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真剣恋にチート転生者あらわる!?

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第1話

 
前書き
書き貯め更新。まあ、のんびり読んでください。 

 
悠斗side



九鬼さんとの戦いを終えた俺は、いつの間にか九鬼家で執事の仕事をする事になっていた。
現在、先ほど戦っていた庭でテーブルと椅子がセットされ何故か俺と九鬼家の方々が座っている。 白髪で眼鏡をかけた正しく執事です。て、感じの人が紅茶を出してくれている。周りにいるのは九鬼さんの側に小十郎、九鬼さんの妹らしき子の側にヒュームさん、やたら金ぴかな男の側に茶髪のメイドが立って控えている。他には金髪ツインテールのメイド、無口無表情のメイドさんが立って白髪で眼鏡をかけた執事さんの手伝いをしている。因みにテーブルは四角形で俺の隣に九鬼さん。 正面に金ぴか、金ぴかの隣に妹さんらしき子だ。

(どうしてこうなった?てか、執事部隊就職する俺は主人と同じ場所に座ってていいのか!?てか、いい加減自己紹介位してほしいです)

内心はかなり焦っているが、表情を一切変える事なく席に座っている。
すると、正面に座っている金ぴかの男が口を開いた。

「ふはははは。姉上の伴侶になる男がどれ程の者か、今まで見極めていたのだ。姉上が惚れる訳が分かりました」

「そうであろう。悠斗は実力をは上手く隠しておる。しかし、眼には強い決意が宿っている!我はそれを含めて惚れたのよ。 時に、英雄、紋白、悠斗に自己紹介をしていないのだから、すませるとよい」

「そうでしたな姉上!では」

行きなり立ち上がる金ぴかの男。すると、茶髪のメイドさんがいつの間にか台を用意していた。
その台に上がる金ぴかの男。すると、台の上でポーズをとる。

「フハハハハ!我こそは九鬼英雄。皆の英雄(ヒーロー)である。しかとその目に焼き付けるがイイ!そして、悠斗殿。姉上とお幸せに!!」

「流石でごさいます!英雄様!!悠斗殿。きちんと挨拶を返してください。じゃないと、服がズタズタになりますよ?」

「あずみ!我よりでしゃばるな!!我より目立つのは許さん!」

「申し訳ありません。英雄様!!今の失態の責任を取って、私の腕を1本外します!」

「待て、あずみ。今は自己紹介の最中だ。貴様の忠誠心は良く分かっておる。たが、悠斗殿の自己紹介を聞かねばなるまい。よって、今の失態は見なかった事とする。ゆえにさらに精進するのだぞ!」

「ありがとうございます。英雄様の器の大きさにあずみは、涙で前が見えません!!」

俺の目の前で繰り広げられる、迷?主侍従コンビによる自己紹介。
もう、どう反応すればいいのか分かりません。
てか、英雄様。貴方の中では既に俺と九鬼さんは結婚が前提なのか!?
俺は英雄様の隣に座っている、妹さんらしき子を見る。

「我の番かの。妾は九鬼紋白(もんしろ)。揚羽姉様、英雄兄様とは腹違いの妹じゃ。妾は悠斗!貴様を認めはせんからな!武道四天王で最も強い揚羽姉様を破った等とは、認めはせんからの!!」

ビシッと指を指す紋白様。そもそも、さっきの戦いは俺から仕掛けたのでは無く、揚羽様が仕掛けてきたんだが。

「紋白。我が伴侶に選んだ悠斗を侮辱するつもりか?」

「あ、揚羽様!落ち着いてください」

「小十郎、黙っておれ。我は紋白に尋ねておるのだ」

何故か空気がピリピリし始める。小十郎が揚羽様に冷静になるように進言するも、一撃で切り捨てられた。周りの侍従の方々も直ぐに動ける様に構える。

(様は、紋白様は大好きな姉の揚羽様を俺に取られたと、勘違いしてるんだな)

普通の中の良い兄弟姉妹なら、珍しい訳ではない。俺がまだ、普通の社会人だった頃親友の姉が結婚する事になった時、親友が酒を飲む度に姉を取られたって、よく言ってたからだ。今の紋白様も、同じ様な事なのだろう。ならば、誤解を説くとしますか。

