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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第二章 A's編
  第二十七話    『強襲』

 
前書き
今回から戦闘を入れていきます。 

 





海鳴市の上空にヴィータとザフィーラが佇んでいた。
一般人が見れば摩訶不思議な光景に見えなくもないが夜ということもあり、そしてかなりの高度にいるので気づくものは恐らくいないだろう。
そんな空でヴィータは目を瞑りなにかを探しているようである。

「…どうだ、ヴィータ? 見つかりそうか?」
「いんや。いるような、いないような…そんな曖昧な感じだ。
やっぱりこの間から感じていた巨大な魔力反応…かなりの大物っぽいな」
「もしかしたら主のご友人かもしれないぞ…?」
「心配すんな、ザフィーラ。あたしらの中で顔が割れているのはシャマルだけだから。
だからシャマルにはもしもの場合、正体を明かさない為に変身魔法で黒尽くめの格好をさせてある」
「そうか。ではその魔力反応を別れて探すとしよう」
「OK。お前もしっかりと探せよ、ザフィーラ」
「心得ている」

返事をした後、ザフィーラはヴィータの元から飛び立っていった。
ザフィーラが消えた後、ヴィータは管理局に気づかれるかもしれないという事を承知で封鎖領域を展開させた。


◆◇―――――――――◇◆


時は少し遡り、シホは恭也、美由希とともに山に入って盛大に訓練をしている真っ最中だった。
学校の帰り際、妙に早く帰った理由は今日の夕食当番以外に修行も含まれていたためであったからだ。
それですぐにシホは食材を購入して家に帰り、桃子の手伝いもあって仕込みは終わり、後は暖めるだけという事で食事の時間には帰ると伝えて三人は家を出て行ったのである。
ちなみになのはは今日出された宿題などで家に残っていた。

「シホちゃん、今日の夕食は何にしたの?」
「はい。今日はメインをクリームシチューにして他にマカロニサラダ、食後のおやつにシチューとマカロニを使用して桃子お母さんと一緒にクリームシチューパンを作りました」
「今日は洋食がメインか。それじゃ楽しみだな」
「うんうん。シホちゃんの作る料理はなんでも美味しいし、それにちゃんとお母さんと同じでカロリー計算もしっかりしているから私は嬉しいな」
「ありがとうございます。それと、そろそろ始めましょう。この話になると自分でも早く食べたくなっちゃうんで」
「そうだな」

それから三人は支度を始めた。
今夜の修行の内容は現在手持ちの武器で闇夜での森で神経を研ぎ澄ませて殺気などそれらの感情を一切出さず奇襲をするバトルロイヤル的な方針だった。
従って三人とも始まりの合図と同時に森の闇に溶けていった。
それから何合か打ち合ったり、少しの音でも反応しないよう戒めたり、たまに過激に仕込んでいた爆薬(爆竹程度を幾度もつなげた物)が爆発したと同時に他の方角から攻められる等…。
なるほど、これは確かに山ではないとできない修行だとシホは思っていた。

(それに私は二人と違ってたまに月の反射で髪が光っちゃうからより一層神経を集中しないとたちまち餌食にされちゃう…)

シホは用心しながらも、だが奇襲する事に力は緩めなかった。
そこでふとシホは魔力の気配を感じた。それも結界のようなものが迫ってくる感じである。
世界に敏感なシホだからこそすぐに気づけたものだからすぐに二人を呼んだ。
それで一時中断になり二人には少し言い訳をしながらも先に帰らせた。
と、同時に結界が自分達の領域にまで及び遠めに見えていた二人の姿も掻き消えた。

(誰かが町全体に広域の結界を構築したのか…?)

そう思いながらもシホは颯爽に山を駆け下りていく。
すでに武装も完了して魔術回路も開いている。

(もしかしたらまたロストロギア関連の事変かもしれない…! なのはもこの異変には気づいているはずだし狙われているかもしれない!)

