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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第二十三話 今こそここに、真の超獣機神

                 第二十三話 今こそここに、真の超獣機神
またゼダンに戻ったロンド=ベル。ここで彼等は話をしていた。
「何かさ」
サイが言う。
「こうして一つの場所を拠点にしているのってはじめてじゃないかな」
「そういえばそうだよね」
彼の言葉にトールが頷く。
「俺達あちこち転戦してばっかりだったから」
「それもゼダンみたいな場所でね」
カズイも言う。
「こんなに物資とかが充実しているのもはじめてだよね」
「何かかえって落ち着かない感じかしら」
ミリアリアはそう感じていた。
「何処かを拠点にして戦うのって」
「貧乏性なんでしょうか」
ニコルは少し首を傾げていた。
「そういうのって」
「それが普通なんだけれどね」
ルナマリアは軍事の常識を述べた。
「本当は」
「じゃあ俺達は今まで普通の戦いをしてこなかったのか」
「それを言ったら」
ジャックにフィリスが突っ込みを入れる。
「言わない約束ですよ」
「それもそうか」
「ところでジャックさん」
シホがふとした感じで彼に声をかけた。
「何だよ」
「服、どうしたんですか?」
「ああ、これ」
「はい」
見ればジャックだけでなくエルフィやミゲルも服が変わっていた。それはザフトのトップガンだけが着ることのできる赤服だったのだ。
「どうしたんですか、一体」
「ちょっとな」
「貰ったんです」
ミゲルとエルフィがシホにそう述べた。
「貰った!?」
「はい、私に」
ここで出て来たのはラクスであった。
「ラクスさん」
「私が皆さんに差し上げたものです」
「どういうことですか、それって」
シホはあらためてラクスに問う。ラクスはその彼女ににこりと笑いながら述べた。
「ザフト軍の形式が変わりまして」
「ザフトの」
「そうです。今まではかなり曖昧に階級を決めていましたが」
これは事実であった。実はザフトの階級や命令系統はかなり曖昧だったのだ。
「それが変わりまして」
「そうだったのですか」
「そうだったのですかっておい」
「シホ、それは」
ディアッカとイザークが今のシホの言葉にいささか驚いていた。
「この前言われていたぞ」
「見ていなかったのか」
「はあ」
「そういえば最近ロンド=ベルでのことばかりだったな」
アスランがシホのフォローに回ってきた。
「無理もないか」
「まあいい」
ハイネが話を戻しにかかる。
「それで服でおおよその階級を決めることにした」
「緑が兵士及び下士官です」
ラクスはこう述べる。
「それで赤は」
「将校ってわけだな」
「はい」
ジュドーの問いに答える。
「おわかりでしょうか」
「よくな。そういうことなんだな」
「ですから皆さんの服がこうなったのです」
「この前までは違ったよね」
イーノがラクスに問う。
「確か赤い服は」
「トップガンの証だったっけ」
エルは自分の記憶を辿った。
「そうだった筈だけれど」
「その通りです」
ラクスはまた答えるのだった。
「今まではそうでした。将校であっても緑の服の方も多かったですし」
「おかげでかなりわかりにくかったぜ」
「ねえ」
ビーチャとモンドが言う。
「何が何だかな」
「ザフトってどうなっているのかって思って」
「それもあって変わったのです」
楽すの説明であった。
「混乱がありましたので」
「成程ね」
ルーは納得した顔で今のラクスの言葉に頷く。
「わかり易くね」
「はい。おわかりですね」
「じゃあこれからは皆赤なんだ」
「いい感じだな」
プルとプルツーはそれに笑顔になる。
「わかり易いし」
「格好いいしな」
「それじゃああれ?」
ここでクリスがふと気付いた。
「バルトフェルドさん達は」
「あの人達は白になります」