「揚羽様。紋白様。そんなに邪険にならないでください」

「悠斗!貴様は何故怒らぬ!武人としての誇りを侮辱されたのだぞ!」

揚羽様が怒りの表情を見せる。俺はぶつけられる揚羽様の殺気をサラリと受け流す。

「紋白様。俺と揚羽様はあくまで、手合わせをしただけなのです。死合いを申し込まれた訳では無いのですから、厳密に言うと、あくまで手合わせで揚羽様が負けただけなので死合いで揚羽様が負けた訳ではありません。よって、揚羽様は誰にも負けてはいないのです。そうですよね、ヒュームさん?」

「うむ。確かに揚羽様は手合わせを行っただけだ。紋白様が言っている死合いによる、勝利はしておらんのだ。だいたい揚羽様は俺との手合わせで散々負けてはいるからな」

「む?そう言えばそうだったな。我としたことが忘れておったわ」

「む?そうじゃったのか!それならば、悠斗兄上に失礼しました。我が悪かった。申し訳ありません」

俺に向かって頭を下げる紋白様。なんとなく、小動物の様に見える。どうやら誤解が解けて何よりだ。俺は立ち上がり、紋白様の隣に立つ。
そして頭を撫でる。

「へぇ!?な?ど、どうしたのじゃ!?(なんとも、暖かい手じゃの~)」

「嫌だったなか?」

「い、嫌じゃない。寧ろ、驚いただけなのじゃ。しかし、なんで行きなり撫でてくれたのじゃ?(優しい撫でかたじゃの。もっと撫でてほしいの~)」

「(なんとなく、プルを思い出して撫でたくなったから、なんて言えないしな)うん?理由は特にないかな。強いて言えば、可愛かったからかな?」

「か、可愛い!?妾がか?(初めてなのじゃ!父上以外の男性にそう言われたのは!)」

なにやら、頬を紅くする紋白様。具合が悪いのだろうか?

「む!悠斗よ。我の伴侶にも関わらず、妹の紋白ばかり撫でるでない。我もなでよ!」

「え!?揚羽様もですか?」

「そうだ。早く撫でよ!」

「はあ」

俺は紋白様の頭から手を離す。「ぁ!」と小さい声が聞こえた気がするが、気にせずに揚羽様の頭を優しく撫でる。

「ん。(悠斗の手は、無骨な手だな。だが、優しく包み込む暖かい手だ。紋白がおとなしくしてるのが、分かるな。我も気持ちが良い)」

「む~~~~。揚羽姉様羨ましい」

なにやら、紋白様が恨めしそうな視線で俺を見る。なんか、変な事をしただろうか?1分ほど揚羽様の頭を優しく撫でる。撫でるのを止めて、椅子に座り直す。

「む?我は止めて良いと、言ってはおらんぞ?」

「あの、揚羽様。俺にも自己紹介をさせてください」

既に自己紹介を済ませたのは、揚羽様と小十郎の二人だけなんです。英雄様も既に座って紅茶を飲んで待ってますからな。

「うむ。なら、私から紹介しよう。この者は不動悠斗。我の生涯の伴侶になる男だ!!」

「改めまして不動悠斗と言います。揚羽様の伴侶になるかは不明ですが、侍従として頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします」

俺は立ち上がり、英雄様と紋白様に頭を下げる。 挨拶は最初が肝心だからだ。すると、メガネを掛けた白髪の執事さんが側に来た。

「悠斗殿はお座りください。私はクラウディオ・ネエロ。悠斗殿の教育係を担当します。拝謁ながら、不肖クラウディオ・ネエロが悠斗殿の経歴を発表したいと思います」

「クラウディオ・ネエロさん、よろしくお願いします」

「はい。よろしくお願いします」

クラウディオ・ネエロさんに頭を下げてから、椅子に座る。いつ調べたのか分からないが、クラウディオ・ネエロさんが俺の過去が載っている書類を手に持っていた。

(俺が今分かってるのは、8歳でマサチューセッツ工科大学を卒業してるのと、幼なじみが入るしか分かってないからな)

