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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百六十七話 彼方への扉

            第百六十七話 彼方への扉
 次の日だった。もう来たのだった。
「シャドウミラーです!」
「来たか!」
「もうなの!?」
「四方八方に展開しています!」
ジャクリーヌが全員に連絡する。
「数は」
「どれだけだ?」
「十万です」
それだけだというのである。
「十万で来ています」
「そうか、十万か」
それを聞いてまず頷くシナプスだった。
そうしてだった。ジャクリーンにさらに問うた。
「総員いけるか」
「はい、今すぐに」
「よし、ならばだ」
それを聞いてすぐに断を告げた。それは。
「総員出撃せよ!」
「はい!」
「わかりました!」
こうして全軍出撃した。最早キールは完全に包囲されていた。
「おいおい、海も空もかよ」
「用意周到と言うべきかな」
カイとハヤトが話す。
「逃げ場所はないってわけか」
「戦うしかないか」
「ある意味わかりやすいってな」
スレッガーは余裕の笑みを見せていた。
「じゃあやることは一つだな」
「戦うぞ。いいな」
リュウも言う。
「全員でだ」
「来ました」
セイラはその様子を冷静に見ていた。
シャドウミラーは来た。全軍だった。
「一斉にです」
「なら対処は楽だ」
妹の言葉を聞いてクワトロが述べた。
「まとめて倒せばいいだけだ」
「その通りね」
クェスが彼の今の言葉に頷く。
「それじゃあ」
「ファンネル!」
ギュネイが最初に攻撃を放った。それで敵をまとめて倒す。
それが合図となり戦いがはじまった。ロンド=ベルは自然に円陣を組んでいた。
「このままだ!」
「防げ!」
「大丈夫だ!」
口々に言いながら戦いをはじめていた。
ロンド=ベルはあらゆる方角から来る敵を防いでいた。敵は一斉に襲い掛かる。だがその攻撃を受けてもロンド=ベルが崩れるところはなかった。
「こうした戦いってのはな」
「僕達の趣味じゃないけれど」
「それでも」
オルガ、クロト、シャニがそれぞれ言う。
「敵はどいつもこいつも潰してやるぜ!」
「さあ、来い!」
「天国に送ってやる」
「何っ、天国か」
彼等の今の言葉に驚いたのは共にいるイライジャだった。
「この連中が天国と言うのか」
「あれっ、何かおかしいか?」
「僕達が天国って言うって」
「何かおかしいか?」
「絶対におかしいだろうが」
これが彼等の返答だった。
「御前等が言うのは地獄じゃないのか?」
「まあ地獄って言うの好きだけれどな」
「僕達も人間ができてきたんだよ」
「だから天国だ」
「そうなのか」
それを聞いていささか納得するイライジャだった。
「まあそれならそれでいいが」
「さあ、どんどん来やがれ!」
「天国が御前達を待ってるぞ!」
「楽しいぞ」
こうしていつもの様に敵を薙ぎ倒す彼等だった。それによってシャドウミラーの数は半減した。しかしここで。
「!?」
「どうした、曹長」
「レーダーに反応です」
ベンが大尉に告げたのだった。
「敵です、これは」
「シャドウミラーの援軍か?」
「いえ、アインストです」
こう彼に告げるのだった。
「アインストも来ました」
「くっ、こんな時にか」
大尉はそれを聞いて思わず歯噛みした。
「折角戦いが一段落ついた時にか」
「おい、あれ!」
「え、ええ!」
アラドとゼオラがそのアインストの軍を見て言う。
「あのでかいのは何だ!?」
「あれは一体」
「そうか、あれか」
だがキョウスケはそれを見て冷静に言うだけだった。
「奴が女王蜂か」
「女王蜂!?だったら」
「あれがアインスト達の」
「くっ!」
「つうっ!」
ここでリュウセイとアヤが呻きだした。
「この念、間違いない」
「あ、ああ」
「そうね。これは」
今のレビの言葉にリュウセイとアヤも言う。
「中尉を操っていた」
「そうだな、あれだ」
「あの念ね」
「ウウウゥゥゥ・・・・・・」
「!?真龍虎王」
「どうしたんだ!」
「ウオオオオオォォォ・・・・・・!」
真龍虎王も呻きだした。そうしてその力を極限まで出してきたのだった。
「間違いない」
「ええ、これは」
ブリットとクスハはそれぞれ言う。
「この気配は」
「中尉、大丈夫ですか!?」
「か、かなりそうじゃないわ」
エクセレンは頭を抱えていた。
「この感じは」
「落ち着け、エクセレン」
キョウスケがここで彼に告げる。
「御前はもう大丈夫な筈だ」
「そ、そうね」
キョウスケのその言葉に頷くエクセレンだった。
「だから。私は」
「エクセレン、やはり貴女は」
アルフィミィもいた。
「もう一人の」
「お嬢ちゃん・・・・・・」
「やはり出て来ていたか」
「そうですの」
アルフィミィも彼等に応える。
「このペルゼインが私を護ってくれますの」
「ペルゼイン」
その機体の名前にすぐに反応したのはキョウスケだった。
「それが御前の機体の名前か」
「ここにいると貴方を感じますの」
「何っ!?」
「それはエクセレンが」
「!やっぱり」
エクセレンも今の言葉で気付いたのだった。
「あの娘は」
「切り札を出したようだな」
キョウスケは再び彼女に告げた。
「御前達の真意、今日こそ教えてもらうぞ」
「私達の望みは」
ここで彼女が言った。
「静寂なる宇宙」
「静寂なる宇宙!?」
「そうですの」
それだというのである。
「けれどこの宇宙は大きく歪んでしまいましたの」
「歪んでいる!?」
「この宇宙が」
「そうですの」
そして言うのだった。
「貴方達という『人間』の存在によって」
「何か何処かで聞いた?」
「そうだな」
皆今の彼女の言葉からそれを察した。
「どういう意味だ?それは」
「相変わらずよくわからないこと言うけれど」
「あたし達はまだ太陽系の外に出たばかりなのに」
アイビスが言う。
「それだけで何故?」
「そうです」
ツグミも言う。
「それで他の星を攻めるなんて」
「同じことですの」
「何っ!?」
今度はスレイが彼女の言葉に反応した。
「同じだというのか!?」
「そうですの。貴方達以外の人間が」