ラクスはそう述べた。
「ダコスタさんはアーサーさんと同じ服で」
「何か随分変わるのね」
「なお私はこのままです」
何故かラクスはこのままだというのだ。
「服は変わりません」
「あの陣羽織?」
フォウはこう表現した。
「それじゃあ」
「あれ、陣羽織なのかな」
バーニィはそうでもないのじゃないのかと言う。
「何かよくわからないけれど」
「ついでだけれどさ」
カミーユがそれをラクスに問うた。
「ラクスの戦闘中に着ている服は何なのかな」
「あの服ですか」
「そう、あれは何だい?」
「随分目立つけれど」
ファも言う。
「よかったら教えて」
「私にもわかりません」
またにこりと笑って述べる。
「残念ですが」
「残念って」
「それは本人の言う言葉じゃないわよね」
「ねえ」
アカリ、マユラ、ジュリがそれを聞いて言う。
「とりあえずは日本の風習に倣っているつもりです」
「では陣羽織なのか?」
レイはそう考えた。
「やはり」
「けれど微妙みたいね」
エマもあまりわかってはいなかった。
「どうにもこうにも」
「そうみたい」
メイリンもそれは同じだ。
「わからないのよ、やっぱり」
「あらあら」
何故か本人はおっとりした調子であった。
「それは困りましたね」
「あの、ラクス」
そんな彼女にキラが困った顔で突っ込みを入れる。
「困ったって問題じゃないんじゃ?」
「そうだよ」
コウも言う。
「それに階級はどうなったんだ?」
「そうそう、それそれ」
キースもそこに突っ込みを入れる。
「赤服は将校なんだよな」
「はい」
それはもうわかっている。しかしまだわかっていないものが多いのだ。
「じゃあ白服は何なんだ?」
「今までは高級将校だったが」
「階級がはっきりすると何なんでしょう」
ヘイト、モンシア、アデルが続いた・
「佐官です」
それに対するラクスの返答はこうであった。
「佐官!?」
「そうです、高級将校ですので」
大雑把に尉官と佐官を分けた言葉であった。
「それでなのです」
「そうだったのか。それでか」
バニングはそれで納得した。
「佐官は白服なのだな」
「あれ、それじゃあ」
「なあ」
それを聞いてビルギットとアンナマリーが声をあげる。
「黒服は」
「それだと」
「将官です」
やはりこうなった。
「これでおわかりでしょうか。そして紫は」
「国防委員長ね」
「その通りです」
シーブックの返答にも淀みがない。
「これでおわかりでしょうか」
「そういうわけですか」
「ふむ」
皆納得した。そうした風にザフトの階級は分けられるようになったとわかったのであった。
「じゃあ俺達はあれか」
シンが言う。
「将校なのか」
「そうだな」
レイが彼に言葉に頷く。
「まあ今までと変わりはしない」
「細かい階級は?」
シンはここでまたラクスに問うた。
「俺は何なんだ?」
「シンは大尉だった筈です」
そう返事が返ってきた。
「何しろザフトの誇るトップガンですし」
「そうか。俺がトップガンか」
「ただ。これで命令違反がなければ」
得意になるシンにラクスが残念そうに述べる。
「今頃は白服だったでしょうに」
「うっ」
「まあそうだな」
その言葉にアスランが頷く。
「もっと自重しろということだ」
「ふん、まあいい」
シンはその言葉にすねた。
「俺はまだ白服を着たいとは思わないしな」
「それによく考えたらよ」
「あの白服は」
オデロとトマーシュが言う。
「かなり汚れ易いよな」
「白だからな」
「まあそれは置いておきまして」
それはラクスもわかっているので強引にスルーさせた。
「気にしないで下さい」
「気にしないでか」
「ううむ」
二人はそれに首を傾げるが。それよりもラクスの話の持って行き方は強引なものであった。
「そういうわけでザフトのおおよその階級は決まりました」
「よし、俺は大尉だ」
シンは早速得意げに威張りはじめた。
「皆俺の命令を聞けよ、いいか」
「あんた何馬鹿言ってるのよ」
早速赤服に着替えたメイリンが言い返す。
「調子に乗って」
