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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第二章 A's編
  第四十三話    『シホの過去の話(前編)』

 
前書き
今回は端折らないで全部過去を語ろうと思います。 

 





Side シホ・E・シュバインオーグ


場所は戻ってきてハラオウン邸。
ここにいるのはリンディさんを始め、クロノ、エイミィさん、なのは、フェイト、アルフ、ユーノ、フィアの魔法関係者全員。
さしあたって私はある事を指定した。

「まず私の話す内容は記録に残すのはとてもではないですが遠慮してもらいたいので皆さんの記憶にのみ留めてもらえませんか?
でないと私は証拠隠滅のためにこの家を廃墟にしないといけませんから」
『……………』

それで全員は怯えながらも頷いてエイミィさんは機械系等をすべて停止させた。

「これでいいですね。…さて、今から私が話す内容は知っているのは名前を挙げていくと、
桃子お母さん、士郎お父さん、恭也兄さん、美由希姉さん、忍さん、ノエルさん、ファリンさん、フィア……………最後にすずかよ」
「えッ!?」
「どうしてすずかが?」
「前にとある誘拐未遂事件であることがきっかけで今の話した全員に話す事になったの。私の秘密を…」
「誘拐未遂って…」
「結構すずかは誘拐されそうになる事があるのよ。それで何度か私と恭也兄さんと美由希姉さんの三人で裏組織を潰して何かされる前に事前に取り返しているわ」
「すずかちゃん…私にはそんな話一度もしたことないよ」
「話せる内容でもないと思うが…というよりシホ達は結構頻繁に裏家業的な事をしているのか?」
「緊急時はね」
「お兄ちゃん達って…」

なのはがまたしても落ち込んでいるが今はそっとしておこう。

「でもフィアットは…」
「未だに私とフィアのリンカーコアはパスが繋がっているから私が話していた時に聞いてしまっていたのよ…」

私が呆れながら話すと全員とはいかないがフィアはじとっとした目で見られていた。
それで苦笑いを浮かべているフィアなのだった。

「でもお姉様も管理局に…リンディさん達だけという限定ですが、ようやく話す決心がついたんですね」
「ええ。アーチャーが現れてしまったから話さないわけにはいかないわ。私達の関係性を…」
「そういえば自身を闇の書の主だといったアーチャーさんはシホのマグダラの聖骸布を使ったんだよね。
それにシグナムに聞いたんだけどシホの本当の魔術を教えて欲しい…」
「…シグナムにどこまで聞いたの、フェイト?」
「シホが使う魔術は転送系じゃなくて投影魔術というものだとだけ…」
「はぁ…私の秘密をべらべらと…。これでまた話す内容が増えたじゃないの…」
「お姉様、諦めが肝心です。これだけの規模で抑えられただけでも僥倖と考えればいいんです」
「フィアットさんの物言いですとシホさんの使う投影魔術というものは管理局によほど知られたくない能力なんですか?」
「…ええ、はい。リンディさん。ちなみに聞きますけど組織というものは決して一枚岩ではないですよね?」
「はい。私達はシホさんの能力を悪用しようとは考えていませんが…きっと今でも少しだけですがシホさんの力の話は上層部の幾人かに知れ渡っています。
特にジュエルシードを破壊するだけならよかったのですが威力が人の出せる域を超えているエクスカリバーという武装…。
あれも転送系として報告書で提出済みですからもしかしたら裏では善からぬ人物に情報が流れてしまっているかもしれません…。
私達ではもうシホさんの情報を流出するのは止める事はできないから将来もしかしたら目をつけられてしまうかもしれません。考えたくありませんが…」

それでなのは達は「そんな…」と言葉を漏らしていた。

「それでなぜ私が転送系だという嘘をいったのかは…私の魔術は異端だからです」
「異端、ですか…」
「はい。どの世界でも異端者は物珍しい目で見られてしまい、前の世界では私はその能力がばれてしまい封印指定を受けて世界を追われることになりました。
だから管理局には本当のことを話さずただレアなスキルとだけの認識で留めておいてもらいたいのです…」
「それでさ~、結局シホの使うその投影魔術ってどんな能力なんだい?」
「それを今から説明するから我慢しなさい。アルフ」
「はーい」

アルフはそう言葉を発して続きを促す。

「それで私が使う投影魔術というのは別名はグラデーション・エア。自己のイメージからそれに沿ったオリジナルの鏡像を魔力によって複製する魔術の事です。
そして事私の投影魔術は異端でほぼ真に迫れるほどの投影ができて私が消えろと命じるか、壊れるまで消えないんです」
「えっ…それってつまりシホの今まで使ってきた武装全ては魔力で作り上げた贋物って、こと?」
「その見解で間違いないわ」