「急がないと…!」と声を出して足に魔力をこめて山を抜けようとした矢先、シホは人一人にしてはやけにでかい魔力反応に気づき咄嗟に上を向いた。
そこにはアルフと似ている青い狼が空からシホを見下ろしていた。
青い狼―――ザフィーラは地上に降りて無言でシホを威嚇している。

「いきなり現れてなんですか…? 私、今急いでいるんですけど…」
「………」
「だんまり、か…どうやらアルフと同じ使い魔みたいだけど…私はこの先にいかなければいけないの。だから…」


―――投影開始(トレース・オン)


その手に干将・莫耶を投影し、

「押し通らせてもらうわ…!」
「!…そうか。使い魔の存在を知っているという事は、やはり管理局の関係者らしいな」
「属してはいないけれどね…。私、そういった組織は苦手な部類だし」
「そうか…。いや、今は理由は聞かん。しかし魔法を使ったというのに魔法陣が浮かばないとは…まぁ、いい」
「貴方の目的はなに…?」

威嚇しながらもザフィーラに尋ねる。

「教える必要はない。知りたくば…」

瞬間、ザフィーラの体が発光し狼の姿から人型へと変化した。
その姿はやはりアルフに似ていて耳と尻尾がそのまま残っている。
だが、その身はかつての自分のように褐色の肌に白い髪。
鋭い目つきと青い服の上からでも分かる鍛えられた肢体…その姿から戦士としての威厳が溢れている。
そしておそらく近接タイプなのだろう、腕に銀色の手甲をはめている。

「私を倒してから聞け!」

ザフィーラはそう叫びシホへと飛び掛っていった。
それをシホは、

「ええ。なら、そうさせてもらうわ!」

受け答えをして疾駆した。


◆◇―――――――――◇◆


Side シホ・E・シュバインオーグ


「ハアアアアアアッ!!」

雄叫びとともに男の鋭く狙った拳が私に迫る。
それを左手の干将でいなし、右手の莫耶で切りつける。
だが相手も読んでいたようで逆の手甲でそれを防いでいる。


―――油断するな。目の前の敵はこと格闘戦に関してはシホ・E・シュバインオーグの遥か上をいくものだ。


別思考で心眼を発動している私がそう告げる。
そんな事は分かっている。
しかしこうも攻めに転じられないのはなんとかならないものか。
昔の自分なら同じ体格故にどうにかできたかもしれない。
しかし今はか細い少女の体に過ぎない。
その拳を受けるたびに衝撃が剣を通して直に伝わってくる。
魔力付加されているから尚更だ。
こう何度も受けきれるのも干将・莫耶という宝具の恩恵があるがそれを担う私が耐えられなくなってはそれこそお仕舞いだ。
こんなもの、まともにくらえば私なんてまるで風船のように何度も撥ねられた挙句に悶え苦しむことは必至。
だからいい加減、受けに重んじるにも限界を感じ始めた私は攻めに転じる為に夫婦剣に魔力を叩き込み強度を破裂限界ギリギリまで固め、そして男の攻撃をそのまま利用して後ろに飛びのいた。
男も攻撃した直後のため、ましてまさか自身の攻撃が利用されるなどと思っていなかった為に一瞬…そう、ほんの一瞬だけ膠着する。

「ハァッ!」

そこを狙い夫婦剣を投擲する。
当然私の行動は初見の者には馬鹿な行動だと思われるだろう。
だがそれが狙いだ!

「なにっ!?」

男はその類に違わずまんまと引っかかり、剣を弾こうと手甲を振るう。
そう、その隙が欲しかった。
瞬時に両手には新たな干将・莫耶を投影する。
そしてそれをさらに投擲。