「では、悠斗殿の経歴の前に、侍従の紹介をします。まず、英雄様の後ろにいるのが、忍足あずみ。九鬼英雄様専属メイド兼メイド長です」

「忍足あずみです。よろしく悠斗」

「よろしくお願いします。あずみさん」

「次に紋白様の側にいるのが、ヒューム・ヘルシング。紋白様専属執事にして、九鬼侍従部隊序列0位の執事です。戦力的には九鬼家最強最高の執事です」

「ヒューム・ヘルシングだ。悠斗。貴様をこれからビシバシ鍛えてやるからな」

「よろしくお願いします。ヒュームさんとなら、いい手合わせが出来そうです」

「次は此方の二人です」

俺はクラウディオさんの後ろに立っている二人のメイドさんを見る。
右後ろは黒髪ショートカットのメイドさん。
左後ろは金髪ツインテールのメイドさんだ。

「まず、右のメイドは李静初(リー・ジュンチュー)九鬼侍従部隊序列16位のメイドです。感情の変化が乏しい子ですが、真面目で根のいい子です」

「・・・よろしく」

「よろしくお願いします

「次に、左のメイドはステイシー・コナー。九鬼侍従部隊序列15位のメイドです。ヒュームによって強制入隊したメイドです。李静初と違い、感情の変化が激しく気性の荒いメイドですが、根はいい子なので仲良くしてください」

「あはは!よろしく!」

「ええ。よろしくお願いします」

「小十郎に関しては省かせていただきますが、何か質問はありますか?」

「いえ。大丈夫です」

取り合えず、全員の顔と名前は覚えた。ヒュームさんを筆頭に戦い慣れした体の作りをしている。恐らく、かなりの死線を潜り抜けた猛者達ばかりだ。

(神様が、武人がいる世界と言っていたが、あながち間違いじゃなかった様だな。久し振りに師匠以外に本気で戦えるかな?それより、執事の仕事が出来るようになるのが先だよな?)

そんなことを考えながら、クラウディオさんの説明を聞くのだった。




悠斗sideout



揚羽side



我は今、庭にて自己紹介を兼ねた茶会を開いておる。今し方、侍従部隊との自己紹介と概要の説明が終わった所だ。我がカップに手をかけると、小十郎がティーポットを持っていた。丁度紅茶も無くなっていた。

「揚羽様。紅茶のおかわりは如何ですか?」

「うむ。小十郎。おかわりを頼む」

「はは!ただいま!」

小十郎がカップに紅茶を注ぐ。湯気と共に紅茶の良い香りがする。

「砂糖は2つでよろしかったですよね?」

「小十郎。我の侍従なら忘れるな。2つで良い」

小十郎がカップに角砂糖を2つ入れる。混ぜてから我の前に出した。
我は出された紅茶を飲む。先ほど、クラウディオが入れた紅茶に比べると、格段にレベルが下がっておるが、前よりはましになっていた。

「小十郎。まだまだだな。更に精進するのだ」

「はは!!揚羽様!」

小十郎とのやり取りをしつつ、悠斗を見る。クラウディオの話を真剣に聞いていた。

(やはり、格好いい横顔だな。真剣な表情は良いな)

そんなことを考えていると、クラウディオが手に持った悠斗の過去が載った書類の内容を話始めた。

「では、次は悠斗殿の経歴を発表させていただきます」

皆が真剣な表情をする。我も悠斗の過去がどんなのかは気になっていたのだ。

「まず、悠斗殿は京都生まれの現在二十歳。父上は外交官、母は旧家の名家 の娘です。京都で産まれて直ぐに、松笠市に引っ越しております。6歳までは松笠で暮らしておりましたが、7歳の時に父の仕事で1年間渡米しております。7歳でマサチューセッツ工科大学に入学8歳で卒業しております」

「な!なんですと!悠斗殿はそんなに頭がいいのですか!?」

「小十郎。控えよ。クラウディオ説明を続けよ」

小十郎が驚くのも無理はない。我は無論、紋白、英雄も驚いておるからの。李静初ですら、僅かに表情が変わったからの。 変化がなかったのはヒューム師匠位だ。
マサチューセッツ工科大学。通常MIT。全米指折りのエリート名門校の1つとされるアメリカマサチューセッツ州ケンブリッジ市にある私立大学だ。全米屈指のノーベル賞を授与する人材を輩出する大学だ。我が九鬼財閥でも技術者として働く者も多い。それほど由緒ある大学なのだ。



