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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第二章 A's編
  第四十八話    『つかの間の第四次のサーヴァント達の話』

 
前書き
題名通り第四次サーヴァントのシホの知る限りのことです。 

 





Side リンディ・ハラオウン


私は今、レティと通信で話をしながら同時進行でデスクワーク作業をしているところだ。
闇の書事件も解決していない今はこうしてゆっくりトークをできる時間というのはとても貴重だ。
そしていくつか貴重なデータを送ってもらって私としては満足である。

『それで、今日はこっちには顔を出すんでしょ?』
「うん。アースラの件でね」

そう。今は最悪の事態を想定してアースラにあるものを搭載している最中なのである。

『時間合わせて食事でもしようか。あの子の話もしたいし』
「あの子?」

あの子というのはどの子のことだろう? やっぱりここはフェイトさんでしょうか? それともシホさん、なのはさん…。

『ほら。あなたが預かってる養子にしたいって言っていた子』
「ああ。フェイトさんね」
『そう、フェイトちゃん。元気でやってる?』
「うん。事件に突き合わせちゃっててちょっと申し訳ないんだけど仲良しの友達も一緒だし楽しそうにやってるわ」
『そう…』
「……………そういえば。ねぇレティ?」
『どうしたのリンディ? 急に改まって…』
「ええ。例の予言の話はあなたは聞いているわよね?」
『予言? ええ、知っているわよ』

これはレティに伝えていいか迷うが仲間を作っておいた方はいいと思う。
シホさんの過去はそれとなく誤魔化してだけれど。
もしこれが本当に起きる事だとすれば、シホさんは…。

「…詳しい話は後ほど話すわ。でも予言の中にある節にいくつかどうしても見逃せない内容が、無関係ではない内容があるのよ」
『それって…。まさか予言の内容に当てはまる人物が見つかったとでも言うの?』
「おそらくは…。でもこの事は管理局にはまだ伝えないつもり。信頼できるあなただからこそ話すことなのよ」
『わかったわ。それもついでに食事の時に聞きましょう。内密に話せるお店を予約しておくわ』
「お願いね」
『ええ』

それでレティとの通信をきる。
冷めたお茶を温め直しながらも本音を言ってしまえばこの予言は当たって欲しくないわねと願った。


◆◇―――――――――◇◆


Side シホ・E・シュバインオーグ


学校が終わり放課後のこと、私達はフェイトのある事について教室で話し合っていた。
その案件はというと…携帯電話の購入である。
フェイトは携帯電話のカタログを見ながら、

「…な、なんだかいっぱいあるね」

と、今も競争社会で争っている様々な会社と機種と数の種類に圧倒されている。

「まぁ最近はどれも同じような性能だし見た目で選んでいいんじゃない?」
「でもやっぱりメール性能のいいやつがいいよね」
「カメラが綺麗だと色々と楽しいんだよ」

三人が色々と意見を述べている。ちなみにアリサ・なのは・すずかの順番である。
この三人は何かと機械に強いからそれぞれで意見を述べている。

「う~ん…」

フェイトはそんな三人の意見を参考にさらにカタログをじっと見て悩んでいる。
私はというとフェイトと同じ立場になって聞いているだけ。
いや、なんていうかこういった機械関係の話題に関して私は、まぁ大丈夫な方だけど魔術師にとっては鬼門である。
ただでさえ衛宮士郎時代はひたすら使いやすさを重点において火の中水の中魔術の中でも大丈夫で頑丈な携帯をルヴィアに発注してもらって緊急時の時でしか連絡は取らなかったからあんまり使った機会がなかったのである。
この世界に来た時に荷物の中に一応携帯も入っていたけどこっちの世界ではただの鉄の塊と化してしまっていたので泣く泣く使っていないが…。
それなのでなのは達と友達記念という理由で携帯を一緒に選んでもらった時には結構難航した。
世界が違えばそれだけで技術力は違う。
元の世界より今の世界の方が進歩が早いらしくこちらの技術に慣れるのに少し時間を要した。
まぁなのは達の教えの甲斐あって今現在は人並みには使えるようになった。
今ではメールに写真を添付するのも普通にできるしカメラ機能も普通に使えるからいい。
…まぁ機械音痴のリンよりは少なくとも使えるだろうからそれでいいだろう。
リンは最後に会った時にですら携帯を持っていなかったらしいから。
例外があるとすれば何度かルヴィアの執事時代に会ったことがある名物教授。
彼は昔にある偉大な人物の影響を受けてゲーマーになりアナログがデフォの魔術師の中で知識が抜きん出ていたのが記憶にある。
しかもその名物教授は第四時聖杯戦争の生き残りらしく断片的にだが過去の話を聞ける機会があったので良かったと今は思っている。