「ぐぅ! 目くらましのつもりか!?」
「まだまだ! 本当の目くらましはこれからよ!」

再度、夫婦剣を投影。また投擲。
合計三回夫婦剣を投擲させた。
しかも今度のは鉄甲作用も施して、だ。
これは先程のとはスピードも威力も倍近くなっている。

「こんなもの、砕いてくれる!」
「砕かれる前に…―――鶴翼(しんぎ)欠落ヲ不ラズ(むけつにしてばんじゃく)!」

私のワードに反応して先程既に弾かれている二双一対の夫婦剣四本すべてが私の最後に放った夫婦剣に向かって引き寄せられる。
これの意味するものは今現在進行形ですべての夫婦剣が男に向かって集まる事を指す。
…そう、六双三対の剣がね。
それに気づいたようだけどもうこれで詰み。
私がそう思った矢先に頭の中で危険予知警報が鳴り響く。


―――慢心は捨てろ。これほどの者がこの程度の小細工で討ち取れると思うな?


慢心しているつもりはない。
ええ、分かっているとも。
だからすべてを叩き落そうと行動を移そうとする男よりも早く、最後のワードを紡ぐ。

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)!」

やるなら徹底的に。これがリンから教わった家訓…家訓とは呼べるものでもないけど。
まぁ、それにより男を中心に計六本の剣にこめられている幻想が魔力暴走を起こして爆発する。
その間、私は次が来る事を予想して再度夫婦剣を投影する。
まだ“真の姿”を見せていないけどあの男にはもうあの技は通用しない。
夫婦剣の特性…磁石のように互いを引き寄せるというもの。
故に、所見あってこそ相手に通じる技なのだから。
もう先程のでその効果は分かっただろう、二度も同じ手にはまる者は三流でない限りそうそういまい。

「オオオオオオッ!」

思ったとおり…。相手はおそらくなにかしらの魔法で防御したのだろう、ダメージはあるだろうがそう深くもない。
男はその場で止まり魔法陣を展開する。なにかしらの魔法を使おうとしている事は明白。
すぐに迎撃に移せるよう思考を回転させようとして…停止した。
男の展開した魔法陣は私がいつしか前に一度だけ出した魔法陣と色は違うが同じものだった。

「テアアアアアッ!」

それで動作が遅れてしまい突如として地面から出現した幾重もの光の棘が私に迫ってくる。
それをなんとか夫婦剣で切り裂き殺気の出ている方向を向いたがそれまで。
すでに男は目の前まで迫ってきていてその鍛えられた足を私目掛けて横なりに振ろうとしている。
途端、場面がスローモーションのようになり男の足が私の体に触れようとしているところで私は体を必死に捻じ曲げる。
頭からの“せめて致命傷だけは避けろ!”という警告のような命令で全身を瞬時にできるだけ身体強化を施し、さらにそこに夫婦剣を置いて盾にしようと…。

「カハッ!?」

だけどそれは間に合わずもろに男の回し蹴りを脇腹に喰らってしまい私は受身も取れずに吹き飛ばされ一本の木に激突する。
その影響か激突した木はそのまま折れて後ろに倒れた。
っぐ…!? あばらが何本かいったかもしれない。
あっちはこっちがバリアジャケットを纏っていると思って放った可能性も捨てきれないけど、それでも動きに制限がかけられたのはまずい。

「はぁ、はぁ…中々梃子摺らせてくれたな」
「そう…カフッ! 思うんだったら…もうちょっと手加減して、欲しいわね。こっちはバリアジャケットなんて便利なものは纏っていないんだから…」
「なにっ!?」

話の途中で口から血を吐き出す。
…ヤバ、結構ピンチかもしれない。
私の発言と現状でどうやら本当だと分かった男は一瞬すまなそうな表情をするが、それでもすぐに冷静を取り戻し、

「…それはすまなかったな。だが、私にも譲れないものがある。お前の魔力…頂くぞ」
「そう、簡単にやられるものですか! 停止解凍(フリーズアウト)全投影連続層写(ソードバレルフルオープン)!!」
「なんだと…!?」

咄嗟に待機させていた26本の剣群を男に向かって放つ。
そして動きが少し鈍くなって体がギシギシと音を立てているが構わず瞬動でその場から離脱し、その手にもう一つ待機させておいた赤い魔槍ゲイ・ボルクを手にとって倒れないように地面に刺して支えている。
見れば男は先程の光の棘を再度出してすべての剣を自身に届く前に弾いているので無傷。