「俺達以外!?」
「どういう意味!?また」
「さっぱりわからないけれど」172
「既にこの宇宙を乱していますから」
こう言ってきたのだった。
「既にですの」
「私達!?っていうと」
「バルマの連中に」
「ゲストやインスペクター」
「そういう連中もまさか」
「まだ他にもいますの」
まだいるというのである。
「造られた者達も」
「造られた!?」
「今度は何!?」
「・・・・・・・・・」
それについては答えないのだった。
「確かにインスペクターとかゲストの連中も」
「バルマーの連中も俺達と全く同じだけれど」
「ええ、姿形は」
そして生物学的においてもである。
「それに使徒だって」
「DNAは」
それについても話される。
「特にインスペクターとかのルーツは」
「まさか」
「人間は静寂の宇宙を乱す存在」
一同混乱する中でキョウスケが言った。
「だから滅ぼすというのか」
「はいですの」
やはりそうだと返すアルフィミィだった。
「そして」
「そして?」
「新たな種を創り出しますの」
こう言うのだった。
「新たにですの」
「創り出すって」
マサキがそれに問うた。
「御前等がか」
「そうですの。私達が望む進化を遂げる生命体」
こんな言葉を出してきたのだった。
「その種子を」
「もしかして」
アヤがあることを察した。
「貴方達アインストは」
「そうか」
ここでまた言ったキョウスケだった。
「読めたぞ」
「私も」
エクセレンもだった。彼女も今は真剣な顔であった。
「やっとだけれどね」
「御前達がエクセレンをさらった理由」
彼が最初に言うのはこれであった。
「そして」
「そして?」
「御前が何なのか」
アルフィミィを指し示しての言葉であった。
「全てわかった」
「そうですの」
「人間の進化を求めた結果が御前ならばだ」
キョウスケは彼女にさらに告げた。
「アインストの目的は達成されん。それは言っておく」
「何故そんなことを仰いますの?」
アルフィミィは彼の今の言葉を受けて返した。
「キョウスケ、私は」
「本当にそう思っているのか?」
だがキョウスケは彼女にさらに問うた。
「御前が」
「どういう意味ですの?」
「そのままの意味よ」
エクセレンも彼女に言ってきた。
「貴女自身の言葉かということよ」
「私は」
アルフィミィはそれでもという感じで言葉を返した。
「究極の進化を」
「それが御前なら止めておくべきだ」
「!?何故ですの!?」
「それだけ究極を求めたいのならだ」
「私を基にするのは間違っているってことよ」
エクセレンの言葉に今悲しいものが宿った。
「もう一人の私・・・・・・」
「!?」
「ということはあいつは」
「中尉の」
「そうよ」
皆にも答えるエクセレンだった。
「あの娘は私のね」
「そうだったのか」
「そういえば何か」
「似てる。っていうか」
「そっくり」
彼等も何となく感じてはいたのだ。
「何故御前が俺にこだわるのか」
「それも考えたらね」
「何となく想像はついていた」
キョウスケはまた彼女に告げた。
「御前が『創られた』目的を考えればだ」
「私がですのね」
「御前という存在を放っておくことはできん」
「その考えが」
まだ言うアルフィミィだった。
「結局はこの宇宙を乱していることに」
「それか」
「そうですの。気付いては頂けませんの?」
「理解できないか」
しかしキョウスケは彼女に告げるのだった。
「だろうな」
「どういうことですの?」
「御前にはやはりわからないことだ」
「一体どういうことですの?」
「究極の進化なんてね」
彼のかわりにエクセレンが告げる。悲しみを含んだ声で。
「何の意味もないのよ」
「意味がない・・・・・・ですの?」
「そうよ。そもそもね」
そして言うのだった。
「自然の流れに反した作為的な進化なんて」
「何にもなりはしない」
キョウスケも続く。
「そんなものはな」
「うう・・・・・・」
「それに」
エクセレンはアルフィミィにさらに言葉を続く。
「貴女達はそもそも」
「私達は」
「見守る為の存在だった筈よ」
「けれどですの」
またしても言い返してきたのだった。
「流れは乱されてしまいましたの」
「俺達によってか」
「そうですの」
この返答は変わらなかった。
「人間によって」
「だからか」
キョウスケは彼女の今の言葉にも返した。
「乱した原因を抹消するというのか」
「それだけではありせんの」
アルフィミィの言葉は続く。
「私達は」
「その続きはだ」
遂に彼女の言葉を遮ったアルフィミィだった。
「俺達を倒してからにしろ」
「!キョウスケ・・・・・・」
「宇宙を乱す存在がだ」
キョウスケは驚いた彼女にさらに告げた。
「俺達か御前達なのか」
「私達にはわからないわ。けれどね」
エクセレンも言うのだった。
「黙って滅ぼされるつもりはね」
「毛頭ない。そういうことだ」
「それにだ」
「そうよ」
他の面々もここで言う。
「手前かあのデカブツ倒さないとな!」
「アインストとの戦いは終わらないみたいだしね!」
「それならだ!」
「行くわよ!」
一斉にこう言うのであった。
「ここでな!」
「決着を着けてやるわ!」
「・・・・・・わかりましたの」
アルフィミィは彼等の言葉を受けて述べた。
「では私は」
「どうするつもりだ」
「ここで扉を開きますの」
こうキョウスケに述べた。
「新しい種子と」
「そしてなのね」
「そうですの。静寂なる宇宙の為に」
エクセレンにも応える。こうしてアインスト達もロンド=ベルに向かうのだった。
「シャドウミラーも来ます!」
「わかっている」
ダイテツはエイタに冷静に返した。
「それではだ」
「はい。どうしましょうか」
「まずはアインストだ」
こう断を下したのだった。
「いいな、まずはアインストだ」
「アインストですか」
「そうだ。シャドウミラーは今は退いている」
損害が大きく一旦退いて戦力の再編成に当たっているのだ。
「だからだ。今は彼等だ」
「わかりました。では」
「シャドウミラーは今は来ない」
しかしアインストが来ているのだ。
「だからだ。アインストを叩く」
「了解です!」
こうしてアインストの迎撃にかかった。彼等は東からロンド=ベルに迫って来た。
