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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第七十二話 救出劇場


ディオドラを倒した一誠と闇慈は元の制服姿に戻ったが、闇慈は一誠に問いかけた。

「イッセー。どうして本気を出さなかったの?本気を出せばこんな奴なんか楽に消し飛ばす事が出来たと思うけど?」

「流石にこいつも魔王に血筋を持ってるからな、ここでこいつを殺したら部長や部長のお兄さんに迷惑が掛かると思ったからな。もう十分に殴り倒したさ。それにお前だって俺と同じ事を考えていたんじゃねえのか?」

一誠の問いかけに闇慈はフッと笑いを零す。

「イッセーも考えるようになったね。僕もイッセーと同じ考えだったよ。彼にはもう赤龍帝と死神の『恐怖』を植えつけることが出来たと思うから、それで十分だよ。さあ・・・早くアーシアを解放しよう!!」

「だな!!」

闇慈と一誠はコツンと拳をぶつけ合うと、アーシアが居る装置に向かった。他の部員たちはアーシアを装置から外そうとしたが・・・少しして祐斗の顔色が変わった。

「・・・手足の枷が外れない!?」

「何だって!?」

「クソッ!!外れねえ!?」

一誠はアーシアと装置が繋がっている枷を外そうとしたが、赤龍帝のパワーでも外れなかった。闇慈は最大限に魔力を注ぎ込んだデスサイズ・ヘルで壊そうとしたが弾かれる。

「そんな・・・デスサイズ・ヘルでも壊せないのか!?」

その時、ディオドラが気が付いたのか言葉少なく呟く。

「・・・無駄だよ。その装置は機能上一度しか使えないが、逆に一度使わないと停止出来ないようになっているんだ。アーシアの能力が発動しない限り停止しない」

「どういう事だ?」

一誠の問いかけに淡々と続ける。

「その装置はロンギヌス所有者が作り出した固有結界の1つ。このフィールドを強固に包む結界もその者が作り出しているんだ。【絶霧】『ディメンション・ロスト』、結界系セイクリッド・ギアの最強。所有者を中心に無限に展開する霧。その中に入った全ての物体を封じる事も、異次元に送る事すら出来る。それがバランス・ブレイカーに至った時、所有者の好きな結界装置を霧から創り出せる能力に変化した。【霧の中の理想郷】『ディメンション・クリエイト』、創り出した結界は一度正式に発動しないと止める事は出来ない」

今度は闇慈が質問する。

「発動の条件と、この結界の能力は?」

「・・・発動の条件は僕か、他の関係者の起動合図、もしくは僕が倒されたら。結界の能力は・・・枷に繋いだ者、つまりアーシアのセイクリッド・ギアの能力を増幅させてリバースすること」

それを聞いた闇慈はハッと気付き、さらに問いかける。

「その効果範囲は?」

「・・・このフィールドと、観戦室にいる者達だよ」

それを聞いた闇慈は声を張り上げる。

「不味い!!アーシアの能力は『回復』・・・その逆は『破壊』!!そして能力の高さは悪魔や堕天使を治癒させる程だから、下手をすれば僕達やトップ達は一瞬で壊滅してしまう!!!」

闇慈の考えに一誠が続ける。

「まさか・・・会長との一戦でそんな作戦が思い付かれたのか!」

「・・・いや、随分前からその可能性が出ていたようだよ。ただ、シトリーの者がそれを実際に行った事で計画は現実味を帯びたそうだ」

それを聞いたリアスが怒りで顔を歪めた。

「堕天使の組織に潜り込んだままの裏切り者がソーナにリバースを貸す事でデータを集め、利用していたかもしれないのね!」

「と言う事は・・・グラシャラボラスの不審死は愚か、ソーナ会長との戦いも、貴様も、全部カオス・ブリゲードが絡んでいたのか!!」

闇慈はディオドラの胸倉を掴み上げ、問いかけたがディオドラは答える気配は無かった。そしてディメンション・ロストはブーステッド・ギアやデスサイズ・ヘルより高ランクのロンギヌスで破壊する事は出来ないみたいだった。

「イッセーさん、私ごと・・・」

「バカな事言うんじゃねぇッ!次にそんな事言ったら怒るからな!アーシアでも許さない!」

「で、でも、このままでは、先生やミカエル様が私の力で・・・。そんな事になるくらいなら、私は・・・」

「俺は・・・俺は!!二度と、アーシアに悲しい思いをさせないって誓ったんだ!!だから絶対にそんな事をさせやしない!!俺が守る!!ああ、守るさ!!俺がアーシアを絶対に守ってやる!!」

アーシアの肩を抱き、泣きながら言う一誠にアーシアも感極まって涙を溢れさせるが、非情にも装置が動き出す。部員達はそれを見て焦り出し、攻撃を放つがやはりビクともしなかった。

(やはり唯の『物理破壊』は無理だな。現にブーステッド・ギアの力でさえ、破壊できないんだから!!落ち着け・・・考えろ・・・他に方法は・・・ん?)

