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ソードアート・オンライン~ニ人目の双剣使い~

作者:蕾姫
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ルグルー回廊と誰かが見ている

しばらくシルフ領の北東。リーファによると<<古森>>というらしいが。を抜ける当たりまでモンスターに出会わなかった。その数少ないエンカウントもキリトがバーサクぶりを発揮して、即座に四散していった。そしてまた五匹。<<イビルグランサー>>という名前の一つ目のトカゲである。キリトは例に漏れず、突っ込んでいき早速一匹をほふると二匹目にさらに突っ込む。<<イビルグランサー>>から放たれる魔法。リーファによるとステータスダウンのカース系魔法らしい。が、それをキリトは全く気にする様子もなく、次々ほふって行く。リーファはキリトにカース系魔法が直撃するたびに解呪魔法をかけているが、正直意味ないような気がする。俺はというと空を見ている。俺には遠距離を攻撃する方法などほとんどないし、近接はキリトがやっているため出番がないのだ。とうとう最後の一匹が消え戦闘が終わった

すると、リーファは手を上げて労いの言葉をかける

「おつかれー」

「援護サンキュー」

キリトも同じく手を上げてリーファとハイタッチをかわす

「しっかしまあ……何ていうか、ムチャクチャな戦い方ねぇ」

「キリトは単純というか、バカというか……」

「単純なのは認めるけどな……そういうストレートな言い方は」

「何だ。ネチネチと言って欲しかったのか?なら最初から言えよ。そっちの方が俺は得意だ」

「……ごめんなさい」

一通りのコントを終えると俺たちは再び移動を開始した。リーファも最初はこのコントが始まると唖然としていたのだが、今では苦笑するだけになっていた

飛行時間が限界に来たので俺たちは山の裾野にある草原の端に着陸する。キリトはふらつきながらもきちんと着地した

「さて、ここからは空の旅はしばらくお預けよ」

「ありゃ、何で?」

「見えるでしょう、あの山」

「あれが飛行限界高度よりも高いせいで、山越えには洞窟を抜けないといけないの。シルフ領からアルンへ向かう一番の難所、らしいわ。あたしもここからは初めてなのよ」

「なるほどね……。洞窟か、長いの?」

「かなり。途中に中立の鉱山都市があって、そこで休めるらしいけど……。キリト君、リン君、今日はまだ時間大丈夫?」

「俺はいつまででも。まあ、死なないように」

「俺も当分平気だよ」


「そう、じゃもうちょっと頑張ろう。ここで一回ロートアウトしよっか」

「ろ、ろーて?」

リーファの言葉にまさにひらがなで打たれるような声を出すキリト

「ああ、交代でログアウト休憩することだよ。中立地帯だから、即落ちできないの。だからかわりばんこに落ちて、残った人が空っぽのアバターを守るのよ」

「なるほど、了解」

「俺たちは後でいい。同じ部屋にいるからな。リーファからどうぞ」

「じゃあ、お言葉に甘えて。二十分ほどよろしく!」

そう言うとリーファはログアウトした。残ったアバターは自動的に待機状態となる

「しかし、驚いたな」

「何が?」

「SAOと全く同じだ。ときおりあの世界と重なってしまう。そんなレベルにまで、な」

「確かに。このあたりなんか、三十九層の森林エリアと似てるよな」

「あそこは飛行虫型モンスターに悩まされたよな」

「そうだったな」

俺たちは微笑む。純粋な笑いではなく、寂しさ、後悔などが混じった笑顔である

「……何か辛気臭くなったな。っとそうだ」

そう言うとキリトはメニューを開くと緑色のストロー状のものを二つ実体化させた

「何だ、それは?」

「スイルベーン特産だってさ。ほら」

一つを自分の口に咥え、もう一つを俺に手渡してくる。俺はそれをしばらく観察をした。そしてそれをキリトと同じように口に咥える。それで息を吸い込むとハッカの香りがした

「お待たせ!モンスター出なかった?」

ハッカの香りを吸い込みながら無言で約二十分ほどぼーっとしているとリーファが待機状態から立ち上がった

「おかえり」

「おかえり。静かなもんだったよ」

「……それ、ナニ?」

「キリトが雑貨屋で買ったらしい。……吸う?」

うなずいたので口に咥えていたストロー状のものをリーファに投げ渡す。リーファはそれを口に咥える

「……間接キスだな」

俺がそうボソッとつぶやくとストローをブハッと吐き出して、それをあわててキャッチした

「な、な、え……」

顔を真っ赤にして噛みまくるリーファ。別に嫌じゃないけど……とか言い始めた

「まあ、現実じゃないからいいけどな。じゃあ、俺たちは落ちるな」

「あっ、うん。行ってらっしゃい……」

俺とキリトはログアウトボタンを押して現実へと帰還した













「何か、誰かに見られた気が……。ユイ、近くにプレイヤーはいるか?」

そうキリトが言ったのはローテアウトしてから少し歩いてからだった

「いいえ、反応はありません」

俺の肩に座っているユイは頭を左右に振った

「見られた気が、って……。この世界にそんな第六感みたいなもの、あるの?」

「……これが中々バカにできないをだよな……。例えば誰かがこっちを見ている場合、そいつに渡すデータを得るためにシステムが俺たちを<<参照>>するわけだけど、その流れを脳が感じるんじゃないか……という説もある」

「俺も見られた気がした。一応警戒はしておいた方がいい。して無駄ってわけではないからな」

「「うん」」

またしばらく歩く。見られているとしたらいつかアプローチをかけてくるだろう。不意討ちだろうが俺とキリトがいれば対処できる……といいな

「願望!?」

「キリト君。いきなりどうしたの?」

「いや……何か言わないといけないような気がして」

……心の中の声に反応するなよ

 
 

 
後書き
蕾姫「遅くなりました……」

リン「……確かにな。とりあえず突っ込ませてくれ。タイトルに」

蕾姫「<<誰かが見ている>>のこと?」

リン「どこの超電磁砲だよ……」

蕾姫「OVAの」

リン「……」←剣を抜いた

蕾姫「……」

リン「言い残すことは?」

蕾姫「感想よろしく……ぎゃぁぁぁ!?」
 
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