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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百五十一話 命の華

              第百五十一話 命の華
   「それでよ」
「どうなったんだ?」
ロンド=ベルの面々は第二のメメントメリに向かう中である話をしていた。
「ルイスは大丈夫なの?」
「安定しているのかしら」
「ああ、今は大丈夫だ」
ティエリアが皆に述べていた。
「沙慈が側にいてくれているおかげで何とか」
「そうか、それならな」
「いいわ」
皆それを聞いてまずはほっと胸を撫で下ろしたのだった。
「落ち着いているのならな」
「それでよかったわ」
「彼女は仇を取ったんだ」
ここで言ったのはアレルヤだった。
「御両親と皆と。そして」
「そして?」
「彼女自身のね」
こう言うのだった。
「仇を取ったんだよ」
「自分自身の仇も取ったのね」
「ああ、左手の」
「そしてその壊れてしまった心の」
それもだというのだった。
「全ての仇を取ったんだ」
「そう。自分自身で彼女を倒して」
「それでか」
「ネーナ=トリニティは非道だった」
ここで言ったのはまたティエリアだった。
「その報いを受けたんだ」
「他ならぬルイスの手で」
「それがあの末路なのね」
「因果応報ってやつだな」
今度はロックオンが口を開いてきた。
「悪事の報いは必ず受けるってわけだ」
「そうね。確かに」
「その通りだな」
皆そのことは過去の戦いで無数に思い至ることがあった。だからこそ今ここで心から頷くことができたのである。根拠があるからこそだ。
「そして今度は」
「自称神様を」
「討とう」
「是非な」
彼等はそれぞれまた向かうのだった。
「メメントメリはそれで」
「あとどの位かしら」
「三時間だ」
シナプスが一同に告げてきた。
「あと三時間で到着する」
「そうですか、三時間ですか」
「近いですね」
「総員戦闘配置について下さい」
ジャクリーンの放送も入った。
「何時敵が出て来てもおかしくはないです:
「だよな。あと三時間」
「何時来てもね」
「じゃあ着くか」
「ええ」
こうして総員戦闘配置についた。何時でも出撃できる態勢になった。そうしてそのうえで何時でも出撃できるようになった。それから二時間半後だった。
「レーダーに反応!」
「敵です!」
ジャクリーンと八雲が叫んだ。
「正面及び左右にです」
「上下にもいます」
「数およそ百万」
「それだけいます」
「百万か」
アスランはその数をまずは冷静に聞いた。
「相変わらず無人機ばかりだといいんだけれどな」
「もうあの三兄弟は倒れたがな」
「ええ、確かに」
ディアッカとニコルがここで話す。
「それがかなり大きいな」
「友人パイロットが減ったということは」
「クローンでもいれば話が別だがな」
イザークはふとこうも思ったのだった。
「まさかとは思うがな」
「いや、有り得る」
「それもな」
彼の言葉にハイネとミゲルが言ってきた。
「この世界にもそうした技術があるのだからな」
「あって当然と考えていいだろう」
「そうですね。それは確かに」
フィリスは二人のその言葉に頷く。
「出して来るとすればまさに今です」
「クローンの敵が出て来る」
「ということは」
エルフィとジャックはここである予想をしたのだった。
「イノベイター達のクローンが」
「だとするとかなり厄介だね」
「その可能性はあるわ」
ここで口を開いてきたのは謹慎を解かれたアニューだった。
「リボンズはそうした研究も行ってきたし」
「そうですか。そうなると」
シホはアニューの言葉からそれは必ずあると判断したのだった。
「来ますね。間違いなく」
「出してくるとすれば今しかないだろうな」
「そうだね」
エドの言葉にジャンが頷く。
「連中にとっても最後の決戦だからな」
「生きるか死ぬかの」
「イノベイター達のクローンか」
「厄介だな」
ミハイルとモーガンはイノベイターの強さを思い出していた。
「だとすると」
「かなりな」
「まあどちらにしても戦うしかないわ」
「そうね」
ジェーンはレナの言葉に頷いた。
「今は確かに」
「それしか」
「よし、なら決まりだ」
アルフレドがここで大きな声をあえて出してみせた。
「腹を括って決戦に向かう。いいな」
「ええ、わかりました」
ボーマンが彼の今の言葉に頷いた。
「それじゃあ行きますか」
「百万か。最後の決戦には相応しいな」
「うじゃうじゃといるともうそれだけでな」
