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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第1章:王宮の戦士とヲタ少女
  第4話:美女とお風呂と…

(イムル村)
ライアンSIDE

眠い……ものすごく眠い!
昨晩は一睡も出来なかった……
いっそ敵が襲ってくれば良かったのに……それもなかったので、拷問の様な一晩だった。

無防備な美女が隣で寝息を立てている事が、これほど辛い事だとは思ってなかった。
男とは度し難い生き物なのだと、つくづく思う一晩だった。

そんな状況の私とマリーは昼前にイムル村へとたどり着いた。
本来ならば直ぐにでも情報収集をせねばならぬのだが……
「ライアンちゃん、昨晩は寝てないからお疲れでしょう?寝不足状態で情報を集めても、正しい答えに辿り着けないわ!取り敢えず宿屋で休んで、それから行動に移りましょう」
と、マリーが私を気遣い休憩を勧めてくれたので、遠慮することなくそれに従う事にした。

事実、今の私は注意力散漫になっているので、碌な思考が出来ないだろう。
1時間か2時間程休憩をすれば、頭の方も冴えてくるだろうから、今はムリをせず休んだ方が効率的だ。


宿屋に入り部屋を2つ取ると、
「じゃぁ私はライアンちゃんが休んでいる間に、買い物でもしてくるね♡ 私自身は旅支度なんて何もしてないから……」
と言い、村を散策し始める。

まぁ言っている事は尤もだし、女性には女性専用の必須アイテムがあるのだろうから、男の私が一緒じゃない方が買い物もし易いだろう。
ただ…後で気付いたのだが、お金はどうするのだろうか?

ライアンSIDE END



(イムル村)
マリーSIDE

う~む…ライアンちゃんはチェリーか?
美少女と共に一晩を過ごした所為で、一時も心が安まる時間が無かった様だ……
目の前で無防備に寝姿を晒すなどして、悪い事をしてしまったかな?

“男は皆、獣だ!”と私は思っているので、昨晩はワザと寝たふりをしてチャンスを与えてみたのだが…
どうやらゲーム通り真面目君な様で、不埒な心に負ける事はなかった。
うん。これなら一緒に旅をしても大丈夫だね。もし襲ってきたら、イオナズンで吹き飛ばしてやったところだ。


さて……お金なんて1ゴールドも持ってない私だ!
正直心苦しいのだが、去年の誕生日にお父さんから貰ったイヤリングを道具屋に『家族を捜す旅に出る為、お金がいるんです! お願い……少しでもお高く買い取って下さい!』と、嘘泣きカマして売りつけ、5000ゴールドを手に入れました。

このお金で、寝袋とか携行食とか……必要な物を買い揃え宿屋に戻る。
ライアンちゃんの部屋を覗くと、まだまだ爆睡モードみたいだったので、この宿屋特設の露天風呂を堪能しようと思います。

宿屋の人にお風呂使用を告げ、脱衣所へ入ります。
ご主人さんが言うには、丁度誰も入ってないとの事なので、貸し切り状態で楽しもうと思います。
因みに、入浴場は1つしかない為、時間制で男女を切り替えているみたいです。

服を脱ぎ、キレイに脱衣籠へ収め、備え付けのバスタオルを身体に巻き、入浴場へ移動する………ここで或る事を思い出す私。
ゲームでは、不埒な覗き野郎が物陰に居やがったわね………
緑豊かな茂みに覆われた箇所を睨み、どうするか考えます。

ここはやっぱりイオナズンか? いやいや、流石にそれはマズイ。私のイオナズンじゃ、村自体を吹き飛ばしかねない。
じゃぁ手加減してイオでいくか!?
………それもマズイか?万が一、そこに覗き野郎が居なかったら、茂みを吹き飛ばし視界を開けさせるだけだ。

ダメじゃん! イオ系は使えないじゃん!
そうすると同じ理由でバギ系も使えない。
茂みを全て刈り取るだけに終わっちゃう。
私はお父さんと違って、風だけのバギは使えないのだ…

ギラ系も下手すると茂みを燃やし尽くしてしまう……かも?
う~ん…メラでやってみるしかないのかな?
ヒャド系を使えば良いのだろうけど、困った事に私にはムリなのだ。

使えないわけではない。……手加減が出来ないのだよ!
私がこの場でヒャドを唱えたら、下手するとお風呂までもが凍り付いてしまうかもしれない。
お風呂を堪能出来無くなっちゃう……
その点メラであればイオ系の次に得意なので、茂み全体を燃やし尽くすことなく、標的だけを燃やしちゃる事が出来るはず!

私は茂みの人が隠れられそうな1点を指差し、最大限威力を弱めたメラを唱え発動させる。
右手人差し指から放たれた、マッチの火よりヒョロい火の玉がチョロチョロ、茂みに向かって突き進む。
茂みの中に火の玉が消えた途端……

「ぎゃー! 熱い、熱い、熱いぃぃぃ!」
と大声で叫ぶ男が一人…
大慌てで茂みから飛び出し尻に付いた火を叩き消そうと飛び跳ね回る。

だが、なかなか消えない火に焦り、情けないダンスを踊りながら湯船に向かってダイブをした!
“バシャーン!”と大きな音を上げて、湯船に服のまま浸かる馬鹿(のぞき)野郎。
ふざけるな……私が入る前に、湯船を汚しやがって!

マヒャドでも唱えて凍り漬けにしてやろうと思っていた時……
「ど、どうしたのだ! マリー……無事なのか!?」「何が起きましたか!?」
と、大慌てで乱入してくるライアンちゃんと宿屋の主人。

バスタオル姿の私を……特に胸の谷間を見て、固まる乱入者(おとこふたり)……
言っておくが、私のボディーは高水準だ。
彼氏(ウルフ)のを挟めるからね!

「あ………だ、大丈夫……か?」
視線は固定されたままだが、何とか無事を確かめるライアンちゃん。
私を心配しての行動なのだ……ここは私が我慢するべきなのだろう。

「私の事は取り敢えず……その湯船の中でベソかいてる野郎は覗き魔よ! 捕まえて、貴方達はこの場で待機して……私は着替えてくるから、脱衣所に入ってこないでね!」
そう冷静に指示を出し、平静を装って脱衣所へと戻る私。

ぶっちゃけると、コイツ等全員イオナズンで吹き飛ばしたい気分なのだが、それを我慢して着替えに戻る……
あの場でイオナズンを使ったら、私の着替えまで吹き飛ばしてしまうかもしれないので、落ち着いた行動が必要なのだ。
尤も…・この怒りは覗き魔に叩き付けてやりますけどね!

マリーSIDE END



 
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