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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第4章 天狼島編
  メスト

天狼島の近くの海の上にて・・・

「あれが天狼島よ。」

そう言ったのはシャルルであった。

「本当についてきちまってよかったのかよ?」

そう言ったのはリリーであった。

「いいのよ見学するだけだし。」

「ウェンディとコージ、ミントが心配なんだな。」

「私はあんなに反対したのに、あのコは・・・!!それにコージやミントまで!!!」

「一体何があったんだ?」

「それは・・・」

シャルルは1週間前の説明をした。

「・・・で、けっきょくミストガンの代わりにメストを
 手助けするんだってきかなくなっちゃって。
 コージはコージで何故か行く事になったみたいだし。」

「それで1週間も口をきかんとはね。」

「見かけによらずガンコなのよ、ウェンディは。」

「アンタもな。」

「メストがどんな奴かなんて、私はどうでもいいの。
 この試験とかいうもの自体がすごくイヤな予感がするのよ。」

「例の予知能力か?」

「断片的すぎて何とも言えないけどね。」

「俺はそのメストって奴の方が気になる。」

「え?」

王子(ミストガン)の弟子・・・何かひっかかる。それにコージからも頼まれた。」

「コージが?」

「ああ。」


























昨日の事・・・

「メストが怪しい?」

「ああ。」

俺はギルドにいたリリーにそう話をしていた。

「ジェラールが弟子をとったとはあまり思えないんだ。何かひっかかるんだ。」

「成程・・・実は俺もそう思うんだ。」

「だから・・・俺の我がままだが、天狼島にシャルルと来てくれないか?
 もしそのメストが怪しい行動した上、ウェンディに何かしたら、殺ってくれ。」

「おい、それはまずいだろ・・・(汗)」
















「という事だ。」

「成程。」

リリーの説明に納得するシャルルだった。

































一方、コージとミントは・・・

「また洞窟っぽい道だな。」

「だね~。」

俺とミントはそんな会話をしていた。

「ん?」

誰かがそこにいる事に俺は気がつく。

「コージ君!!」

「レビィさん!!」

そこにはレビィさんと不機嫌そうな顔をしたガジルさんがいた。

「おお、一次試験合格じゃの。」

マスターもいた。

「はい、マスターこれ。」

俺は3体のドール分身をマスターに渡した。

「ほう!あの超難関ルートを突破したのか!!」

「はい。まさかそういう事だったとは驚きました。」

「ええ!?超難関ルート突破できたの!!?」

「はい。」

レビィさんの言葉に俺はそう返事をした。

「闘ったのって誰だったの!?」

「それは・・・」

「レビィちゃん!コージ君!!」

声のした方を俺とレビィさんが振り向くと、そこにはルーシィさんとカナさんがいた。

「ルーちゃん!」

「カナさん。」

「みんな~!」

また声がしたので振り向くと、そこにはナツさんとハッピーがいた。

「ハッピー!ナツ!!」

ミントがそう言う。

「合格したんだね!」

「あい。」

ルーシィさんの言葉にそう返事をするハッピー。

「・・・・・・。」

「ナツさん?」

何か様子が変だぞ?

