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ガールズ&パンツァー もう一人の転校生

作者:stk
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梨華の激怒。

「もしもし。」
私は部屋に設置してある電話を恐る恐る手に取った。
何故なら部屋の電話にかかってくるなんて始めてだったからである。
『梨華。少し話があるのだが良いか?』
なんでまたまほさんから電話がかかってくるのか分からなかった。
それにしても西住流の人たちがここまで抵抗しないのもなんか可笑しいかも。
「何のようですか?」
『我が校が大狩流派祭に参加できていないのは知っているな。だから少しでも試合をするための相手を探している。そこで練習試合をしてくれないか。』
黒森峰と練習試合か。
確かにいい練習にはなるけど時間が予選トーナメントと決勝トーナメントの間の二週間しかないし。
そのうち一週間は決勝トーナメント進出校合同練習がある。
それに私だけで決めるのも悪いような気がするからここは、
「みほに聞いてみてください。」
みほに任せるのが得策。
『みほには聞いた。みほは良いと言っている。私は梨華の意見が聞きたい。』
流石まほさん、行動が早い。
みほも良いといったところだし私も賛同するかな。
「分かりました。日程は追って連絡します。」
『ありがとう。それでは失礼。』
電話は切られた。
私は西住流が抵抗しない理由を聞こうと思ったのに。
察せられたかな。
私はテレビをつけると二回戦の結果が発表されていた。
『戦車道大狩流派祭予選トーナメント二回戦突破高校は次の通りです。大洗女子学園、修善寺女子高校、鎌倉歴史高校、青葉女学園、多治見大付属高校、九州中央高校、アンツィオ高校、鹿島女子学園の八校です。この八校は決勝トーナメント進出が決定です。』
「それにしても三回戦か。因縁なのかな?」
三回戦は修善寺女子高とあたる。
前回の練習試合を見ている限り勝敗は明らか。
「もなか。明日の試合だけは解放してあげる。」
私の前にいるもなかに言った。
もなかはなんか嫌そうな顔をしていた。
「嬉しくないの?」
「うん。今の私は梨華によって大狩流を叩き込まれた存在。そんな私が戻ったところで謝った指揮をしてしまうだけ。それなら出ないほうが良いです。」
確かに大狩流の戦い方を徹底的に叩き込んだ。
でも私たち流派が大切にしている流儀の戦闘方法をそう簡単に忘れるわけがない。
どうしたのかな?
「まさか戦車に乗っていなかったから自分達の戦い方を忘れたの?」
「うん。」
「第二継承者として不味くない。」
「そう思っているなら変なことを叩き込まないでよ。」
あれ?
私も悪いのかな?
でけど、
「私は思うんだけどね、指揮能力が低下しても仲間なら帰ってきてほしいと思うよ。だってそれが仲間だから。」
仲間が帰ってきてほしくないなんて人がいたのであればそいつはクズでしょう。
仲間なら仲間の事を一番に考えないと。
「ありがとう。でも受け入れられなかったら私はどうすればいいの?」
もなかは不安が大きいようであれだけでは納得がいかなかったようなので私は、
「その時は私のところに来れば良い。だって友達でしょ。その時は一緒に戦車道やろう。」
これなら大丈夫だろう。
もう心配なんてないはず。
白河の航空科に連絡してヘリを出してもらわないと。
試合は明日のお昼からだから朝で良いよね。
「明日に備えてもう寝よっか。」
もうすぐで12時になる。
何時もなんでこんなに遅くなるのかな?
私の時間調節可笑しいのかな。
「可笑しいのですよ。それではお休みなさい。」
あれ?
なんでバレたのかな。
口に出てなかったような。
まあ良いか。
私も寝よ。
「お休み。」


翌日
大洗の学園艦のある広い野原にヘリを持ってきてもらい、もなかを送った。
試合で会うだろうし心配はいらないと思う。
私も戦車の整備をしないといけないからそろそろ行こ。
「梨華。ありがとう。」
もなかは私にお礼を述べてくるがどうしてか分からなかった。
でも手を振った。
これが一番良いと考えて。

その後、戦車の整備程なくして終わった。
私たちの戦車に異常は見られなかった。
もちろん日頃から手入れをしているから当然なのだが。
「梨華はしてないでしょ。」
絵里にもバレた。
私って考えていること分かりやすいのかな。
それはともかく整備は終わって会場に移動しているの。
いつ来ても海の上とは考えられない大都会。
よく援助なくこんなの作れたよね。
恐るべし夏村未来。
「此処から出ていけよ。もういらないから。」
外から声が聞こえたから見てみると蹴られて追い出されるもなかの姿があった。
りかにとってそれは見るに絶えない光景だった。
「さやね。戦車止めて。」
私は戦車を止めて貰ってもなかの救助に向かった。
もなかを蹴っていたのは同じ修善寺女子高のメンバー。
「あなたたち何をしているの。」
私は彼女達に聞いた。
私だって分かっているけど一様確認のために。
「なにあんた。他校の問題に首突っ込まないでくれる。大洗のくせに。」
「そうそう。それにこいつだって大洗に負けた負け犬。こいつはもういらないのよ。」
なんだろう、無性にいらっとくる。
こんなのも私たちが支援している学校だなんて信じられない。
「でも仲間でしょ。」
「もう仲間じゃないよこんなやつ。欲しいならやるよ。」
もなかを蹴って私の方によこした。
なにかが私の中で切れた。
「もなか。中に入って。」
そして私は今までの状況をもなかに聞いた。
そしてもなかは仲間たちによって追い出されたこと。
庇ってくれる人がいなかった事がわかった。
「もなかははやの戦車で通信手をしてくれる。」
私はもなかにはやのサポートをするように頼んだ。
そんな私にもなかは、
「いいの?」
と疑問をよせた。
「良いもなにも約束したじゃない。一緒に戦車道をやろう。って。」
「ありがとう、梨華。」
私に抱きついてくるもなか。
それにしても許せない。
「みほ。今日は単独で行動するから。ごめん。」
『気にしないで。斉藤さんの気持ちを思っての行動なんでしょ。』
みほは本当に人がいい。
『私は挨拶にいってくるから。』
私は修善寺女子高の連中と顔を会わせたく無かったから行かなかった。
そして通信越しに、
『お願いします。』
と両校の挨拶が聞こえた。
「全員。修善寺女子高を徹底的にぶっ潰すよ。」
「「「「了解。」」」」
私が乗る戦車の仲間の気持ちが一つになった。
『試合開始。』
審判から顔祖が告げられた。 
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