「防衛ラインを敷け!」
「はい!」
「わかりました!」
皆ダイテツの指示に応える。
「そのうえで一斉攻撃を仕掛ける。いいな!」
「では艦長」
「うむ」
今度はテツヤの言葉に応えるダイテツだった。
「頼んだぞ」
「主砲一斉発射用意!」
テツヤが指示を出す。
「前方に攻撃を浴びせる。いいな!」
「了解です」
エイタは今度はテツヤに応えた。
「それでは」
「狙いを定める必要はない」
テツヤはこうも彼に告げた。
「いいな、前方をポイント攻撃するんだ」
「それで敵をまとめてですね」
「そうだ、数を減らす」
そうするというのである。
「いいな、このまま狙いを定めてだ」
「はい、それでは」
クロガネの主砲が動く。そうしてだ。
「撃て!」
「撃て!」
クロガネの主砲が火を噴いた。それによりアインストの軍勢が一斉に吹き飛ばされた。
「よし!」
「やりました!」
「うむ」
ダイテツはテツヤとエイタの言葉に応えた。
「まずはな。しかしだ」
「はい、そうですね」
「すぐにですね」
「そうだ。アインスト達はまだ多い」
その通りだった。彼等は次から次に来るのだった。
「シャドウミラーが再び来る前にだ」
「その前に奴等との決着をつけなければならない」
クロガネのモニターにリーが出て来た。
「シャドウミラーとのな」
「そうだな」
テツヤは同期のその言葉に頷いた。
「今奴等は南方に集まっているが」
「また戦力を再編成させれば来る」
リーはそう読んでいた。
「だからだ。今のうちにだ」
「時間との戦いか」
「案ずるな、敵は向こうから来ている」
ダイテツはこうも言うのだった。
「こちらも積極的に仕掛ければシャドウミラーが来る前にだ」
「敵を退けられる」
リーはまた言った。
「そういうことだな」
「そうだ。その通りだ」
まさにそうなのであった。
「ではここは」
今度はレフィーナが出て来た。
「敵をこのまま一斉攻撃で減らしていって」
「あの少女との戦いを終わらせる」
ダイテツは彼女にも応えた。
「そうするぞ」
「はい、わかりました」
彼の言葉に頷くレフィーナだった。
「それでは」
「ではハガネもだ」
リーも応えた。
「このまま攻撃を続ける」
「そうしてくれ。それぞれのマシンもだ」
「ええ!」
「わかってます!」
マシンの方からも声がした。当然他の艦からもだ。
「このまま数を減らす!」
「はい!」
「そしてアインストを!」
とにかく彼等を倒すことに専念していた。アインスト達は次々と向かって来る。ロンド=ベルはその彼等を減らしていく。そして遂にであった。
「出て来たな」
「ええ、そうね」
キョウスケとエクセレンが言い合う。
「あの娘がね」
「アルフィミィ」
キョウスケが彼女に声をかける。
「行くぞ。御前を止める」
「止めるのですの」
「そうだ、止める」
こう告げるのだった。
「止めてやる。ここでな」
「やってみせるですの」
アルフィミィも言葉を返す。
「止められるのなら」
「いいか、エクセレン」
「ええ」
二人はここでまた言い合った。
「息を合わせるぞ」
「それで一気にね」
「時間をかけるつもりはない」
キョウスケはまた言った。
「だからだ」
「わかったわ。じゃあ」
早速構えるエクセレンだった。
「私が援護するわ。だから」
「突っ込む」
彼らしいやり方だった。
「このままな」
「いつも通りね」
「そうだ」
微笑むエクセレンに真剣な言葉で返す。
「その通りだ。では行く」
「了解。ねえキョウスケ」
「どうした?」
「アインストもシャドウミラーも倒して」
こう言ってきたのだ。
「それで他の敵も全部倒したら」
「どうするのだ?」
「その時はね」
また言うのであった。
「詳しく話させてもらうわ」
「わかった」
エクセレンの言葉に鋭い顔で返した。
「それではな」
「ええ、行ってらっしゃい!」
言いながら派手な攻撃を開始するエクセレンだった。
激しく動き回りながらライフルを乱射する。
「狙いも正確よ!」
攻撃しながら叫ぶ。
「だから覚悟なさい!」
「決める」
キョウスケはそのまま突進する。
「これでだ」
「キョウスケ、どうしてもですの」
「そうだ」
はっきりとした声で答えた言葉だった。
「貴様を倒す」
「そういうわけにはいきませんの」
言いながら彼女もあの悪霊を思わせる攻撃を仕掛けてきた。
「ですから私も」
「来たわ、キョウスケ」
「わかっている」
エクセレンに冷静に返す。
「だが。恐れることはない」
「恐れることはない」
「そうだ。奴のことはわかった」
こう言うのだった。
「それならばだ。恐れることはない。それに」
「それに!?」
「見切った!」
その攻撃を左に動いてかわした。
「私の攻撃を!?」
「貴様の動きはわかった!」
ここで言う彼だった。
「ならば恐れることはない。行くぞ!」
「うっ!」
そうして一気に拳を打ち込んだ。それは彼女を機体ごと吹き飛ばしたのだった。
「ああっ!」
「これならばどうだ」
あらためて彼女に問うた。
「もう一撃で貴様を」
「やはり」
かなりのダメージなのは間違いなかった。その中で彼女はこう言うのだった。
「急ぎ過ぎましたのね。それに」
「えっ!?」
ここでクスハが感じ取った。
「力が急に弱まった」
「ああ、間違いない」
それはブリットも感じ取った。
「やはりダメージのせいか」
「鍵が揃わなければ」
こう言って姿を消す。
「それまで時間稼ぎを御願いですの」
「消えたか」
ブリットはそれを見届けて言った。彼女とその巨大なアインストは姿を消した。
「また」
「ええ。けれど」
「そうだな。アインスト達はまだ残っている」
僅かだがまだ残っているのであった。
「それに」
「シャドウミラー、来るぞ」
今言ったのは凱だった。
「南からだ。いいな!」
「ええ、わかったわ!」
「それならまず!」
アインスト達の残党の相手をした。
そうしてだった。敵をさらに倒す。そのうえで南から来るシャドウミラーの軍勢を迎え撃つ。
彼等は全力で向かって来る。またしても激しい戦いに入った。
「どうしてもというのだな」
「そうだ」
ヴィンデルがギリアムに答える。
「御前達の力を手に入れそのうえでだ」
