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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第六十七話 火風


出演があった翌日。闇慈はサーゼクスが話してくれた、古に封印された悪魔にために作られ、悪魔が恐れる武器『魔具』がある神殿に一人で来ていた。その場所はルシファードからかなり離れた渓谷の中に存在していた。

「ここに魔具・・・アグニとルドラがあるのか。良し・・・行こう」

闇慈は覚悟を決して、神殿の中に入った。

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神殿の中には灯台が点っており暗くは無かった。そして内装も壁画など古代の文化を思わせる物を感じさせていた。しかし・・・

「そこらじゅうに遺骨やら遺体が転がっている・・・。恐らく魔具を手に入れようとした人達だな。でもどうしてやられたのかな?」

闇慈が一人で疑問に思っていると天井から何かの気配を感じ、その場を飛び退くと、『何か』が体中から刃を突き出し、落下する勢いを乗せ、闇慈を串刺しにしようとした。

「キャハハハ!!!」

「こいつは・・・はぐれ悪魔?それに体から刃が突き出している!?少し気持ち悪いな・・・っ!?」

そして気付くと闇慈の周りは、『何か』に取り囲まれていた。少なくとも10体はいるだろう。

「こいつらは魔具を守護する存在か?何れにせよ、こいつらは僕をここから生かして帰すつもりはないみたいだな。良いだろう!!」

そしてその内の2~3体が闇慈に飛び掛ったが、セイクリッド・ギアを発動させ、デスサイズ・ヘルで斬り裂き、霧散させた。

「本番までのウォーミングアップと行こうか!!さあ来い・・・貴様らに『死』を見せてやる!!」

闇慈はデスサイズ・ヘルでその『何か』を次々と斬り裂いて行った。そして『何か』の攻撃は素早く避け、同士討ちをさせていた。その戦闘は数分で終了した。

「こんなものか・・・まだまだ足りないが良いウォーミングアップになったな」

闇慈は元の服装に戻るとさらに奥を目指して足を動かした。

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そして様々なトラップや戦闘を掻い潜り、闇慈は最深部と思われる場所に辿り着いた。その部屋はやけに広く、祭壇まで置いてあった。

「ふう。結構奥まで来たけど、ここが最深部かな?それにここの部屋だけ今まで通って来た部屋と少し違うような」

闇慈が一人で疑問に思っていると・・・

【兄者。久方の客人じゃ】

【客人じゃな。何年ぶり客人じゃ?】

【分からん。しかし客人はもてなさねばなるまい】

「っ!?」

部屋の置くにある人型より少し大きな偶像が突然しゃべりだし、闇慈は一瞬身構えた。

【もてなさねばなるまいな】

【しかし。どうやって】

【知らん。どうしてくれようか】

「あの・・・ちょっと?」

闇慈はそのやりとりにからかわれていると思い、少しずつ苛立ちを抱え始めた。

【兄者。あの若者は呟いているが?】

【ツブヤキ?ツブヤキとは?】

【ふむ。ツブヤキとは】

闇慈はその漫才染みたやりとりにとうとう怒り声を張り上げた。

「ああ、もう!!いい加減にしてください!!僕は貴方方の漫才を聞きに来た訳じゃないんです!!僕は魔具を手に入れるためにここに命懸けで来たんです!!そんな漫才は他所でやって下さい!!」

闇慈の言葉に偶像は反応したのかゆっくりと動き始めた。それに闇慈も驚きを隠せないようだった。

「偶像が動いた!?」

【汝が力を求める者か】

【兄者。この者の力を見極めようぞ】

【良かろう。力が欲しくば、我ら兄弟に勝ってみせよ!!】

「貴方方が門番と言うわけですか!!面白い!!来い・・・来いよ・・・俺は・・・ここに居る!!」

闇慈はセイクリッド・ギアを発動させ、デスサイズ・ヘルを担いだ。2体の偶像はそれぞれ、赤色と青色に染められた『青竜刀』のようなものを振りかざし闇慈に斬りかかった。闇慈はデスサイズ・ヘルでそれらをいなしていくが、挟み撃ちの攻撃に闇慈は攻撃するチャンスを貰えなかった。そして何より赤い青竜刀からは『炎』が。そして青い青竜刀からは『風』が出ていた。

(このままじゃ、やられてしまう!!なら!!)

