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転生とらぶる

作者:青竹
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コードギアスR1
  0132話

 この倉庫へと閉じ込められてから数時間が過ぎた。時間的にも外は既に暗くなっているだろう。となると、そろそろランスロットが地下通路から突入してくる筈だ。
 ニーナの泣き声が倉庫へ響いている中、日本解放戦線の兵士が倉庫を歩き回って警戒している。
 そろそろ、か?
 俺の隣でユーフェミアの手を握っているルシィへと目配せをする。
 それと殆ど同時に、日本解放戦線の兵士がニーナの目の前を通り過ぎる。そして……

「イ、イレブン……」

 静かな倉庫の中だけに、その声は誤魔化しようもなく響いた。そして当然日本解放戦線の兵士は侮蔑とも取れるその単語を聞き逃す事はなく。

「今、何と言った!? イレブンと言ったのか! 我々は日本人だ!」

 銃口をニーナへと向け、怒鳴りつける日本解放戦線の兵士。

「分かってるわよ! だからやめて」

 ニーナを庇うようにミレイが抱きしめながら叫ぶが、それは相手の頭に血を上らせる結果にしかならない。

「訂正しろ! 我々はイレブンではない!」
「訂正するわよ!」
「何だその言い方は! お前達、隣まで来い。じっくり教え込んでやる!」
「いやぁっ」

 ニーナの手を乱暴に掴み上げる日本解放戦線の兵士の男。そしてそれを見たユーフェミアが立ち上がろうとするが、ルシィがその手を掴んで止める。

「……しょうがない、任せろ」

 小さく呟き、訝しげにこちらへと視線を向ける2人を無視して腰を浮かせる。

「加速」

 精神コマンドの加速を使用してニーナを掴み上げている男と、それを見ている男。2人の兵士へと向けて全速力で近づく。

「なっ!」

 当然と言うべきだが、様子を見ていた男の方が先に俺へと気が付き銃口をこちらへ向けようとするが……既に遅いっ!
 銃口が完全にこちらへと向く前にその懐に入り込み、その顎へと掠るようなアッパーを放つ。顔の先端である顎を揺らされた事により脳も激しく揺らされ、日本解放戦線の男は脳震盪を引き起こしてその場へと倒れ込んだ。

「貴様っ!」

 仲間の男が床へと倒れ込んだのを見て、ニーナの手を掴んでいた男が慌てて銃口をこちらへと向けようとする。だが、加速を使い常識外の素早さを手に入れた俺はその男が銃口を動かした時、既にその後ろへと回り込んでいた。

「しばらく眠ってろ」

 首に手刀を叩き込んで意識を刈り取る。

「あなた大丈夫? 怪我はない?」
「あ、ありがとうございます」

 いつの間にかニーナの側に近づき声を掛けているユーフェミア。その様子を見ていたルシィが溜息を吐きながら口を開く。

「ユーフェミア様、少しは自分の立場というものを考えて下さい。今回はアクセルがいたから良かったようなものの……」
「ユ、ユーフェミア様!?」

 先程のイレブンと呟いた時よりも大きな声ではあったが、幸い兵士が倒された為に周囲がざわついていたおかげで、ニーナのその声は近くにいた俺やルシィ、ミレイやシャーリーにしか聞こえなかった。後者2人は目の前にいるのが誰かというのを知ってしまった為、目を丸くして驚いている。
 シャーリーはともかく、ミレイはマリアンヌの後ろ盾でもあるアッシュフォード家の人間だ。どこかでユーフェミアの姿を見た事があったのかも知れない。
 ユーフェミアは倉庫に閉じ込められている人質の顔を一通り見回した後、最後に俺へと視線を向ける。

「アクセルさん、私のお願いを聞いてくれませんか?」
「お願い?」
「ええ。私をそこに倒れている人達のリーダーの下へと連れていって欲しいのです」

 ……何故こうなる。原作ではニーナを助ける為に自分の身分を明かしたが、今はわざわざ自分から危険な目に遭う必要は全く無い。いや、むしろ見張りが気絶している今のうちにホテルから脱出するなり、外にいるコーネリアと連絡を取るなりするべきだ。

「駄目だ。それよりこのホテルから脱出するのが先だろう。幸いユーフェミア1人くらいなら俺がどうにか出来るしな」
「私1人? では、ここにいる他の人は置いていくというのですか?」
「ユーフェミア様、あなたは副総督なのですよ」

 ルシィも俺の意見に賛成するが、ユーフェミアは首を振る。

「だからこそです。副総督の私がこの方達を置いて1人で逃げ出すという真似は出来ません。私が犯人達と交渉します」
「ユーフェミア様」

 いっその事、気絶させて連れ出すか? コーネリアは怒るかもしれないが、ユーフェミアの安全を考えるとそうするのが一番……いや、待てよ? 原作通りならそろそろ草壁中佐はゼロに殺される筈。なら安全か? ゼロはここではユーフェミアに危害は加えない筈だ。それになにより、このまま放っておくと俺を置いてでも一人で突っ込みかねない。