閑話休題


私が昔のことをしみじみと思い出していた時に、

「ね、シホちゃんはどう思う?」
「え? なにが?」
「はぁ~…聞いていなかったの。だからさっきから無言だったのね」
「えっと、ごめんアリサ。それでフェイトの携帯はどんなのがいいかよね?」
「ええ」
「…そうね。やっぱりメール機能とカメラの機能がいいのを選ぶのがいいんじゃないかな? 私もたまにメールに写真を添付しているし」
「そうね。シホはみんなで撮った写真を待ち受け画面にしているもんね」
「シホちゃんは“今”をとっても大事にしているもんね」

すずかの言葉で私は少し照れる。
そしてなのはとフェイトも一緒に頷いていた。
アリサは一人解らずじまいといった表情だったけど私の過去を知らないのだから当然の反応である。
だけどそれがいけなかったのかすずかがなのはとフェイトの反応に気づいた。
それで小声で、

(シホちゃん、もしかしてなのはちゃんとフェイトちゃんもシホちゃんの過去の事、知っていたりするの?)
(え…な、なんでそう思ったの?)
(ちょっと反応がアリサちゃんと違っていたから)
(そっか。まぁ知っているといえば知っているのかな…)
(そうなんだ…)

それでなぜか落ち込むすずか。

(で、でもなのはちゃん達は態度はあまり変わっていないよね!?)
(ええ。今の私で十分らしいから)
(そうなんだ。それなら…)

そしたら一人ブツブツ呟き始めだしたので、なぜか直感で今はそっとしておこうという気になってアリサ達の話に合流することにした。


◆◇―――――――――◇◆


リンディさんと合流してフェイトの携帯を購入する事ができたので目的も達成できたのでリンディさんも管理局の方に帰っていった。
そして帰り道のこと、一回私となのはは家に帰り普段着に着替えた後、ハラオウン家に向かった。
今日はフェイト達と一緒に食事をする事になっているので私達は調理担当。エイミィさんが食材調達担当という事になっている。
それまで私はフェイトの部屋でなのは達とお話をしていた。

「…そういえばシホちゃん。ちょっといい?」
「なに? なのは」
「過去の事を聞くようでなんだかと思うんだけどシホちゃんが体験した第五次聖杯戦争では前に教えてくれた英霊がでてきたんだよね?」
「ええ」
「それじゃ…、あの、第四次聖杯戦争の時に出てきた英霊って誰が出てきたか知っているの?」
「第四次のサーヴァント?」
「あ、それは私も気になるかも…」