キースもムウもリラックスしたものだった。
「百万全部潰したらな」
「イノベイター達も終わりってわけだ」
「しかもだ」
ミナがここで言う。
「自分達で切り札の場所を教えるとは愚かな話だ」
「確かに」
バリーがミナの今の言葉で気付いた。
「あるからこそ守りを固めているというわけで」
「ならば話は簡単だ」
「正面だな」
グリアノスとユーレクはすぐにそのメメントメリが何処にあるのかわかった。
「あそこに隠れている」
「そこを撃てばいい」
「それならちょっと考えがあるぜ」
「いいか」
出て来たのはロウとイライジャだった。
「まあ俺達が連れてるガキ共を使うんだがな」
「それでいいか」
「何か考えがあるのね」
タリアは二人の言葉を聞いたうえで述べた。
「あの三人を使うということは」
「そうさ。任せておいてくれよ」
「是非な」
「わかったわ。それじゃあ」
「というと艦長」
「ええ、そうよ」
アーサーの問いにも答えるタリアだった。
「ここはやってもらうことにするわ」
「まああの三人ならちょっとやそっとじゃ死にませんからね」
「多分貴方と同じ位生命力はあるわよ」
「何でここで私が出て来るんですか?」
そう言われても何故かわからないアーサーだった。
「私は別に何も」
「ふふふ、九一三の番号は克服したかしら」
「ええ、全然です」
何故かその番号が苦手なアーサーだった。
「相変わらずどういうわけかわかりませんけれど」
「まああれよ。貴方は何があっても死なないから安心して」
「それはどうも」
「それに。貴方の声って」
彼もまた声に何かがあるのであった。
「金竜大尉やヒューゴ君とそっくりじゃないかしら」
「最近あれですよ。日本なんて言われますよ」
「んっ!?俺はフランスだが」
「俺はオーストリアと呼ばれるけれどな」
ロウとディアッカにも心当たりのあることなのだった。
「何でかわからないんだけれどな」
「どういうことなんだろうな」
「その声のせいかわからないけれど」
ここで出て来たのはアビー=ウィンザーだった。
「私前からメリッサさんやアヤカさんと似てるって言われてましたけれど」
「確かにそっくりだよなあ」
アーサーも納得して頷くことであった。
「何度も間違えたし」
「今度はハンガリーとか呼ばれますし」
「あっ、そういえばよ」
ディアッカがここで気付いたのだった。
「俺結構アビーに色々世話になってるんだよな」
「ディアッカは放っておけないのよ」
アビーもこのことを認めるのだった。
「自分でもどうしてかはわからないけれど」
「だよな。俺がオーストリアで」
「私がハンガリーっていうのも」
「世の中色々なことがあるわ」
タリアもそれはよくわかっていることなのだった。
「そう思うでしょ。日本」
「ええ、その呼ばれ方何故か普通に受け入れられます」
アーサーも何だかんだでそうなのだった。
「自分でも何でかはわかりませんけれど」
「そういえばアーサーさんの声って」
「そうよね」
ここでまたルナマリアとメイリンがひそひそと話す。
「播磨とかね」
「そんな感じもするし」
「あと思うのだが」
今度言ったのはレイだった。
「二人の声も女神や黒い服の姉に聞こえるぞ」
「ちょっと、それは聖闘士でしょ」
「アムロさんとかコウさんじゃなくて?」
「いや、間違いない」
レイは二人に対して断言するのだった。
「かく言う俺も蠍に何か思うところが出て来ている」
「奇遇なものだな」
何とここで言ってきたのはクワトロだった。
「私も以前はそうだった」
「そういえば大尉って何故か蠍っぽいわよね」
「ブンドルさんが羊で大次郎さんが牛でって」
「人間何でも縁ってあるんだな」
「そうみたいですね」
ゴットンの言葉に突っ込みを入れたのはザビーネだった。
「私も何か山羊には愛着があります」
「ありゃ、そういえば俺もだ」
「世の中とは面白いものだ」
マシュマーまで出て来たのだった。
「私は天秤だしな」
「僕はお魚です」
カツはそれなのだった。
「京四郎さんやバルトフェルドさんは双子ですか」
「うん、実はそうなんだよね」
そのバルトフェルドも言うのであった。
「何故か僕は双子座が好きでねえ。どういうわけかな」
「私は蛇遣いよ。十二の星座ではないけれどね」
タリアもいた。
「いいと思わないかしら。一途でそれでいて可愛いところがあって」
「そうそう。私もあの星座好きよ」
「私もだよ」
レミーとカレンも出て来たのだった。
「何かそういうところも艦長と合うのよね」
「不思議なものだ」
「最早何が何だか」
「わからなくなってきたけれど」
「へッ、俺はそっちじゃ悪役だしな」