「そうか」
「これが最後通告だ」
ヴィンデルはロンド=ベル全体に告げてきた。
「我等と共に来い」
「それに答える必要があるのか」
カイがそれに言い返す。
「答える必要はだ」
「それが返答だというのだな」
「そうだ」
まさしくその通りだった。
「戦いを止めるのならともかくだ」
「それを広げることに何の意味がある」
ギリアムの言葉も険しかった。
「そのことにだ。何の意味がある」
「前にも言った筈だ」
しかしヴィンデルもまた言う。
「人間の歴史は戦いの歴史だ」
「それか」
「そうだ。それは我々の世界でも」
彼は言葉を続けてきた。
「この世界でも同じだ」
「そして」
レモンもまたギリアム達に言ってきた。
「戦いは常に人間に新たな進化を促してきた」
「そうだ」
ヴィンデルはレモンの今の言葉を肯定してみせた。
「精神的にも肉体的にもだ」
「それは否定できないわね」
「戦いがなければだ」
ヴィンデルはさらに言ってみせた。
「人類は未だに宇宙に飛び出すことすらできなかっただろう」
「確かに」
彼の言葉に応えたのはツグミだった。
「それは事実よ」
「おい、ツグミ」
「わかってるわ」
アイビスに応えたうえでさらに言うのだった。
「宇宙への技術の多くが兵器に流用されているわ」
「そうだな」
「その最たるものがテスラ=ドライブではないかしら」
「けれど」
ここでアイビスが言った。
「それは兵器として使う奴等が悪いだけなんだ」
「その通りよ」
これこそがツグミの言いたいことだった。
「アイビス、その通りよ」
「そうだよな」
「つまりだ」
今度はスレイが言った。
「御前達の言う通りではないのだ」
「違ういうのか」
「そうです!」
「そうだ!」
またツグミとアイビスが告げた。
「貴方がそう思っているだけです!」
「戯言を言うな!」
「しかしだ」
それでもヴィンデルは己の説を引っ込めなかった。
「闘争は人間にとって滋養分なのだ」
「滋養分か」
スレイはまた目を顰めさせた。
「まだ言うのか」
「それが無い世界はゆっくりと腐敗し」
言葉を続けていくヴィンデルだった。
「やがて取り返しのつかない世界となる」
「それは勝手な理屈でしょう」
シャインがそれを聞いて言い捨てた。
「貴方の」
「戦いがあれば人が死ぬんだ!」
シンも叫ぶ。
「俺の故郷は戦争に巻き込まれそうになった!」
「そして俺の母さんは」
アスランは己のことを話してみせた。
「戦争で死んだ」
「屁理屈にも何にもなってないわよ!」
「そうよ!」
ルナマリアとミリアリアも言う。
「戦争で死んだら終わりよ」
「他にも酷いことは幾らでも起こるわよ!戦争で!」
「真実だ」
だがそれでもヴィンデルは言う。
「その証拠に君達の世界もだ」
「私達の世界が」
レイがそれに反応を示した。
「どうしたのかしら」
「戦争がなければ世界は腐敗を続け。ここまで緊張はしなかった」
「どうですかね」
アズラエルも彼には否定的であった。
「戦争があっても腐敗するものはしますよ」
「問題のある奴も出て来る」
京四郎はこう述べた。
「三輪の奴もそうだったな」
「まだ言うのだな」
「貴方のお考えには全く賛成できませんので」
「その通りだ」
こう返すアズラエルと京四郎だった。
そして一矢も言う。
「戦争で傷付く人もいればそれで醜い利益を得る奴もいる」
「君はわかっているというのか」
「わかっている!俺はそれを見てきた!」
はっきりと言い切ったのだった。
「御前はそれを見ようともしない!わかった顔をしているだけだ!」
「では戦わずに今の事態を収められるというのか」
「まだ言うのか」
「こいつは」
「我等と君達は同じだ。戦いの中で成長していっている」
「冗談じゃねえ!」
闘志也も叫んだ。
「俺達は戦いが続く世界なんかまっぴらだ!」
「そうだ」
マリンも続いた。
「平和がどれだけいいものか。それがわからないのか」
「だがこれからの世界はだ」
ヴィンデルの言葉は続く。
「戦いを望む者だけが生き延びるのだ」
「その根拠は何だ!」
「言いなさいよ!」
テリウスとセニアの姉弟も怒りを覚えていた。
「あくまでそう言える根拠は!」
「何だっていうのよ!」
「今が何よりも証拠だ、君達も戦いによって」
「そしてか」
オウカの言葉は氷の剣だった。
「自分達で訓練として戦うというのか」
「それが進化だ」
「関係のない人達まで巻き込んだうえで」
「そうだ」
それも肯定するのだった。
「戦いがはじまれば人は戦わざるを得なくなる」
「そう言うのですね」
デメクサも珍しく怒っていた。
「貴方は」
「己自身が生き残る為にだ」
「ふざけんな!」
今叫んだのはバサラだった。
「手前のその理屈は他の奴に押し付けられるのかよ!」
「そうよ、バサラの言う通りよ!」
ミレーヌも言った。
「あんたの理屈!全然意味がないわよ!」
「一つ言っておく」
ヒイロが静かに告げてきた。
「俺達が戦う理由はだ」
「何だというのだ?」
「戦いを止める為だ」
こう言うのだった。
「御前の様な奴によって罪のない人達が巻き込まれない為にだ」
「ああ、そうだな」
「その為にだ」
デュオとウーヒェイも言う。
「俺達は戦ってるんだ」
「御前達の様な者達とだ!」
「まるで正義の味方ね」
レモンの言葉は突き放したものだった。
「これは」
「下らん」
ヴィンデルも言い捨てた。
「見込みがあると思ったが」
「そうですね」
「この世界も愚か者の集まりだ」
「いや、それは違う」
「貴方にとって残念でしょうけれど」
今度言ったのはトロワとカトルだった。
「愚かなのは貴様だ」
「その通りです」
「何っ、私が愚かだと」
「手前が馬鹿じゃなくて何だってんだ!」
勝平が彼に叫んだ。
「一体何だってんだ!自分の考えを押し付けるな!」
「愚か者にはそれが必要なのだ」
「そうか、あくまで認めないのか」
「話にならないわね」
宇宙太と恵子も言った。
「それならだ」
「もういいわ」
「その答えを今見せよう」
ゼンガーの剣が輝いた。
「貴様に対してな」
「そうするか」
「そしてだ」
また言うゼンガーだった。
「これも言っておく」
「何だ?」
「貴様等に最早」
言葉に怒りがこもっていた。
