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ガールズ&パンツァー もう一人の転校生

作者:stk
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再会

「体験入学に来た生徒を紹介する。」
私は先生に呼ばれて大洗女子学園普通一科二年A組の教室に入った。
すると
「柚本さん。」
私は呼ばれた方を向くとみほちゃんがいた。
そう言えば黒森峰から転校したんだっけ。
「柚本さん。自己紹介してくれる?」
先生が私に自己紹介するように言ってきた。
「今日から1週間上越高校から体験入学に来ました柚本瞳です。必修選択科目は戦車道に参加しようと思います。」
「そう言うわけですのでみなさん仲良くしてあげてください。」
自己紹介が終わり私は牛目さんの後ろの席に座ることになった。
「ヨロシクね牛目さん。」
「こちらこそ。それよりも委員会から通達はあったのは本当なの?」
委員会の行動がとても早かった。
「牛目さん。どうして知っているの?」
「そりゃー、大狩流分家だから連絡がねあったんだ。」
分家って結構上級の人じゃん。
「すみませんでした。私は上越高校戦車道Cチームの隊長をしています。」
「そんな固くならないで。私もそこまで強くないから。」
「そうなんですか。」
「それで委員会から通達が会ったのは本当なの?」
「はい。私たちの学校で一番強いチームが西住流に加担することを勝手に決めちゃって。」
私がはやいうちにとめていればこんなことにはならなかったのに。
「それで責任をもって自分で責任を取ると。そう言うことなんだ。」
「はい。」
「その事なんだけど私も協力するから。多分梨華も。」
梨華ってまさか。
「梨華って、大狩梨華さんですか?」
「そうだけど梨華の知り合いなの?」
梨華さんが大洗女子学園にいるんだ。
「はい。昔美保ちゃんと梨華と後二人で戦車に乗ったことがあるんです。」
「へぇー。みほ。本当なの?」
牛目さんが授業の準備をしていたみほに聞いた。
「そうだや。お昼やすみに挨拶がてらみんなに言うつもりだったんだけど。」
「そうなんだ。まあいっか。次は確か化学1だったよね。瞳さん、教科書持ってる?」
「ううん。私の学校とは違うものみたいだから。」
「一緒に見よ。私が分からないところは教えてあげるよ。」
牛目さんは頭が良いのかな?
かなり自信満々だったけど。
「それじゃあ牛目。此処を答えてみろ。」
「1価の塩基性です。」
アンモニアについての問題。
私は分かんなかった。
それどころか酸性だと思っていたぐらいだし。
「それじゃあ次の問題を・・・・柚本。答えてみろ。」
ええー。
酢酸って何価だっけ?
「さ・・」
私が3価と言おうとしたら牛目さんが指で教えてくれた。
「1価の酸性です。」
「その通り。ここは酸素が三つあるところと一つのところがあるから3価と間違いやすいところだからな。」
やっぱり間違えやすいんだ。
メモしとこ。
「これで1限は終わりだ。2・3限の自由選択に遅れないように。」
やっと終わった。
次は自由選択科目か。
「牛目さん。ありがと。」
「たいしたことないよ。それじゃあ車庫に行こっか。」
私は牛目さんに連れていかれ車庫に向かった。