呆然となるルナマリアとメイリンの横でこんなことを言うムウだった。
「ワイバーンは今一つだぜ」
「そうか?かなり活躍しなかったか?」
「その通りだ」
彼の今の言葉に反論したのは豹馬とアランだった。
「まあ俺は乙女座が好きなんだけれどな」
「俺は獅子座だ」
「さて。後はヘッケラーでも入って来たらいいんだけれどな」
まとめるようにして言うのは宙だった。
「俺としても十二人全員揃って欲しいぜ」
「全くだ」
そして彼の言葉に頷くのはアムロだった。
「俺もそれを願っている」
「そうですね。俺最近妙な関西弁喋ってる気がしますし」
「気のせいじゃないわね、それは」
カナンが今のコウの言葉に突っ込みを入れた。
「私も太夫になってる気がするし」
「昔は野菜の王子だったり皇帝だったんだけれどなあ」
ここでこう言ってぼやくコウだった。
「まあ野菜王子もなあ。かなりあれだったけれど」
「気持ちはわかるぞ」
「私もだ」
アムロだけでなくブライトもコウを慰めてきた。
「俺はどうも飲茶を見ると複雑な気持ちになるようになった」
「私は天津飯だ」
「世の中ってのは本当に色々なんだな」
シンもここまで話を聞いて思うのだった。
「俺も銃持ってダンス踊って答えは聞いてないって言うの好きだしな」
「あとあんた妙に年上のお姉さん好きな時ない?」
「エイジと一緒で」
「俺はステラ一筋なんだがな」
自分ではそのつもりのシンだった。
「けれどよ、美人の姉がいるっていう設定も最高にいいんだよな」
「ついでにあれよね。そのお姉さんが喫茶店経営していて」
「やたらと変な料理作るんでしょ」
「そうだよ。それが最高なんだよ」
ここぞとばかりに言うシンだった。
「マユもいいけれどそういうのもいいかなって思ったりもするんだよ」
「結局シスコンなのね」
「あんたとあんたに似てる人って」
あらためてわかるシンの奇妙なポイントであった。
「何処までいっても」
「変態じゃない、それだったら」
「へっ、何とでも言いたがれ」
ここでは完全に開き直るシンだった。
「どっちにしろ俺はライダーになれたんだからな」
「いいものだ。俺は蝿だぞ」
アスランはここで恨めしそうに言うのだった。
「蝿だ。もっとも竜にもなれたがな」
「俺は蝙蝠だったんだがな」
ブリットもいるのであった。
「何故かわからないんだけれどな、その辺りは」
「あと私達もね」
「そうですね」
スメラギとテッサも複雑な顔になっていた。
「二人はどうとかって」
「何か気になります」
「皆そうやって脛に傷持ってるのよね」
ニナがこんな風に言うのだった。
「私もそうだし」
「そういえばニナさんの声って」
彼女に言うのはマサトだった。
「八卦衆に」
「そうなのよね。自覚してるのよ」
とのことだった。
「あとミスティちゃんもそうだしマリーメイアちゃんも」
「他にはアマノカズミさんですよね」
ハーリーも言ってきた。
「僕タカヤノリコさんに声がそっくりって言われるんですけれど」
「そうそう、そっくりよ」
ここぞとばかりに彼に突っ込みを入れるニナだった。
「もうね。最初聞いてびっくりしたわよ」
「そこまでなんですか」
「私の声とかミスマル艦長の声って似てる人が多いけれど」
「俺もですね」
今度出て来たのは洸だった。
「何人いるんですかね、本当に」
「そうねえ。洸君になるともう何が何なのか」
そこまで至っているのであった。
「あと。ユングは今いないけれど」
「私似てるかしら、そんなに」
クェスが首を傾げさせていた。
「あの人に」
「私にそっくりだとも言われるしな」
「そうだな」
クェスに突込みを入れるのはレッシィとヒギンズだった。
「性格は全く違うのだがな」
「不思議なことにね」
「最早何が何だかわかりませんよね」
カトルもぼやくばかりだった。
「そういえば僕は」
「ああ、御前シーランドじゃねえのか?」
ディアッカがそのカトルに突っ込みを入れた。
「そう言われるんだろ」
「はい、実は」
そうなのだった。彼も彼でそう呼ばれていたりする。
「何でなんですかね」
「わかるけれどわかりたかねえな」
これが今のディアッカの本音であった。
「もうな。俺もノーブルになったり色々あるぜ」
「俺よりかましじゃねえかよ」
忍まで出て来た。
「何が荒ぶる英雄だってんだ」
「そういえば僕も一つ目のスナイパーになってたなあ」
バルトフェルドも少しぼやくようにして述べた。
「全く。世の中色々あるよ」
「そうですよね。僕何かアルバイトばかりしている人と一緒になったりしますし」
「俺よりましだ。何で蝿なんだ」
あくまでそこにこだわるアスランだった。
