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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
  第2話:僕はイケメン中のイケメンです!

(サントハイム城近郊)
アリーナSIDE

「だから、アンタ何者なのよ!」
「うん。だからね、僕はイケメンのリュカ君だよ。よろしくねアリーナ☆」
このリュカと名乗る男は、私の質問に爽やかな笑顔とサムズアップで答え、まともに会話をしようとしない。

「そうじゃないわよ!何処から来たのか聞いてるの!」
サントハイム城が遠くに見える林の中で、私の大声が響き渡る。直ぐにサランへ行っても城の者が先回りをしている可能性があるので、城付近で時間を潰すのが私の作戦だ…しかし、いい加減真面目に答えてほしいわね。

「え~…説明しても理解してくれないよ。それにめんどくさいじゃん!」
「理解出来ないかは、説明されないと判らないでしょ!それにめんどくさいってどういう事よ!?アンタ自分の怪しさを理解してないの!?」

「え~、僕は怪しく無いよ~…こんなイケメン中のイケメンが、怪しい訳ないじゃんか~!」
どういう精神構造をしているのよ!?
イケメンが怪しくないなんて理屈が通る訳ないじゃない!

(ガサガサ!)
私とリュカが問答をしていると、突如『キリキリバッタ』と『スライムベス』が現れ、攻撃を仕掛けてきた!
全く意識してなかった私は、敵の不意打ちに為す術が無い…

だが傷一つ負うことなく、戦闘は終了してしまう…
リュカが…この男が瞬時に反応し、敵全てを一瞬で消滅させてしまったのだ!
目の前で起きた現象なのに、私には何も解らなかった…

あまりにも早いこの男の動き…
間違いなくリュカは強い。
しかも今の私以上に!

「あ、ありがとう…危ないところ、助かったわ!強いのねアナタ…」
「礼には及ばないよ。お礼だったら、先に顔いっぱい貰ったからね!いちご柄パンツは可愛かったよ」
私はお尻を隠す様に覆い、思わず顔が赤くなる。

普段はパンツを見られても気にしないのだが、ワザワザ言われると恥ずかしくなる…
「あ、貴方が何処から来た何者なのかは兎も角…どうやら悪い奴じゃ無いみたいだし…どう、私と一緒に冒険しない?私、もっと強くなりたいのよね!」
恥ずかしさを隠す為、早口で喋り共に行動する事を提案する。

「ん~…それは良いけど…僕の家族を知らない?」
「え、家族?さぁ…家族を捜して旅をしてるの?」
初めて会う私が、リュカの家族を知る訳無い。何故そんな事を聞いてくるのだろうか?

「おっかしいなぁ…一緒にこの時代へ飛ばされてきたのに…はぐれたのかなぁ…」
“この時代に飛ばされてきた”って言った?
どういう意味かしら…別の時代に居たって事かしら?

またリュカの事を聞こうとした時…
「やはりここに居りましたか姫様!」
突如現れたのはブライとクリフトの二人だった…

「ア、アリーナ様…その男の人は誰ですか!?も、もしや…不埒な事をされたのでは…?」
やっべ…めんどくさい二人に見つかったわ!
クリフトの心配げな言葉に、ブライも顰め面をしている…

「僕からは不埒な事などしていない!アリーナから僕の顔にお尻を押し付けてきたけど…僕からじゃない!」
「か、顔にお尻を…!?ア、アリーナ様…そ、その様なイヤラシイ事を…」
「何という破廉恥な行い!ジイは悲しいですぞ!!」

「ちょ、ちょっとリュカ!そんな誤解を招く様な言い方しないでよ!ち、違うのよ!これはアレよ…フタ抗力ってやつよ!!」
「フタ抗力?……姫様…それを言うなら不可抗力でしょう!」
「ぷふっー!アリーナ頭悪~い!」

「ム、ムカツク男ねー!アンタが誤解を呼ぶ様な言い方をするのがいけないんでしょ!」
「誤解を招いた事は僕の所為でも、言葉を知らなかったのはアリーナの所為じゃん(笑)」
くっそー…お腹を抱えて笑いやがって…

「こ、このー!(涙)」
「うぉっとアブネ!」
私は怒りのあまり我を忘れて殴りかかった…しかし渾身の一撃も、何事もなかった様に躱されて笑われ続ける。

その後も私は(リュカ)に攻撃を仕掛けまくる…
しかし掠る事すら出来ず、逆にお尻を撫でられたり、胸を揉まれたりとイヤラシイ反撃を受けプライドをボロボロにされた…

「す、凄い…アリーナ様の攻撃を全て躱すなんて…」
「まったくじゃ…一体何者なんだ?」

アリーナSIDE END



(サントハイム城近郊)
クリフトSIDE

暫くの間リュカさんと呼ばれていた男性と、アリーナ様の戦闘は継続した…戦闘と言ってもアリーナ様が一方的に攻撃を仕掛け、リュカさんが全てを避けセクハラを行うだけの行動なのだが…
それにしても、アリーナ様の胸やお尻を触るなど、けしから羨ましい!

私としてはリュカさんの行為を止めたかったのですが、お二人の動きが凄すぎて止めにはいる事が出来ませんでした。
目で追うのがやっとの動きですから…

流石に疲れたアリーナ様が、肩で息をしながら動きを止める。
しかしリュカさんはにこやかな笑顔を浮かべながら、息一つ切らさずに佇んでいる。
この男性は相当強い!

サントハイム城内でも、一対一でアリーナ様に敵う者は居ない…それでもアリーナ様の楽勝というワケではなく、辛勝というのが実情だろう。
だがリュカさんは、そのアリーナ様相手に余裕を持って対峙している。一体何者なのだろうか?

「あ、あの……アリーナ様、リュカさんが不埒な者でない事は分かりました。しかし一体何者なのですか?その辺りを教えて頂けますか?」
「さぁ?私も知らないわ。ついさっき出会ったばかりだし…リュカも詳しく教えてくれないし…」

早くも息を整えたアリーナ様は、目の前の男性の素性を全く知らない事を平然と語る。
えぇ~!?素性も知らないのに一緒に居るのですか?
思わずブライ様へ視線を向ける…ブライ様も目頭を押さえ、頭を左右に振って困っている。

「あはは、僕はイケメンのリュカ君だよ。よろしくね☆」
リュカさんは自己紹介をすると、爽やかな笑顔でサムズアップする。
世の女性はイチコロの笑顔だろう…
あぁアリーナ様…私では役者不足ですか?

クリフトSIDE END



 
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