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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡

作者:ブレイア
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第二話 箱庭ですよ?

 
前書き
三人称メインになれた方が良いよな
でも基本的にside も混ぜます 

 
「あ、ありえない。ありえないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのです」

「いいからさっさと進めろ」

半ば本気の涙を瞳に浮かばせながらも、黒ウサギは話を聞いてもらえる状況を作ることに成功した。
四人は黒ウサギの前に思い思いに座り込み、彼女の話を『聞くだけ聞こう』という程度には耳を傾けている。
黒ウサギは気を取り直して咳払いをし、両手を広げて、

「それではいいですか、皆様。定例文で言いますよ? 言いますよ? さあ、言います!
 ようこそ“箱庭の世界”へ! 我々は皆様にギフトを与えられたものたちだが参加できる
 『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと召還いたしました!」

「ギフトゲーム?」

「yes!既に気づいていらっしゃるでしょうが、皆様は皆、普通の人間ではございません! その特異 な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。
 『ギフトゲーム』はその“恩恵”を用いて競い合う為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を 持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」

「普通ね…」

ボソリと呟く修也
それに気付かずに両手を広げて箱庭をアピールする黒ウサギ。
飛鳥は質問するために挙手した。

「まず初歩的な質問からしていい? 貴女の言う“我々”とは貴女を含めた誰かなの?」

「YES! 異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多とある“コミュ ニティ”に必ず属していただきます♪」

「嫌だね」

「属していただきます! そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの“主催者”(ホスト)が提示した 商品をゲットできると言うとってもシンプルな構造となっております」