「御前も将校になったのかよっ」
「そうよ、悪い!?」
悪びれずに言い返す。
「あんたと同じよ。将校よ」
「だが俺は大尉だぞっ」
それでもシンは言い返す。
「だから俺は」
「悪いが俺も大尉だ」
アスランがその横で溜息混じりに言う。
「それはわかってくれ」
「アスラン、あんたもか」
「なあシン」
アスランはやけに優しい声をシンにかけるのだった。
「少しはな、大人になってくれ」
「何ィ!?俺は何時でも」
「肝心な時は子供じゃない」
ルナマリアの容赦ない突込みが炸裂した。
「あの変態仮面倒したのは何だったのよ」
「キラとのタッグの補正効果!?」
メイリンまで入って容赦なく突っ込み攻撃を浴びせるのであった。
「全く。普段は完全に子供なんだから」
「世話の焼ける」
「御前等、ちょっとは容赦を」
「だからな、シン」
アスランが見るに見かねて彼を止める。
「そう言うから余計に御前は」
「ええい、五月蝿い」
しかも聞こうとしない。いつも通り。
「今度こそこいつ等を」
「何、やろうっての大尉さん」
「将校が暴力振るっていいのかしら」
「いや、それを言ったら」
キラがそれに突っ込みを入れる。
「ブライト艦長は何なのかな」
「ふふふ、いい思い出だな」
アムロがその時を思い出して笑う。
「なあブライト」
「あの時はお互い若かったな」
「若かったっておい」
それにバサラガ突込みを入れる。
「あんた達、まだ二十代じゃねえのかよ」
「そうよねえ」
「グババ」
ミレーヌとグババが今のバサラの言葉に頷いた。
「そういえば」
「そうだよ。どうしてそんなに爺むさい言葉が言えるんだ」
「いや、何となくだ」
「別にそんな気はない」
二人の返事はこうであった。そんなつもりはないのだ。
「気にしないでくれ」
「私達はまだ若いのだしな」
「そうかしら」
ミレーヌはここまで来れば流石にそれを信用できなかった。
「とてもそうにな」
「そういえばよ」
またシンが言う。
「ハマーンさんだって二十一だって自称してるんだぜ。やっぱりこの部隊ってよ」
「だからさ、シン」
またキラが呆れて言う。
「それは言ったら駄目なんだよ」
「冥福を祈る」
アスランもこう言うしかなかった。
「残念だが」
「残念だがっておい」
シンがそれに何か言おうとする。その時だった。
「一体何を」
「さて」
後ろからジョーズの音楽が聞こえたように思えた。
「少年よ、覚悟はいいな」
「覚悟!?」
「今度は何がいい!?」
ドス黒いオーラと共の言葉であった。
「好きなのを選べ」
「そうだなあ」
シンはそれに応えて選ぶ。
「簀巻きにされてプールかな」
「わかった」
声は真の言葉に応えるのだった。
「それではそれでいこう」
「じゃあな、皆」
シンは仲間達に別れを告げるのであった。
「次の出撃までな」
「戻って来て下さいよ」
ニコルが彼に言う。
「貴重な戦力なんですから」
「わかってるって。じゃあな」
「せめてもの情けだ」
その声はさらに語る。
「苦しまないようにしてやろう」
「やれやれだぜ」
シンは自分の身体が浮くのを感じていた。
「全く口は災いの元だよな」
「わかっているなら自重しろよ」
「全くだ」
ディアッカとイザークが呆れた声で言う。
「それならよ」
「これで何度目だ」
「まあそれはいいじゃねえかよ」
シンも反省がない。慣れたものであった。
「それはそれでな」
「では行くか」
声に強制連行され引き立てられる。そうして彼は次の出撃までプールに沈むことになったのであった。
その次の出撃は早かった。今度はネオ=フランスであった。
「おや、珍しいな」
「なあ」
ロンド=ベルの面々はネオ=フランスと聞いて少し意外なようであった。
「ネオ国家とは」
「こりゃまた」
「シャピロだ」
葉月博士がここで言う。
「やはりこれは」
「そうですね」
彼の言葉にアランが賛同して頷く。
「あの男しかないでしょう」
「じゃあやっぱりあいつ等かよ」
忍は怒りの声をあげた。