「本当に、ついてないわ…」

悪態を吐きながらも体に喝を入れて槍を構える。
だがダメージはまだ取れきれていない為、全力戦闘は不可能でもまだ完璧にやられた訳じゃない。心が折れるまで足掻いてみせる!
だが、そこで最悪な事態が起こった。
気づけば男は空に浮いており、隣にはまた能力未知数の女性がいた。
その女性は桃色の髪をポニーテールにしてその身を同じく桃色の甲冑をまとい、その手に剣が握られていた。
でも、そんな事はこの際どうでもよかった。
彼女の雰囲気、立ち振る舞い…そしてなによりその瞳。
その瞳からとても高潔な精神の持ち主だと思わせる。
そしてなによりかつての私の従者、セイバーとそっくりなのだ。
月夜で見下ろされている事もあり、この危機的な状況で不謹慎だが彼の夜の出来事を連想させてくれる。
だが、そんな事は終わってからでも思える事だ。
再度、体制を整えて二人を威嚇する。

「ザフィーラ、お前ほどのものが苦戦していると思えば…なるほど。我等の勘は当たっていたという事か」
「ああ、シグナム。今でこそあの様だが、あの歳にしてかなりの手練のようだ」
「お前の姿を見ればわかる」

だけど、二人は私がまだまともに動けないことを察しているのか話をしている。
あー…さっきまで懐かしい過去を思い出していたのに色々と残念だわ。

「あの…敵を前にして話し合いをされると非常にこちらは苛立ちを隠せないわ」
「む? そうか。すまなかった。だが、お前もその体ではもう碌に動くことも出来まい」
「…いけないわね。その慢心は戒めた方がいいわよ?」

体の痛みも先程よりは引いている。
それにアヴァロンが自動稼動したようで内部からだけど修復を始めている。
それで私は口の中に溜まっていた血を吐き出して、次の瞬間には木を足場に縮地を使いシグナムと呼ばれた剣士の背後に回りこむ。

「「なっ!」」

その勢いで槍を振ろうとしたが、辛うじてザフィーラと呼ばれた男の手甲に遮られた。
舌打ちをしてザフィーラの手甲をまた足場に使い木の上に立ち、その場でタラリアを投影。
まだ魔力に余力がある内に決めておくべきだ。
だけど、いざ現状を鑑みて…非常にこちらが不利だという事が分かる。
心眼を発動してここをどう打開するか思考を巡らすがあまりいい手は浮かんでこない。
ザフィーラという男は傷を負ってはいるがまだ軽い。
シグナムという騎士に関しては奇襲失敗。いまだ無傷で手の内も晒していない。
対してこちらは私一人だけ。
手の内もまだあるとはいえ少なからず出してしまい、重い一撃も受けている為行動が半減中。
防御に徹すれば…と、思考が過ぎるが却下。一人であれだけ攻められたのだ。二人なんて今の体では耐え切ることは難しい。
考えれば考えるほどに渦中にはまってしまう。

「…確かに。今回は私の慢心の結果、お前が付け入る隙間を与えてしまったのは事実だ」
「そう。それじゃ今度から気をつけることね」
「不思議な奴だ。こんな窮地に追い込まれているのに目はまだ死んでいない…。
こんな時でもなければ万全の状態で相手をしてやりたいところだが、今はお前の相手をしている暇はない」
「どういうことよ…?」
「なに、今私達の仲間が一人管理局を相手に孤軍奮闘しているのでな。すまないがお前の魔力、早々にもらい往かせてもらう」
「そう…。やっぱりあっちでもドンパチやっている訳ね。それじゃ尚更あなた達を行かせるわけにはいかないわ!」
「来るか…? む…」
「どうした、シグナム?」
「…どうやら今回は彼女の魔力は見送りみたいだ。シャ…奴の連絡でヴィータが結構苦戦をしているようだ」
「そうか」
「なにまた人を無視しているのよ!? 来ないならこちらから往かせてもらうわよ!」
「それは次の機会に取っておこう。仲間がピンチなのでな」