「ヴォータン=ユミルの様な存在を作り出させはせん」
「あの者をか」
「そうだ、奴の様に哀しく、虚ろな存在を」
「そうか」
「それが少佐の心か」
アクセルとラミアはそれを聞いて呟いた。
「わかった」
「やはりこの人は」
「もう二度とはだ」
「そうね」
そしてだった。今レモンがラミアに言ってきたのだった。アクセルにも。
「貴方達は遂にここまで来たのね」
「レモンか」
「残念ですが」
「わかったわ」
今度は静かに応えたラミアであった。
「ここまで来たらね」
「レモン様」
ここでラミアが彼女に言ってきた。
「敵は倒す」
「そうよ」
「そう教えられてきました」
「そんなところだけは優秀ね」
それを聞いてつい微笑んでしまったレモンだった。
「貴女は」
「・・・・・・はい」
「そしてアクセルも」
彼に対しても告げた。
「倒すわ」
「望むところだ」
その言葉を臆することなく受けたアクセルだった。
「御前であろうが倒す」
「わかったわ」
「言っておこう」
ヴィンデルは今度は二人に対して言ってきた。
「貴様等の如き人形に我等の作戦を止めることはできん」
「そう言うのか」
「わかったわ」
それを聞いてもやはり動じない二人だった。
「貴様の考えはな」
「既にわかっていたけれど」
「そしてだ」
さらに言うヴィンデルだった。
「ヘリオスよ」
「うむ」
「我等の理想成就の為だ」
その為だというのである。
「その身柄を貰い受ける」
「ヴィンデル=マウザー」
その名を呼んだギリアムだった。
「御前達の好きにはさせない」
「そう言うのだな」
「そうだ。必ず葬り去る」
彼は断言した。
「その歪んだ思想と共にな」
「行くぞ、博士」
「私もまた」
アクセルとラミアも言ってきた。
「ここで倒す!」
「何としても」
「ラミア」
レモンが彼女に問うてきた。
「それが貴女の意志なのね」
「はい」
まさにその通りだというのだった。
「私は貴女達を倒します」
「そう、あらためてわかったわ」
「私という存在の全てを懸けて!」
「行くぞ!」
アクセルが皆に叫んだ。
「ここでシャドウミラーとの戦いを終わらせる」
「その通りだ!」
それにゼンガーも応える。
「虚ろな人形をこれ以上作らせはせん!」
「アインストの軍は消滅しました!」
ここで彼等が消えた。
「東の部隊が全滅させました!」
「よし!ならばだ!」
「戦力を南に!」
すぐに指示が伝えられる。
「そして戦うぞ!」
「了解!」
「こいつ等と最後の戦いだ!」
こうしてシャドウミラーとの最後の戦いがはじまった。ロンド=ベルは街を出て一直線に向かう。そうしてシャドウミラーと正面からぶつかった。
エクセレンとレモンが。まずぶつかった・
「レモン」
「どうしたのかしら」
「貴女と話す機会はこれが最後になるかしら」
「おそらくね」
微笑んで彼女に返すレモンだった。
「貴女とはもっと別の出会いをしたかったわね」
「そうね。それはね」
エクセレンも微笑んでそれに返す。
「けれど。今となってはね」
「一つ言っておくわ」
ここでエクセレンは彼女に言ってきた。
「まだそうとは限らないわよ」
「それはどういうことかしら」
「貴女達が投降するのなら」
それを勧めるのだった。
「まだ機会があるわよ」
「残念だけれど」
しかしであった。レモンはこう返すのだった。
「言葉だけ受け取っておくわ」
「そうなの」
「ええ。私達はね」
そして言うのだった。
「私達の理想を成就するしかないもの」
「そうね」
それを聞いて寂しい微笑みになったエクセレンだった。
「貴女達はそうだったわね」
「それに」
レモンの言葉は続く。
「戦争なくして私という存在はなかったわ」
「そこまで言うのね」
「そうよ。戦いがあったからこそ」
そして言うのであった。
「あの人とも出会えた」
「一緒にいる気はないのね」
「貴女ならわかる筈よ」
また微笑んでエクセレンに言ってみせたのだった。
「それもね」
「そうね。確かにね」
「可能性が見たかったのよ」
今度はこんなことを言ってみせたのだった。
「私はね」
「可能性が?」
「そうよ。こちらの世界で」
その言葉とは。
「私達は自分の理想を成就させられるのかどうか」
「それだけ?」
「後はラミア達が」
彼女達もなのだった。
「何処まで成長するのかもね」
「あの娘がなのね」
「そうよ。貴女と出会ったこともまた」
「有り難う」
それは素直な微笑で受けたエクセレンだった。
「そう言ってくれて」
「さあ、来て」
戦場とは思えない優しい声だった。
「そして私を倒しなさい、エクセレン」
「ええ」
「最後の戦いよ」
「W17、そしてアクセル=アルマーよ」
「博士・・・・・・」
「これで最後にする」
二人はヴィンデルと対峙していた。ギリアムもいる。
「あの連中に何を吹き込まれた・
「吹き込まれてはいません」
「その通りだ」
だがラミアとアクセルはこう答えた。
「殺し合い奪い合い壊し合う世界」
「それを維持する理論は間違っている」
二人は言うのだった。
「だからです」
「俺達はロンド=ベルに戻った」
「戻ったというのか」
「はい」
「その通りです」
こうも返すのだった。
「ロンド=ベルに」
「仲間達のところに」
「わかったわ」
レモンは二人の言葉にも頷いた。
「貴方達の考えはね」
「そうですか」
「わかっているのだな」
「ええ、それはね」
レモンは二人に対しても微笑んだ。
「わかっているわ、私だって」
「私はです」
ここでラミアは彼女に対して言ってきた。
「人を好きになるという感情はわかりません」
「わからないというのね」
「そうです。そして」
さらに言うのだった。
「それを妨げる様々な要因のことを」
「ラミア・・・・・・」
アクセルがその彼女に声をかけてきた。
「俺達は」
「ですが」
そしてラミアはさらに言った。
「ロンド=ベルにはそうしたものを乗り越えた素晴らしい仲間達がいます」
「知っているわ。竜崎一矢」
レモンはまずは彼の名をあげた。
「立派ね。人間はあそこまで美しくなれるのね」
「はい・・・・・・」
「そしてシン=アスカ」
彼のことも言うのだった。
「彼の一途さが彼女を救ったのね」