「カイさんがナレーションやってるのに」
「へへへ、まああれは人徳ってやつだな」
「ナレーションはいいでごわすよ」
大次郎も何故かここでこんなことを言う。
「魔法、それは勇気の証でごわすな」
「まあ蝿の後は竜になれたからいいか」
「安心するのだ。私は蝙蝠だった」
「俺は象だったかな」
クワトロとタケルにも心当たりのあることであった。
「全く。妙な話だ」
「何であんなふうになったんだろう」
「わしも猫じゃったか」
次から次に出て来る。兵左衛門までもであった。
「猫とは一体何なんじゃ?」
「俺は鮫だったんじゃねえか?確か」
甲児にも心当たりのあることのようである。
「鮫って何なんだよ鮫ってよ」
「その前に甲児君って確か」
ミサトがふとあることを思い出してそれについて述べた。
「コウ君の部下やってなかった?提督で」
「ああ、そんな記憶もあるんだよ」
彼も彼で色々あるのだった。
「何かよ、アレンさんがいたり鉄也さんがいたりギャブレーさんとかブンドルさんとか源五郎さんとかな。そういえばクワトロ大尉もいたよな」
「私は向こう側にいたと思うのよね」
「私もだ」
何とハマーンもであった。
「何故かそんな気がするのだがな」
「言い出したらきりねえんじゃねえのか?こりゃ」
実はカイにも思い当たる話であったりする。
「もうよ。なあアムロ」
「そうだな。俺もそう思う」
何故かここではあまりいい顔をしないアムロだった。
「だが」
「だが?」
「どうしたんですか中佐」
「俺はどうも参謀は向いていないみたいだな」
何故かここではこんなことを言うのであった。
「それを今思ったな」
「参謀ですか。そうですね」
これにはミサトも頷くところがあった。
「それよりも仮面を被っていたりする方が似合いそうですね」
「そうだな。そちらの方がいい」
アムロもそれについてはまんざらではないようだった。
「マントにタキシードにな」
「そうそう」
何故か話をしていて上機嫌になるミサトだった。
「中佐はやっぱりそれですよ」
「そうかな、やっぱり」
「少なくとも前線で戦う方が向いてるよな」
「なあ」
これは皆意見の一致するところであった。
「やっぱり中佐はな」
「そうしてもらわないと困るし」
「そうか。なら出よう」
最初からそのつもりのアムロだった。
「総員でな」
「はい、それじゃあ」
「行きましょう」
こうして皆出撃する。出撃して早速オルガ、クロト、シャニが正面に突撃を敢行する。
「おらっ、どけどけえええええーーーーーーーーーっ!」
「邪魔する奴は抹殺!」
「地獄に行け」
三人は前にいる敵を薙ぎ倒していく。相変わらずの戦闘力だった。
「毎回思うが」
「あの破壊力は本当に凄いわね」
「全く」
誰もが呆れるばかりの戦闘力であった。
「もう正面にいる敵薙ぎ倒して」
「あっという間に目的地まで行きそうじゃない」
「化け物みたい」
まさにその域に達している戦いぶりであった。
「まあそのおかげで」
「間も空いたし」
「そこに入れば」
実際に三人が空けたその間に入って切り込んでいくのであった。
敵はまずは左右に断ち切られていく。そうして先頭を行く三人はほぼ直感的に立ち止まり目の前に一斉攻撃を仕掛けたのだった。
「ここだっ!」
「殺滅!」
「受けろ」
三人が攻撃を浴びせるとそこにはメメントメリがあった。最初のものよりも遥かに巨大なものが姿を現わしたのであった。その空間に。
「何っ!?」
「馬鹿な!」
「そんな!」
イノベイター達はそのメメントメリが姿を現わしたのを見て驚きの声をあげた。
「メメントメリの位置がわかった!?」
「そんな、まさか」
「そのまさかだ」
ティエリアが驚く彼等に対して告げた。
「君達だけが何もかも知っているとは思わないことだ」
「くっ、ティエリア」
「裏切り者が何を」
「僕は裏切り者ではない」
忌々しげな口調の彼等に対して述べたのだった。
「僕は人間だ。人間として戦っているだけだ」
「それだけだというの!?」
「イノベイターでありながら僕達につかずに」
「君達は何もわかってはいない」
こう彼等に返すのだった。
「何もかもわかっているつもりでいながら何もだ」
「愚弄するのか、僕達を」
「人を正しく導く私達を」
「戯言だ。人を導くのは人だ」
なおも彼等に対して返す。
「神になったつもりの人ではない!」
「僕達が人だろ!?」
「まだそんなことを!」
「嘘じゃない。その証拠に僕は今ここにいる」
自分のことも言うのであった。
「ロンド=ベルに。アニューもまた」
「そうよ。私もよ」
アニューもここで言う。
「私も人間よ。だから」
「何もわからずに」
