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ワンピース -炎とゴムの姉は虫(バグ)-

作者:nyonnyon
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転生~原作開始までの道のり その1

 転生して早5年。 それまでの経緯なんかは……まぁ省こう。 何度転生してもあの羞恥プレイは耐えられん。

 転生して一発目にみた顔はイケメンの父親でも美形の母親でもなく、まゆあたりに傷を持った強面だった。 目を開ければ強面。 普通の子供なら泣くぞコイツ。
 その強面が、最初に放った一言は、「アモスちゃ~ん、おじいちゃんですよぉ」と滅茶苦茶猫なで声。 顔もニヤニヤ。

 正直、気持ち悪かった。 このじいさんの顔から、もっと渋い声を想像していたのに……。

 あぁ、私は『モンキー・D・アモス』と言う名前になった。 今回の転生での名前だな。 う~ん、確か主人公が『モンキー・D・ルフィ』だったはずなので、関係者なのだろう。 あ、性別は女性だ。
 初代の私は男だったが、何度かの転生で女も経験しているので、最早性別などどうでもいい。

 ……が、しかしだ。

 あのじいさんは頭がおかしいのか? もうすぐ4歳になろうかって時に急に現れた、海軍の英雄『モンキー・D・ガープ』中将。

 まぁ、家のおじいちゃんなわけだが……。

 現れると同時に、「アモスちゃんは立派な海兵になるのじゃぁああ!! そのために訓練じゃぁあああ!!!」とか言って、まだ3歳の私を、無人島に一人で放り込んだ。 ……無人島にだ。 ……一人でだ。

 普通の3歳児なら死んでるぞこれ? いろんなところを転生して様々な力を得てきた私だからどうとでもなるが……、まぁ、こんな無茶ぶりに耐えてあの年齢(たしか17歳だったか?)まで成長したルフィはそりゃあ主人公張れるはずだよ。

 でだ、もう2年(・・)も無人島で一人暮らし。 ……おい、じじい、忘れてないだろうな? 野生に目覚めちまうぞコラ!

 はじめの1年、家を作ったり、食料を確保したり、島を歩き回ったりした。 そんなことを1年も続けていると、はっきり言ってすることなんかなくなる。 だから次の1年、この島の隅から隅まで調べ尽くして、ジャングルに住む猛獣どもを手懐けて、もう島ですることもなくなったし、暇だから海で泳ぎまくったし、体も鍛えまくった。

 女の子の体っていうのはどうしても弱い。 どんなに鍛えてもすべすべ、ぷにぷにと柔らかいのである。 転生特典のおかげか、身体能力は異常なので、樹齢600年ぐらいの滅茶苦茶太い大樹をデコピンでぶち折れるが、このぷにぷにの体のどこにこんなパワーがあるのかは謎である。

 男みたいに、筋肉がバッキバキに浮き出てくれればわかりやすいのになぁ。
 まぁ、そこまですると気持ちが悪い、女性ボディビルダーみたいになるのは嫌だしな。

 この島で本当にすることがなくなってしまったのが、放り込まれてから1年と2ヶ月ぐらいたった頃。
 海から打ち上げられる漂流物から、シワシワふにゃふにゃになった新聞等を読み、この世界の言葉が読める事も理解した。 言語チート正直有難いです。 これだけは毎回神様に感謝してます。 しかも、各種世界の文字の記憶は頭の中にしっかり残っている。 文字の記憶だけなんだけどね? 平安時代の文字を解析できるけど、歴史は覚えてないって感じ、なんか不思議だと思わないかい? もうなれたけどね。

 ……海賊王が処刑されたらしい。 目玉イベント(だったような気がする)を見逃した……。 というより、これ大分前の新聞だ……。


◇◆◇◆◇


 そんな私の無人島生活は、6歳になろうかという時にやって来た、この島に放り込んだ張本人によって終わりを迎えた。
 「アモスちゃ~ん、迎えにきたよぉ」とかけよってくるそいつを無言で殴り、地に沈めたのは言うまでも無いだろう。
 「オフゥ……、アモスちゃん、……ええ、パ……ンチ、……じゃ……ガクッ」とか言いながら倒れたけど問題ないよな?