「直接見てはいませんが知っています」
ラミアは答えた。
「戦争がなければそういう人達がもっと増えます」
「そうでしょうね」
「ですから。レモン様は」
「凄いわ」
レモンの今度の微笑みは娘を見る時のものだった。
「ラミア。そこまで感じ取れるようになったなんて」
「そうなのですか」
「貴女は私の誇りよ」
「有り難うございます」
「そしてアクセル」
今度は彼に声をかけるのだった。
「貴方に出会えてよかったわ」
「そうか」
「本当に。だから私はここで戦うわ」
二人に対しても言うのだった。
「絶対にね」
「わかった」
アクセルはその言葉を受けた。
「御前の心をな」
「有り難う」
今度は彼に対して言ったのだった。
「じゃあ私はここで」
「何故ですか、レモン様」
ラミアの今度の言葉はわからないといったものだった。
「何故ここで戦われるのですか」
「これも覚えておきなさい」
またラミアに優しい声をかけるのだった。
「絶対に退けない、意地を懸けた戦いがあるということをね」
「レモン様・・・・・・」
「行くわよラミア、アクセル」
二人に対して告げたのだった。
「最後の戦いよ」
「わかった」
最初に応えたのはアクセルだった。
「受けた、その言葉」
「そう・・・・・・」
「私も・・・・・・」
遂にラミアも言った。
「だからこそだ。レモン!」
「私達は!」
「来なさい」
ここでも優しい言葉を出すレモンだった。
「貴方達の未来の為に」
「貴様を倒す!」
「ここで!」
シャドウミラーとの最後の戦いはいよいよ苛烈なものになった。。ロンド=ベルは誰もが果敢に戦いその渾身の攻撃で敵を薙ぎ倒していく。
「うおおおおおおおおおっ!」
一矢が吠える。そして周りの敵を拳で次々に倒していく。
「ここは俺に任せろ!全て倒してやる!」
「御願いします、一矢さん」
ルリがその彼に告げた。
「貴方ならできます」
「えっ、けれどあそこの敵は」
ハーリーが今のルリの言葉に驚いて声をあげた。
「百機はいますよ。そこをガルバーも入れて二機だけっていうのは」
「大丈夫です」
しかしルリは彼にこう返した。
「一矢さんなら」
「一矢さんならですか」
「あの人は強い人です」
ルリはそのことをよく知っていたのだ。
「その一矢さんが言うのならです」
「そうですか」
「あの場所は一矢さんにお任せします」
ルリもまた決めていた。
「そして私達は」
「別の場所にですね」
「そうです、左です」
そこだというのだ。
「そこにエステバリス隊と共にです」
「わかりました。それじゃあ」
「よし!旦那いいな」
「わかっている!」
ダイゴウジがサブロウタに応える。
「一気に行く!」
「ここがクライマックスだ!やってやろうぜ!」
そしてそれにアキトも続いた。
「俺も!一矢さんやシンと同じだ!」
「戦うのね、アキト」
「そうだ!あの二人の心を見たんだ!」
そのあくまで諦めず愛しい人を救い出した彼等の心だ。
「だからここで!」
「じゃあアキト、私も!」
ユリカも続くのだった。
「ナデシコ、このまま左です!」
「わかりました」
ルリが応えた。
「それでは」
「私は女の子だけれど」
それでもなのだった。
「一矢さんやシン君みたいに何処までも一途に」
「あそこまでいけばな」
「本当に美しいですよ」
「心が」
リョーコもヒカルもイズミもそれはわかっていた。
「だったらな!あたし達もな!」
「そうなります!」
「その心に近付く」
「人は近付くことができます」
ルリがここでまた言った。
「必ず」
「そうですね。限りなく近付いて」
ジュンも戦闘に参加していた。
「そして。戦って」
「そういうことだ。それが人間だ」
ナガレも今はそれがわかっていた。
「人間の心だ」
「ラミアさんもそれがわかってきてくれてるんですね」
「そうね」
ハルカはメグミの言葉に頷いていた。
「今ね」
「人間の心を」
「醜いものも確かにあります」
ルリはそれは否定しなかった。
「ですがその中にはこの世で最も美しいものもあるのです」
「美しいものか、だよな」
今頷いたのは豹馬だった。
「人間って確かに色々あるけれどな」
「そうよ、美しいものは確かにあるわ」
「誰の中にもですね」
ちずると小介も言った。
「だから私達だって」
「そうなれます」
「ほな豹馬!」
「答えは出ているでごわす!」
十三と大作も言ってきた。
「やるで!ええな!」
「この戦い、勝つでごわすよ!」
「ああ、わかってるぜ!」
仲間達の言葉に応えてツインランサーを縦横に振り回し周りの敵を倒す彼等だった。
「この戦い、勝つぜ!」
「そうよ!いいわね!」
ちずるが応える。そのうえで戦いに向かう。戦いは遂にロンド=ベルが最後の陣を突破した。そしてその本陣に攻撃を浴びせはじめた。
「いくぞ、ギリアム=イェーガー」
「どうしてもか」
「そうだ」
ヴィンデルは彼に告げていた。
「貴様をシステムXNに組み込めばだ」
「その野心が成就すると考えているのだな」
「違う、理想だ」
そういうことにする彼だった。
「より確実な次元転移が可能となるのだ」
「その為にか」
「そうだ、その理想の為に」
今ギリアムに対して告げるのだった。
「我が理想の礎となってもらうぞ、ヘリオス!」
「一つ言っておく」
その彼に告げるギリアムだった。
「あのシステムはだ」
「何だというのだ?」
「この世界に、いや」
彼は言葉を言い換えた。
「いかなる世界にもう存在してはならないのだ」
「そう言えるのか」
「そうだ」
まさしくそうだというのだった。
「それを言っておく」
「それではだ」
それを聞いたヴィンデルは彼に問うた。
「何故貴様はあれで次元転移を行ったのだ」
「そのことか」
「そうだ。それは何故だ」
「元の世界に帰るつもりだった」
こう答えるギリアムだった。
「その為の実験だった」
「何っ!?」
「だがあれはやはり」
ここでまた言うのだった。
「二度と作動させてはならない装置だ」
「二度とだというのか」
「そうだ」
まさしくそうだというのであった。
「修復なぞするべきではなかった」
「修復だと」
「あのシステムは禁断の機動兵器」
また言うギリアムだった。
「そのコアを修復したものだ」