「そんなことを」
「わかっていないのは君達だ」
話は完全に平行線であった。
「そして何もわからないうちに滅ぶんだ」
「なら滅ぼしてみせるんだね!」
「私達を!」
彼等はいよいよ逆上してきた。そうしてメメントメリからあるだけの戦力を出してきたのであった。
「あれで全てですか」
「そうみたいですね」
エゼキエルに対して美穂が答える。
「もうメメントメリ内部には反応はありません」
「わかりました」
「では艦長」
サリーがそのエゼキエルに問う。
「どうされますか」
「総攻撃です」
それだというのである。
「今はそれが一番です」
「はい、それじゃあ」
「このまま周囲に攻撃をしていきます」
「時を見て変形します」
こうも言うのであった。
「それで宜しいですね」
「わかりました」
「その準備もしておきます」
「ここで決戦です。それならば」
エキセドルの声はここでも冷静であった。
「どうしてでも勝たなければなりません」
「はい」
「わかってます」
彼女達もわかっていた。そうして戦場の中でマクロス7を進ませるのだった。
ロンド=ベルは中央を突破したうえでメメントメリに位置する形となりそこで敵を迎え撃った。攻防が入れ替わった形であったがそれだけに敵の動きは戸惑ったものになっていた。
「洒落た真似してくれるなおい!」
アリーもいた。彼はその紅のガンダムを駆ってメメントメリに戻っていた。
「おかげで楽しくて仕方がねえぜ!」
「手前かよ」
ロックオンはそのアリーのガンダムを見て声をあげた。
「手前は相変わらず戦いだけみたいだな」
「それ以外に何が必要なんだ?」
アリーにとってはまさしくそんなところであった。
「俺はよ、戦いで飯を食ってるんだ」
「傭兵か」
「そうさ。そして戦いが楽しくて仕方がないんだよ」
血走った言葉になっていた。
「その中で殺していくことがな!」
「そして戦いの場以外でもな」
「何っ!?」
今の言葉を聞いて声をあげるアリーだった。
「手前まさか」
「全てわかった」
ロックオンの言葉は冷静そのものであった。
「手前が何をしてきたのかな」
「くっ、そうだっていうのかよ」
ロックオンに向かいながらの言葉であった。
「俺のことをそこまでかよ」
「そうさ。そしてな」
構えた。そのライフルを。
「手前はこの世にいてはならない人間だ」
「そう思うのならどうするっていうんだ?」
「答えは出ている。死ね」
そのライフルからビームを放ってみせた。
「手前はな」
「悪いがな」
しかしアリーも邪悪な笑みを浮かべ彼に対する。
「俺もそう簡単に死ぬわけにはいかなくてな」
「死なないつもりか」
「そうさ。生き残ってやる」
邪悪な中に清明への執着は確かにあった。
「何があってもな」
「それなら俺はだ」
今のライフルはかわされた。しかしそれに焦ることなく次はより正確に照準を定めるのだった。
「その手前をここで倒してやる、絶対にな」
「やれるっていうのか!?手前に」
「いや、手前じゃない」
「僕達もいる」
ここでアレルヤとティエリアもやって来た。これで三人だった。
「僕達も御前は許せない」
「今までの罪、償ってもらう」
「御前等も来たのかよ」
ロックオンは彼等の姿を確認してからまた言った。
「俺一人で充分なんだがな」
「僕も因果を終わらせる必要があるからね」
「だからこそ。やらせてもらう」
だからだというのだった。
「ここで」
「この男だけは」
「面白い。じゃあ来るんだな」
そしてその三人を見ても逃げることのないアリーだった。
「この俺の強さ、地獄で語りやがれ!」
「僕はかつてもう一人の僕に苦しめられていた」
アレルヤは自分達の方に向かって来るアリーを見ながら呟いていた。
「けれどもうそれは克服した。そしてもう一人の僕の力は」
「何に使うってんだ!?」
「世界を守る為に、世界の人達を守る為に使う」
こう誓っての言葉だった。
「もう一人の僕の力、マリーの為にも!」
「えっ、アレルヤ貴方は」
今のアレルヤの言葉を聞いて驚きを隠せないソーマだった。
「私のことをそこまで」
「貴方は倒す!」
言いながらアリーに向かうのだった。
「今ここで!」
「僕もだ」
ティエリアのセラヴィーは今その重厚な鎧を外した。
「僕は人として生きる為に」
「イノベイターではないんだな」
「僕は人だ」
あくまでこう言うのだった。
「イノベイターなぞ小さな殻に過ぎない。そんなものは今こうしてだ!」
「来るっていうのかよ」
「やらせてもらう!」
言いながら攻撃を放った。
「これからの人類の未来の為にも!」
「俺は今まで兄貴はよく知らなかった」
ロックオンもまた言うのだった。