第四次か…、ふむ。
まぁ教えてもいいでしょう。別に害はないし。

「そうね。ま、まず知っている通りまずセイバーは切嗣が召喚したアルトリア。
そしてリンの父親である遠坂時臣が召喚したのがアーチャーのクラスでギルガメッシュよ」
「こうして改めて聞くとセイバーさんとギルガメッシュは因縁の間柄だったんだね」
「そうだね」
「そしてランサーのクラスが輝く貌の騎士『ディルムッド・オディナ』」
「ディルムッド…? ちょっと聞いた事がないかも…」
「私はこの世界の歴史や神話に関しては全然わからないからどういった人物かもわからないよ。でも前にエイミィがシホの使う武器を調べている時に聞いたかも。
それとランサーのクラスだから槍使いでスピードもあったんでしょ?」
「フェイト、いいところ突いてくるわね。
ええ。ディルムッドはクー・フーリンより後の時代に生まれた同じケルト神話の英雄。
フィオナ騎士団に所属していた戦士で、
槍二本【真紅の魔槍、ゲイ・ジャルグ】と【黄色の呪槍、ゲイ・ボウ】と剣二本【大なる激情、モラルタ】と【小なる激情、ベガルタ】、計四本の武器を自在に操ったという話よ。
前回の聖杯戦争の生き残りの人物に聞いた話だとおそらくランサーのクラスで召喚されていたから剣は持ってなかったんだろうという話」
「ふぇー…すごい人だっだんだね」
「シホは前にゲイ・ジャルグを投影して使っていたから他の三本も作り出せるの?」
「ええ。ギルガメッシュの原典宝具とセイバーの記憶を見せてもらった事があるからね」

それで二人は「そうだったね」と口を揃えて言った。

「でも、シホってやっぱりすごいよね。武器限定とはいえ過去の武器に関しては投影できないものはないんだから」
「そんなことはないわよ。さすがにエクスカリバーはギリギリイリヤと一緒になって作り出せたけどそれ以上のクラスになると私は投影できないし…」
「エクスカリバー以上の武器なんてあるの!?」
「そりゃたくさんわるわよ。例えば雷神トールのミョルニルとか他にスルトの持つレーヴァティンとか神様が使うクラスの神剣、霊剣。
一応宝物庫で全部見たから出来ないことはないけど神様クラスの武器は一発で私の魔術回路が焼き切れて二度と魔術が使えなくなっちゃうから、たぶん…」
「やっぱりそんなに都合よく行かないんだね…」
「そうね。で、そろそろ話は戻っていい?」

するとすっかり頭からすっぽ抜けていたのか私の言葉で二人は大四次の英霊の話を思い出したらしい。

「それじゃ次いくわよ。ライダーのクラスはマケドニアの征服王『イスカンダル』」
「イスカンダル…?」
「名前がマイナーすぎたかな。それじゃなのははアレクサンダー大王といえばわかるかな?」
「あ、それなら知っているよシホちゃん!」
「そう。それでそのさっきから話に出している第四次の生き残りの人が召喚して聖杯戦争終盤まで共に戦場を駆け抜けたと自慢げに語っていたわ。
なんでもイスカンダルの生き様を様々と魅せられて最後には忠誠を誓い家臣にしてもらったらしいわ」
「そんな事が…」

二人がどんな偉大な人だったんだろうと思っている間に私は次のクラスの話を開始する。

「そしてアサシンのクラス。
このクラスはさしずめ召喚される人物は固定されているの。暗殺教団の指導者『ハサン・サッバーハ』。複数いる歴代のハサンの中からランダムで召喚されるのよ。
だから第五次の佐々木小次郎が本当はイレギュラーな召喚だった訳。
そしてそのマスターが言峰綺礼だったらしいの」
「第四次でもやっぱり関係があったんだね」
「そうみたいね。で、裏方に徹していたらしいけどライダーのマスターの話だとイスカンダルによってアサシンは全員、固有結界で抹殺されたらしい」
「ライダーも固有結界の使い手なんだ」
「それより全員ってどういう意味…?」
「あ、アサシンの能力を話してなかったわね。聞いた話だとなんでも複数に分離できる能力だったらしくて二桁以上のアサシンが出てきたって話よ」
「複数に分離する能力…」
「分身みたいな…?」
「いや、実体を持ったものだったらしいわ」
「すごい能力だね…」
「そうね。それじゃ次行きましょう。
次はキャスターのクラス。
召喚された英霊は百年戦争のフランス軍の元帥でかのジャンヌ・ダルクと共に戦場を駆け抜けたという『青髭』の異名を持つ『ジル・ド・レェ』」
「…ジル・ド・レェは分からないけどジャンヌ・ダルクなら知っているよ」
「そう。でもキャスターに関してはあまりいい話は聞かなかったのよ」
「どうして…?」
「どうも狂人と化していたらしくて歴史でも語られるほどに多くの子供や女性を悪魔召喚の生贄として殺して最後には処刑された謂わば反英雄なのよ」
「反英雄…」
「セイバーに過去の話を聞く機会が四日間の記憶の中にあったんだけど、キャスターはセイバーの事をジャンヌ・ダルクと勘違いしていたらしく執拗に狙われたらしいのよ。
そして…これは二人に話すには血みどろすぎる話だわ…。それでも聞きたい?」
「ちょっと怖いけど、でも聞きたいかも…」
「私も…」
「聞いた後に後悔しても恨まないでね? キャスターはね、歴史の通り殺人鬼で何人もの子供を誘拐してセイバーの目の前で子供達の血と体を生贄にして怪物を召喚したというの」
「「うっ…」」