「どうしたのナツ?」

ルーシィさんもナツさんの様子に気がつく。

「・・・ちょっとな・・・。」

ナツさんはそう言い、俺達から離れて近くの岩に座った。

「・・・・・・。」

「どうしたんでしょう、ナツさん。」

「さあ?」

「あんなナツ始めて見たわ。」

俺とレビィさん、カナさんがそう言う。




































一方こちら、もう1つの“闘”では・・・

「ぶほおっ!!!!」

「メストさん!!」

メストとウェンディがいた。

「くう・・・まさかこいつらがこんなに強かったなんて知らなかった。」

「そりゃあ強いですよ。」

「だが・・・我が師の跡を継ぐ為、俺は負けられない!!!
 かかって来い!!!グレイ!!ロキ!!」

どうやら、メスト&ウェンディはグレイ&ロキと闘っていたようだった。しかし・・・

「・・・・・・あれ?」

グレイとロキの姿は無かった。それもそのはず・・・

「あの・・・私達負けちゃったみたいです。」

「知らなかったー!!!!」

「メストさんが気絶してる間にグレイさん達は先へ・・・」

「・・・・・・。」

ウェンディの説明に茫然となるメスト。

「はぁ~あ、今年もダメだったかぁ・・・。」

「私が役に立たなかったから・・・がんばろォって決めたのに・・・。」

「いや・・・いいんだ。それよりけがはなかったかい?」

「はい・・・。」

ウェンディの言葉に安心したメストだった。

「(お兄ちゃんは・・・大丈夫かな・・・?)」

ウェンディは心の中でコージの事を考えていた。























一方、グレイ&ロキは・・・

「よーし!!一次試験突破だーーーー!!」

グレイはご機嫌だった。

「ナツとフリードあたりが一次で落選してたら先は気が楽なのにね。
 いや・・・カナも手強いかな?」

次の試験の事を考え、ロキはそう言う。

「バカ言うな!!S級魔導士になる為に楽な道なんかねーんだよ。」

「わかってるって。メストにしたって実際、僕達がよく勝てたなって思うよ。」

「つーかアイツあんなに弱かったか?
 ウェンディはおいといて・・・昔はもっと強かったような。」

「僕達が強くなってるのさ。」

「アレ・・・思い出せねえ、俺は昔あいつと戦った事があったか?」

「お!記憶喪失ネタだね!!そういうのルーシィ喜ぶよ。」

「メストは前回の試験でいいトコまでいったんだよな。」

「確か・・・そうだったね。」

2人はそんな感じでメストの事を話した。

「あいつ・・・前回のパートナー誰だった?」

そのグレイの言葉にロキは無言となった。

「あれ?誰だっけ?」

ようやく口を開いたが、出た言葉はそれだった。

「何でだ!?ぜんぜん思い出せねえ!!!」

グレイは大声でそう言う。

「メストに関する記憶があやふやな気がする。」

「確かに、彼の事を思い出そうとするとどこかで記憶が途切れる。」

「「うーーーーーーん・・・。」」

2人はメストに関する事を頑張って思い出そうとするが、結局出なかった。

「グレイ!!ロキ!!」

「!!」

「お。」

グレイとロキの先にはコージ&ミント、レビィ&ガジル、
カナ&ルーシィ、そしてハッピーがいた。

「やっぱり一次試験を突破してきたんだね。」

「とりあえずおめでとう。」

「おめでとう~。」

ルーシィさん、カナさん、ミントがそう言う。

「私達“静”のルートでラッキーだったね。」

「どこが!!誰も殴れなかったんだぞ!!!」

レビィさんとガジルさんはそんな会話をしていた。

「一次試験を突破できたのはこれだけか!?」

「ナツは・・・」

「あっちにいるよ。」

ナツさん、まだ沈黙だった。何を考えているんだろう?