「ムゲの奴等、またかよ」
「怒ることはない、藤原」
アランが彼に言った。
「怒るのは戦場に着いてからだ」
「それからだといいのかよ」
「そうだ」
アランは意外にもそれを許すのであった。
「考えがあるからな」
「考え!?」
「そうだ」
また忍に対して言う。
「ダンクーガの力を極限まで引き出すものがな」
「おい、馬鹿言えよ」
忍は今のアランの言葉に抗議してきた。
「ダンクーガは今のままでもう充分過ぎる程だぜ」
「苦労はしていないのか」
「ああ、全然な」
それをはっきりと言う。
「苦労なんかしちゃいねえぜ」
「だといいがな」
しかしアランの言葉はどうにもそれに懐疑的であった。
「土壇場でも今でいけるかどうか」
「その土壇場何度経験したと思っていやがる」
忍の言葉にも根拠がある。確かに彼等はこれまで多くの修羅場を潜り抜けてきている。だからこそ今こうした言葉が言えるのである。
「おめえだってそうだろうがよ」
「その通りだ」
アランもそれは認める。
「だが。そのうえで言っているのだ」
「へっ、じゃあ今度もそうしてやるぜ」
やはり忍は受けようとはしない。
「今度もよ」
「そうなればいいがな」
「では諸君」
葉月博士が一同に指示を出す。
「行くとしよう、ネオ=フランスに」
「了解」
「それじゃあすぐに」
こうしてロンド=ベルは出撃した。ネオ=フランスに到着した時にはもうムゲ軍が展開していた。だがそこには三将軍はいなかった。
「あれ、あいつ等いないね」
「そうだな」
それを見て雅人と亮が言う。
「どういうわけかな」
「別の指揮官なのか」
「だったら一人しかいないね」
沙羅は忌々しげに述べた。
「あいつしかね」
「ほう、わかるか」
ここでその男の声が聞こえてきた。
「流石だな、沙羅。私の存在がわかるとは」
「馬鹿言うんじゃないよ」
沙羅はその声に毅然として言葉を返した。
「わからない筈ないさ、指揮官がいない戦争なんてないんだからね」
「ふふふ、その通りだ」
シャピロは悠然と己の乗る戦艦を戦場に出してきた。それはムゲの戦闘母艦であった。
「今度の戦いは私が指揮している」
「よくもまあそれだけ平気な顔をしていられるね、あんたも」
雅人はその彼に嫌味を述べてきた。
「いつもいつも」
「何が言いたい、式部」
「恥はないのかってことだよ」
雅人ははっきりとシャピロに言ってみせた。
「そんなので。どうなんだよ」
「恥?何のことだ」
シャピロは平然として雅人のその言葉に返した。
「私が恥などとは」
「ないってことなんだね」
「全くな」
相変わらずの調子で答えるシャピロであった。
「何度も言うが私は神になる」
それをまた告げた。
「その私にとって。恥などというものが存在する筈がない」
「バルマーにいてもムゲにあってもか」
「その通りだ、司馬」
今度は亮に述べた。
「神である私にとっての手駒に過ぎない。だからこそ」
「そう言って何度も敗れているんじゃねえのか?」
忍は不遜な彼にこう言ったのだった。
「どうなんだよ、そこは」
「その敗北を注ぐ為にも」
シャピロの本質が出た。その激情家の本質が。
「今ここで。御前達には死んでもらおう」
「よし、全機発進!」
ロンド=ベルに同行している葉月博士から指示が出た。実は彼は獣戦機隊のマシンの整備の為にいつも同行しているのである。
「ネオ=フランスを守り抜く。いいな!」
「了解、しかし」
ここでミンがふと言うのだった。
「ネオ=フランスも案外まともな場所なんだね」
ネオ=フランスを見ながら言うのだった。大地がバリアーに覆われ宙に浮かんでいる。
「どんな場所かって思ったけれどよ」
「そうだよな」
「普通だな」
ガルとジンもそれに頷く。
「お、おでてっきりあのガンダムが一杯いると思っていた」
「何を言う、わしなぞ」
グン=ジェムがゴルに言う。
「全体が宮殿で宇宙にジョルジュのような奴が大勢浮かんでいると思っていたぞ」
「また随分と言ってくれますね」
