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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
  第5話:俺の周囲には必ず小うるさいのが居る

(サラン周辺)
クリフトSIDE

私達は『つちわらし』というモンスターと戦闘を行っている。
と言っても最後の1匹をブライ様のヒャドで倒したところなのだが…
サランの町を出て数十回目の戦闘だ。

多分、普段平原を歩くより数倍も戦闘をこなしているだろう。
それは何故か!?
答えは簡単…リュカさんが大声で歌っているので、敵が聞きつけて寄ってくるのだ!しかも本人は一切戦わない。
何を考えているのだこの人は!?

この人の非常識さには正直参ります。
まさかサランのシスターである、シスター・パメラと昨晩男女の関係になっているとは思わなかった。
昼間熱心に口説かれても困り顔で断っていたのに、夜になりアッサリとベッドを共にするとは…神への誓いはどうしたのか!

この旅は気を抜く事が出来ないだろう…
アリーナ様がリュカさんの魔手に落ちない様、常に見張っていなければならない。
大体良く考えたら、リュカさんはご結婚されていると言っていた…どうやらとんでもなく不道徳な男である!
揚々と歌い続けるリュカさんを見て溜息が出てくる…

「ちょっとリュカ! 歌うのは構わないけど、敵が現れたら戦ってよね! この中で一番強いのだから、みんなと一緒に戦ってよね!!」
確かにその通りだ…いい加減頭にくる。

「嫌で~す! 僕は戦うのが嫌いだから、その要求には応じませ~ん」
「た、戦うのが嫌いって…じゃぁ歌わないでよね!」
アリーナ様は情けに口調で問い返し、歌う事を拒絶する。

「おいおいアリーナ…君は強くなる為に城を抜け出し冒険をしているのでは無いのですか? 折角実践という強くなる機会を提供しているのに、それをするなと仰るのですか? だったら大人しく城に帰れよ…お嬢ちゃんに冒険は向いてない!」

何という理論だ!? “自分は仲間の為に歌っている”とでも言うのだろうか?
どう考えたって歌いたいから歌っているだけだろうに!
私もブライ様も唖然としている…しかしアリーナ様は我らと反応が違い、憮然とした表情で言い放つ。

「やったろうじゃないの! もっと歌いなさいよ! どんなに沢山のモンスターが襲ってきても、この私が全部倒してみせるわ!」
あぁ…とんでもない事になってしまった………

クリフトSIDE END



(サラン周辺)
リュカSIDE

今まで冒険をしてきて初めて歌う許可が下りた(笑)
正式に許可されて無くても勝手に歌ってたからなぁ……
アリーナは良い子だけど、単純馬鹿だね。

「姫様…我らの事も考えて下さい! 我ら二人は、姫様の安全を考え付いてきているだけです。強くなる意志などございませんし、危険は少ない程良いと考えております! ご自身の我が儘で、我ら家臣の身を危険に晒すなど…王家の者として恥ずかしいですぞ!」

「じゃぁ帰ればいいのに…おじいちゃんがムリして若者に付き合う事はないよ。年寄りの冷や水って言葉もある事だし、そんなにサントハイムから離れていないうちに帰れば?」
初めて得た“何処でも歌ってOK権”なのに、それを邪魔する小うるさいジジイ!

「年寄り扱いするでない! ワシはまだまだ現役じゃわい!」
「何が現役なの? 床運動かな? 自家発電は数に入れるなよ!」
「違うわボケェ~!魔道士として…冒険者として現役だと言っておるんだ! 何でこの会話の流れで、床運動などと言う単語が出てくるんじゃ!? お前、頭の中がどうかしてるんじゃないのか!?」

やばい…とっても良いツッコミが返ってきた(笑)
ティミーが居なくて寂しかったけど、この爺さんが居れば楽しめそうだ。
う~ん…こりゃ、こっちの神官君も巻き込まないと…

「んだよ…折角美少女と二人っきりのラブラブ冒険旅行だと思ってたのに…お邪魔な二人は消えれば良いのに! 数年経ったら家族増やして帰ってくるよ!」
俺は二人(特に神官君)に見せつける様に、アリーナの事を抱き寄せてブイサインをする。

「な、な、な、何を仰いますか!? アリーナ様はサントハイム王家の正当なる御血筋の方ですぞ! そ、そ、そんなアリーナ様に不埒な行いをするなど、私は許しませんですぞ!」
わぁ…すげー顔を真っ赤にして怒ってるぅ~(笑)

「そんな事言うけどさぁ…若い男女が危険な冒険に出たら、お互いの距離が縮まって○○○になっちゃうんじゃね? ○○○を○○○で○○○しちゃうんじゃね?」
「あ、あ、貴方は何て下品なんですか!? もう少し慎みを持ちなさい!」

あぁ…昔のティミーを思い出すなぁ…
きっとコイツは童貞だね。
最近じゃティミーもノッてくる様になったしなぁ…
うん。良いオモチャを手に入れた!


爺さんと神官君の激怒模様を眺めていると、突如モンスターが襲来する!
今回は歌ってないから俺の所為ではない!
大声で怒鳴っている、この二人が悪いんだ。

「ぬぅ…『暴れ狛犬』か!? クリフト、姫様にスカラをかけよ! 奴の力は侮れんぞ!」
流石年の功…モンスターの知識とその対応が的確だ。
だが、それを台無しにするのがお姫様ってもんよ!

「たー!!」
何ら考えも無しに3匹の暴れ狛犬に向かって突撃するアリーナ。
持ち前の素早さを駆使し1匹に近付くと強烈な蹴りで吹き飛ばす。
だが良かったのはそこまでだ…

よりによって3匹並んだ敵の中央の敵目掛け突撃し、両サイドに敵状態で隙だらけになるアホ行動。
神官君のスカラも、爺さんの援護魔法も間に合わず、敵の攻撃を喰らいそうになっている。
…これだから世間知らずは困るんだ!

リュカSIDE END



 
 

 
後書き
シスター・パメラとの間に出来た子の子孫が、実はシスター・フレアだった………なんてどう? 
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