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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
  第3話:血圧の上昇には要注意!

(サントハイム城近郊)
ブライSIDE

ワシの思った通り姫様は直ぐにサランへ向かうことなく、城付近で時間潰しをして居った。
予想外だったのは見知らぬ男と共に居り、そやつと一緒に冒険に出ると言い出した事じゃ。
ワシとクリフトも一片痛い目に遭った方が姫様の為じゃろうと考え、旅に同行するつもりで追っていたのだが、見知らぬ怪しい男が一緒だとは思っても見なかった。

しかも奴は、此方が素性を問うてもヘラヘラ笑いながら『だからイケメンのリュカ君だよぉ~』とはぐらかしまともに答えない!
思わず『何時までもヘラヘラ笑って居らんで、自分の事を喋らんか!これから共に旅するのだぞ!素性を教えるのは当然じゃろが!!』と怒鳴ってしまう。

城内でもワシの怒号は恐れられている…陛下ですらワシに怒鳴られると泣きそうになるのに…
だが、この男はどうだ!?
『あはははは、おじーちゃんそんなに怒っちゃ血圧上がってポックリだゾ!(大爆笑)』

堪忍袋の緒が切れたワシは、リュカ目掛けヒャドを連発する!
だが我が目を疑った…まさか魔法を全て避ける人間が存在するとは思わなかった。
ワシのヒャドを全て避け間合いを詰めたリュカは、ワシの眼前にドラゴンを形取った杖を突き付け微笑んでいる。
しかし目は笑って居らず“敵対するなら容赦はしない!”と語っている…

暫く沈黙が包むと、また爽やかな笑顔に戻り杖を納めてくれた。
助かったのだと安堵の息を吐く…
そして頭を紫のターバンの上から掻きながら、溜息と共に自らの素性を語り出した。
初めからそうしてくれれば助かるのに…

ブライSIDE END



(サントハイム城近郊)
クリフトSIDE

リュカさんの素性は明らかになった…
ただ、とても信じがたい内容であり偽っている可能性も否定出来ない。
私もブライ様も胡散臭そうな表情を浮かべている。

「はぁ~…だから説明するのは嫌だったんだよ!面倒な上、絶対に信じてくれない」
心底辟易した表情でリュカさんはウンザリしている。
しかし此方の疑問はもっともだと思う。

「しかしのぉ…お前の言い分を証明出来ねば…」
「じゃぁさ…お前が突如、3日後の世界に飛ばされたとする。何の予告もなく一方的にだ!そしたらお前はどうやって3日後の世界の人々に、自分は過去から訪れたと証明する!?」
「そ、それは………」

ブライ様の疑いに具体的な例で対抗するリュカさん…確かに証明のしようが無いですね。
しかし、そうなると善悪の判らない者と共に、アリーナ様を旅立たせる訳にはいかないだろう。
私とブライ様は黙って頷き合う。

「別に良いよ…もう信じてくれなくても!」
リュカさんは私達の感情に気付いたのだろう…
不貞腐れた口調で言い放つと、踵を返して我らから遠ざかろうとする。

「ちょっとリュカ、何処に行くのよ!」
「何処って…さっきも言ったが、家族もこの時代に飛ばされてるんだ…みんなを捜して合流しないと。君はお姫様なんだろう?家臣のお二人は、謎多き僕と共に行動する事を快く思ってない。僕もムリに行動を共にする気もないし、一人で旅立つつもりだよ」

どうやら気分を害させてしまった様だ。
スタスタと我々から遠ざかるリュカさん…
しかしアリーナ様は彼の腕を掴み、一人で旅立つのを止めてしまう。

「そんなのダメよ!私より強い男が目の前にいるのに、何も教わることなく『ここでさようなら』なんて許さないわ!ブライ、クリフト…アンタ達がリュカを信用出来ないと思うなら、アンタ達はお城へ帰りなさいよ!アンタ達二人よりリュカ一人の方が頼りになるのだから、リュカと行動を共にする方が安全なのよ!」

アリーナ様はリュカさんが行ってしまうのを必死で止め、私達を睨み付け彼を信用する様に命じてくる。
私としては腹立たしい事この上ない!
幼少よりアリーナ様にお仕えして来ましたが、出会って数時間のリュカさんの方が、私などより格段に信頼されている。

本心としては彼の事を全面的に拒絶したいのだが、そんな事をすればアリーナ様に嫌われてしまう…
そんな悲しい事は避けねばならない。
では、私の取るべき道は…

クリフトSIDE END



(サントハイム城近郊)
リュカSIDE

「アリーナ様が仰るのなら、リュカさんは信用出来るのでしょう!私としましては、頼りになるお方と共に旅する事が出来るのは嬉しい限りです!」
さっきまで俺に対して疑いの目を向けていた神官君がアリーナの我が儘を聞いた途端、手の平を返す様に俺を頼りにしてきた。

コイツ…どうやらアリーナに惚れてるな!
何かティミーに似ているぞ!
からかうと面白そうだなぁ…よし!

「ありがとうアリーナ!僕を信じてくれるのは君だけだよ…家族とはぐれ、心細いのに」
俺は神官君に見せつける様に、アリーナを抱き締め頬擦りをする。家族と離れ離れになってしまった可哀想な男を演じながら…

「リュ、リュカさん!!貴方の事を信じますが、アリーナ様に変な事をしないで下さい!先程も申しましたが、アリーナ様は由緒正しきサントハイム王国の姫君なのですよ!今後、旅立つに際し身分を秘匿していきますが、その当たりをご理解下さい!アリーナ様に不埒な行いは絶対にダメですからね!」

あはははは…顔真っ赤にして怒ってるー!
コイツ…アリーナの事を喰っちゃったら自殺しちゃうかもしれないね(笑)
面白そうだけど可哀想だから手を出さないであげよう…それ程好みじゃ無いからね。
でも、彼女から迫ってきたら遠慮はしないけどね!

リュカSIDE END



 
 

 
後書き
設定年齢
アリーナ:15歳
クリフト:17歳
ブライ:67歳くらい
リュカさんの事は皆さんで計算して下さい。(ビアンカ姉さんと同い年になっているので、公表は控えさせてもらいます。)


因みに次話はリュカさん節大作列!
3/25に更新予定! 
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