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ドラゴンシティ

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第三章

「まさに山海の珍味が」
「あれっ、食べ物は多いんですか」
「それはあるんですか」
「食べきれない位に」 
 あるというのだ。尚ドラゴンはその誇り故に決して嘘を言わない生き物でもある。
「あります。だからどうでしょうか」
「取って食う訳じゃないんだな」
「そうみたいだな」
「ドラゴンは怖くても嘘は言わないからな」
「それは絶対にないからな」
「じゃあここはな」
「行ってもいいか?」
「安全かもな」
 こうした話をする彼等に対してサラマンダーはまた言ってきた。
「決められたらお邪魔して下さい。待ってますから」
「はあ。そうですか」
「お待ちしていますか」
「楽しくやりましょう」
 サラマンダーは彼等に明るい声で言っても来た。
「その時は」
「ええ、ちょっと会議をしてから」
「決めます」
 彼等はとりあえずサラマンダーにこう返してサラマンダーにといあえずは返ってもらった。それからだった。
 彼等は町の中でどうするか話をした。まず魔法使いの筆頭である司教がこう言った。
「ドラゴンは確かに嘘は言いません」
「しかしですか」
「それでもですか」
「はい、ドラゴンです」 
 だからだというのだ。
「その中に入るというのは」
「危険ですね」
「それもかなり」
「最凶のモンスターの群れの中に飛び込むjのです」
 だからだというのだ。
「危険過ぎます」
「その通りです」 
 戦士達の筆頭である年老いた騎士も言う。
「相手は相手です」
「そうです、ここはやはり」
 司教もまた言ってきた。
「断る方がいいかと」
「そうすべきです」 
 これが彼等の意見だった。だが。
 町を代表する高名な学者はこう主張した。
「ですがドラゴンのことはまだ詳しくわかっていません」
「だからですか」
「今はですか」
「はい、申し出を受けるべきかと」
 学者は学究の視点からこう主張する。
「ここは」
「しかしそれは危険です」
「あまりにもです」 
 学者の意見に司祭と騎士は即座に反対した。
「相手はドラゴンですぞ」
「それも一万もいるのです」
 一匹でもかなりの脅威だというのにそれがだというのだ。
「それで町の中に入るなぞと」
「無謀にも程があります」
「今に町に攻めてきてもおかしくないというのに」
「それは危険です」
「いや、待って下さい」
 今度は町の書記が言う、この町の行政の知恵袋である。
「攻めてきているのならです」
「そう、既にですな」
「とうの昔に来ています」
 こう学者に応えながら言うのだ。
「そして町を壊すか我等を皆殺しにして乗っ取っています」
「ドラゴンです」
 学者はまたこのことを言う。
「それも一万もいれば」
「この町どころか世界も手中に収められますから」
 例えそれが魔界でもだ。魔族達にとってもドラゴンは恐ろしい脅威であり敵に回すべきではない存在なのだ。 
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