。しかし先日、血盟騎士団の団員が模擬戦闘中に偶然発見した方法を用いれば多人数参加のデュエルが可能になる。今回のバトル・ロワイアル開催はその方法を知らしめるためのものでもあるのだ。新しいデュエル方法の発見はそのままプレイヤーの技術向上のモチベーションにも繋がる。私は、この発見を通じてプレイヤー諸君が各自の技術を更に発展させ、(きた)る日のボス攻略に備えることを期待している」
 シリカはびっくりしてヒースクリフを見つめた。このバトル・ロワイアルにそのような意味があったとは誰も思わなかっただろう。その場のプレイヤーたちは、全員息を呑んでヒースクリフの次の言葉を待った。

「多人数参加型のデュエルは、デュエル中の者は他のデュエル中の者のHPを減らすことができるという通常の1vs1デュエルの仕様を用いて実現できる。今回参加者は、デュエル開始前に《血盟騎士団》幹部の諸君からのデュエルを受諾する必要がある。全員がデュエルを受けた後、30秒のデュエル開始までの待ち時間が経過したことを確認次第、私が戦闘開始の合図を行う。参加者は合図に従い、速やかに戦闘を開始すること。HPが半減した者はデュエルから自動的に脱退するため、それ以上HPが減ることはない。安心して戦い給え。ただし、一人のHPが半減したからといってバトル・ロワイアルは終了しないため、HPが半減した者はアナウンスに従い即座に退場する必要がある。また、戦闘中反則行為を行った者は、《血盟騎士団》幹部がデュエルを降参(リザイン)し、反則者を強制的にデュエルの勝利者とする。WINNER表示が出た者は反則であるので、速やかに競技場から立ち去ること」

 シリカはヒースクリフの言ったことがしっかり理解できなかった。傍らのリズベットも混乱した表情をしている。そんな二人を見かねて、ユイは簡単に説明を加えた。
「団長さんが言ったことをもっと簡単に説明しますね。ええと、デュエルの最中は相手を攻撃出来ますよね? これなんですが、AさんとBさんがデュエルを行なっている横でCさんとDさんがデュエルを始めたとします。すると、AさんがCさんを攻撃することもできるんですよ」
 ふむふむ、とシリカは頷いて先を促した。
「今回のイベントの参加者は、《血盟騎士団》の幹部の皆さんからデュエルを受けるんです。それで、参加者同士でHPを減らしあいます」
 リズベットがユイの話を遮った。
「ちょっと待ってよ。なんで参加者同士じゃなくて《血盟騎士団》の幹部とデュエルするの? さっきのAさんとCさんの話なら参加者同士でデュエルしたっていいじゃない」
「それはですね、仮に先ほどの説明に出てきたAさんがCさんとの戦闘に勝ったとすると、その時点でBさんはデュエルに負けて、Dさんはデュエルに勝ってしまいます。Cさんが抜けた後、バトル・ロワイアルを再開することができないんです。第三者がデュエルを申し込むことで、誰が負けてもバトル・ロワイアルを続けることができます。それに、この方法だと自動的に参加者一人に対し審判が一人つくことになりますから、不正を防ぐこともできますし。審判が降参(リザイン)すれば、その参加者はデュエルに勝利した扱いになり、退場になりますので」
 なるほど。シリカとリズベットは互いに顔を見合わせ、嘆息した。一体誰がこんなことを思いついたのだろう。

 三人が話し込んでいる間にヒースクリフは参加者への激励の小演説を終え、さっさと演説台から引き上げてきた。リズベットの横に腰掛け、完全に観戦の態勢に入る。
「ちょっと、団長さん。開始の合図は団長さんがするんでしょ? こんなとこでくつろいでていいの?」
 リズベットが慌てて言うも、ヒースクリフはそれを全く意に介さないようだ。
「私も君たちと一緒に見させていただくことにしようと思ってな。なに、別に演説台からでなくてもシャウトすれば参加者諸君には聞こえるだろう。一人だけ演説台で見るのもつまらない。君、名前はなんというのかね?」
「……リズベット」
「ほう、いい名だ。よろしく頼むぞ、リズベット君」
「一体何をよろしく頼むっていうのよ……」
「まあ細かいことはどうでもいいではないか。……おお、君がユイ君か。実際会うのは初めてだな」
「そうですね、初めまして。よろしくお願いします、団長さん」
「うむ、よろしく頼む。……しかし、こうして話をしてみると人間にしか見えんな。私はAIは専門ではないのだが、ここまで発達したものだったとは。いやはや、驚きだ。世界は広いな」
「ちょっと、団長さん。こんなところで話さないでくださいよ。秘密なんですから、誰かに知られたら大変です」
「おっと、確かに。失礼した」

 ヒースクリフたちが話している間、アスナは参加者たちに対し、各ブロックの予選や決勝戦の開始時間などについて軽く説明した。アインクラッド初のバトル・ロワイアル開催まで、あと数分である。 
 

 
後書き
ものすごく分かりにくい説明ですみません。次回、Aブロック戦です。

体調が悪く、最近全然更新できずすみません。
私は毎年この時期非常に持病というか体質が悪化して日中ほとんど活動できなくなってしまいます。
具体的にどうなるかというと、過眠がひどくなり、一日の睡眠時間が18時間ほどに伸びてしまうんです。
病院に通い、最近ようやく少し良くなって来ましたが、まだまだ小説を書く時間が取れない状況です。
そういうわけで更新速度が非常に遅くなってしまいますが、これからもよろしくお願いします。 
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