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ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~

作者:蕾姫
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本戦前

詩乃と別れて昨日来た病院を訪れた。もちろんGGOの大会の本戦のためである

「……」

そして病室の前で俺は今立っている。何故かって?病室の中で安岐ナースとキリトが取り込み中なんだよ
軽く見た限りではキリトが安岐ナースに人生相談ってとこかな?
まあ、写真を撮ってアスナに送るのは勘弁してやるよ。さすがに茶化す気にはなれない
というかまだ折り合いを付けてなかったのかよ……

「お待たせ、燐君。もういいよ」

安岐ナースには気付かれてたみたいだな

でもキリトには気付かれてなかったみたいだ。俺が入ったとき目を丸くしてたし……

「話は終わりました?」

「ええ。それじゃあ、上着を脱いでベッドに寝てくれるかな?」

「そういえばなんでキリトがいるんだ?」

「いや……俺の装備を渡したくてな。使わなくてもいいんだ。ただ……持っていてくれないか?」

ちょっと恥ずかしいのか頬をかきながら言うキリト

「途中で負けたらそれのせいにしてやるよ」

「そりゃあ無いだろ!」

ふっ、と鼻で笑ってやる
するとキリトがつっかかってくる。笑顔で
うん、まあ良かったよ

「冗談だよ。じゃあ安岐さん。監視のほうをお願いします」

「はいよー」

なんかすごい軽い声が返ってきてとても不安になった

「じゃあ行ってきますね。リンク・スタート!」

「はいな、行ってらっしゃい"影の英雄"さん」

なんだその厨二全開の呼び名は。俺は薄れゆく景色に爆笑しているキリトを見た。……あの野郎、あとでしばく









「相変わらず空が赤いな」

「リン!」

駆け寄ってくるキリトの腹におもいっきり拳を入れる
まわりの人がすごいギョッとしてるな
まあ、見た目美少女のキリトに見た目美幼女の俺が拳をたたき込めば当然か

「な……なにしやがる……」

キリトは腹を押さえ倒れる。いくらダメージは入らないとはいえSAOでトップクラスだった俺の能力値から繰り出された一撃によるノックバックは甚大だったようだ
キリトは最初から鍛えなおしているみたいだが、俺を含むほとんどのプレイヤーはそのまま使ってるがな
別アカも持ってるが、その話は追々。今重要なのは

「お前、"影の勇者"って聞いたとき笑ってたろ?」

「見えてたのか」

「バッチリだ。というわけでもう一発殴らせろ」

思い出したらムカついてきたじゃねぇか。責任をとれ

「何をやってるのよ」

「ん?じゃれあい?」

まずは顎へのアッパーから入って、体が浮いたところでワンツーパンチを腹へ。止めの回し蹴り
おー、よく飛んだな

「じゃれあいじゃなくて虐めに見えるんだけど……」

キリトとの"じゃれあい"はそういう仕様なんでね

「それはそうとよくここがわかったな」

「結構注目を浴びてるわよ」

ほら、と言われて初めて周りを見回した。すごい数のプレイヤーがこちらをチラチラ見ている

「ふむ……でも寄って来ないな」

なんか恐がられてる気がする

「あなたは本戦に残ったのよ?しかもそこそこに有名な私を倒して、ね」

気が強い女子と見られているのか。近づくと噛まれるみたいな

「ちなみに一番の要因はキリトを倒したからだと思う」

「なんでだ?別にキリトは有名じゃないだろ」

コンバートしたばかりで顔見知りもほとんどいないしな。強いて言うなら最初に話しかけてきたアバターアカウント商人ぐらいか

「それがそうでも無いのよ」

シノンはため息をつきながら地面に転がっているキリトを見た

「"銃ではなく好き好んで剣を使う肉食系女子"それがキリト」

「うわ……」

まあ、中・遠距離の銃がはびこってる中で超近距離の剣で勝つなんて常識じゃあり得ないよな

「そしてそのキリトに超近接戦闘を挑んで勝利した二丁拳銃。有名になるなという方が無理じゃないかな」

「まあ、視線には慣れてるからいいけどな。……そろそろキリト起きろや」

震脚を打ち込むとうめき声をあげるキリト。起きないともう一度いくぞ?

