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赤髪の刀使い

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購入

「第一層ボス攻略終わったみたいよ。
指揮を取っていたディアベルさんがボスの刀スキルを見誤って死亡したみたいだけど…」

はい?
俺はボス攻略の夕方に、アルゴからボスでの話を聞いた。
俺は剣の耐久値が危なかったからボス部屋から先に脱出したが、あの後になにがあったのだろうか。

「さぁ?まだ調べてないからねぇ…」

アルゴと俺、リズはベッドに腰掛けながらアルゴからの話を聞いている。
この中で一番の情報収集能力を持っているのはアルゴなのだから仕方ないだろう。

「さて…刀を買いにいくカ
案内するゾ」

アルゴはベッドから立ち上がり、フードをかぶると、部屋から出て行く。
俺達も続く。









「ここか?」

俺が目の前にある建物を指差しながらアルゴに聞く。

「あァ」

アルゴは建物の中に入っていく。

「なんというか…すごいわね」

リズが目の前の建物を見ながら言う。

「あぁ…
第二層でこんな建物があるなんてな」

俺達の目の前には武家屋敷を彷彿とさせるような木造建築物が建っていた。







「小太刀…日本刀…野太刀…脇差なんかもあるのか」

俺は建物の中にはいり、飾られている刀類を見ている。
刀の他にもどこかの武将をイメージしたかのような武具も売っているが、俺はそういうのはいらない。

「おぉあった…」

俺が探していたのは大太刀だ。
目の前には大太刀が数本ならんでいる。
そういやよく俺はこんな大太刀を振り回してたよな…
今考えれば俺の身長の半分はあるじゃねぇか…
使えるのか…?今の俺に…

「すいませーん。
試し斬りって出来ますかー?」

俺は店主NPCに聞いてみると試し斬りしてもいいそうなので、軽く握り…振り回してみる。
問題なく俺は振るえている。
ゲームの中だからってわけではなく現実での経験だろうか…
実際俺が剣術をやっていたということを知らないアルゴは目を見開いて見ている。

(ちょっとやってみるか…)

俺はソードスキルを発動させて素振りを行う。

(やっぱりラグと硬直が邪魔だ)

「な、ななな何それ!?
てかなんで身長の半分もあるやつを自在に操れるのよ!」

「ユウは現実じゃ剣術習ってて、免許皆伝されてたんだっけ?」

あーそんなこともあったな…
俺はまだマシンガンの飽和状態は防げないからそんなのいらないって言ったのだが…
押し付けられた。

「うし。これにするか。
これくださーい」

俺は手に持った刀をこのために貯めていたコルを使い購入する。
思ったより安かったためかまだまだコルに余裕がある。

「適当に狩るかぁー」

「私はちょっと情報を集めてくるわ。
宿で合いましょう」

そういってアルゴは走り去っていった。

「どうする?」

リズは俺に付いてくるか?

「うん!」

最近リズにようやく笑顔が戻ってきた感じだ。
無理した笑顔ではなく自然とあふれるような笑顔が。






「ふっ」

俺は小さめのゴブリンに向かって大太刀を振り下ろす。
大太刀自体の攻撃力もさることながら、耐久値はアルゴが言うほど減らない。
むしろ今まで使っていた剣よりも長持ちしそうな感じだ。
俺はちょっと思うことがあり、刃の角度を少しだけ変え、斬撃を繰り出してみる。
現実でこの刃の角度で獲物の当てると刃こぼれは確実な角度だ。

