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転生とらぶる

作者:青竹
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コードギアスR1
  0138話

「……ん?」

 床の上で目が覚める。
 周囲にはモニタが十数個あり、それぞれが別の場所を映しだしている。

「ここは?」

 どう見ても、マンションかアパートの一室だ。何で俺がそんな所にいるんだ?
 そんな風に思うが、空間倉庫の穴が開き、そこからスライムが伸びているのを見て思い出す。そう、俺は図書館でマオを吸収するのに成功したのだ。
 図書館にあるトイレの換気扇。その奥にあるダクトで待機しているスライムだが、さすがにこのままでは拙いだろう。空間倉庫の穴から伸びているスライムへと手を伸ばして収納と頭の中で念じると、街中を通って図書館まで続いていた全てのスライムが一瞬にして空間倉庫へと収納される。

「ふぅ。これで誰かに見られる心配はないな。後は……」

 脳裏に自分のステータスを表示する。見るのはスキルの覧だ。

「あった……けど……」

 スキル一覧の中には『ギアス』の文字が表示されている。ギアスは分かる。その為にマオを吸収したのだから。しかし、スキル一覧の中でギアスの文字だけが灰色になっている。他のスキルは全て白文字で表示されているにも関わらず、だ。

「どうなっている?」

 意識を集中してギアスを発動しようとしてみるが、全く何も起きない。マオのギアスなら半径500mにいる人間の思考を声として聞く事が出来る筈なんだが、それもない。部屋にある鏡を見てみるが、目にギアスを発動させた時の不死鳥のようなマークも浮かんでいない。
 つまりは……

「全くの無駄足だったのか?」

 あるいは、このギアスはマオのギアスであるから俺では発動出来ないとかか? そもそもギアス能力はギアスを与えられた人物の素質や願望がダイレクトに発現する仕組みだ。例えば俺が手に入れたマオのギアスは『人の心を知りたい』というマオの願望がギアス能力として発現し『人の思考を聞き取る力』となって発現した訳だ。そして俺は別にマオと同じ願望は持っていない。つまりは、このギアス能力は俺には使えない……のか?
 これだけの苦労をして入手したスキルではあるが、使えないのでは吸収した意味が無い。まさに骨折り損のくたびれ儲けだな。
 ……あるいは、何らかの条件次第では発動可能になるのか?
 もしそうなら、スキル覧の上書きはやめておいた方がいいかもしれない。
 ついでに他のステータス覧も確認していくとふと妙な事に気が付く。

「直撃の消費SPが30になっている、だと?」

 少し前までは直撃の消費SPは20だった筈だ。それが何故か今は30。……ギアスの効果か?
 ギアスは使えなくなるわ、何故か直撃の消費SPは増えてるわ……まさに踏んだり蹴ったりとはこの事だな。
 ……いや、待てよ? もしかしてギアスの効果か何かで直撃の性能が上がったとかそういう可能性もない事はない、のか?
 この辺は実際に戦闘で使ってみないと確認は出来ないが、せめてそのくらいの役得はあって欲しい所だ。

「とにかく、微妙に失敗くさいがこの世界での目的の一つは果たす事が出来た。後は特区日本での虐殺を止めればミッションコンプリートだな」

 特区日本。それ自体の構想は構わないのだ。原作でもゼロは最終的に受け入れていたし。なら問題はギアスの暴走に関してか。まさかゼロに『ギアスは暴走するから気をつけろ』なんて言える筈もない。と言うか、もし言ったとしたら俺がゼロに危険人物として狙われるだろう。あるいは、ブリタニア皇帝のシャルルに狙われるか。
 記憶を書き換えられるのは御免被りたいので、俺がギアスを持っているというのはバレないようにしなければならない。幸いギアスに関係して騒動になりそうなマオは吸収する事ができたし、問題はないだろう……ないといいが。
 実戦でならスザクだろうがカレンだろうが引けを取らない自信があるが、知略で言えば俺はゼロには圧倒的に及ばない。唯一のアドバンテージとしては原作知識のみが頼りだ。

「取りあえず……戻るか」

 いつまでも情報部の拠点にいる訳にもいかないので、さっさとマンションを出てブリタニア政庁へと移動し、情報部でキノーへと感謝の言葉を告げて自室へと戻る。
 キノーには危険人物の排除は終わったと言ってあるので、恐らくコーネリア辺りにはそのうち連絡が行くだろう。