その肯定の言葉を言った瞬間、フィアを除く全員は驚愕の表情をして特にリンディさんはなにかを納得したかの表情をして、

「なるほど…それで納得がいきました。ただ武器庫から取り出すだけなら魔力を消費する訳がないのにエクスカリバーを使った時に魔力が枯渇してしまった訳を…」
「ええ。エクスカリバーは私達の世界の宝具のランクにしてA++…最も上位に位置する宝具ですからもし投影に失敗したらまた体から無数に剣が生えてきて最悪死んでしまいます」
「あの現象がまた起こるっていうの!? あ、それと、あの、シホ…宝具ってなに?」

あれ? 説明していなかったっけ?

「ああ、ユーノ。説明していなかったわね。前に概念武装の説明をしたでしょ? 宝具っていうのは英雄のシンボルっていってもいいわ。
例えばアーサー・ペンドラゴンなら、『聖剣エクスカリバー』。それに次いで私の体に埋め込まれている持ち主に不死の力を与える聖剣の鞘『アヴァロン』。
例えばクー・フーリンなら、狙った瞬間に因果を捻じ曲げ必ず心臓を貫くという結果を残してから放つ魔の槍『ゲイ・ボルク』。
例えばメドゥーサなら、『石化の魔眼』に英雄ペルセウスに不死を殺す概念を持つ『ハルペーの鎌』で殺された際に首から零れ落ちた血から生まれたという幻想種『ペガサス』。
例えばメディアなら、裏切りの魔女という伝説が象徴として宝具に具現化した効果はどんな魔術だろうと破戒し初期化してしまう魔の短剣『ルールブレイカー』。
例えばヘラクレスなら、過去に十二の偉業を達成した事からそれが概念武装と化し、十二回それぞれ違った効果で殺さないと完全に殺す事ができない蘇生魔術の重ねがけである『十二の試練(ゴッド・ハンド)』。
例えば英雄王ギルガメッシュなら、世界の始まりにすべての財宝を納めていた宝物庫が由来で、すべての宝具の原典を取り出せる『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』。
そしてもう一つはかつて混沌とした世界を天地に分けたというEX対界宝具『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』。
……………英霊は必ず一つは形は違えど宝具を持っているといってもいいわ」

私の宝具の説明を受けてフィアは再度その凄さに驚いて、初めて聞かされた他の面々は英霊というのはとことん規格外だという認識を埋め込まれたらしい。

「それでは…シホさんはどうしてこれらを投影できるのですか?」
「実際に“視て”解析したからです」
「え? 視たってどうやって?」
「それに関してはこれから話す私の過去の話を聞けば分かります。ですがその前に一つ。私のこの体は本物ではありません」
「本物じゃないって…どういう事だ?」
「この体は、私の義理の姉の死んだ体を元に作られた人形なんです。元の私は26歳くらいでしょうか? の男性で名前は『衛宮士郎』という名でした」


それから私は桃子お母さん達に話した時より簡潔かつスムーズに話しをしていった。

「…私の原初の記憶は突如として燃え上がる大地、一面の焼け野原、次々と聞こえてこなくなる人々の声、そして空に浮かび上がる黒い太陽でした」
「戦争…だったのですか?」
「戦争というには確かに正しいのでしょうか…ですがその戦いは小規模なものでした。
七人の魔術師と前に説明した七人の英霊という使い魔同士がなんでも願いの叶うという聖杯を競って争う戦争…聖杯戦争と呼ばれるものでした。
厳密に言えば私が災難孤児になった原因の戦争は第四次聖杯戦争と呼ばれるものでした」
「第四次聖杯戦争…」
「その火災で私はその火災以前の記憶をすべて失い、名前以外をすべて失ってしまいました。どうにか体は生き残ってくれましたが心はすでに死んでいたのでしょう。
ただただ火が迸る道なき道を歩き続けました。道中で何度も生き残っている人の悲願の声が聞こえてきましたが何もできずただ声が聞こえなくなるまで歩き続けるだけ…。
次第に火は収まっていき変わりに雨が降り出して私も力尽きたのかその場で倒れてしまいました」