「けれどな。今よくわかったぜ」
「兄貴には散々やらせたんだがな」
「そして弟の俺が手前を倒す!」
完全にロックオンした。今まさに。
「戦いの権化の手前をな!」
「やるよロックオン、ティエリア!」
「戦いを終わらせる為に!」
三人の攻撃が今重なった。そして遂にそれぞれの攻撃でアリーを撃ったのだった。
「ぐっ・・・・・・」
「やったな」
「うん」
「これで遂に」
「くそっ、俺がやられるっていうのかよ」
アリーはあちこちがショートしだしたコクピットの中で呻いていた。
「この俺がここで」
「言った筈だ。俺達は戦いを終わらせるってな」
「そしてその闘いの権化である君は」
「ここで倒れる運命だった。それだけだ」
「へっ、話は聞いてやったぜ」
アリー自身も致命傷を受けている。しかしそれでも彼は言うのだった。
「しかしな」
「しかし?」
「戦いは終わらねえぜ」
口の端を歪ませての言葉であった。
「絶対にな。何があってもなくならねえぜ」
「戦いはか」
「俺みたいな奴がごまんといる限りはな」
こう三人のマイスター達に対して述べるのだった。
「絶対にならねえ。安心しろ」
「確かに今すぐにはなくならない」
その彼に対してティエリアが告げる。
「だが」
「だが?」
「少しずつ減らしていくことはできる」
こう言うのだった。
「確実にな」
「そうだね、ティエリアの言う通りだ」
アレルヤは今の彼の言葉に頷きそのうえで述べた。
「必ずそれはなるんだ。僕達が目指している限りは」
「それについても予言しておいてやるぜ」
断末魔の中での言葉は続く。
「俺みたいな奴も消え去ることはねえ」
彼が言うのはこのことだった。
「絶対にな。覚えておくんだな」
「覚えておくぜ」
ロックオンが彼の今の言葉を受け取った。
「だから心おきなく死ね」
「見送りの言葉かよ」
「そう思うのなら思え。じゃあな」
「地獄で待ってるぜ」
呪うような目で爆発の中に消えた。こうして戦乱に狂う男も消え去った。
「確かにあいつの言う通りだ」
「うん、それはね」
「戦いは容易には消え去ることはない」
ロックオンの言葉にアレルヤとティエリアが応える。
「ああいう奴は他に幾らでもいる」
「他にも様々な理由で戦争を欲する者達も」
「そうした連中を止めるのが俺達だ」
ロックオンはそのことがわかったのである。
「マイスターだな」
「そうさ。だからこそ」
「僕達はこれからも戦い続けるんだ」
「そうさせてもらうぜ。それじゃあな」
「行こう、次の戦いに」
「まだ戦いは続いている」
彼等は言い合い別の戦場に向かった。イノベイターの軍勢はその数を一秒ごとに減らしロンド=ベルはそれだけ優勢となってきていた。
「勝てるか?」
「このまま」
メメントメリの地の利がそのまま彼等の盾となっていた。
「イノベイター達も数を減らしてるし」
「このままいけば」
「いえ、安心するのは早いわ」
「その通りだ」
スメラギとカティがここで言った。
「まだ敵はかなりいるわ」
「イノベイター達も健在だ」
だからだというのである。
「確かにメメントメリは私達には撃たれなくなったけれど」
「戦いは最後までわかることはない」
この辺りは実に冷静に見ている彼女達だった。
「いいわね、まだ気を抜くのは早いわ」
「戦い続ける。いいな」
「ええ、わかってますよ」
パトリックがそれを聞いて陽気に述べた。
「じゃあ俺も大佐の為に」
「待て」
すぐにカティが彼に突っ込みを入れた。
「油断するなと今言われた筈だが」
「油断はしてませんよ」
「ふざけるなともいうのだ」
鋭い声で彼に告げる。
「そもそもだ。貴官はだ」
「ううむ、この二人は」
カティは今キングビアルにいる。兵左衛門は二人のやり取りを見ながら言うのだった。
「このままいけばよき夫婦になるのう」
「ええ、そうですね」
源五郎も彼の言葉に頷く。
「このままいけば」
「そういった悪い冗談は止めて頂きたい」
カティは今度は神ファミリーに怖い目を向けた。
「そもそも私とあの男は」
「大佐、愛してますよ」
しかしパトリックの態度は相変わらずだった。
「この不死身のパトリック、大佐の為に」
「・・・・・・一つだけ言ってやる」
カティはそのパトリックに対して言うのだった。
「いいか、一つだけだ」
「何ですか?それは」
「死ぬな」
こう言うのだった。
「いいな、死ぬな」
「わかってますよ。大佐の御言葉なら」
相変わらずの能天気な様子であった。
「何があっても死にませんから」
こう言って右目でウィンクして消える。何はともあれ彼も奮闘していた。
「全く。ああもふざけているとだ」