「容赦ないわね」

「長い付き合いだからな」

キリトのことなら大抵のことを知ってる気がするな。ストーカーとかじゃないから勘違いするなよ

「それよりもまだ時間あるだろ」

「うん。今日はちょっと余裕を持って入ったからね」

「ならよし。ちょっと情報交換しないか」

「……本当なら断るんだけど。いいわ。行きましょ」

キリト……起きないな。仕方ない。担いで行ってやるか

「シノン。首がいいか足がいいかどっちがいい?」

「え?足かな」

「了解」

キリトの足を掴む

「さあ、行こうか」

俺はキリトの足を持っている。すると必然的にキリトの頭は地面に引き摺られることになる

「ねぇ……。彼、大丈夫なの?」

「ギャグ回だから大丈夫だろ」

まあ、どうせ現実世界じゃないからな。地面を引き摺られても髪を引っ張られた、程度の感覚しかないんじゃないかな








シノンの行きつけの店というNPCが経営する酒場に入る。今の時間から入ってる人は少ないのかほとんど人がいなかった

「シノン、ちょっと聞きたいんだが前回の大会は出てたんだよな?」

適当に飲み物を頼んでから俺はシノンにたずねた

「ええ。順位はあんまりよくなかったけど」

それは本戦に行けなかった連中に喧嘩を売っているのだが気付いているのか?

「まあ、聞きたいのは今回初めて本戦に出てきたプレイヤー、かな。前回出ていたプレイヤーはまず死銃じゃないからある程度は絞り込みたい」

「そうね……」

シノンはメニューウィンドウを開き、選手三十人の名前を列挙したページを開くと他人にも見えるモードに変え、肩を寄せてこちらにも見えるようにした
髪の毛が頬に当たってるんですけど
あっちは気付いてないみたいだけど

「ん……リンを含めると五人かな」

「案外少ないな」

「BoBも三回目だからね」

近くで見るとシノンのアバターって可愛いな……。っと真面目な話の最中だった

「と。それに。あとは……これはかな?」

【Sterben】そこにはそう書かれていた

「ステルベン……」

俺の呟き。それは小さく聞き逃しても仕方ないぐらいの音量だったがシノンにはちゃんと聞こえていたようだ

「ステルベン?読めるの?」

「ああ……。それはドイツ語だ」

俺は目の前に運ばれてきた琥珀色の飲み物で喉を湿らせる。そして

「医療用語で意味は……【死】だ」

「死……」

「そいつが死銃なのか?」

「わからない。が、可能性が高いのは事実だ」

しばらく沈黙が走る。各自無言で飲み物を飲んだ

「死銃ってなんで殺人を犯すのかな……」

しばらくしてポツリとシノンがつぶやいた

「だってそうでしょ?例え敵対しているギルドに属している人同士でも広域で捉えれば同じゲームで遊ぶ仲間じゃない……」

「生死を賭けた戦いに飢えているからだと思う」

今は無き鉄の城。あの世界を経て俺もキリトもアスナも変わっただろう
それがどちらに転んでいるかはわからないが

「なによそれ?」

「すまん、これ以上は言えない」

言えるわけがない。あの鉄の城であったことは
 
 

 
後書き
蕾姫「はい、本当にたくさんのアンケートに対する回答ありがとうございました!」

リン「正直こんなに来るとは思わなかったよな」

蕾姫「うん、めちゃくちゃ感動した(笑)」

なんと総数24

リン「じゃあ、内訳と行こうか」

①ユウキを生存させた上でヒロイン化 17票

②ユウキを生存させるがヒロイン化は無し 3票

③原作通り 3票

④マザーズ・ロザリオ自体無し 1票

蕾姫「圧倒的ですね(笑)」

リン「今月末まで募集してるからまだ逆転の可能性はあるぞ?」

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