ジョルジュは彼等のそんな話を聞いて苦笑いを浮かべるしかなかった。
「至って普通の場所ですのに」
「全くだぜ」
「こんなのじゃおいら達のところも」
ヂボデーとサイシーがジョルジュのその言葉に頷く。
「どんなふうに思われているのか」
「わかったものじゃないね」
「では俺のネオ=ロシアはどうなるのだ」
「宇宙の中に雪よね」
「そうよね」
ロザミアとフォウが言い合う。
「やっぱりそれよ」
「ロシアだし」
「確かに雪に覆われてはいる」
やはりそこはロシアであった。
「だがどうにも。誤解されているな」
「ネオ=ドイツは人間いるんでしょうね」
アスカはそれを全然信じていないのがわかる。
「あんな変態忍者とかサイボーグ軍人とかばかりじゃないの?」
「アスカ、まだ言うとんのか」
トウジはそんなアスカに呆れるばかりであった。
「ホンマに御前は」
「あんなの見て普通でいられないわよ」
それでもアスカは言う。
「あんな変態忍者ね。何やっても死なないしいつもいきなり出て来るし」
「呼んだか!」
そこに本人が颯爽と姿を現わした。ガンダムシュピーゲルがネオ=フランスの頂上に腕を組んで立っている。
「惣流=アスカ=ラングレーよ!」
「あんた、何処に出て来ているのよ」
「そんなことはどうでもいい!」
「よくないわよ!」
アスカはシュバルツに速攻で突っ込みを入れた。
「久し振りに見たと思ったらまた変な現われ方して!」
「変かなあ」
シンジはそれに首を傾げさせる。
「格好いいよね」
「素敵だな」
レイから見ればシュバルツも素敵なのであった。
「とても凛々しくて」
「そうだよね」
「あんた達の美的感覚はどうでもいいのよ」
アスカはもうそれは無視することにした。
「ただ、この変態さんの無茶苦茶ぶりに耐えられないのよこっちは」
「おかしなことを言う」
しかしシュバルツは平然としている。
「私の何処が変態なのだ」
「全部よ」
はっきりと言ってのけるアスカであった。
「全部が変態さんなのよ、結局は」
「ふむ。面妖な」
自覚するということもない。
「だがそんなことはどうでもいいことだ。ロンド=ベルの諸君」
彼はまずはアスカを置いておいてロンド=ベルの面々に対して言うのであった。
「義により助太刀しよう!」
「うむ、頼む」
葉月博士がそれに頷く。
「宜しくな」
「このシュバルツ=ブルーダー相手がムゲ=ゾルバトス帝国であろうと容赦はしない」
「もう知ってるのか」
「当然だ」
そうドモンに答える。
「私は忍者だ。情報収集も得意とするところだ」
「それはわかるわ」
アスカもこれには素直に頷く。
「忍者だからね」
「そういうことだ」
「ゲルマン流忍術なんて聞いたことないけれどね」
だが言うところは言うのであった。
「まあとにかくムゲの奴等やっつけるわよ」
「その為に来たんだしね」
シンジがそのアスカに言う。
「一緒にやろうよ」
「ほら、そこ!」
アスカは早速砲撃を開始した。そこにはもう敵が来ていた。
「どうやら本気らしいわね。それも」
敵の動きを見て述べる。
「標的はあたし達よ。やり易いわね!」
「ネオ=フランスになぞ興味はない」
シャピロはアスカに答えるように平然として述べた。
「私が興味があるのは」
「あたし達ってことね」
「その通りだ」
アスカの問いに答えてみせた。
「御前達には何度も煮え湯を飲まされている。だからこそ」
「フン、返り討ちよ」
アスカの強気は変わらない。
「あんたが神になんかなれるわけないってわからせてやるわ!」
「何!?」
今のアスカの言葉に眉を不吉に動かした。
「何が言いたい、小娘」
「何度でも言うわよ、あんたは神様なんかにはなれないわ」
その強気さでまた言う。
「絶対にね」
「そうか。私を否定するのか」
「否定も何も事実じゃない」
アスカはさらに言うのだった。
「あんたが神様になれないのはね。もっと自分を知りなさいよ」
「どうやら。死にたいらしいな」
怒りを露わにさせた言葉であった。
「ここで」
「じゃあやって御覧なさい」