それでやっぱり二人は酷い話のせいで涙目になって顔が少し引き攣っている。
泣きださないだけ二人は強いけど私も当時は聞かされた時はあまりの事に怒り狂った覚えがある。

「でも最後は結構あっけないもので巨大な怪物を召喚して町に侵攻してきて一時停戦協定を結んだサーヴァント達によって足止めをされ最後にはセイバーのエクスカリバーで滅ぼされたって話よ」
「町の人たちが犠牲にならなくてよかったね」
「そうね。
…さて、それじゃ最後のシメといきましょう。
バーサーカーのクラスに召喚された英霊はアーサー王伝説に出てくる円卓の騎士の一人、湖の騎士『サー・ランスロット』」
「円卓の騎士って…それじゃセイバーさんはかつての仲間と戦う羽目になったの?」
「…ええ。最後の戦いまで顔まで覆うフルプレートとバーサーカーというクラスで呼び出されていたのが影響で正体は分からなかったんだけどセイバーが兜を割って顔を見て判明したらしいの」
「そんな…」
「最後には聖杯を望んだセイバーの手によって倒されたらしいけど…セイバーの昔話はこれ以上は野暮ね。
これで第四次聖杯戦争のサーヴァントは言い終わったわ」

私は第四次のサーヴァントを全員言い終わり一息つく。
あえて中身の話はあまりしなかった。私も知らない部分はあるし語れない部分もあるし、それに第五次以上に人死にが激しいから語れるものじゃないし。

「すごい人達だらけだったね」
「うん…特にセイバーさんが可哀想だと思ったの」
「そう思ってもらえるならセイバーも救われるかもね」

と、そんな話をしている時だった。
ちょうどいい頃合に玄関の方からエイミィさんの『ただいまー!』という声が聞こえてくる。

「それじゃ食事の準備をしましょうか」
「うん」
「わかった」

私達はキッチンへと向かっていった。
それでエイミィさんと会話をしながら料理の支度を始めているところでリンディさんの話が出てなにやら物騒なものをアースラに積んだという話が出てどんなのかと予想している私。
クロノも家にいないのでエイミィさんが指揮代行をすることになっている。
それに関して床でジャーキーを咥えてタレているアルフ曰く、

「責任重大」

らしい。
とりあえず言動と格好が合っていないわよとツッコミを入れておきたい。

「それもまた物騒な話だね。とはいえそうそう非常事態なんて起こるわけが―――…」

ブーブー!

そこに鳴り響くアラート音。ランプが点灯しエマージェンシーの画面が浮かび上がった。
いや、本当にタイミングがいいというか悪いというかなんというか…。

「非常事態!?」
「そうだね! とりあえず三人は管制室に来て!」
「わかりました!」

そうと決まればという感じで色々と動き出す一同。
守護騎士の誰かが補足されたのだろう。
だとすればもうお決まりだろう奴も出てくるだろう。
そいつの為に一つ策を弄してみるとしようかな。


 
 

 
後書き
今回は少し伏線を少し撒いて短いです。 
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