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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第1章:王宮の戦士とヲタ少女
  第11話:帰還と旅立ち

(バトランド城)
ライアンSIDE

私は一人、国王陛下の御前に傅いている。
「ライアンよ…此度の事件、よくぞ解決してくれた。心から礼を言うぞ!」
「ははっ!私一人の力ではございません。ここには居りませんが、共に力を合わせた仲間が居たからでございます」

「うむ、聞いておるよ。……しかし何故ここに居らぬのだ?」
「はっ!陛下の御前に姿を出すなど畏れ多い事と言い、城下で待機しております!」
「うむ…それは残念だ。一目会い礼を言いたかったのだが…」

私の目の前で陛下は残念そうに呟いた。
だが私は嘘を吐いたのだ…いや、正確には半分嘘を吐いた事になるのかな?
と言うのもマリーの事なのだが…

ホイミンは『ボクはモンスターだし、お城に入るわけにはいかないよ。お外で待ってますから、ライアン様だけ王様に会ってきてください』と、殊勝な事を言ってお目通りを辞退したのだ。

だがマリーは『ヤダ…私は行かない!だってめんどくさいじゃない…それに他人に傅くなんて嫌だし…ムカツク態度をされたら思わずフッ飛ばしちゃうかもしれないわよ!?』と、どこまで本気なのか判らない事を言い、お目通りを拒絶したのだ。
現在は戻ってきているアレックス・フレア夫妻の家にお邪魔しているはずだ。

間違っても陛下に彼女の本音を伝えるわけにはいかない…
私もムリにお目見えを勧めたのだ…だが今は後悔している。
あんな本音を暴露されるとは思わなかった。
意外と扱いづらいなぁ…あの娘。

ライアンSIDE END



(バトランド城下町-アレックス夫妻邸)
マリーSIDE

「もう!本当にマリーさんはヒドイんですよ!」
先日の“湖での津波巻き込み事件”の事でホイミン君が何時までも吠えている。
2日も前の事だと言うのにしつこいのぉ~…

私とホイミン君は、ライアンちゃんと行動を共にせず、バトランド城下町にあるアレックスさん夫妻のお宅へお邪魔している。
最初はモンスターのホイミン君を見て夫妻も驚いていたが、私が一緒でしかも問題ないと説得した為、今では和気藹々と今回の冒険談に花を咲かせている。

「何時までもうっさいわね~アンタ…もう済んだ事なんだからいいじゃない!結局みんな無事だったんだからいいじゃない!」
細波の杖でホイミン君の頬(?)をグリグリ突きながら、文句垂れる事を咎める私…

「そうは言いますけど、ボクとライアン様は考えがあって行動に移したんですよ!」
えぇ…筋肉ダルマとゼリー状君に考えなんてあるの!?
勢い良く飛び出せば、何とか向こう岸まで届くんじゃね?的な事は考えとは言わないわよ。

「ボクもライアン様も、普通に飛んだんじゃ対岸まで辿り着けないと判ってたんですよ!でも勢い良く飛び出せば、少しでも対岸近くの水面に落ちるだろうと考えて、助走を付けて飛び出したんです!その間ボクは、少しでも落下速度を抑える事に努めました。あのままいけば、ゆっくりと湖に着水して泳いで皆さんと合流する予定だったんです!」
本当かしら?その割には落下スピードが早かった様に見えたけど…

「それなのに真下でイオナズンを炸裂させるなんて…お陰で津波に巻き込まれ、揉みくちゃにされた挙げ句、新たに出来たクレーターの湖で浮かんでたんですよ!死ぬかと思いましたよ!」
二人がクレーター湖で浮かんでた時は、『あ、死んだか?』と思ったわよ(笑)

「何笑ってるんですか!?こっちは大変だったんですからね!クレーターが無かったら、地面に激突ですよ!大惨事ですよ!!」
「私はそれを計算に入れてクレーターを作っておいたのよ。私の努力も認めてほしいわね」

「絶対ウソだ!マリーさん、脇目も振らずに逃げてたじゃないですか!アレが計算ずくの人の行動ですか!?」
ちっ!しっかり私の動きを把握してるんじゃないわよ!
何かお兄ちゃんソックリねコイツ…
真面目でクレーマーで………

「ま、まぁまぁ…ともかくも皆さんが無事で良かったですよ。子供達も無事お家に帰れたのでしょう?みんな喜んだ事でしょう」
フレアさんがホイミン君を宥める様に撫でる…巨乳が左右にプルンプルン揺れ、ホイミンくんの頭(?)もプルンプルン揺れる。
ふん!私だって大きさじゃ負けてないからね!


暫くの間、会話をしたり揺らしたりしてると、ライアンちゃんが王宮から戻って参りました。
「遅くなって済まんなマリー、ホイミン。陛下から旅立ちの許可を得てきたぞ…尤も“まだ幼い勇者を見つけだし守る旅”と称してだがな…」

私としては理由など何でも良い。
早くマイダーリンに合流して、私以外の女に目が向かない様に取り締まらないと…
あぁ神様…どうか彼が第3章に飛ばされております様に……あ、神様にお願いしても役に立たないんだった!そもそもの原因が女神(ルビス)だったし…

「マリー…そんなに不安そうな顔をするな。直ぐにご家族と再会できるよう、私も尽力するから!ほら…陛下が褒美にとくれた物だ。“エンドール迄の乗船券”だぞ!最も繁栄している王国の首都であるエンドールだ。何らかの情報を得られるだろうて」

そうね…少しでも早く向かって、エンドールの武術大会が終了する前に辿り着かないと!
そうすればアリーナ姫一行と鉢合わせ出来るかもしれない…

マリーSIDE END



こうして王宮の戦士ライアンと心優しきモンスター・ホイミン…プラスαで異時代の少女マリー達の冒険が始まった。
あのトラブルメーカーの愛娘が、ライアン達の冒険にどの様な影響を及ぼすのかは、誰にも分からないだろう…

ただ…
ライアン・ホイミン両名には同情の念を禁じ得ない!



第1章:王宮の戦士とヲタ少女 完



 
 

 
後書き
ライアンとホイミンは、この場に現れたのがポピーでない事を感謝すべきだと思う。 
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