「今日は疲れた……」

 そう呟き、ベッドへと倒れ込むと次の瞬間には眠りへと落ちていく。





「日本解放戦線の残党?」
「ああ。どうやら海外へ脱出しようというつもりらしく、タンカーを用意している」

 ギアスを手に入れた翌日。俺はコーネリアに呼ばれて執務室へと顔を出していた。部屋の中にはギルフォードとダールトンの姿があり、二人共書類の整理をしている。

「それでそのタンカーに襲撃を掛けるのか?」
「今日の夕方に出発予定との情報なのでそれに乗じてな。目的は日本解放戦線の指導者である片瀬少将の確保だ」
「俺も出るのか?」
「いや、アクセルの機体は両方とも火力が高すぎる。話によると、タンカーには逃走資金代わりに流体サクラダイトが満載されているらしいから誘爆でもされたら面白くない」

 なるほど、そう言えば原作でもゼロが機雷のようなものを仕掛けて流体サクラダイトを誘爆させる事で水陸両用KMFであるポートマンを纏めて破壊していたな。
 ランドリオンは特派である程度修復されて戻ってきているが、タンカーに積まれている流体サクラダイトに誘爆させないように攻撃するというのはちょっと厳しいだろう。ランドリオンのレールガンはリオンのものより大型で威力も高いので却下。マシンキャノンは射程が短いのでこれも無理。ホーミング・ミサイル? それこそ問答無用で却下だ。ちなみにセシルがロイドをかなり強く見張っていたらしく変な改造をされるという事はなかった。
 ガーリオンはというと、こちらも難しい。空を飛ぶ事が出来るのだから上空からの攻撃は可能だが、バースト・レールガンは威力が高すぎる。マシンキャノンは上空から放つとタンカーを貫通して誘爆。……ソニック・ブレイカー? それこそ自爆しに行くようなものだしこちらも却下。

「……なるほど。確かに俺の機体で爆発物満載のタンカーを攻撃するというのは無謀以外のなにものでもないな」

 コーネリアの言葉に頷きながら答える。しかし原作同様に進むのなら黒の騎士団はコーネリアを狙ってくる筈だ。護衛としては近くにいた方がいいだろう。

「黒の騎士団」
「……なるほど。来ると思うか?」

 俺の呟きにコーネリアが反応する。ナリタで手酷い一撃を食らったのだからそれも無理はないだろう。

「そうだな、俺の予想では来ると思う。ナリタでもそうだったが、何故か黒の騎士団はコーネリアを生きたまま捕らえようとしている。撃破ではなく、な」
「そう言えば、確かにナリタでは撃破ではなく捕縛を狙っていたな」
「そのコーネリアが日本解放戦線との戦いに集中している。……あのゼロならそこを狙ってくるとは思わないか?」
「そうだな……その可能性はあるか。ギルフォード、アクセル。護衛を任せても構わないな?」
「イエス・ユア・ハイネス」

 書類の整理をしていたギルフォードが敬礼しながらそう言う。

「俺も構わない。……ガーリオンで迎撃準備をしておこう」
「それと、兄上の特派。あの部隊にも作戦に参加するよう通達を出しておくように」
「分かりました」

 ダールトンが頷き、通信機へと手を伸ばした。





 空が茜色へと染まる頃、港の一画にブリタニア軍が集まっていた。水陸両用KMFのポートマンが5機、サザーランドが15機。そしてランスロットの姿もある。
 ブリタニア軍は作戦が開始されるのをただ黙って待っていた。
 そしてダールトンが口を開く。

「時間です、姫様」
「作戦を開始せよ」

 コーネリアの声と共に、ポートマンが海中へと突入する。同時にサザーランドとランスロットもその援護の為に港湾部からタンカーを狙える位置へと展開。
 ポートマンが発射した魚雷が数ヶ所で爆発し、タンカーの行く手を遮る。同時に、陸上部隊がマイクロ弾の一点射撃でタンカー甲板に展開している日本解放戦線の兵士を倒していく。

「順調だな」

 その様子を見ながらガーリオンのコックピットで呟く。

「ああ。この調子ならそう時間も掛からずに片瀬少将を捕らえる事も可能だろう。……黒の騎士団が来なければ、だがな」

 コーネリアからの通信が返ってくるが、コーネリアやギルフォード、ダールトンはサザーランドに搭乗していない。一応搭乗してはどうかと進めてはみたのだが、色々と事情があるようでそれは却下されてしまった。