「しょうがない、か」
「アクセル!?」

 ルシィが咎めるような目で俺を見る。

「そう睨むな。この様子じゃ下手したら1人で日本解放戦線に突っ込んでいくぞ。それなら最低限俺達が一緒に行動した方がまだマシだ」
「それは……」

 言葉に詰まるルシィ。彼女もこのままではユーフェミアが1人ででも交渉しに行くと分かっているのだろう。
 そして最終的には俺とユーフェミアの2人だけで交渉に向かう事となった。ルシィも一緒に行くと言い張ったのだが、ユーフェミアにこの部屋にいる人質を護って欲しいと言われては逆らえなかった。

「では行くぞ。くれぐれも俺の指示に従うように」
「ええ」
「アクセル、ユーフェミア様を頼むわ」

 ルシィの言葉に頷き、倉庫を後にする。
 幸いと言うべきか見張りの姿は倉庫にいた2人だけのようで、周囲に人の気配はない。
 ユーフェミアに見えないように空間倉庫を展開。レモン特製のバイザーを取り出す。他から見れば俺がスーツの内側からバイザーを取り出したようにしか見えないだろう。

「アクセルさん、それは?」
「多機能型バイザー……まぁ、簡単に言うと暗視装置や望遠機能その他諸々こういう時に必要な機能が揃っている訳だ」

 最大の目的はギアス対策なのは言うまでもない。

「それよりも音を出さないようにして上に向かうぞ」

 倉庫にいた兵士が持っていた銃をいつでも撃てるようにしながら、ユーフェミアを先導するように階段を上っていく。そうして進む事10分程。

「……ここだな」

 人の気配を感じてその階の様子を探る。本来ならスライムを使って索敵したい所だが、ユーフェミアの目がある以上それは出来ない。

「2人……だな」

 扉の前に2人。そして部屋の中には複数の人の気配がする。恐らくあそこに草壁中佐がいるのだろう。
 さて、どうするべきか。殺してしまうのが一番早いのだが、ユーフェミアの目の前で人を殺したとコーネリアに知られたら、それこそ俺が殺されかねない。
 だが考えるまでもなく事態は動いていた。部屋の中から銃声が聞こえてきたのだ。そしてそれを聞いた護衛は動揺してしきりに部屋の中を気にしている。少なくても俺達のいる方に関しては完全にノーマークだ。

「ここで大人しくしていろ」

 ユーフェミアにそれだけ言うと、そのまま護衛へと近づき倉庫の時と同じように手刀で首を打って気絶させる。

「今の銃声、何でしょう? お姉様でしょうか?」
「さてな、部屋の中に入ってみれば分かる。……準備はいいな?」

 気絶した兵士達から銃を取り上げる。中にいるのはゼロで間違いないだろうが、すぐに黒の騎士団が到着する筈。
 
「集中」

 精神コマンドの集中を使用し、ユーフェミアの方を一度見てからドアを開ける。同時に聞こえる銃声!

「っ!?」

 精神コマンドの集中の効果もあり、咄嗟に身体をずらしてゼロから放たれた銃弾を回避する事に成功する。

「何っ!?」

 くぐもった声がゼロのマスクから聞こえる。まさか奇襲ともいえる自分の銃撃が回避されるとは思いもしなかったのだろう。

「ふっ!」

 驚いているゼロに構わず、そのままゼロへと向かい突っ込む。そしてゼロが反応した時には既にその仮面に俺の持っている銃が突きつけられていた。

「残念だったなゼロ」
「くっ」
「アクセルさんっ!」

 だが俺がゼロへと銃を突きつけるのと殆ど同時にユーフェミアがいる廊下に黒の騎士団が到着。銃口をユーフェミアへと向ける。

「残念だったなユーフェミア。民衆の為に人質解放の交渉にでも来たのだろうが……相変わらずだな」
「ゼロ、大人しくしていてもらおうか。こっちもユーフェミアが人質になってはいるが、そちらもお前が人質になっている事を忘れて貰っては困るな。このマスクは防弾と言う訳でもないんだろう?」

 銃口でマスクを軽くつつく。

「ふん。千日手だな。お互い永遠にこうしている訳にもいくまい。人質交換と行かないかね?」

 確かにこのままここにいては、ランスロットによるホテルの地下基部破壊と黒の騎士団が仕掛けた爆弾による爆発に巻き込まれる可能性はあるか。

「……いいだろう。ユーフェミアをこっちに。俺もゼロから離れる」
「良かろう」

 ゼロが頷き、ユーフェミアと黒の騎士団が部屋の中へと入ってくる。同時に俺もゼロから距離を取りユーフェミアの側へと移動する。
 お互いの距離が十分離れたと認識したのか、ゼロが口を開く。

