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ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~

作者:蕾姫
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新たな物語へ

 
前書き
現実、幻想、過去、未来

交錯する

銃弾に思いを乗せて……



というわけでGGO編。この小説のメインとも言っても過言ではない銃と硝煙の世界ガンゲイル・オンライン。始まります! 

 
「ふむ……」

俺は窓の下でイチャイチャしているバカップル(本人たちが聞けば全力で否定するだろうが)を見ながら目の前にあるラーメンをすすった。……微妙な味だな

ぼーっと見ながらラーメンを胃の中へ放り込んでいると目の前でズズッという音が発生したためそちらに目を向ける

「おい……汚いぞ」

「うるさいわよ」

ピシャリと一瞬で切られる。……うるさいのはそっちだと思うがな

「そうですよ。リズ……里香さん、もうちょっと静かに飲んでくださいよ」

俺の向かいの席のもう一人の少女が俺に援護射撃。すると、うだーといった感じでリズ……篠崎里香はため息をつきながら言った

「だってさぁ……あー、キリトの奴、あんなにくっついて……」

「まあ、恋人同士だからな。あいつら」

再び窓からバカップル……キリトとアスナを見下ろす。……あのハンバーガーうまそうだな

「けしからんなあもう、学校であんな……」

「嫉妬か、リズ?」

ニヤニヤ笑いながら里香に言うと案の定顔をしかめるが何も言わない。言い方が違うか。図星だから何も言えないのだろう

「はぁ……」

一つため息をつくと里香は再び外を見始めた。その向かいではシリカ……綾野珪子が目の前に置かれたエビピラフを口にはぐはぐと食べ始めた。小動物みたいで実に癒されるのだが、彼女もキリトを奪おうとしている肉食系女子なのである

「なんか今失礼なことを考えませんでした?リンさん」

女の勘か知らんが図星である

「肉食系女子」

正直に答えると珪子だけでなく里香までもがむせた

「ゴホッゴホッ……あーあ……こんなことなら《一ヶ月休戦協定》なんて結ぶんじゃなかったなあ」

俺の言葉を否定せずに強引に話を変える里香。……認めるんだな

「リズさんが言い出したんじゃないですか!一ヶ月だけあの二人にらぶらぶさせてあげよう、なんて……甘いんですよまったく」

珪子も食い付く。どっちもわかりやすいねぇ

「うし……じゃあ俺は行くわ。ときにシリカよ。頬にご飯つぶついてるから取っとけよ」

そう言って完食したラーメンの器を載せたトレイを持ち、席を立つ。ガールズトークに男があまり参加するべきではないからな。手遅れな感はあるが

完全に余談ではあるがこの学校はネット用語でSAO生還者である学生のために作られたらしい。アスナもそうだが、俺も名前とプレイヤーネームが同じである。……俺にも二つ名がつきました。"黒き導き手"……厨二全開な名前である。事あるごとにそう呼んでくるため、正直疲れる。悪意がないから尚更質が悪い

俺はそう考えてため息をついた

「ため息ついてると幸せが逃げるぜ?"黒き導き手"さんよ」

「てめぇ、わざとだろ」

話しかけてきたのは俺の数少ない友達の一人。正直やかましい。プレイヤーネームは確か"朱雀"だった気がする

「そんなことはねぇよ。それよりも、校門で姫様がお待ちだぜ?」


今日は半日だということを言ってあったのでそろそろ来るとは思ってたが、早いな

「そうか。じゃあ、俺は帰る」

「くそう……お前といい"黒の剣士"といい、彼女がいて羨ましいなぁ」

カバンを持ち直し恨み言を言っている朱雀の隣を通り抜け校門へ向かう








「あれ?」

校門に行ったが姫様……詩乃の姿が見えない。朱雀は嘘をつくような性格じゃねぇしな

「あんたが朝田サンの彼氏?」

「ん?」

横から見知らぬ女が声をかけてきた

突然だが、俺を初めとするアインクラッド攻略組は悪意には敏感だ。敏感にならざるを得なかったというべきだろうか。そうしなければ簡単にPKされてしまうからな

そして、今この女から発っせられている悪意。それに軽く身構えてしまう

「へぇ……なかなかいい男じゃないか」

初対面の俺に悪意を向ける相手は限られる。この女は見覚えがない。つまり

「詩乃はどうした?」

詩乃関連だと判断した。彼女は正当防衛とはいえ人をあやめている

「朝田サンはちょっとあそこの路地でうちらと遊んでるよ」

後ろにある細い路地を指差して濁った笑みを見せる女。こんな表情はソードアート・オンラインでよく見てきた、暴力に酔った者の笑み

「っ!!」

その女の脇を一気に走りぬけその路地に走る。そこにはモデルガンを突き付けられている詩乃が

「貴様ら……」

拳を強く握りしめ、その女たちをにらみつける。後ろに一人。詩乃の側に二人

「友達だから金貸してもらおうと思ってたんだけど朝田サン。全く持って無くてね。だから彼氏さん。代わりに貸してくれないかなぁ?」

限界だった

「友達っていうのはな……」

踏み込みから一瞬でトップスピードへもっていく。素人には消えて見えたはずだ

「苦しみも悲しみも嬉しさも分かち合える奴のことをいうんだよ」

詩乃を抱えて路地のさらに奥へ。震えてる詩乃を抱き締めて頭をなでる

「てめぇらみたいなやつ。友達とは言わねぇ。二度と言うんじゃねぇよ」

女たちは一つ舌打ちして

「……またね、朝田サン」

そう言って帰って行った

「燐……」

「大丈夫。今度こんなことがあったらすぐ呼べ。絶対に守ってやる」

「うん……」

「はぁ……胸糞悪いな……」

「ごめん……」

「なんで詩乃が謝るんだよ」

「私が弱いから……だから」

いつになく詩乃は弱気だな

「だから……あの世界で……卒業するんだ……弱い自分から」

あの世界。推察するにMMOか。だがな、詩乃。あの世界で偽りの強さを得られたところで根幹の強さは得られないぞ?

「ん?」

突如電話が鳴り響く。それはキリトからの電話。その時は気付かなかったが

これが詩乃を救うため

銃と硝煙の世界へ誘う一つの始まり

さあ、行こう。GGOへと
 
 

 
後書き
蕾姫「ぶっちゃけ、とある直伝の男女平等パンチをやってもよかったんだがなぁ」

リン「詩乃の安全を確保する方が大切だろ?」

蕾姫「始まりましたGGO編!」

リン「ふむ……俺の武器は決まってるんだろうな?」

蕾姫「……」

リン「決まってないんかい!!」

蕾姫「候補は二つあるんだがな……」

ちなみに

この小説の詩乃に合うな、と思った曲はfripsideのmeditationsです。……合ってるよね?

では次回!
 
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