「それにアクセルが私を護ってくれるのだろう?」

 そう言われては俺としても無理強いする訳にも行かず、結局俺だけがガーリオンで黒の騎士団の奇襲を警戒する羽目になった。
 そんな事を考えている間にも作戦は続き、これ以上ブリタニア軍の攻撃に耐えられないと悟ったのかタンカーが発進する。
 そして水中のポートマンからスラッシュハーケンが発射され、タンカーへと続々と乗り込んでいく。
 そろそろだな。

「アクセル?」

 突然目の前に立ち塞がるようにガーリオンを移動させた俺に、コーネリアが問い掛ける。

「伏せろ」
「一体何を?」
「伏せろ、コーネリアっ!」

 俺がそう叫ぶのと、ゼロの仕掛けた機雷により流体サクラダイトが爆発したのは殆ど同時だった。
 タンカーからかなり距離の離れたこの位置でも、爆風やタンカーの破片が飛んできてガーリオンの装甲へと当たる音が聞こえてくる。

「くっ、流体サクラダイトを爆発させるなど、何と愚かな事を」
「コーネリア、ギルフォード、ダールトン。早く機体に乗れ。奴等が、黒の騎士団が来るぞ!」
「何っ!」

 驚くコーネリアだが既に時は待ってくれなかった。港の数ヶ所で爆発が起きると共に友軍のマーカーが消失していく。

「各人、緊急騎乗! 相手は黒の騎士団と思われる。防衛線を形成せよ!」

 ダールトンがKMFへと乗降ワイヤーで昇りながら叫ぶように指示を出すが、一歩遅い。

 海から跳ねるようにしてこちらへと突っ込んできたKMF用の強襲揚陸艇から、続々と黒の騎士団のKMFである無頼が出撃し、ゼロ専用の鬼面をつけた無頼と紅蓮弐式がこちらへと突っ込んでくる。コーネリアがグロースターを起動させる前にケリを付ける気かっ!?

「やらせん!」

 コーネリアのグロースターへと突っ込んでくるゼロの無頼へと向かい、アサルトブレードを振り下ろ……っ!?

「ちぃっ、紅蓮弐式か!」

 振り下ろされたアサルトブレードを呂号乙型特斬刀で受け止める紅蓮弐式だが、アサルトブレードに内蔵されているチェーンソー・ユニットを起動。呂号乙型特斬刀を削り取る。数秒も経たないうちに呂号乙型特斬刀は削り折られてその刀身を地面へと落とした。その勢いのままアサルトブレードを振り下ろそうとして……紅蓮弐式が右腕をこちらへと突き出しているのを目にし、一端ガーリオンを後退させる。
 ナリタ連山の時と同じように輻射波動でアサルトブレードを破壊されるのは御免被る。いくら空間倉庫に予備があるとは言え、無限にある訳ではないのだ。

「ギルフォード、コーネリアを!」

 マシンキャノンで紅蓮弐式を牽制しつつ、グロースターへと乗り込んだギルフォードへと通信を送る。コーネリアのグロースターはゼロの無頼により両足と右腕を破壊され、既に身動き出来ない状態にある。いくら凄腕パイロットのコーネリアでも、起動前に襲われればどうする事も出来ない。

「分かった。そのカスタム機は任せた!」

 ギルフォードが俺の言葉に頷き、ゼロの無頼へと背後からランスを突き刺そうとする。だが、ゼロもその攻撃を機体を横にずらす事でコックピットではなく左腕を破壊されるだけにとどめた。そして揚陸艇から続々と現れる黒の騎士団の無頼。パイロットの腕だけで言えばギルフォードはゼロを圧倒しているだろう。だが、複数の敵に狙われてはそれを凌ぐだけで精一杯となる。
 ダールトンはと言えば、味方の部隊指揮に手一杯でこちらへと援軍を出す余裕はない。つまり、俺とギルフォードでランスロットが応援に来るまで耐えるしかないのだ。

「加速!」

 精神コマンドの加速を使い後退し、振り上げられた紅蓮弐式の輻射波動を備えた右腕の振り下ろしを回避する。ガーリオンの下半身を鷲掴みにしようとした右腕が振り下ろされたその瞬間、バースト・レールガンを発射。

「さすがにやる」

 右腕を振り下ろした勢いのままに空中で一回転する事でバースト・レールガンの弾丸を回避した紅蓮弐式。だが、その状態でそれ以上回避は出来ない筈。
 そしてこの際だ、変化した直撃の性能を確認させて貰うぞ!