「副総督に就任されたと聞きました。ユーフェミア皇女殿下」
「喜ぶ事ではありません」
「そう。クロヴィスが死んだからですね。……私が殺した。彼は最後まで命乞いをした。イレブンを殺せと命じたその口で」
「だから兄を、クロヴィス兄様を殺したのですか?」
「いいや」
「では、何故!」
「あの男が、ブリタニア皇帝の子供だから」
「え?」
「そう言えば……貴方もそうでしたね」

 懐から銃を取り出してユーフェミアへと向けるゼロだが、次の瞬間にはその銃を降ろしていた。

「しかし、今は……」
「ゼロ、貴方は一体」

 ユーフェミアが何かを口にしようとしたその時、窓の外にチラリと白いKMFの姿が見えた。ランスロットかっ!?
 ランスロットの銃口から幾筋もの光が放たれ、基部が破壊された事によりビルが湖へと沈み込む。そして窓の近くにいたゼロが外にいるランスロットを目にしたその瞬間、ゼロは懐から取り出したスイッチを押す。
 同時にホテルの各所で爆発が起き始める。

「……この出会いは不運だったのか、幸運だったのか……ともかく、今日はこれまでだ。私達は人質を連れてこのホテルから脱出させてもらうが、君達はどうするかね? 私と共に来ると言うのなら歓迎するが」

 ゼロの言葉にユーフェミアがこちらへと視線を向ける。

「いや、俺とユーフェミアの二人だけなら脱出は可能だ。俺達に構わず行ってくれ」
「そうか。では私達はこの場を離れるとしよう」

 ゼロはマントを靡かせ黒の騎士団と共に部屋を出て行く。この後は黒の騎士団の設立を宣言するのだろう。

「ユーフェミア、俺達も急ぐぞ。ここでホテルの倒壊に巻き込まれるというのは面白くない」
「はい」

 ユーフェミアを連れ、ホテルを降りていく。所々爆発やその影響による落下物等があったが俺の身体能力とユーフェミアに見つからないよう密かに展開したスライムのおかげでなんとか事なきを得た。

「ユフィっ」

 ホテルから脱出した俺とユーフェミアを見たコーネリアが歓喜の叫びを上げて走り寄ってくる。その様は軍人というよりは姉以外の何者でもなかった。

「お姉様!」

 ユーフェミアもコーネリアを見て安心したのか、その目に涙を浮かべながらコーネリアへと抱きついている。
 そんなユーフェミアの髪を撫でながらこちらへと視線を向けるコーネリア。

「アクセル。ユフィを助けてくれた事……感謝する」
「気にするな。護衛なんだし当然だ。それよりも今は……」

 言葉を最後まで喋るより前に、唐突に周囲にあったモニタの様子が変わる。いよいよ黒の騎士団設立だ。
 そしてゼロが口を開く。

「ブリタニア人よ、動じる事はない。ホテルに捕らわれていた人質は無事救出した。貴方がたの下へお返ししよう」
「ぬけぬけとよく言う。お前に手出しをしたら人質に逆戻りと言う事だろう。しかもメディアでその場面を流している時に手を出したら完全にこちらが加害者だ」

 ユーフェミアを離し、苦々しげに口を開くコーネリア。確かにコーネリアの言う通り、ここで黒の騎士団に手を出せばブリタニア軍が悪者になってしまうだろう。ゼロとてそれを見越してTVを使っているのだろうが。
 モニタに映っているゼロへとライトが当たる。仮面を被ったゼロとその背後には黒の騎士団の制服とバイザーを身につけた扇グループの姿。

「人々よ、我を恐れ求めるがいい。我等の名は黒の騎士団! 我々、黒の騎士団は武器を持たない全ての者の味方である。イレブンだろうと、ブリタニア人であろうとも。日本解放戦線は卑劣にもブリタニアの民間人を人質に取り無残に殺害した。無意味な行為だ。故に我々が制裁を下した。クロヴィス前総督も同じだ。武器を持たぬイレブンの虐殺を命じた。このような残虐行為を見過ごす訳にはいかない。故に制裁を加えたのだ。私は戦いを否定しない。しかし、強い者が弱い者を一方的に殺す事は断じて許さない! 撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ! 我々は力ある者が力無き者を襲う時、再び現れるだろう。例えその敵が、どれだけ大きな力を持っているとしても。……力ある者よ、我を恐れよ! 力無き者よ、我を求めよ! 世界は……我々黒の騎士団が裁く!」

 こうして、黒の騎士団がこのコードギアスの世界に誕生した。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:34
PP:155
格闘:242
射撃:260
技量:252
防御:249
回避:277
命中:299
SP:414
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:190 
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