アスカはまた言った。
「あたし達を倒せるっていうんならね!」
「面白い。では全軍出撃だ」
シャピロはさらに数を出してきた。それもかなり。
「押し潰してやる。策で以ってな」
「ふむ、これは」
グローバルはシャピロの今の戦術を見てすぐに気付いた。
「波状攻撃を仕掛けてくるな」
「それでは艦長」
未沙がそれを聞いて言う。
「我々としましては」
「そうだ、守りに徹するとしよう」
彼の考えはこうであった。
「陣を整えな。それでいいな」
「はい、それでは」
未沙はその言葉に頷く。そうして陣を整えさせるのであった。
「守りを固めて」
「了解」
ロンド=ベルの面々もそれに頷く。
「まずは耐えるとしますか」
「ゆっくりとね」
「へっ、何か性に合わねな」
忍はその中で不満を述べていた。
「このまま堪えるっていうのはよ」
「あたしもそうだけれどね」
沙羅も同じだった。気性の激しい彼女らしい。
「けれど仕方ないじゃないか」
「何か沙羅にしては大人しいね」
雅人がそれを見て言う。
「随分と」
「だがそれでいい」
しかし亮はそれでいいとした。
「今はな。自重する時だ」
「シャピロの奴を叩き斬る時じゃねえのかよ」
「それはまだだ」
アランが忍に答えた。
「その時は必ず来る。待っていろ」
「わかったぜ。それじゃあよ」
それを受けて彼も何とか陣に留まることにしたのであった。
「向かって来る敵だけを倒してやるとするぜ」
「だが容赦する必要はないぞ」
アランもそれはわかっていたがあえて言うのだった。
「それはいいな」
「わかってるぜ。じゃあよ」
照準を合わせる。そうして。
「消えやがれっ!」
いきなり断空砲を放ち敵を小隊単位で薙ぎ払う。防御的であっても忍はやはり忍であった。激しい攻撃を敵に対して浴びせるのであった。
ロンド=ベルは守りを固めていてもその攻撃は激しかった。激しい攻撃でムゲ軍を寄せ付けない。
第一陣を瞬く間に壊滅させ第二陣も。そうして敵の波状攻撃を防いでいたのだ。
「ふむ。流石だ」
シャピロもそれは認めた。
「しかしだ」
「しかし?」
「これならどうだ」
また援軍を出す。今度はただの波状攻撃ではなかった。
「いいか」
シャピロは彼等に命じる。
「ダンクーガを集中的に狙え」
「ダンクーガをですか」
「そうだ」
問う部下達に対して述べる。
「そうしてまずは突破口を作る」
「ですがダンクーガは」
「言いたいことはわかっている」
それはもうわかっていた。
「だが。集中攻撃を仕掛け穴を作る」
「わかりました」
「それでは」
シャピロは部下に反論を許さない。それはもう彼等もわかっていた。だから特に逆らうことなくそれに従うのであった。言い換えれば従うしかなかった。
今度の攻撃はダンクーガに集中させていた。これはすぐにロンド=ベルもわかった。
「くっ、シャピロの奴まさか」
忍は敵の攻撃を受けながら言う。
「俺達を最初に潰すつもりかよ」
「そのようだな」
アランもそれがわかった。
「そうして我々の陣に穴を作るつもりか」
「俺達をまず潰すっていうのかよ」
シャピロの戦艦を見据えての言葉だった。
「シャピロの野郎、やっぱり俺達を」
「それもある。一石二鳥を狙った戦術だ」
アランは目の前の敵を撃ち落しながらまた忍に言う。
「藤原、いけるか」
「馬鹿言ってんじゃねえよ」
だがそれでも。忍の強気は変わらない。
「この程度でよ」
「だが。ダメージが蓄積されている」
アランはここでも冷静にダンクーガの状況を見ているのだった。
「このままでは。危うい」
「じゃあどうしろってんだよ」
忍は彼に反論する。
「ダンクーガだってよ」
「前に言った筈だ」
アランの目が光る。
「切り札があるとな」
「切り札!?」
「そうだ、あれをやる」
彼はブラックウィングをダンクーガに近付けさせていた。
「ダンクーガの真の姿を、今ここに」
「真の姿!?」
「それは一体」
「何なのだ」
沙羅、雅人、亮もそれを聞いて声をあげる。
「まさかそれって」