「どう見ても大佐もまんざらじゃないよね」
「だよね」
モンドとイーノがそんな彼女を見てひそひそと話す。
「何だかんだで」
「コーラサワーさんのこと心配してるし」
「まあ実際あれだぜ」
ビーチャも言うのだった。
「大佐も熱烈なアプローチが嬉しかったりしてな」
「でしょうね。あの表情を見たら」
「まんざらじゃないわ」
エルとルーも既に見抜いているのだった。
「姉さん女房かあ」
「悪くないんじゃないの?」
「そこ、黙っていることだ」
カティはすぐに彼等に突っ込みを入れた。
「さもなければ戦死するのは君達だぞ」
「まあまあ」
ケーラが笑いながらそのカティに言ってきた。
「頬が真っ赤ですし」
「何っ!?」
こう言われてギクリ、とした顔になるカティだった。動作も手を引かせてかなりのものになっている。
「私がか!?いや、これはだな」
「やっぱり大佐って」
「確実だな」
プルとプルツーにもわかってしまった。
「パトリックさんのことが」
「まんざらではないな」
「まあ弟といったところか」
さりげなく壮絶な自爆をしてしまったカティだった。
「世話のやけるな」
「つまり姉の如き愛情ってわけか」
「成程」
皆もうわかっていた。
「そういうことか」
「意外と母性的なのね」
「私に母性だと!?」
言われてさらにムキになってしまった。
「馬鹿な、私はただ軍人としてだな」
「わかりましたから」
「もう隠さなくてもですね」
「別に隠してはいない」
自分ではこう言うのだった。
「そもそもだ。私はだな」
「それはいいのだが」
ここでサンドマンが話に加わってきた。
「大佐」
「あっ、はい」
「今度はイノベイター達自体が来た」
「確かに」
サンドマンの言葉により目が戦場に戻った。
「それではいよいよ」
「そうだ。決戦の時が来た」
彼は言った。
「今こそだ、諸君!」
「よし!」
「来るのね!」
皆それを受けて再び身構えた。
「それならここで!」
「決めるわよ!」
「あの戦艦ね」
スメラギはその中で中心にいる一隻の戦艦を見ていた。
「あの戦艦を狙うわ」
「あの戦艦ですね」
「そうよ」
こうミレイナに対しても答える。
「あの戦艦をよ。いいわね」
「わかりました。じゃあ」
「艦長」
ここでアニューがそのスメラギに言ってきたのだった。
「あの戦艦は」
「同じイノベイターね」
「いえ、そうではありません」
何故かここで違うというのである。
「あの戦艦にはです」
「何かあるの?」
「イノベイター達の中心人物がいます」
こう話すのである。
「そのイノベイター達のです」
「それは一体」
「誰ですか?」
「リボンズ=アルマーク」
彼だというのである。
「あの男がいます」
「そう。あの場所にイノベイターの中心人物がいるのね」
「艦長にはおそらく」
「僕か」
ここで言ったのはティエリアだった。
「リジェネ=レジェータがいるのか」
「そうよ。彼女よ」
アニューはここでティエリアに対しても答えるのだった。
「彼女が艦長なのよ」
「そうだったのか。それじゃあ」
「いえ、ティエリア」
ここでスメラギがティエリアの前進を止めた。
「貴方は行く必要はないわ」
「僕自身だからかい?」
「それもあるけれど今は他のイノベイター達を止めて欲しいの」
「だからか」
「ええ。イノベイター達は彼等だけではないわ」
スメラギは見ていた。クローンのイノベイター達もまた動いているのを。それを見ての言葉だったのだ。
「だから彼等に向かって欲しいの」
「わかった」
スメラギのその言葉に頷くティエリアだった。
「それではいかせてもらおう」
「御願いするわ。それじゃあね」
「マリー」
アレルヤもまたソーマに対して声をかける。
「いいね」
「ええ。最後の戦いね」
「イノベイター達と僕達のね」
「思えば。不思議なものね」
ここでソーマは言うのだった。
「イノベイターにさせられそうだった私達が今ここにいるなんて」
「僕達は長い間離れ離れだった」
アレルヤはそのこともまた思うのだった。
「しかし僕達はまた一緒になれた」
「ええ、またここで」
「そしてそのイノベイター達と戦っている」
「それだけじゃないわ」
さらに言うソーマだった。
「私達は人間としてここにいるわ」
「そうだね。人間としてね」
「人は心からなるものだから」
ソーマもそのことがわかったのだ。人がどうして人なのかも。
「だから私は人間なのね」
「そう。そして僕も」
「そうしてあの人達は」
イノベイター達も見る。その彼等を。
「わかっていないのね。そのことが」
「人は神じゃない」
アレルヤもそれがわかってきていた。