闇慈は赤色の偶像の攻撃を受けずに、素早く横に避けた。そしてその斬撃は闇慈の背後に居た青色の偶像が受けてしまい、怯んだ。闇慈はその隙を逃さずに魔力を篭めたデスサイズ・ヘルで青色の偶像を斬り裂いた。青色の偶像は霧散し、青竜刀も離れ、地面に突き刺さった。

「これで一体・・・っ!?」

闇慈が見たものは赤色の偶像が青い青竜刀を拾い、持っていた赤い青竜刀と連結させていた。

「まさか・・・あの剣は双剣でもあり、両剣でもあるのか!?」

赤い偶像はその両剣を振り回し、闇慈に斬りかかった。闇慈はそれを防いでいくが炎と風が闇慈の体を傷つけて行く。

「ぐぅ・・・あの剣は厄介だ。なら偶像を破壊するしかない!!」

闇慈は偶像の斬撃をかわすとシャドゥ・ルーラーで影を操り動きを封じ込め、剣を弾き飛ばし、一瞬の隙を突いてデスサイズ・ヘルで残りの赤の偶像を霧散させた。そして連結していた青竜刀も離れ、地面に突き刺さった。

「何とか勝てたか。しかし魔具は一体何処にあるんだろう?ここではないみたいだし・・・戻ってみるか」

闇慈がその部屋を後にしようとすると・・・

【待て!!】

【待たれい!!】

とあの声が聞こえてきた。闇慈は慌てて振り向くが偶像の姿はなかった。

「どうなっているんだ?偶像もいないのに、あの声が・・・まさか!!」

闇慈は地面に突き刺さった青竜刀を見ると刀の柄の先端が顔のようなものになっていた。そしてそこから・・・

【【我々は長年待っていたのだ】】

と言葉を発していた。そう・・・言葉を発していたのは偶像ではなく、この剣なのだ。闇慈はその2本の青竜刀に近寄った。

【我らより強き者を】

【我らを操れる者を】

「もしかして・・・貴方方が『アグニ』と『ルドラ』!?」

【【如何にも】】

闇慈の問いかけにまずは赤い青竜刀が答える。

【我は炎魔剣・・・アグニ】

続いて青い青竜刀が答える。

【そして我は風魔剣・・・ルドラ】

「炎魔剣と風魔剣。だから炎と風が出てきていたのか」

【【我らを連れて行くが良い!!我ら兄弟、力になろう!!】】

アグニとルドラの言葉に闇慈は少し考え答えを出す。

「勿論です。そのために僕はここに来たのですから。しかし!一つだけ条件があります」

【なんじゃ?】

【言ってみろ】

疑問を問いかけるアグニとルドラに闇慈は交互に見ながら答えた。

「僕が許可した時以外は・・・しゃべ、らない!!」

【・・・良かろう】

【汝がそれを望むのなら】

それを聞いた闇慈はアグニとルドラを引き抜いた。その途端闇慈は今まで感じた事のない力に見舞われた。

「凄い・・・力が漲る!!」

闇慈はそれらを上空に掲げ、まずは両剣状態で剣舞をやってみた。そしてその間にも炎と風は現れていた。そして双剣に持ち替え、乱舞の如く剣を振るった。

「炎よ、吼えろ!!風よ、逆巻け!!」

【【やるな・・・】】

アグニとルドラの感嘆の声に闇慈は剣を持ち替えるとカツンとぶつけ合い・・・

「しゃべ・・・らない!!」

【【・・・】】

「それで良いです」

こうして闇慈は魔具アグニとルドラを手にする事が出来た。果たしてこの魔具は何時活躍するのだろうか。

 
 

 
後書き

闇慈が魔剣アグニとルドラを手にしました!!

元ネタは知っていたかもしれませんが『デビルメイクライ3』からです!!

他にも出す予定なので楽しみにしていてください!!

感想・指摘。よろしくお願いします!! 
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