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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜

作者:カエサル
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BFO編ーダブルファイター編ー
  41.気の持つ限り!

 
前書き
第41話投稿!!!

ボロボロの体でスグを助けに向かうシュウ。
シュウを助けるレイナ。

BFO編完結!! 

 


「きゃ!離して!離して!」

「騒ぐんじゃねぇよ」

右手に握られ鋭く尖る、ダガーナイフをあたしの首に突き立てる。

「まぁ、騒いだところで助けは来ないがな。ハハハハハッ!!」

恐怖で指一本さえ動かすことが出来ない。

(お願い......助けて......集也くん......)

心の中で何度も何度も叫ぶ。恐怖を圧し殺して何度も何度も........

「それじゃあ.......」

立凪が獲物を狩るような笑みを浮かべ、あたしに上に乗りダガーナイフを首から胸へと降ろしていき、そのまま服を引き裂く。

「ハハハハハッ!!どうだぁ〜......」

もうダメだ.....と思ったその時、ものすごい破壊音とともに扉が破壊される。

「なっ!なんだ!」

涙でかすむ視界に映るバイクその上にまたがる二つ人影。かすむ視界でもその姿を確認することは出来た。

「集也くん!!」




『レイナさん、シュウさん、その倉庫です!』

レイナのバイクに乗りユイのナビゲーションでスグが囚われている倉庫へとついに到着した。見る限りかなり大きめの倉庫。

「レイナ、ありがとう!」

俺がバイクを降りようと心配そうな声でレイナがいう。

「待って!そのケガで行くの!?」

確かに俺の体は、壁に激突した衝撃でボロボロだ。下手したら骨にヒビが入っていてもおかしくないレベルのケガだ。

「それでも行かなきゃ......スグを助けなきゃ.......」

「わかった.......それならあたしも協力するよ。早く乗って!」

「い、いや......助けに行くんだぞ。なんでもう一回乗るんだよ」

「普通に考えて倉庫のシャッターが開くわけないじゃん!ささ、乗って!」

(言っている意味がわからない)

だが、時間がない。レイナの言いたいことはわからないが、とりあえずレイナに任せてみよう。

再びレイナのバイクに乗る。

「それじゃあ、しっかり掴まっててね」

こちらをレイナが見たと思うと急激にバイクのスピードを上げる。そしてさらにスピードを上げる。

「ま、まさか.......」

バイクはさらにスピードをあげて倉庫のシャッターへ一直線に突っ込む。途轍もない破壊音とともにシャッターが壊れ、倉庫の中へと侵入する。バイクは倉庫の中央区あたりまで行き止まる。

「れ、レイナ.......一応俺、ケガ人だぞ」

「シュウなら大丈夫だよ.....」

ヘルメットを取ると倉庫の奥地で手足を縛られ上半身の服を切り裂かれ地面に倒れるスグとその上に乗る大柄の男......ルート。

「集也くん!!」

「スグ!!」

俺はヘルメットを投げ捨て、スグの元へと駆け出した。痛む体を無理やり動かし、駆け出す。

「うおぉぉぉ!!」

「バカめ!俺が一人でいると思ってるのか!テメェら出て来い!!」

ルートの叫び声とともに倉庫のそこらじゅうからバットを持った、いかにも不良という人物がたちが現れる。

「クッソ......」

「シュウ!!」

レイナが俺の名前を叫び俺の元まで駆けてくる。

「一人じゃ無理だよ。この人数は」

「でも.....レイナを巻き込むわけには.....」

「もう巻き込まれてるし、そんなフラフラのシュウをほっておくわけにはいかないよ」

レイナはこちらを見てウインクをし不良たちの方に顔を向ける。

「たく......。現実でも.....そんな性格かよ.....」

俺とレイナは背中合わせとなり不良たちに視線を向ける。

「テメェら!!殺っちまえ!!」

大量の不良たちの叫び声で俺とレイナも同時に床を踏み込む。

「うおぉぉぉ!!」

一番近くにいた不良の首元に一発手刀を叩き込み気絶させ、持っていたバットを奪いとる。そしてバットを右手で握りしめ片手剣のように振るう。

「邪魔だぁぁ!!」

バットで次々と不良たちをなぎ倒す.........が、体が急に悲鳴をあげだす。ルートの重力操作を受けたように体が急激に重くなり、その場でよろける。

「集也くん!!」

「シュウ!!」

二人の声が耳に響くが体が動かない。

(それでも......動かすんだ.....無理にでも......!!)

「うおぉぉぉっ!!」

雄叫びで体の痛みを消し去り、バットを横になぎ払う。

片手剣単発《ホリゾンタル》
もうほとんどの不良は倒した。残るは、五人程度だ。だが、その五人はいまにも戦意を失い今にも逃げ出しそうな感じだ。

「.........失せろ」

奴らを睨みつけると、ひぃ!と、いう声をあげ五人の不良はバットを投げ捨て倉庫から逃げ出す。

残るは........ルートただ一人。

「お、お前は......お前は、何なんだ!!」

ルートがダガーナイフを手に持ち、俺に向かい突進してくる。
もう避ける力さえも残っていない.........