なのはとフェイトはそれで涙を流していた。もう内容は一度聞いているフィアですら涙を流している。
やっぱり誰でもこんな話はなれないはずだ。

「そして何を思ったのか私は片腕を空に伸ばして何かを掴もうとしていたのかもしれません。
でも次第に腕にも力が入らなくなり落ちそうになった時に、その腕を掴んでくれた人がいたんです」
「その人は誰だったんですか?」
「衛宮切嗣…第四次聖杯戦争の生き残りだと知ったのは随分先の話ですが…その時に私の意識は闇に落ちました。
そして次に目を覚ましたのは病院の一室でした。そこには他にも助かった人たちがいましたが皆私と同じように感情を削ぎ落としたような表情をしていたのを覚えています」
「それは…僕も何度か見たことがある。戦争や災害後の生き残りは大抵そうなるらしいからな」

クロノは見たことがあるようだ。
執務官ともなればそういった経験もするものなのだろう。

「しばらくそうしていたら衛宮切嗣…私はじーさんと呼んでいたっけ。切嗣が私のところにやってきて孤児院にいくか知らないおじさんに引き取られるかどちらがいい?と聞いてきたんです。
その時はどちらでもあまり変わらないと思ったのかすんなりと私は切嗣と一緒に行く道を決めました。そして私は■■士郎から衛宮士郎になった」
「切嗣さんは…どうして」
「なのはの言いたい事は分かるわ。でも切嗣も罪の念に駆られていたんだと思う。
そして私と切嗣は二人で広い武家屋敷に住むようになって私が一人でも家を切り盛りしていけると判断したのか切嗣は何度も海外に旅行するようになった。
寂しかったけど姉貴分の人はいたし切嗣の持ち帰ってくる旅行の話が私の唯一の楽しみだった」
「どうしてシホと一緒にいてくれなかったの?」
「うん…まぁ理由はあったと思うの。今からして思えば切嗣は何度も迎えに行こうとしていたんだと思う。実の娘であるイリヤ…イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを」
「アインツベルン…?」

そこでクロノが小さい声で呟いてなにかを考え出した。
そして何かに思い至ったのか、

「あ! 済まないシホ。話の途中で悪い! エイミィ、アインツベルンといえば…」
「あ、そうだね」
「何か知っているの?」
「ああ。アインツベルンというのは、名前までは調べられなかったが最後の聖王であるオリヴィエ聖王女と共に同時期にその名を消した『聖なる錬金術師』。…そういうあだ名で呼ばれていたらしい」
「えっ! こちらのアインツベルンも錬金術が専門の魔術師の一族だったわ」
「クロノ、エイミィ。その件に関して後で調べてもらって構わないかしら?」
「わかりました、母さん」
「了解です」
「それじゃシホさん。話を再開してもらっていいですか?」
「わ、わかりました…」

どちらも錬金術師の繋がりがある。これは何を意味しているのだろうか? 今はまだ答えは出せないけどきっとなにかある。そう直感が告げていた。
それはともかく私は話を再会した。

「それから切嗣に不出来ながらも魔術を習いながらも五年の月日が経過してある月夜の晩、私と切嗣は空の月を眺めていました。
その時には切嗣の姿はやせ細っていて死期も悟っていたのでしょう…私にある話をしてきました。
『子供の頃、正義の味方に憧れていた』と…。その時はまだ切嗣の言葉が理解できなったのか、でも怒りはあった。
だって、あの火災の中、私を助けてくれた切嗣こそが私にとって正義の味方だったのだから。
でも思えば切嗣の事を何も知らなかったガキの我儘だったんだろう。
でも、切嗣が正義の味方は期間限定だ、なんて言うから。『子どもの俺なら大丈夫だから、代わりになってやるよ』って言ってやりました。
そして『爺さんの夢は俺が形にしてやる』って、言おうとした。でも切嗣は、私が言い終わる前に『ああ、安心した』って笑いながら……眠った。
切嗣がそれで本当に救われたのか分からないけど、でもそこで私の夢は決まった瞬間だった。
がらんどうの私に『正義の味方』という理想が体に、心に染み込んだ」
「それは……………こういっちゃ悪いけど一種の呪いともいえないかな?」
「アルフ! シホに対して…」
「いえ。それはあながち間違っていないのよ」
『えっ?』

全員の疑問の声を聞き、だけど先に促していった。

「それから上達しない魔術を死にそうな思いで鍛錬して人助けもやっていきながら高校二年生になったある冬の事、私はまた巻き込まれた」
「まさか…」
「そう。第五次聖杯戦争に」


 
 

 
後書き
明日の投稿で第五次や過去話を語り終えます。 
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