闇慈は攻撃を止め、アーシアの四肢に繋がっている足枷を観察し始めた。

(足枷にアーシアの『服』が一緒に繋がっている・・・ん?服・・・破壊・・・はっ!!そうだ!!)

「おい!何やってんだ!?闇慈!!お前も攻撃しろ!!」

一誠は闇慈に向かって激を飛ばすが闇慈は一誠にある方法を伝えた。

「イッセー!!ドレス・ブレイクだ!!力を強めたドレス・ブレイクでアーシアの服を破壊しろ!!」

「こんな時にアーシアの服を破壊してどうしろって言うんだよ!?」

「良く見てみろ!!足枷にはアーシアの服が一緒に繋がれている!!僕の推理が正しければ服と一緒に足枷も破壊する事が出来るはずだ!!『物理破壊』には強い足枷でも『特殊破壊』の耐性は備えていない筈だ!!」

「そんなことが出来るのかよ!?」

今度は闇慈が一誠に向かって激を飛ばす。

「出来る、出来ないの問題じゃない!!やらなきゃならないだろう!?可能性は・・・ゼロじゃない!!」

「っ!!分かった!!アーシア、君の服を破壊する。だから少しの間我慢してくれ」

「はい。イッセーさんの為なら私・・・我慢します!!」

アーシアの了解を得ると一誠以外の部員達は一旦装置から離れる。巻き添えを喰らわないために。

「高まれ、俺の性欲!俺の煩悩!ドレス・ブレイクッ!バランス・ブレイカー・ブーストバージョン!!!」

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

一誠の鎧の宝玉が赤く輝き、枷に触れている手に流れ込んでいった。そして一誠はアーシアの全裸を妄想しているのか鼻血を流しながら力を溜めて行き、そして・・・

「弾けろ!!!ドレス・ブレイク!!!」

一誠の叫び声と共に足枷が一気に破壊され、そのままアーシアのシスター服も破壊した。

(イッセー・・・君ってやっぱり可能性の塊だよ!!)

「で、出来た・・・!!」

「イッセーさん!」

アーシアは裸で一誠に抱き付いた。アーシアが装置から解放されたために、装置の動きも止まっていた。

「あらあら。大変ですわ」

朱乃は直ぐに魔力で新しいシスター服を作るとアーシアに着せた。そして再び一誠に抱き付く。

「信じてました・・・。イッセーさんが来てくれるって」

「当然だろう。でも、ゴメンな。ツラい事、聞いてしまったんだろう?」

「平気です。あの時はショックでしたが、私にはイッセーさんがいますから」

アーシアは笑顔で嬉しい事を一誠に言うとゼノヴィアも目元を潤ませ、アーシアと抱き合った。

「部長さん、皆さん、ありがとうございました。私のために・・・」

「アーシア。そろそろ私の事を家で部長と呼ぶのは止めても良いのよ?私を姉と思ってくれて良いのだから」

「っ!!はい!!リアスお姉さま!!」

今度はリアスとアーシアが抱き合った。ギャスパーは大泣きし、小猫が慰めるかのように頭を撫でた。次にアーシアは闇慈と向き合う。

「アンジさん。助けてくれてありがとうございます!!」

「本当に無事で良かったよ、アーシア。これからは一誠と一緒に楽しい思い出を作っていくと良いよ。そして君は一誠と僕が守ってあげるからね?でしょう?イッセー!!」

「ああ!!勿論だ!!さて、アーシア。帰ろうぜ」

「はい!と、その前にお祈りを」

アーシアは天に向かって何かを祈る。一誠が何を祈ったかを訊くと・・・

「内緒です」

と返されていた。その光景を闇慈はフッと笑うように見ていた。

「アーシアが助かってよかったね?小猫ちゃん」

「・・・はい。アーシア先輩が無事で何よりです。それと・・・先輩」

「ん?何かな?」

「もし私が誘拐されたら、助けに来てくれますか?」

闇慈は当たり前の質問にフゥと息つくと小猫に言い聞かせた。

「当たり前の事を聞かないで?小猫ちゃん。君が居なくなったら僕の存在意義が無くなってしまうよ。僕にとって気味は大切な存在・・・恋人だからね」

「嬉しいです」

闇慈と小猫が和んでいる間に笑顔で一誠のもとへ走り寄るアーシアだったが突如、まばゆい光の柱が発生し、光の柱が消え去ると・・・

「・・・アーシア?」

そこには誰もいなかった。

(後書き)

次回、一誠と『あれ』が発動します!!

それに伴いまさかの闇慈も!?

感想・指摘。よろしくお願いします!!
 
 

 
後書き
次回、一誠と『あれ』が発動します!!

それに伴いまさかの闇慈も!?

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