「どういうことだ」
ここで話がわからなくなったヴィンデルだった。
その為に。彼はギリアムにまた問うた。
「ヘリオス、貴様は一体何者なのだ」
「俺か」
「そうだ、貴様だ」
まさしく彼だというのだった。
「貴様は何者なのだ」
「俺はギリアム=イェーガー」
彼はまずはこう名乗った。
「過去に犯した罪で並行する世界を彷徨う宿命を背負った男だ」
「何っ!?」
「だからこそだ。あのシステムは許されないものだ」
今彼は言った。
「俺という存在が招いた事態を終わらせる為に」
「その為にだというのか」
「システムXNを破壊する為に」
さらに言う。
「ヴィンデル=マウザー、貴様を倒す!」
「来たか!」
ヴィンデルはそのツヴァイザーゲインで向かう。彼等の最後の戦いもはじまった。
そうしてであった。レモンとアクセル、ラミアとの戦いもまた。
「今だ!」
「わかった!」
二人の息が合った。
「まずは俺が仕掛ける!」
「行くといい!」
「行くぞこのソウルゲイン最大の技」
「来るのね」
「そうだ。見せてやる!」
言いながらだった。
「リミット解除!」
言いながら力を溜める。そうして一旦跳び無数の青い光を放った。
「くっ!」
「行くぞ!」
さらにそこから突進しこれでもかと攻撃を浴びせるのだった。
「コード麒麟!」
吹き飛ばしそのうえで止めの一撃を放った。
そうしてであった。次はラミアだった。
「よし、これで!」
「決めろラミア!」
ラミアに声をかけるアクセルだった。
「これでだ!」
「わかっている!」
ラミアも渾身の攻撃を放った。それは。
ライフルもミサイルもこれでもかと放つ。それで吹き飛ばされていたラミアを撃つのだった。
止めは。
「ハルバートランチャー!」
巨大な砲を出しそれで撃つ。
それで決まりだった。勝負は決した。
「ここまでね」
レモンはその断末魔の中で述べた。
「まああれだけ長いこと戦争してここまで生きられただけでも上出来ね」
「そう言うのね」
「ええ、そうよ」
こうエクセレンに返すのだった。
「最後に教えてあげるわ」
「何だというの?」
「向こう側の貴女の御両親はね」
彼女のことだった。
「軍のとあるプロジェクトに参加する技術者だったのよ」
「そうだったの」
「そうよ」
まずはこう語ったのだった。
「機動兵器と」
「それと?」
「それに乗る人造人間を造り出す為のね」
「そうだったの」
それを聞いて頷くエクセレンだった。
「じゃあ私は」
「シャトル事故で貴女が死んだ時」
その時の話もするのだった。
「貴女の御両親はね」
「私の遺体を使ってなのね」
「そうよ。それとプロジェクトのマテリアルを使って」
まさにそれだった。
「貴女を再生させようとしていたのよ」
「そして貴女は」
「そうだったのよ」
弱々しい微笑みでの言葉だった。
「記憶と人格は完全には戻らないで」
「そして貴女に、なのね」
「私は人間に近いだけだったのよ」
「そんな・・・・・・」
ラミアはそれを聞いて唖然となった。
「レモン様、貴女は」
「アクセル、貴方は知らなかったわよね」
「どうでもいいことだ」
だがアクセルはこう返したのだった。
「御前は人間だ」
「そう言ってくれているのね」
「御前の心は人間だ」
また言うアクセルだった。
「だからだ。御前は人間に他ならない」
「有り難う」
その言葉を聞いて微笑んだレモンだった。
「そう言ってくれて」
「それでだ」
「もう・・・・・・」
「ええ、もうね」
微笑みは寂しいものになっていた。
「これで終わりよ」
「そうか。それでは」
「お姉様、これで」
「さようなら」8
今別れの言葉を告げるのだった。
「それで若し」
「若しも・・・・・・何だ」
「戦争がない世界に生まれ」
その未来を思うのだった。
「軍とは無縁の形で巡り会っていたら」
「巡り会っていたら」
ラミアがそれに問う。
「どうだったというのですか?」
「いえ、いいわ」
言いかけてそれで止めるのだった。
「そんなことは有り得ないものだ」
「だが。御前はまだ」
「それもいいのよ」
今のアクセルの言葉も遮ってしまった。
「もうね。それでも」
「何だ?」
「ラミア」
最後に声をかけたのは彼女についてだった。
「もっと貴女を」
「私を」
「私の可能性を見ていたかったわ」
こう言うのだった。
「もっとね」
「・・・・・・有り難うございます」
「そしてさようなら、エクセレン」
彼女にも告げるのだった。
「もう一人の私・・・・・・」
「そうね。さようなら」
エクセレンもまた彼女に告げた。
「もう一人の私」
「これで・・・・・・」
「本当にもうこれで」
ラミアが最後に彼女に告げてきた。
「終わりなのですね」
「そうよ」
まさにそうだというのだった。
「ラミア、私が選び望んだ世界」
その世界だというのだった。
「その世界だから」
「これで」
「そういうことよ」
「ですけれど」
ここでラミアは最後にレモンに告げた。
「何故ですか?」
「何故って!?」
「何故己の信じた世界に殉ずるのに」
こう言うのだった。
「そんな哀しそうな声を出されるのですか?」
「声を」
「そうです」
そのことを問うのだった。
「やはりシャドウミラーが望んだ世界は」
「私もね」
ここでレモンが言うのだった。
「時々考えたことがあるわ」
「時々ですか」
「そうよ。時々よ」
こう言うのだった。
「さっき言ったことと同じことをね」
「・・・・・・そうなのですか」
「そう。だから」
「では、最後にです」
ラミアの言葉が強いものになった。
「レモン様」
「何かしら」
「私は」
言うのは己のことだった。
「私は貴女が望んだ世界の為だけに生まれました」
「私の・・・・・・そうね」
「ですが私は」
「・・・・・・貴女は可能性を手に入れたの」
そうしたというのである。
「無限の可能性をね」
「それをですか」
「そうよ。だから今の貴女があるのよ」
こう告げるのであった。
「それを持ったまま」
「はい」
「歩きなさい。私の歩けなかったその道を・・・・・・」
これが最後の言葉だった。そして遂に炎の中に姿を消したのであった。
「レモン・・・・・・」
「レモン様・・・・・・」
「一つの終わりね」