「む…」

「どうしたのよ?」

リズがメイスでゴブリンをぶっ叩きポリゴンに変えてこっちに来た。

「いやな…アルゴの言ってた耐久値の減りが早いって言うのは刃の角度の問題だったんだなって」

「へ?どういうこと?」

「刀ってな、西洋剣みたいに鎧の上からぶった斬るって奴じゃなくて的確に鎧の隙間に入れて斬るって感じなんだよ」

「ほー」

「だから、刃は細いし、切れ味重視なんだ。
でもその刃の角度がずれると刀は刃こぼれを起こしやすいって言う欠点がある」

その欠点がこのSAOのシステムにも採用されているみたいなんだよ…

俺は持っている大太刀の耐久値の減りからそう推測する。
ゲームの中だからか刃こぼれはないが、耐久値が減るみたいだ。

「じゃぁ…アルゴが言ってた耐久値の減りが早いっていうのは…」

「素人が急に刀を持って刃こぼれをしないように振るなんてまず無理なんだよ」

その分、剣なら頑丈だし、刃こぼれなんて気にせずに鎧ごとぶった斬れるから耐久値の減る条件が甘いんだろうさ。







最前線は今5層。
俺は最近はマッピングにはソロで参加するが、ボス攻略には出ていない。
どうにも最近ボス攻略はギルドが主体となっており、ソロでは入りにくいのだ。
何があったかはよく分からないが、キリトが《ビーター》といわれて悪名高くなっているし、ボス攻略に行くとなにかいちゃもんが付けられそうで行きたくない。
ソードスキルを俺は使わないし、ダメージディーラーにもなれないからいなくても関係はないだろう。
その分、俺はボス部屋までのマッピングを早めにすませて、アルゴにマップを広めてもらっていたりする。
迷宮区でのマッピングの早さはモンスターを見つけたら即倒し、連続で瞬動を使って高速機動をすることで早くて一日でボス部屋までたどり着ける。
グループはたまにアルゴと組んで迷宮区に入るがアルゴは完全なる敏捷値極ビルドなため、俺が瞬動を使うと置いていかれるが、使わなかったらたまに俺が瞬動を使わないと付いていけないほどの速度で走り抜ける。
俺のステータスは筋力6割の敏捷値4割だ。
別に敏捷値を振らなくても瞬動があるからいいのだが、敏捷値をあげると瞬動の速度もあがったため、一応振っている。




「うーしっ!
始めるわよ!」

俺はリズに付き合って街の共同鍛冶屋に来ている。
第一層でリズが鍛冶屋になるといったスキル上げのためだ。
周りには鍛冶屋になろうと思っている人たちが数人おり、ハンマーを打ち付けている。
この中でも女子はリズだけだ───まぁ外見的には俺も女子だが───

まずは迷宮区のダンジョンで拾ってきた鉄鋼石を炉に放り込む。

「まずはアルゴに頼まれた投剣ね」

とりあえず自分たちの武器のメンテナンスが出来る程度にはスキル値をあげておく必要があるだろう。
回収しなければ消耗品の投剣はスキル値あげにもってこいの代物だろう。
製作コストも安いし。

リズが十分に赤くなった鉄鋼石を炉から矢床(やっとこ)を使って金床(かなとこ)まで持ってくると作るものを指定し、ハンマーを振るう。
リズのハンマーを叩く音が響き出すと共同鍛冶屋にいた人たちが静まり返る。
それがここの暗黙のルールであるのだろうか。

規定回数振り終わると鉄鋼石が変形をしだし、NPCの売る投剣よりもまともな投剣が出来上がった。

「うん?」

俺が知る限りリズの鍛冶スキルの熟練度はNPCと同等のランクの物しか作れないはず…

「うーん…いまいち」

いや…リズさんや…?
十分いいと思うのですが…

「もしかして私が前、来たときよりもスキル値をあげてないとでも思ってたわけ?」

も、もしかして一人でここに来てスキル値あげてたり…

「あたりまえじゃない。
ユウ達が迷宮区に入ってる間、私暇なんだもん」

材料は…どこから…?


「それは…みんなさーん。
ありがとうございまーす」

リズは急に回りにいた人たちに声を張り上げる。

「いやいやこっちもいいものを見れたし、こっちこそ感謝しなきゃな」

数人の男たちが笑い出す。

「そうだ。そうだ。
こんな美少女の驚いた顔なんて見ることなんてもうないだろうからな」

まるで皆、いたずらが成功した子供のような顔をして笑っている。

「へ?」

俺はあまり状況がよく分からない。

「おっちゃんたちが鉄鋼石くれるからスキル上げがはかどったのよ。
アルゴも協力してくれたしね」

おっちゃんたちは気前がいいんだな…
今だってリズに向かってサムズアップや、ブイサインを出しているし。








リズside

私がここに来だしたのは1ヶ月前かな?
初めは怖かったからユウを護衛として連れてきたんだけど皆気さくでいい人たちばかりだったからユウ達が迷宮区に行ったときに一人で来てスキル値をあげてたんだけど。
流石に素材はユウに取ってきてもらわないとないし…で、前来たときの残ってた素材でスキル値をあげてたんだけど。

周りの人たちから「なんで鍛冶スキルを?」って聞かれたから正直に「友達の武器のメンテナンスをしてあげたい」って答えたら皆が、余った鉄鋼石をくれるようになった。

最初は私は遠慮してたんだけど、皆は私に押し付けてきたの。
理由を聞いたら「スキル値あげてその友達驚かしてあげようぜ!」っていう子供らしい理由だった…
まぁ私はそれに賛同してスキル値をあげてたんだけどね。

おかげでこの共同鍛冶屋の中で中堅ぐらいのスキル値を誇っているし、ようやく料理スキルを取ったから作れるようになったお弁当を皆に振る舞ったりしてたら急に一人の男性がアルゴから渡してくれって言われたと大量の鉄鋼石を持ち出してきた。
一緒に渡された手紙には『自由につかってくレ』という文章とアルゴのトレードマークが描かれていた。
相変わらずどこから仕入れるのか分からない情報だけど、こんなに鉄鋼石を持ってきて大丈夫なのかという位鉄鋼石があった。
ここにいる皆で使っても一週間はかかるくらいの量だったって言えば分かるかしら。
まぁそれ位、頑張ってスキル値をあげたおかげか、まだ成功率は高くないが、オリジナルの武器も作製可能になった。
まだ作ってないけど刀のレシピもアルゴがくれたからユウの刀を作ってあげなくちゃ。


リズsideout


 
 

 
後書き
たまに全角と半角が混じっている気がしますが…気にしないで下さい。
気分で変えてますので。
 
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