「さて・・・これで全員そろったかな?」

俺達の元にマスターが来た。

「カナとルーシィはフリード、ビックスローを“闘”で突破。」

「ふふん。」

「何ーーー!!?」

「ナツとハッピーはギルダーツの難関をクリアし突破。」

「嘘だーーーー!!!」

「オイラ何もしてないケドね。」

「コージとミントはマジックアイテム『ドール分身』の現在のS級魔導士を倒し、
 ドール分身を3体持ってきてクリアし突破。」

「マジかよーーーーーー!!!!!」

グレイさん、驚きの連発でした。

「レビィとガジルは運よく“静”のルートを通り突破。」

「へへっ。」

「運がいいだと!!?」

レビィさんは喜んでいたが、ガジルさんは誰とも戦えずに苛立っていた。

「グレイとロキはメストとウェンディを“闘”で破り突破。」

「・・・!?」

驚いたぜ、てっきりここまで来ると思っていたが・・・わざと負けたのか?それとも・・・。

「(ま、リリーに頼んではおいた、何かあったら・・・ただじゃおかねえぞ・・・!!!!)」

「ジュビアは落ちちまったか?」

グレイさんの言葉にマスターは「ぐもっ」と顎を下げて変な顔になった。

「な・・・なんだようじいさん・・・。」

「ジュビアとリサーナは奴と当たってしまった・・・あの手に抜けない女騎士に。」

「あ~あ。」

エルザさんの事ですね・・・。

「じゃあ、後はエルフマンとエバーグリーンね。」

「でも消去法でいくと残るルートは・・・」

「あの人ですね・・・」

「「・・・・・・。」」

ミラさん・・・ですね。
俺はどれくらいすごいかは知らないけど、
ルーシィさんとカナさんの様子を見る限り、かなりあると言う事ですね。S級魔導士ですし・・・。

「かわいそうに。」

「俺だったら勝ってたけどな。」

レビィさんとガジルさんがそう言う。

「ちょっち待てーい!!」

「「!!」」

この声って・・・。

「俺等も姉ちゃん倒してきたぞォ!!!!」

「一次試験突破よ!!」

ボロボロのエルフマンさんとエバーグリーンさんでした。

「何と!!」

驚くマスター。

「どうやってあのミラを?」

「・・・・・・。」

ハッピーの言葉に何故か沈黙となるエルフマンさん。

「それは言えん!!(おとこ)として。」

「一瞬のスキをついたとだけ言っておくわ。」

「何をしたんだろう?」

「さあな。」

エルフマンさんの様子的にエルフマンさんがあまり好まない事をした様ですね。
顔にそう書いてありますし。

「コホン、ともかく、一次試験の突破チームはこの6組とする。
 そしてこれより、二次試験を開始する。」

次は二次試験ですか・・・どうなるか・・・。

「ナツ、いつまでおちこんでんの?」

ハッピーがナツさんと元へ行き、そう言う。

「いや・・・ちょっと考え事。」

「ナツが!何かを!!考えるーーーー!?」

「どんだけみくびられてんのよ(汗)」

ナツさんの言葉にハッピーがそう言い、
そのハッピーの言葉にルーシィさんは思った事を言った。

「・・・・・・。」

すくっ

「!!」

立ち上がるナツさん。

「グレイ!!!カナ!!!レビィ!!!エルフマン!!!コージ!!!
 誰がS級魔導士になるか勝負だ!!!!」

大声でナツさんは俺ったいに向かってそう言った。

「お前にだけは負けねえよ。」

「・・・・・・。」

「私だって。」

「その勝負、漢として受けて立ーーーーーーーーーーーーーつ!!!!」

「ええ・・・まぁ、そうですね。」

「燃えてきたぞーーーーーーーーーーーっ!!!!」

「あいさー!!!」

「あたしはぜぇ~ったいカナをS級魔導士にするの!!」

「たとえルーシィでも僕は手を抜けないよ。」

「ギヒヒ、吠えてろ、クズが。」

「漢たるものォ、ぐほばっ!」

「エルフマン、しっかりしなさ・・・ぐふん!」

「この2人はねーかな。」

こうして、一次試験は終了し、二次試験へと入る事となった。





























一方、メストとウェンディは・・・

「本当に・・・ごめんなさい・・・。」

「もういいよ。仕方のない事だよ。」

メストとウェンディはぐれとロキと戦ったあの場所で座っていた。

「コージの方は・・・どうなってんだろうな?」

「う~ん・・・私もそこまでは・・・でも、お兄ちゃんなら、突破できたと思います。」

「そうか。
 なあウェンディ、この島がなぜ妖精の尻尾(フェアリーテイル)の聖地と呼ばれてるか知ってるか?」

「え・・・?初代マスターメイビスが眠る地だからですよね?」

「ああ。だがそれだけじゃないんだ。この島は普段、強力な結界によって隠されていて、
 いかなる魔法をもってしても探し出す事はできないらしい。」

「へえー。」

「それはただメイビスの墓があるからだけではないんだ。
 妖精の尻尾(フェアリーテイル)についての、ある重大な秘密がこの島に隠されてるらしい。」

「何ですか、それは?」

「俺も知らないんだ。どうだろう?探検してみないか?」

「う~ん・・・。(お兄ちゃんは心配だけど・・・大丈夫だよね・・・?)
 少しだけ・・・行ってみたいです。」

「わかった。」

こうして、メストとウェンディは天狼島を探検する事となった。


























一方、海岸でシャルルとリリーが話をしていた。

「コージと皆の話からすると、王子(ミストガン)はこっちの世界で人と接触するのを避けていた。
 つねにアニマを探していたそうだ。」

「ギルドに寄る時もわざわざ全員に眠らせて、顔がバレないようにしてたらしいわね。」

「コージは、王子(ミストガン)が弟子を持つとは考えにくい。俺もそう思う。」

「何が言いたいの?」

「う~む・・・ものすごく突拍子もない推察なのだが・・・
 メストという男は・・・本当にギルドの一員なのか?」

リリーは総推測をしていた。












一方、メストとウェンディは・・・

「キレイなトコですね。」

「気をつけて。」

洞窟から出て、海の見える場所へ2人はいた。しかし・・・

「・・・・・・。」

メストの顔はかなり怪しかった。まるで人騙し見下しているかのような・・・。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。今回の話、いかがでしたでしょうか?次回もお楽しみに~!! 
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