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転生者拾いました。

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霧の森
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前書き
霧の森編スタート 

 
 セリナがオレの家で暮らして早くも二週間。お遣い系クエストを多量にこなしついに、セリナのランクがDランクになった。
 そして今日、あるダンジョンにセリナと入る。
 その前にダンジョンの手前にある町で休憩&オレのダンジョン解説。

「さてと、来てから言うのもなんだが「霧の森」は中級ダンジョンだ。セリナみたいな初心者が入るところではない。
 加えて言うならEランクからDランクへ二週間足らずでランクアップすることがおかしい。」
「それはチート持ちだからでしょ?」
「まあ、そうだが。」

 お茶を一口すする。なかなかうまい。レオのお土産に買っていくか。

「で、「霧の森」ってどんなところなの?」
「すぐそこの谷間にあるいつも霧で覆われている深い森なんだ。地球の熱帯雨林より凶悪だ。」
「どう凶悪なの?」
「湿気が多いからカエルとかナメクジとかスライムとかあと巨大な食虫植物がいる。」
「ナメクジ……。」

 ナメクジと聞いてさすがのセリナも引き気味である。女の子だしな。

「あとスライムだがこっちのスライムはかなり手強い。ゲームのスライムと違って完全に不定形で、強力な酸を使う。それにあいつ等は待ち伏せ攻撃をしている。足元には十分気を付けてくれ。」
「わかった。」
「そうそう、あいつ等は斬っても死なないから魔法で攻撃するといい。」
「了解。」
「お待たせしました。」

 おお、来た来た、この町名産の食べ物。蛇の唐揚げ、これが旨いんだよ。

「なにそれ。」
「ダンジョンに入る前の腹拵えだ。精が付くぞ。」
「腹拵えはいいんだけど。精が付くって……。」
「問題でもあるか?」
「問題はないけど。その……。」
「何だ?」
「何でもない。」

 まあいいか。オレは唐揚げを堪能するとするか。
 
「そういえば巨大食虫植物だが、こっちも気をつけろ。触手に捕まったら終わりだ。」
「触手………。」

 セリナはさっきのナメクジ話より引いている様子。
 触手プレイも見てみたいがマンガとかの触手とはまったく違ってパワーがとんでもない。それに触手プレイを楽しむ暇もない。
 だって捕まったら消化器官にポイだもん。意識があるまま消化される。ああ、恐ろしい。

「さてと、腹拵えも済んだことだし。行くか。」
「やっぱり行くの?」

 セリナの顔が少し青い気がした。まああんな話を聞いたら誰だってこうなる。
 勘定を済ませて茶店を出る。

「大丈夫か?」

 セリナの顔色が悪くなっているように見える。

「大丈夫に見える?」
「見えない?」
「だったら帰ろうよ。気持ち悪いよ。」
「ここまで来て帰ろうはないだろ。今のうちに耐性を付けておいたほうが良いと思うぞ。」
「そんなのなくなってもいい。」

 だだをこね出したセリナの腕を掴み強引に森の方へ歩く。

「や~だ~。」
「うるさいな。ちゃんと守ってやるからブーブー言うな。」
「ブーブー。」
「……お前はブタか何かか?」
「ブタでいいもん。ブタは森に行かないもん。だから帰ろうよ。」

 自分をブタと認めるとは。それは女の子としてどうかと思うぞ。
 しかしここまで嫌がるとは。今も地中深くささった杭を引っ張っているようにびくともしない。どれだけ強く踏ん張っているんだよ。よし、こうなったら。

「てい。」
「きゃっ。」

 強く踏ん張っていた彼女の脚を払って体勢を崩させ、掴んでいた腕を思いっきり引っ張り、すぐさまもう片方のオレの腕を彼女の膝裏に回す。
 そうすればお姫様抱っこの出来上がり。

「ちょっと、何するのよ!」
「let's go!」
「きゃぁぁぁっ!?」

 顔を真っ赤に染めじたばたと抵抗するセリナを抱いて霧の森にひた走っていく。
 そして森に着いたときセリナに罵倒されたり殴られたりしたのはまた別のお話。 
 

 
後書き
あれこれ嫌がりながらもしぶしぶカズヤについていくセリナ。
行く先々でグロテスクなモンスターに遭いセリナはもうグロッキー。
そんなとき驚きの事態が起こる。

次回 遭遇 
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