「説明を続けます。MITを8歳で卒業した悠斗殿は、外交官である父上がアメリカでの仕事を終えて日本に帰国します。それから15歳までは松笠市で生活しております。 日本では高校1年生まで過ごしております。
高校1年生の夏から父の仕事でドイツのリューベックに引っ越しております。そこで、3年を過ごし日本に帰国しております。ドイツに留学中はドイツ軍と共に紛争等の鎮圧作戦に参加していた様です。18歳の時に日本に帰国して生活されていたようです」

クラウディオが悠斗の経歴の説明を終える。
それにしても松笠市に悠斗は住んでいたのか。
ふと懐かしい人物を思い出す。

(武道四天王の鉄乙女殿は元気にされているであろうか?既に高校を卒業されているからな。久しく拳を交えておらぬな。鉄殿は強かったからな。今は、キリヤカンパニーで働いておられるのだっな。しかし、悠斗はドイツに住んでいた事もあったのだな。リューベックは町並みが世界遺産に登録されているな。悠斗とハネムーンに行くなら、世界1周旅行など良いかもしれんな!)

我は悠斗とのハネムーン旅行の内容を考えるのだった。




揚羽sideout



悠斗side



クラウディオさんからの説明で、この世界での俺の過去(神様が勝手に作った)が明らかになった。

(正直前の世界より、酷くなくて良かった。外交官の父親なら普通よりちょっと良い所の出ですむからな)

内心でホッとしている俺だが、この後クラウディオさんから追撃を入れられる事になる。

「ああ。それと、悠斗殿には幼なじみ様がおらっしゃいますね。松笠市で花屋を営んでいるフラワーショップ椰子の1人娘、椰子なごみさんですな」

(椰子なごみ!!?確かつよきすてゲームのヒロインだったよな!?確か、ツンデレじゃなくてクーデレだったかな?昔プレイしたんだが、半ば忘れてるな。思い出せない。美人なのは間違いない)

内心で驚いている俺を余所に、クラウディオさんが話を続ける。

「悠斗殿は幼なじみであり、家が隣同士だったためよくフラワーショップの手伝いをされていた様ですな」

「ほう~。なんだ悠斗義兄上は花の扱いも出来るのか。執事として即戦力になりそうだな」

「ふむ~。MIT卒業で花の手入れの知識もあるのか。悠斗義兄様は博学な方なんですね」

いや、英雄様、紋白様、俺は花の手入れは、日曜日の朝のテレビの趣味○園芸位しか見たことないですから。実際にしたことはないです。

「クラウディオ。写真などは無いのか?」

「ご安心ください揚羽様。此方が幼なじみの椰子様の写真になります。丁度最近雑誌に載ったばかりの写真になります」

「「「どれどれ」」」

クラウディオさんが全員に写真を渡す。俺も写真を受け取り見てみる。 写真にはニコニコと笑うストレートで腰まで伸びた髪でリボンを着けた椰子のどかさんと、のどかさんと違いリボンをしないでストレートヘアで無表情の椰子なごみが写っていた。

(うん。本人そのものだね。少し髪が長くなってる位かな?まあ、美人なのは変わらないな)

(む?悠斗はこう言った髪型が好きなのか?先ほど、紋白を撫でていた時も嬉しそうだったからな。我も伸ばしてみるか?)

(むむむ!なかなか美人ではないか!髪の長さは妾と同じ位かの?)

(ふむ。なかなか美人ではないか)

全員が写真を眺めていると、クラウディオさんが話を続ける。「以上が悠斗殿の経歴と過去になります。なを、悠斗殿は揚羽様専属執事ですが、1ヶ月間は研修を受けていただきます。揚羽様、よろしいですか?」