「そして傲慢な神は人に倒される宿命にあるんだ」
「もっと言えば神であると思っている高みに立とうとしている存在は」
「倒される」
はっきりと言い切るのだった。
「彼等は」
「なら私達は」
彼は言った。
「人として倒すのね」
「そう、絶対に」
彼等は意を決して向かう。そのイノベイター達との戦いがはじまった。そして今彼等は正面から最後の戦いに入る。スメラギはその中で指示を出していた。
「いいかしら」
「はい」
「あの戦艦ですね」
「そうよ。あの戦艦を沈めるわ」
はっきりとした言葉であった。
「いいわね。それじゃあ」
「わかりました」
「それでは」
「狙うわ」
また言うスメラギであった。そして照準を合わせる。
「主砲開け」
「了解です」
「それで沈めるわ」
今確かに主砲を合わせた。そうして今一気に攻撃を加えた。その無数の光がリジェネの乗るその戦艦を貫いたのであった。
「くっ、かわせなかったというの?」
リジェネは攻撃を受けたうえで歯噛みした。
「まさか。これだけ正確な攻撃だなんて」
「さて。じゃあ僕は」
その中でリボンズは他人事の様に言うのだった。
「行くか」
「行く!?何処にかしら」
「決まってるじゃないか。僕の為すべき場所に行くんだよ」
こう話すのだった。
「今からね」
「貴方は絶対者として戦うのかしら」
「その通りだよ。そして」
「そして」
「その絶対者の姿を今見せに行くよ」
こう言ってであった。艦橋に背を向けるのであった。そうして。
「それじゃあね」
「私は行かないわ」
リジェネは今沈もうとする船から動こうとはしなかった。あくまでそこに立っているだけであった。
「ここで最期を迎えるわ」
「おやおや、何でだい?」
リジェネのその言葉を茶化すようにして返すリボンズだった。
「またそんなことを言って」
「わかったのよ」
正面を見据えたままの言葉であった。
「私もね。人がどういったものかを」
「人は僕に支配されるものだよ」
「そうであればいいわね」
今はリボンズの方を見ていなかった。
「貴方の思うようにね」
「いくよ。僕は絶対者だから」
また言うリボンズだった。
「さて、今からそれを実現しに行くよ」
「精々頑張ることね」
艦橋から去るリボンズを見ようともしなかった。
「そのままね」
「じゃあね。そこで僕のその姿を見ているんだね」
「そうさせてもらうわ。それじゃあ」
リボンズは艦を後にしリジェネはその中に消えた。そうしてそこから一機のガンダムが姿を現わしたのであった。
「ガンダム」
「あのガンダムが」
「そうさ。このリボーンズガンダム」
そのガンダムの名を水から話すのであった。
「擬似太陽炉を搭載したまさに神のガンダムさ」
「神か」
「君のダブルオーガンダムと同じく無限に動くことができる」
彼は刹那に対して告げた。
「そしてだ」
「この世をその力で支配するというのか」
「世界は絶対者によって統治されるべきなのさ」
平然とさえして言い切るリボンズだった。
「つまりこの僕にね」
「戯言だ」
はっきりと言い切る刹那だった。
「それはな。所詮は戯言だ」
「それは僕の力を知らないからさ」
そう言われてもリボンズに動じたところはなかった。
「僕のこの絶対の力をね」
「それならばだ」
刹那もまた動じない。何時しか二人は対峙していた。
「俺がその絶対者の存在を否定することになる」
「神がいなくて誰が世界を治めるというんだい?」
「人だ」
それが刹那の返答だった。
「人は治めない。世界は人が歩くべきものだ」
「わからないね。人は愚かなものだよ」
刹那のその言葉を一笑に伏していた。
「それでどうして自分達だけで歩けるんだい?」
「いいや、歩けるな」
「そうよ。人は人でね」
ロンド=ベルからもその声があがる。
「何があっても」
「私達のその力で」
「その通りよ」
今沈もうとするその戦艦からだった。リジェネが言うのだった。
「人は誰にも治められるものではないわ。人は歩くものなのよ」
彼女は炎に包まれていく戦艦の中で呟いていた。
「それがわかっていない貴方は最後には敗れるわ」
リボンズのそのリボーンズガンダムを見ての言葉であった。
「それを見届けてあげられないのは残念だけれど」
こう言い残して炎の中に消えたのであった。今ここで。
戦いは今最後の局面を迎えていた。刹那とリボンズが対峙しイノベイター達との最後の戦いもはじまろうとしていた。戦いもいよいよ最後になろうとしていた。

第百五十一話完

2009・9・21  
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