「アラン、この前言っていた」
「あれなのか」
「そうだ」
アランは三人にも答えた。その目を光らせたまま。
「やるぞ、いいか」
「よし、いいぜ」
「葉月博士」
ここでアランは博士に声をかけた。
「あれの転送を御願いします」
「わかった。藤原」
博士はそれを受け忍に通信を入れる。
「今からそちらにデータを転送する。それを入力するのだ」
「それを入力すればいいんだな」
「そうだ」
そう忍にも答える。
「まさかこの時が来ると思わなかったが」
「ですが今しかありません」
アランは戸惑いを見せる博士に対して述べた。
「今を逃せばダンクーガは」
「わかっている。だからこそ」
今データを転送した。忍はそれをすぐに入力した。
「データTHX-1138、4EB]
早速データが入れられ。そうして。
「キーワードF・I・N・A・L。ファイナルダンクーガ!」
「よし!」
キーワードが入力され終わったところで。ダンクーガが舞う。その後ろにはブラックウィングが続く。
「むっ!?」
それはシャピロも見ていた。思わず声をあげる。
「あれは一体」
「合体!?」
「すると何に」
ムゲの将校達もそれを見て声をあげる。彼等もダンクーガから目を離せなかった。
「これか・・・・・・これなのか」
ダンクーガの背に今ブラックウィングがついた。そうして合体した。ダンクーガは一瞬光に包まれそうして翼を持って生まれ変わった。それは。
「人を超え獣を超え」
忍が言う。
「そして今神をも超える。ファイナルダンクーガ。やあああああってやるぜ!」
渾身の力で叫ぶ。今ダンクーガはその真の姿を現わしたのであった。
「凄いよ、この力」
沙羅が言った。
「ダンクーガより遥かに」
「いけるよ、これなら」
雅人も言う。
「こいつ等だって。どんな数があっても」
「忍、いいな」
亮が忍に声をかけた。
「今からだ」
「ああ、わかってるぜ」
忍も仲間達に答える。
「これなら。どんな奴等だってよ」
「藤原、行くぞ!」
アランが声をかける。
「今このファイナルダンクーガの力で!」
「ああ!」
忍も応える。そうして今目の前の敵に断空剣を出すのであった。
「手前等が幾らいてもな!」
早速右に左に薙ぎ払って言う。
「そんなの怖くとも何ともないんだよ!」
ダンクーガに集中していた敵は次々に倒れていく。それで一点突破を狙っていたムゲ軍は押し返された。それが勝負の分かれ目になった。
「今だな」
「はい」
未沙がグローバルの言葉に頷いた。
「攻撃の時です」
「よし、全軍前に出ろ」
グローバルはそう指示を出した。
「今こそ。決着を着ける」
「全軍攻撃開始して下さい」
未沙が全軍に告げた。
「そうして一気にムゲ軍を」
「よし、待ちに待ったこの時だ!」
「一気に潰してやるわよ!」
誰もがこの言葉を待っていた。一気に攻勢に出る。
押し戻されていたムゲ軍はそこに一気にロンド=ベルの攻勢を受けた。これにより彼等はその陣形を大きく崩しそのまま総崩れになったのであった。
「司令」
それを見て参謀の一人がシャピロに声をかける。
「我が軍は総崩れです」
「このままでは」
「援軍はもうなかったな」
シャピロは参謀達の言葉にまずは問うた。
「そうだったな」
「残念ですが」
「それももう」
「わかった」
シャピロはそこまで聞いて頷いた。
「では撤退だ。いいな」
「はい」
「それでは」
それこそ彼等の求めていた言葉である。だからこそすぐに頷くのであった。
「全軍撤退だ!」
「急げ!」
「しかし」
シャピロは撤退に入る自軍を見て言うのだった。
「ファイナルダンクーガか。味な真似を」
ロンド=ベルの先頭に立って暴れ回るファイナルダンクーガを見て述べる。
「だがこの借りは必ず返す。覚えていろ」
だからといって諦めるシャピロではない。彼はそういう男であった。
「決してな」
そこまで言うと戦場を後にした。今回もロンド=ベルの勝利に終わった。
戦いを終えそれぞれの艦に戻る。忍はそこで仲間達と話をしていた。