アクセルやラミアだけではなかった。エクセレンも哀しい目になっていた。
「これが」
「ああ、そうだな」
「レモン様の」
「そしてはじまりでもあるのよ」
エクセレンはラミアを見て言ってきた。
「貴方達のね」
「俺は」
「私は」
ここで二人は言った。
「新たな戦いから己の道を切り開く」
「私も。人間として」
二人はそれぞれ言う。
「それならだ」
「これから」
「そうよ。そしてまずはね」
「ああ、わかっている」
「それは」
目を最後の戦いに向けていた。今ギリアムがヴィンデルに最後の突撃を仕掛ける。
「行くぞ!」
「くっ、ヘリオス!」
ヴィンデルは何とかギリアムに向かおうとする。しかし既に満身創痍だった。
「まだ立っているのか!」
「無論だ。貴様を倒す為だ」
ギリアムもまたかなりのダメージを受けている。しかし健在だった。
「俺は・・・・・・これで決める!」
「来たか!」
「貴様にこれが止められるか!」
叫びながら突進するのだった。
そうしてだった。今剣を一閃させたのだった。
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」
右手に持ったそのサーベルを一閃させる。それでヴィンデルのその機体を切り裂いてしまった。
致命傷だった。そのダメージを受けてだった。ヴィンデルは遂に動きを止めてしまった。
「う、うぬううう・・・・・・」
ヴィンデルはその中で苦悶の声をあげていた。
「私の理想が」
「まだ言うのか」
「闘争の世界が貴様等に」
「やはりです」
その彼にラミアが告げた。
「この世界でも否定されるのです」
「何っ!?」
「貴方の理想は」
「人形が何をほざく!」
だがヴィンデルは彼女の今の言葉を認めなかった。
「だが。しかしだ」
「まだ諦めないというのか」
「まだだ、まだ!」
言いながらだった。そのマシンを動かすのだった。
「新たな世界で。再び」
「無駄だ」
だがギリアムがその彼に冷たく告げた。
「今の貴様にはだ」
「何っ!?」
「もうシステムXNは動きはしない」
こう言うのだった。
「最早な」
「何だとっ!?」
「既に斬っておいた」
そう告げるのであった。
「貴様のそのシステムはな」
「くっ、それでは」
「貴様はここで終わる」
これまでになく冷たい今のギリアムの言葉だった。
「完全にな」
「うう・・・・・・ここで朽ち果てるというのか」
「貴様の野望はここで終わる」
ヴィンデルが言うその理想は彼にとってはそうなのだった。
「諦めるのだ」
「・・・・・・そうか、終わるのか」
ここで遂にそれを認めたヴィンデルだった。
「ならばよい」
「諦めたのだな」
「私はこれで倒れる」
それを認めるのだった。
「もうだ。だからいいのだ」
「ではどうするのだ?」
「ここで消える」
彼は言った。
「それではな」
「あがきはしないのか」
「既にそれも無駄なのだろう」
そのことをギリアムに問うヴィンデルだった。
「ヘリオス、貴様が切ったのだな」
「その通りだ」
「では仕方がない」
また言う彼だった。
「最早あがいてもだ」
「そうだな。ではこのまま死を迎えよう」
「博士、それでいいのですか」
「まだ脱出する余裕がある筈だが」
ラミアとアクセルがそれに問う。
「それはもう」
「いいのか」
「同じだ」
こう二人に返したのだった。
「レモンとな。だからこそ私はもう」
「ではせめて苦しまずに旅立つがいい」
ギリアムが彼に告げた言葉はこれだった。
「いいな、これでだ」
「うむ、それではだ」
最後の言葉だった。ヴィンデルもまたその機体を炎に包まさせて消えた。こうしてシャドウミラーとの戦いは完全に終わったのだった。
「終わったな」
「ああ」
「これでね」
彼等はその誰もいなくなった戦場を見て言い合った。
「完全にな」
「全てが終わった」
戦場にいるのは彼等だけだった。何もかもがいなくなっていた。
「それではだ」
「ええ」
「全軍基地に戻る」
キールのその基地にというのである。
「そうして整備と補給を受けてだ」
「そうですね。最後の戦いに」
「アインストとの」
こう言い合ってそのうえで戻ろうとする。しかしだった。
「むっ!?」
「何っ!?」
また戦場に何かが現われた。それは」
「ベルゼイン!?」
「また出て来た!?」
「そうですの」
キールの南にだった。今彼女が出て来たのだ。
「私ですの」
「どういうことだ!?」
「ここで出て来るなんて」
「一体」
ロンド=ベルの面々は唖然としていた。まさかここで出て来るとは思わなかったのだ。だからこそ彼女のその姿を見て言うのだった。
「どういうことだ!?」
「戦うってのか!?」
「それなら」
「この時を待っておりましたの」
するとアルフィミィはこう言うのだった。
「この時をです」
「何っ!?」
「この時ですって!?」
「遂に扉が開きますの」
こう言うのだった。
「扉がですの」
「扉!?」
「っていうとまさか」
「まさか」
それを聞いたリュウセイが驚いた声で問うた。
「それはこの間御前が言っていた」
「そうですの」
まさにそうだと返すアルフィミィだった。
「それこそが」
「まだわかっていないのか」
キョウスケのアルフィミィを見る目は鋭いものだった。
「御前はまだ」
「新たな宇宙への」
アルフィミィの言葉は続く。
「扉ですの」
「扉か」
「そうですの。今ここに」
言いながらだった。何かが開いた。
「!?まさか」
「世界が変わる!?」
「ひょっとして」
何かが変わろうとしていた。世界に周りが変わろうとしえいた。
「世界が変わった」
「この世界は」
「ここで最後の戦いですの」
アルフィミィが彼等の前にいた。その漆黒の、座標すらもわからないその世界の中で。
「ここで」
「・・・・・・じゃあよ、やってやるぜ」
「それならよ」
「これで」
彼等も覚悟を決めるしかなかった。
「その扉閉じてやる!」
「何としてもね!」
彼等はアインスト達とも決戦に入った。また戦いが幕を開いたのだった。

第百六十七話完

2009・11・22  
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