「直撃」

 精神コマンドの直撃を使用した途端、俺の身体からガーリオンに不思議な力が移ったのが分かる。そしてそのままガーリオンの胸部に装備されているマシンキャノンを紅蓮弐式目掛けて発射する。放たれたマシンキャノンの弾丸に俺からガーリオンに宿った力が備わっているのを何故か理解出来たが、それを感じる事の出来ない紅蓮弐式は咄嗟にマシンキャノンを輻射波動で防ごうと盾のように右腕を前に出して輻射波動を展開する。しかし新たな直撃の効力によるものか、何故か輻射波動をすり抜けるようにしてマシンキャノンの弾丸が紅蓮弐式へと襲い掛かる。とは言え、的となる紅蓮弐式の機体サイズが小さい事やその性能。そしてカレンの操縦技術の高さもあり、マシンキャノンの弾丸は数発命中しただけでその殆どを回避され、紅蓮弐式は俊敏な動きで地面を滑るように後退していく。咄嗟に追撃の攻撃を放とうとするが、機体が俺の反応速度に付いてこれない。
 くそっ、機体の反応速度が鈍すぎるっ!
 今まで幾度となく抱いた思いと共にテスラ・ドライブで空中へと移動し、紅蓮弐式の真上からホーミング・ミサイルにバースト・レールガン、マシンキャノンを纏めて発射する。紅蓮弐式のいた地上をホーミング・ミサイルの爆風が。バースト・レールガンによる一撃が。マシンキャノンにより連続した銃弾が地獄に変える。
 そんな攻撃をしながら、精神コマンドの直撃について考える。以前までの直撃は、相手の隙のようなものが本能的に分かるというようなものだった。だが、今の直撃は覚醒のように身体中に不思議な力が漲り、それが機体へと移譲。そしてそのまま放たれた弾丸へと移っている。それを考えると、やはり直撃そのものの性能が変化したと考えるべきだろう。

「総督、アクセルさん!」

 爆風を破るようにして現れたのは、白いKMF、ランスロットだ。

「こっちはいい、お前はゼロを仕留めろ! そうすればこいつらは総崩れだ!」

 地上で必死にこちらの攻撃を回避している紅蓮弐式へとバースト・レールガンで追撃を放ちながら、スザクへと通信を送る。

「分かりました!」

 ゼロのいる方向へと向かうランスロット。そしてそれをさせまいとする紅蓮弐式だが、今度はこっちが足止めをする番だ。
 地上すれすれを飛び、ランスロットの後を追うべく後ろを向いた紅蓮弐式の背へアサルトブレードで横薙ぎに一閃するが、まるで後ろに目でも付いているかのように紅蓮弐式は回避する。
 だが、さすがにそのままランスロットを追う愚は悟ったのか再びこちらへと振り向く。

「……集中、加速」

 ガーリオンで紅蓮弐式相手にまともにやりあう訳にもいかず、再度精神コマンドを使用。

「っ!?」

 胸の部分から高速で飛ばされたスラッシュハーケンを、片方をアサルトブレードで防ぎ、もう片方はマシンキャノンで迎撃。
 同時にいつの間にか近寄っていた紅蓮弐式がその速度を活かして放ってきた蹴りを空中に移動する事で回避し、バーストレールガンを撃ち込む。しかしそれも素早い動きで回避しつつ、港に広まっている黒煙へと紛れ……

「退いたか」

 黒煙に向かいアサルトブレードを構えていたが、十秒近く経っても姿を現さないので撤退したと判断する。
 ……正直、精神コマンドがなければやられていたな。ガーリオンでこれだ。ランドリオンで来ていたら恐らく負けていたか。

「枢木スザク、ゼロはどうした?」
「すいません、ゼロの無頼は倒したんですが、他の無頼に邪魔されて……」
「逃がした、か」
「すいません」
「いや。コーネリアは無事だったし、日本解放戦線も一掃出来た。そう悪い結果じゃない」
「そう、ですね……」

 原作通りに日本解放戦線の兵士を狙い撃ちにした事が引っかかっているのか、その声は沈んでいた。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:34
PP:170
格闘:242
射撃:260
技量:252
防御:249
回避:277
命中:299
SP:414
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:193 
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