鈍い音が倉庫に響く。腹部に激痛が走る。遠のく意識が腹部の激痛でこの世界に俺の意識をとどまらせる。
ダガーナイフが俺の腹部に突き刺さりそこから止めどなく生温かい液体が流れでる。

「あ、あぁ.....お、お前が....お前が悪いんだ......お前が!!」

その声は震え上がり、ナイフから手を離し、後ろに下がっていく。

「集也くん!!」

「シュウ!!」

さっきは遠のく意識を無理やりでも戻しておいて今は、意識がいつ切れてもおかしくないくらいだ。
腹部から流れ出る真っ赤な液体。下には血が水たまりになろうとしていた。

俺は激痛に耐えながら腹部に突き刺さるナイフを抜き、右手で握りしめる。そして後ろに下がっていくルートへ向けてゆっくりと俺は歩み寄る。

「や、やめろ!!く、来るな!!」

さらに逃げようとするルートとの距離を痛みに堪え一気に詰める。やつの髪を掴みそのまま顔面を地面へと叩きつける。

「グッハ!!」

「はぁ......はぁ......はぁ......殺す!」

髪を掴み上げもう一度地面に叩きつける。無理やりルートの体を仰向けにし、首もとにダガーナイフを突き立てる。顔面は地面に二度叩きつけられたせいで鼻と口から血を流している。

「ひぃ.....や、やめてくれ.....お、俺が悪かった......もう二度とお前たちにも近づかない.....だから......」

もう言葉も聞こえない。思考も回らない。こいつを殺すことしか考えれない。

「殺す......殺す.....殺す.....殺す!!」

ダガーナイフが首に触れた瞬間、ルートの絶叫が響く。

「アツヤ、ダメ!!」

誰かの声が鼓膜を震わせる。その言葉が誰が言ったのか一瞬わからなくなったが俺を制止させる。

もう意識がいつまで持つかわからない。ほとんど無意識に動きながら手足を縛られたままのスグの元へとフラフラの足で歩む。そして手足のロープを切る。スグは俺の体を抱きしめる。

「スグ......ゴメンな......怖い目に合わせて......」

「ううん、信じてたから。助けに来てくれるって.....信じてたから」

(もう、無理っぽいな.......)

「あとは......頼んだ....よ......スグ.......レイ....な」

そのまま俺の意識を失っていった。




目を開けるとそこには、見慣れない天井が映る。その光景は二年前に見たあの光景だ。

「そっか......あのまま」

俺はあのまま気を失ったようでそのまま病院に運ばれたようだ。上半身を起こすと俺のベットの縁で腕をまくらにして寝ているスグ。

「まさか....ずーっと」

「ん?......集也.......くん?」

「ゴメン、起こしちゃった」

「集也くん!!」

スグが急に俺に抱きついてくる。

「す、スグ!?」

「心配したんだよ!集也くん、二日間ずっと起きないし!このまま目覚めないんじゃないかと思ったんだよ!」

「ゴメンな、スグ。心配させて.....」




俺は目覚めた次の日に退院することが出来た。眠っている間にある程度のケガは治ったようで治ってないのは腹部のケガくらいだから大丈夫であろうという医師の判断だ。運がいいのか、壁に激突した時に打撲ぐらいのしかしておらず、まさに奇跡としか言いようがない。

あとでスグに聞いた話だがあのあと警察が来てルート.....立凪及び不良たちは警察に連行され、立凪は現在少年刑務所に監獄されているらしい。

まぁ、念のために本日は学校が休みで現在は、外を散歩中。

「ふぅ〜、いろいろとあったな」

これまでの出来事を振り返るが基本的に事件しか起きてないような気がするな。SAOに囚われ、ALOではアスナが囚われたのを救い、BFOでは決闘をし、最終的に現実世界で戦って.........俺の人生って......

すると後ろからバイクの音がし、振り向くと見覚えのあるバイクが俺の前で止まる。

「ヤッホー、シュウ!」

バイクにまたがる人がヘルメットを外すと茶髪のポニーテールの少女の顔が見える。

「今日もテンション高いな、レイナ」

「そうかな?」

レイナはバイクから降り、俺の近くまで来て俺の体を上から下へと見る。

「な、なんだよ」

「いや、元気そうだからさ。良かったと思ってね」

「そうだ、レイナ。この前はありがと。お前が俺を病院まで運んでくれたんだろ」

「べ、別にいいよ。当然のことだし」

レイナは、頬を赤らめ俺から目を逸らす。

「そうだ!」

レイナは何かを思いついたように再び俺と目を合わせる。

「そういえばまだ自己紹介してなかったね」

「そういや、そうだったな」

少し咳払いをして、レイナが口を開く。

「中井玲那です。高校三年生の十八歳です。よろしく」

レイナ.....玲那が手を伸ばす。

「如月集也です。高校二年の十六歳です。よろしく」

伸ばされた玲那の手を握りしめた。でも、なんか違和感を感じるな.......

「握手よりも俺たちはコレの方が......」

そう言って俺は拳を突き出す。
玲那も笑顔で、

「そうだね」

そう言って、玲那と拳をぶつけ合った。 
 

 
後書き
BFO編完結!!

次回からは閑話を少将挟んだ後、GGO編に突入します。 
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