「今日から1週間滞在する柚本瞳さんと藤林レイナさんだ。」
「「よろしくお願いします。」」
二人は丁寧にお辞儀をした。
「もう一人いるんだよねー。河嶋。」
「はい。こっちだ。」
そこに現れたのはもなかだった。
「前修善寺女子高等学校二年情報処理科の斉藤もなかです。諸事情で転校しました。よろしくお願いします。流派は大狩流傘下駿河流です。」
もなかは大狩流傘下を強調した。
「と言うことだ。三人には新たに発見した三式中戦車改に乗って貰う。本当はもう一人欲しいのだが・・・」
「私が一緒に乗ります。」
はやが立候補したよ。
そうしたらはやの戦車が困るんじゃ。
「私の代わりはやっぱり・・」
はやが裕香の方を向いた。
「中橋さんしかいないでしょ。」
裕香は私たちの通信手じゃん。
なに勝手なこと言っているの?
「わかりました。はやの代わりに通信手兼車長をさせてもらいます。」
なに言っちゃってんの裕香。
「ありがと、裕香。河嶋先輩。これでいいですよね。」
「ああ。それでは各自練習開始。」
みんなが走っていくなか私とみほが瞳の前にやって来た。
「柚本さん。久しぶり。戦車道続けてたんだ。」
「瞳。淋しかったぞ。あまり遊び来てくれなかったから寂しくて。」
まあ、九州から福島まで来るのは大変だからしょうがないんだけど。
「戦車道にハマっちゃって。梨華ゴメンね。結構距離があったから行けなかったんだ。」
「大丈夫。来れないのはわかっていたから。」
「梨華ひどーい。私行く気満々だったのに。」
来る気だったんだ。
「みんなー。大変ですー。上越高等学校が。」
瞳とレイナは誰よりも早く声のした方を見た。
「どーした?」
呑気な会長。
「戦車道の隊長が反大狩流を掲げたと今連絡がありました。」
それを聞き私も小山先輩の方を向いた。
そして私は訊ねた。
「上越高等学校の生徒会長はなんて?」
「生徒会長は今回の発表とは無関係らしく反大狩流に対して批判的らしいわ。」
となると戦車道選択者の独断だと考えれば
「なんだか理由がわかる気がするよ。」
「そうなんだ。でもなんで問題なの?」
みほっておばかさんなのかな?
「日本の戦車道の流派は大きく分けて二つ。一つは国内最大流派の大狩流。もう一つはみほ達の西住流。」
「うん。」
「もしも大狩流の傘下から抜けたら何処に行くと思う?」
「それは西住流だと思う。」
それがわかっていてどうして私の心情がわからないの。
みほって本当におバカさんなの?
「抜けたら確実に西住流の傘下に入る。すると上越高校が持っていた大狩流の情報が流れる心配がある。」
「あっ。」
やっと気づいたみたい。
「そうすると流派間で争いになり戦う事になる。大狩流は小中高大合わせて639校。それに対して西住流は全部合わせても109校。勝敗はあきらか。でも弱味を握られたら大狩流が負ける。そうなると戦車道の最大流派は西住流に変わる。」
「それを私たち大狩流は見逃すわけにはいかないの。」
私は声が向いた方に顔を向けた。
見てみると底には氷華が立っていた。
「その通りだけど、なんでここにいるの?」
私はレイナに訊ねた。
「お母様より伝言です。明日、朝8時より上越高等学校戦車道Aチーム殲滅作戦を開始します。西住流の妨害も考えて上越高等学校を除く大狩流傘下の全37の高校で殲滅するとのことです。」
それってつまり上越高等学校対大狩流傘下の高等学校ってこと?
いくらなんでもやりすぎじゃあ。
「昨日の夜より黒森峰が怪しい動きをしています。ですので黒森峰が上越高等学校につく前に決着をつけようと考えています。」
「と言うことは私たちにもやることはあるんだ。」
「はい。梨華お姉ちゃんたちには上越高等学校戦車道Aチームの隊長である涼冷さんの確保をお願いしたい。」
「私たちに援助はあるの?」
私は37校も来るのだからあると信じて聞いてみた。
「それが無いんです。九州地方にある学校一校に付き四校配置するので。上越高等学校に行くのは鹿島女子学園、大洗女子学園、高岡農業高校、小浜高等学校、佐久高等学校、北本州学園、酒田女子高校の七校が上越高校に向かいます。残りの十校で港を閉鎖する予定です。」
なるほど。
「わかった。お姉ちゃんにも了解したと伝えて。それにしても白河に北海が来ないんじゃ不味いかもね。」
今の大洗で黒森峰に勝てるかはわからない。
「私たちは大狩流戦車道委員会の警備をします。現状では何処が狙われるかわかりませんから。」
「それじゃあ、京都支部のほうが不味いんじゃないの?だって京都は西住流が多いし、大狩流は準支援校の平安歴史高校しかないよ。」
そもそも平安歴史高校は大会に出てないような。
「わかった。戻ったら話してみるよ。ソレジャア明日はお願いね、お姉ちゃん。」
「うん。気を付けてね。」
私はこれだけのために来た妹を見送った。

氷華は帰りのヘリの中で、
「やばっ。新しい小追尾ミサイル渡すの忘れた。明日でいっか。」
とこんなことを呟いていた。
 
 

 
後書き
書きすぎたー。 
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