今度は、耀が控えめに挙手した。

「……“主催者”って誰?」

「ギフトゲームを主催し、管理する人ですね」

「誰でもなれるの?」

「商品を用意する事が出来れば。それこそ、修羅神仏から商店街のご主人まで主催者によってギフトゲームのレベルも変わりますよ」

「へえ、じゃあ試しにそのギフトゲームとやらをやらせてもらえるか?」

修也が黒ウサギに言う

「そうですね、じゃあ簡単なゲームをしましょう」

黒ウサギはどこからかカードを取り出しシャッフルをする
トランプをシャッフルし終えパチンと指を鳴らす
すると、頭上からテーブルが落ちてくる

「なるほど、要は俺達を試そうってか」

「ええ、そうですよ。この程度で音を上げるようでしたらお荷物、邪魔者、足手まといなのです」

黒ウサギは挑発するように言う
それに対し飛鳥は立ち上がり

「ちょっと待ちなさいよ!私達は一言も」

「自信が無いのでしたら…断ってくださっても結構ですよ」

「随分と楽しい挑発してくれんじゃねえか」

十六夜の言葉に何故か黒ウサギはギギギと音を立てながら返事を返す

「お気にめ「ルールは」はい?」

「ルールは?と訊いている」

黒ウサギの言葉に割り込みをかけたのは修也だ
修也は心底面白そうなものを見るような目で黒ウサギを見ている
その目を見た黒ウサギはパアァと顔を輝かせて言う

「はい!ゲームにはこのトランプを使います」

そう言ってカードをテーブルの上に広げる

「この52枚のカードの中から絵札を選んでください。ただし!チャンスは1回、1人1回までとさせて いただきます」

「方法はどんな事をしてもいいの?」

飛鳥が黒ウサギに訊く

「ルールに抵触しなければ。ウサギの目と耳は箱庭の中枢と繋がっているので、ルール違反はムリです よ」

「へえ、この耳がねえ」

「フギャ!」

いつの間にか黒ウサギの背後に回っていた修也が黒ウサギの耳を引っ張る

「なっ何ををするのです!」

「いや、どんな仕組みかが気になって。それよりチップは?」

「うう、今回皆様は箱庭に来たばかりですのでチップは免除します。しいて言えばあなた達のプライド を賭けるというところでしょうか」

「私たちが勝った場合は」

耀が黒ウサギに質問する

「そうですね…その場合は何でも1つだけ、あなた達の言うことを訊きましょう」

「ほう、なんでもか」

十六夜の視線が発育のいい黒ウサギの胸に行く

「で、でも性的なことはダメですよ」

飛鳥、修也、耀の3人の冷めた視線が十六夜に集中する

「冗談だよ。で、どうする?」

「どうもこうも」

「うん、やろっか」

「ニャアーー」

「よし、やろう」

4人全員が参加を承諾する

「ゲーム成立です!」

キイイン

黒ウサギが言うと1枚の羊皮紙が落ちてくる

「それは?」

「ギアスロールです。いわば、ゲームに関する契約の書」


ギフトゲーム名:スカウティング

プレイヤー一覧: 逆廻 十六夜
         久遠 飛鳥
        春日部 耀
         源 修也

プレイヤー側の勝利条件: カードの中から絵札のカードを選ぶ

クリア方法: 選べるカードは 
       プレイヤーにつき一枚のみ

敗北条件: 降参かプレイヤーが上記の条件を満たせなくなった場合。 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗と、
   ホストマスターの名の下
   ギフトゲームを開催します。
           
           “サウザンドアイズ”

「ok分かった。だが始める前にそのカードを調べさせてもらおうか」

十六夜はそう言って黒ウサギに手を出した

「構いませんよ?」

黒ウサギはキョトンとした顔でトランプを十六夜に渡す
4人はそれぞれ絵札のカードに何かをする
十六夜はただ見るだけ
飛鳥は軽く爪で押し、印をつける
耀は人差し指につけた猫の唾液をつける
修也はカードのにおいを嗅ぎ、軽く口をつける

「では!ゲーム開始でーす!」

4人からカードを返された黒ウサギはカードをテーブルの上に広げ宣言した

「誰から行く?」

飛鳥の言葉に「じゃあ、俺から行かせて貰うぜ」と言いながら前に出る十六夜、そして

バン!

と音を立てながらテーブルを叩く
カードは一枚を除き全て空中に舞い上がり、やがて、テーブルの上に落ちる

「な!なっな」

黒ウサギが声にならない声を上げる

「じゃあ、私これ」

「私これ」

「じゃあ、俺も」

裏返った絵札のカードを飛鳥、耀、修也の3人はとる

「ちょっと待ってください!今のは」

「なにもルールに抵触してないぜ」

十六夜はその後にギフトゲームのルールを言う
その後に少しだけ黒ウサギの耳が動き

「箱庭の中枢からこの勝負は有効であると認められました…飛鳥さんと耀さんと修也さんはクリアで  す」

ガックリとうなだれる黒ウサギ

「でっでも!十六夜さんがまだです!」

「おいおい、おれを誰だと思ってんだ」

そう言って裏返されたカードはクローバーのk
絵札である

「どっどうやって」

「覚えた。全てのカードの順番をな」

そう言って伏せられたカードを表替しながらそのカードの数字を言う

「このカードの隣はダイヤの9、クラブの2、スペードのJだ」

黒ウサギはカードの順番を完全に覚えられていたことにショックを受ける

「やるじゃない、あなた。けど、おかげでこちらが考えていた手が無駄になったわ」

「うん」

「全くだ」

飛鳥の言葉に耀と修也も頷く

「そいつは悪かったな」

未だにショックから抜け出せていない黒ウサギに十六夜は言う

「おい、黒ウサギ」

「はっはい」

「早速だが、言うことを訊いてもらうぜ」

「だっダメですよ性的なことは」

黒ウサギは胸元を両手で隠す
もっとも胸が大きすぎて完全に隠せてはいないが

「まあ、それも魅力的ではあるんだが、俺の訊きたい事は一つ」

「なんですか?」

「この世界は……面白いか?」

他の3人も無言で返事を待つ。
彼らを呼んだ手紙にはこう書かれていた。
『家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い』と。
それに見合うだけの催し物があるのかどうかが4人にとって重要なことであった。
黒ウサギは一瞬目を瞬かせると、笑顔で言った。

「―――YES。『ギフトゲーム』は人を超えたものたちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外 界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」 
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