| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
  第9話:え、本当に食べちゃったの!?

(テンペ村)
クリフトSIDE

(デンデレ デンデレ デレデンデレ)
「ちょほいと待ちなぁ~」
ギターの音とリュカさんの声のする方へ視線を送ると…

それなりに高い木の上で、ギター片手にカッコつけるリュカさんの姿が…
「一曲、歌わせてもらうぜ!」(デンデレン デレンデレデン)
そして何やら歌い出す…

「や、喧しい! 何なんだお前は!?」
一歩も話を進めず、ただ歌い続けるリュカさんに、カメレオンマンは怒鳴りつける。
うるさいギターが止んだので、ちょっと感謝の気持ちが芽生えた。

「“何だ(チミ)は!?”ってか?………トウ!」
木の上で恰好付けていたリュカさんは、掛け声と共に飛び降り我らの側へと着地する。
結構な距離があったのだが、超人的な跳躍力だ!

「美女を求めて其処彼処! 美女の為なら何だって! …そうです、イケメンラブハンター・リュー君とは僕の事サ!」
爽やかな笑顔とサムズアップで決めポーズする…
この人、一体何なんだ?

「お前の事など知らんわ!」
「僕もお前になど知ってほしくないわ!」
「じゃぁ無駄な自己紹介などするな!」
「お前が聞いてきたのだろ! 何、人の所為にしてやがる!」
あぁ…話がドンドン脱線して行く…

「リュ、リュカさん! 一体何をやってるんですか…我々はそれどころではないんですよ! ふざけるのもいい加減にして下さい!」
私は大声で怒鳴り、リュカさんに今回の目的を思い出してもらった。

「あ…そうだね! こんな事してる場合じゃないや!」
私の大声に一瞬だけキョトンとしていたが、どうやら目的を思い出してくれたらしく、真面目な表情に戻ってくれた。

「おい悪者! お前等の隠れ家は何処だコノヤロー! 大人しく教え、今まで攫った美女達を返せば、命だけは助けてやるぞ! ………さぁ言え!」
リーダー格の魔物を指差し、高圧的に言い切るリュカさん…だが生贄にされた少女を返せと言うのは、些かムリがあるのでは?

「何を間抜けな事を言っていやがる…今までの生贄は全て食ってしまったに決まっておろう!」
やはりそうか…
神よ、彼女等の魂を天国へとお導き下さい。

「うん。喰っちゃったのは分かってるよ。美女を攫ったんだから、目的は喰っちゃう事だよね! でもそれは諦めてるんだ…別に僕は処女への拘りはないから、喰われちゃった美女でも大丈夫なんだよ。だからさ…みんなを返せよ! 攫った事も、喰っちゃった事も許してやるからさ!」

「だから…食ってしまったと言ってるだろう。返そうにも返せないんだよ!」
何処かリュカさんと魔物の会話が咬み合ってない…
と言うより、リュカさんは何を言っているのだろうか?

「おいリュカ…お前の言っている“喰う”と、奴等の言っている“食う”では、全然意味が違っているぞ」
「え!? 意味が違ってる? ………どういう意味ッスか?」
それより私は、リュカさんの言っている意味を知りたい。

「奴等の言っている“食う”は、本当に食す事だ。お前のとは違う…」
「え、本当に食べちゃったの!? ……美女を!?」
心の底から驚いているリュカさん…
魔物達とブライ様を交互に見て呆然としている。

どうやらリュカさんの想定していた事と、大分違っている様だ。

クリフトSIDE END



(テンペ村)
アリーナSIDE

「はぁ? お前等馬鹿じゃないの!? 食ってどうするんだよ! 違うだろそれは!?」
どうやらリュカの想定事項と、魔物達の行動は食い違いがあったらしく、かなりの勢いで腹を立てている。
ただ私には、何の事だか全く解らない…

「喧しい! 我々の為に捧げられた生贄を、どの様に処するかなど我らの勝手だ!」
「あーもー、うるせーバ~カ! ムカツクから喋んな馬鹿!」
何だか一気にやる気を消失してしまった様で、魔物達に背を向けガックリ項垂れている。

「くっそ…いい加減腹立たしい男だ! 暴れ狛犬よ、ヤツを食らってしまえ!」
魔物のリーダーの一声で、数匹の暴れ狛犬全てが背中を向けて隙だらけのリュカに向かい襲いかかった!
私は慌てて助けようと動くも間に合わず、暴れ狛犬達がリュカの間近に迫ってる!

「うるせーっての!」(バチン!)
しかし暴れ狛犬達がリュカに噛み付く寸前、振り向き様に放った彼の右ビンタ1発で、全ての暴れ狛犬が纏めて吹き飛ばされ、大木に激突し絶命する。

やっぱり凄いわ…あの暴れ狛犬数匹を、たった一撃で全滅させるんだから…
沢山居た仲間が一気に居なくなり、魔物のリーダーが一人で唖然としている。
これは一気にたたみ込むチャンスね!

そう思っていたのだが、リュカがトボトボと村の方へ歩き去る。
「ちょ、ちょっとリュカ! 何処行くのよ…まだ敵は残っているのよ!」
「あ~ん? やる気無くなっちゃって…でも期待だけは大きくて気持ちは高ぶってるから、シスター・パメラの所へ行ってくるぅ。じゃぁ明日の朝、村の宿屋に集合ね」

そこまで言うと、さっさと歩き去り居なくなった…
シスター・パメラって、サランのシスター・パメラ?
リュカは何を言ってたの?

いくらリュカが走ったって、ここからサランへは1日かかるわよ。
往復で2日………明日の朝、宿屋に集合って………?
って言うか、戦闘はどうするのよ!?ちょっと、リュカぁ~!

アリーナSIDE END



 
 

 
後書き
気を付けないとアリーナとアルルのキャラが被る。
もっと一直線馬鹿に仕立てないとなぁ… 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