 この無人島ともお別れかと思うとなんだか感慨深いものがある。 動物たちと交流を深め、アニマルキングダムを作りあげてしまったこともあるしな。

 私は人間なので入ることはできなかったが、動物達からは友好の印として、王の(たてがみ)を使った髪飾りをもらった。 うん、普通に二足歩行している動物とかいるし、肉球でぷにぷにの手で器用に民芸品みたいなモノを作っている動物もいる。 ……なんだろうこの島。 微妙に文明のレベルが人の世より進んでる気がする。 私がいらん入れ知恵をしてしまったからだろうか? まぁいいや。

 復活したじいちゃんと共に、この島から去る。 去り際に、涙を流しながら手を振ったり、敬礼したりする動物たちを見ながら、久しぶりに故郷に帰る私。 故郷より無人島の方が思い出が多いが気にしないことにしよう。 5歳にしてココまで濃い人生は何十と繰り返した転生人生の中でも久しぶりである。
 某白い魔王さんとか、某美少女武神さんとかこのぐらいの年からアグレッシブな奴が多かったけど……。 それはまた今度機会があれば語ろう。


◇◆◇◆◇


 そんな、こんなでもう11歳、(いやもうすぐ12歳だな)、になった。


 ……弟たちができた。


 正式には二人はできた。 もう一人はできてた。

 私より5つ年下のエース。 こいつは家のじいちゃんが連れてきて、いきなり置いていった。
 最初かなり反抗的だったが、そこは私。 しっかり、O・HA・NA・SHIしたらいうことを聞くようになった。
 何十回か前の転生先の白い魔王さん。 あなたの力は世界を超えて働くようです。

 次は、エースと同い年のサボ。 コイツもなかなか反抗的であったので、少しかる~く武神の覇気を当ててみたら、気絶→復活→姉御どこまでもついていきやすぜ!! になった。
 誰が姉御か。

 最後は、やっと登場、主人公のルフィくん。 弟だったらしい。
 ついこの間、じいちゃんに連れられてやてきて置いていかれました。

 あ、エースとはすごく仲がいいですよ? ほんと兄弟みたいです。
 え? 姉ちゃんが怖いから一致団結した? なんのことでしょう? ルフィ……後でO・HA・NA・SHIだからな……。

 エースは少し私の覇気に対応できるようになってきている。 なんでも覇王色の覇気を持っているのだとかいないとか……。
 サボとルフィは未だに軽く当てただけで気絶するんだが……。 うん、ちゃんと強くなってきているみたいで、おねえちゃんは嬉しいぞ!!


◇◆◇◆◇


 なんだか、私の誕生日間際になると必ずイベントが発生する。 特にじいちゃん関係で……。
 面倒くさいことになるのはわかっていたが、理由を聞いてみた。



 ……アホか。 私の誕生日にどんな誕生日プレゼントがいいかわからなかったので、今までの迷惑行為はプレゼントのつもりらしい。
 今までの無人島放置事件や、急遽お前の弟だよ事件が、プレゼントだと? 頭がおかしくなったのかあのボケは。

 『家のじいちゃん大丈夫ですか?』、とじいちゃんの副官さんに聞いてみたら、『中将は軍人としては立派な方ですよ。 でも書類整理とかもちゃんとやって欲しいんです。 アモスちゃん、なんとか言ってくれませんか?』と泣きつかれた。 そんなことは自分で言え。 いい大人が10歳以上年の離れた娘ぐらいの少女に何を頼んどるんじゃ。

 とまぁ、弟たちと交流を深めていたんだが、いろいろあったよ。 ……まじで。

 シャンクスさんと出会い、『ルフィ顔面串刺し事件』とか、エース、サボ、ルフィ連合による、『姉ちゃん襲撃事件』とか、『姉、水浴び、NO・ZO・KI!!!! 事件」とか、まぁ色々。 あ、襲撃事件とか、覗き事件はきっちり落とし前を付けておきました。 いや~楽しかったなぁ。
 私が先にこの島を出るだろうから、これからルフィたちがどう成長するのか……。 姉としてとても楽しみだ。 
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