「うむ。分かっておる。悠斗よ暫しの別れだが、貴様なら必ずや一人前になって、我を支えてくれると信じておるからな!」

「は!ご期待に答えるように、精一杯頑張ってみせます」

俺は椅子から立ち上がり、揚羽様の前でかた膝を地面に着けて頭を下げる。昔、煌武院悠陽殿下にした臣下の礼と同じ格好だ。

「では、悠斗殿は服の採寸等があるため私と共に、場所を移動しましょう」

「はい。クラウディオさん。よろしくお願いします」

「では、我も部屋に戻るか。小十郎。部屋に戻るぞ」

「はい!揚羽様!この小十郎、何処までもお供します!!」

「あずみ。我も部屋に戻る」

「はい英雄様!!このあずみ、英雄様のためなら例え火の中水の中でも付いて行きます!」

「妾も部屋に戻るかの。ヒュームはどうするのかの?」

「紋白様。私は少しかたずけをしていきますので、少々遅れます」

「分かったのじゃ。先に戻る故」

それぞれが一斉に行動を開始するのだった。




悠斗sideout



ヒュームside



皆が去った後の庭で、俺はステイシーと李静初と共に話をしていた。既にかたずけは済んでいる。 話の内容は今日新たに加わった不動悠斗の件だ。

「ステイシー、李、今日来た小僧をどう見る?」

「う~ん。そうですね。正直言えば、恐ろしいの一言ですかね。あたし達が未だ敵わない揚羽様を容易に倒す実力。しかも、かなり手加減してるように見えました」

「隙がなかった。・・・あと、とてつもなく強い。 それと、隠匿技術が凄く高い。私も初めは素人だと思った」

ステイシーと李がそれぞれの感じたままに意見を言う。概ね俺が予想した内容と大差がなかった。 俺は両手を組んで二人を見る。

「実はさっき、九鬼家の方々が居る前では話してなかった情報が1つあるのだ」

「え?それって、良いんですか?あたし達に話して?」

「・・・」

ステイシーは疑問を浮かべている。李は無表情で無言だ。恐らく話の内容を聞いてから判断するつもりなのだろう。

「うむ。クラウディオから聞いたのだが、悠斗はかつてリボン付きの死神と言われた男の様だ」

「え?う、嘘ですよねヒューム師匠!?あの、伝説と言われたリボン付きですか!?実働時期がたった3年足らずしかなかったのに、数多くの紛争や内戦に参加して数々の戦果を上げた傭兵ですか!?」

「・・・!!?本当なんですか?」

案の定ステイシーは、驚きの余り目をぱちくりさせている。李は普段は滅多に見せない、表情の変化を見せる程だ。
リボン付きの死神。僅か3年足らずしか活動しなかった伝説と言われた傭兵。奴が戦場に出で戦えば、後に残る物は無いと言われた程だ。リボン付きが活動していた時は、内戦や紛争以外にも、麻薬の密売シンジゲートや人身売買のシンジゲート、武器密売組織等、50を超える組織やシンジゲート等がたった1人に潰され、壊滅させられたのだ。リボン付きの戦力は、大国すら容易に凌駕すると言われる程だ。今は戦場から身を引いたと噂になっていたが、まさかこのような形で会うはめになるとわな。

「残念ながら本当だ。リボン付きの死神の写真は、1枚だけだがドイツで撮られていた。この写真だ」

俺はクラウディオから受け取っていた写真を、内ポケットから取り出す。 リボン付きの死神が共に戦場を共にした、ドイツ軍の部隊と一緒に撮った集合写真だ。

「え~と、ヒューム師匠。どれがリボン付きの死神なんですか?」

「この、赤髪で眼帯を着けた女と共に並んで写真に写っているのが、引退する直前のリボン付きの死神、不動悠斗だ。ちなみ、共に写っている部隊はドイツ軍最強と言われる、フランク・フリードリヒ中将率いる猟犬部隊だ。この次の日に悠斗は傭兵を引退している」

「・・・!嘘?まさか、ドイツの英雄の部隊と一緒!?ありえない」

李が驚く。まあ、表情は変わっていないのだがな。ステイシーに至っては絶句している。まあ、気持ちは分からない訳ではないからな。

「まあ、揚羽様の専属兼伴侶候補は、地上最高戦力に値する男と言うことだ。まあ、一応そう言った認識をしておくようにな。仕事に関しては、出来る限りフォローしてやる様にな」

「はい。分かりました」

「はい。わかりました。あずみには、伝えておきましょうか?」

「それは頼んだ。言っておくが機密事項だからな。 では、各自仕事に戻るのだ」

「「はい」」

俺達は解散して各自の仕事に戻るのだった。




ヒュームsideout 
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