するとシグナムは剣を抜き、

「レヴァンティン! カートリッジロード!」
《Jawohl.》

剣からなにやら硝煙が上がったと思ったらシグナムの魔力が一気に何倍にも膨れ上がりそのレヴァンティンと呼ばれた剣に炎を宿らせて、

「…お前の名を聞こう。まだ幼き騎士よ。
お前は良い目をしている。大切な者を守ろうとする気概が感じられるからな。だから名を聞いておいて損はない」
「私は騎士とか呼ばれる程偉くないわよ…?」
「それでもだ。騎士とはなにかを守ろうとする者の心のあり方からくる物だから、我等の道を阻もうとし、仲間の下にいかせないという意思を見せただけで十分に値する」
「………まぁ、いいわ。でもそれなら先にそちらが名乗るのが筋じゃない?」
「クッ、確かにそうだな。改めて先程からの事も含めて詫びよう。
私はベルカの騎士、ヴォルケンリッターの将にして烈火の騎士シグナム。そして私の相棒でもある炎の魔剣レヴァンティン」
「私はヴォルケンリッターの盾の守護獣、ザフィーラ」
「あっさり名乗ってくれるのね。それじゃ次は私の番ね。私はシホ。シホ・E・シュバインオーグよ」
「シュバインオーグか。その名、しかと覚えさせてもらった。では…」
「行かせると思っているの?」
「「ハアアアアアッ!!」」

行かせまいと駆けようとしたが二人の咆哮とともに下からは光の棘が迫り、前方からは炎の波が押し寄せてきた。
それをなんとか交わした時にはすでに二人の姿はその場から消えうせていた。
さらに私が追うことを見越してなのか私の周囲一体に結界が構築させられている。

「完敗、か…。でも、まだ間に合わないことは無い!」

それで今手持ちのエモノ、ゲイ・ボルクを握り構えて、

「少しだけ休憩する前に一発でかいのをかましてやろうじゃないの!」


―――突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)ッ!!


結界を破壊する程度の魔力を込めて真名開放をして結界に向けて放つ。
それによって私を閉じ込めていた結界を貫通して砕いた。
だけどそこで気が抜けたのか気づけば木に背中を預けていた。
傷と真名開放による不可が祟ったのか今はちょっと手足を動かすだけで脇腹に激痛が走る。
これじゃ現場に迎えないじゃない…。

「なのは…やられていないと、いいけど。でも私がこの様じゃ結構苦戦するかもしれない…。早く、回復させないと」

ふと、視界の内にぼやけているが知った顔が見えた気がした。

「お姉様―――――ッ!!」



…―――キーーーン―――…



いい具合に響いてきた…うん。間違うことなきって言葉が似合いそうな感じでフィアが私のところに、それはもう高速を越えるんじゃないかといえるほどの勢いで飛んできた。
よし、とりあえずこれでまだ私の運はつきていない事がわかった。

「お、お姉様! すごい傷ですよ!? 大丈夫ですか!」
「…ええ。少しあばら何本かいったみたいだけど現在急いで修復中ね。それでフィア、すぐに現場に向かわなければいけないの。
だから応急処置でもいいからすぐに回復魔法を使って私を治療して…。
私でこんなだからおそらくあっちは相当苦戦すると思うのよ。だからお願い…」
「お姉様…はい、わかりました!」
「それと…」
「はい?」
「久しぶりね、フィア。会いたかったわ…」
「お、お姉様~!」

フィアに抱きつかれて痛みが走ったけど、すぐにフィアは気づいて私に回復魔法をかけてくれた。
シグナム…いえ、ヴォルケンリッター。あなた達の思い通りにはさせないわよ…!


 
 

 
後書き
ザフィーラにやられるシホの図です。
そして名乗り合うシホ達でした。 
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