「じゃあいつもあの形態なのはかえって駄目なんだな」
「ああ、そうだ」
アランが彼に答える。
「ファイナルダンクーガは確かに強力だがブラックウィングまで必要だ」
「ああ」
「ブラックウィングが必要な時は分離した方がいい。その方が戦力が多くなる」
「まあそうだな」
忍もアランのその言葉には頷くものがあった。
「一機より二機だよな」
「そうだ、それがわかればいい」
アランは忍が頷いたのを見て安心した声になった。
「あれはあくまでいざという時の切り札だ。それでいいな」
「ああ、わかったぜ」
忍もそれに応えた。
「じゃあ普段はダンクーガのままでだな」
「そういうことだ」
ファイナルダンクーガは切り札になった。こうしてそれが決定したのだった。
その話が終わってからだ。ゼダンに向かうロンド=ベルに対してミスマルが通信を入れてきたのである。彼はまずユリカを見て言うのであった。
「おお~~~~~、ユリカ!」
いきなり親馬鹿ぶりを発揮する。
「頑張っているようだな。お父さんは嬉しいぞ!」
「これが任務ですから」
ユリカは明るい顔で父に述べた。
「お父さん、当たり前よ」
「当たり前のことを当たり前にする」
それでもミスマルは泣きながら言う。
「それが素晴らしいことなんだよ」
「それはそうと司令」
リーがここでミスマルに問うた。
「むっ!?」
「あのムゲ=ゾルバトス帝国についてですが」
「言いたいことはわかっている」
「左様ですか」
「彼等の素性についてだな」
「はい」
それであった。生真面目な彼らしい質問であった。
「彼等は一体。やはり」
「そうだ、間違いなく異世界から来ている」
ミスマルはリーにそう答えた。
「その兵器は今まで見たものではない。確実にな」
「そうですか、やはり」
「だが。それでも詳しいことはまだわからない」
ミスマルはこうも述べた。
「残念だがな」
「そうなのですか」
「全てがわかるのはおそらくまだ先だ」
「では。今は黙って戦うしかないですか」
「そうだ。しかし」
ここでミスマルは言う。
「おそらく当分の間彼等は大人しいだろうな」
「それは何故」
「君達との戦いの結果だ」
そこを指摘するのであった。
「一連の戦いで彼等もかなりのダメージを受けている筈だ。数千機単位で損失を出しているのだからな」
「そうですな」
その言葉にショーンが頷く。
「思えば随分倒したものです」
「それだ。そのせいでおそらく彼等は暫くはダメージの回復に専念する筈だ」
「はい」
ショーンはミスマルのその言葉に頷く。
「おそらくは」
「その間あのゲートやゲスト、インスペクターに警戒して欲しい」
「神出鬼没の相手にですが」
「難しいか頼めるか」
ロンド=ベルに対して問う。
「それを」
「わかりました。それでは」
シナプスが最初に応えた。
「お任せ下さい」
「うむ、頼むぞ」
「それで司令」
レフィーナがミスマルに尋ねてきた。
「むっ?」
「これからも私達の拠点はゼダンで宜しいでしょうか」
「当分そこで頼む」
ミスマルはその方針を伝えた。
「あの基地が一番充実しているしな。それに位置もいい」
「確かに」
レフィーナもそれに頷く。
「ゼダンは絶好の場所です」
「君達にとっては色々と想うところのある場所だと思うがな」
ゼダンはかつてはア=バオア=クーであった。そこにティターンズがルナツーを置いて宇宙での拠点とした。メール=シュトローム作戦でのロンド=ベルとティターンズの死闘は彼等の記憶にまだ新しい。
「是非頼む」
「わかりました、それでは」
「今後も健闘を祈る」
ムゲ=ゾルバトス帝国との一連の激しい戦いを終えたロンド=ベルはまた新たな任務につくことになった。しかしそれとは全く違った脅威が迫ろうとしていた。彼等には安穏の日はまだまだ先であったのだった。

第二十三話完

2007・11・14
 
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