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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第一話 宣戦布告

              第一話 宣戦布告
地球圏の勢力を全て倒しガンエデンさえも倒したロンド=ベル。彼等はまずイルイを安全な場所に移したのであった。
「これでいいんだよな」
「ええ」
アイビスにツグミが答える。
「イルイにとってもね」
「そうだな、イルイはもうガンエデンじゃないんだ」
アイビスはそのことに頷いた。
「もう普通の女の子なんだ」
「そうです。ですから」
「ではわしも去ろう」
マスターアジアも別れを告げてきた。
「師匠、一体どちらへ」
「わしの力を欲するところだ」
マスターは不敵に笑って彼に応えた。
「まだバルマーや宇宙怪獣がおる。そうした奴等と戦いにな」
「わかりました、それではまた」
「うむ。しかしドモンよ」
ここでドモンに顔を向けて声をかけてきた。
「何でしょうか」
「あの時からさらに強くなったな」
口ひげを綻ばせての言葉であった。
「そうでしょう、俺はまだ」
「謙遜せずともよい」
だが彼は弟子の謙遜を受け取りはしなかった。
「御前が強くなったのは確かだからな」
「師匠・・・・・・」
「己の道を歩め」
彼は言った。
「最早御前の道は何処を歩こうが迷いはせぬ。だからな」
「わかりました。それではまた縁がありましたら」
「共に戦おうぞ」
「はい」
こうしてマスターも去った。シュバルツも今去ろうとしていた。
「ドモンよ、また会おう」
「ああ、わかった」
ドモンはシュバルツにも応えた。
「御前ともまたな」
「戦いはまだ終わってはいない。しかし」
シュバルツは言う。
「御前ならばそれを終わらせることができる。ロンド=ベルならばな」
「ああ、やってみせる」
ドモンは彼にも応えたのだった。確かな声で。
「きっとな」
「その時を楽しみにしている。では!!」
姿を消した。こうして彼も次の戦いに向かうのだった。
最後にシュウが。彼もまた何処かへ。
「シュウ様行かれておられるのですね」
「だからモニカ、文法が変ですよ」
またモニカに突っ込みを入れる。
「そうしたところは相変わらずですね」
「あら、悪い筈がないのではないのですか?」
「もう何言ってるかわからないわよね」
「・・・・・・うむ」
ミオの言葉にゲンナジーが頷く。
「少しばかりな」
「シュウ様、今度はどちらへ」
サフィーネはそれを尋ねてきた。
「行かれるのですか?」
「少し気になることがありましてね」
うっすらと笑って彼女に応えてきた。
「それで少し」
「けれどまた俺達の前に出て来るんだな」
マサキが尋ねたのはそれであった。
「そうなんだろ?」
「ええ、おそらくは」
そのうっすらとした笑みのまま彼に応えた。
「それに彼はまだ生きていますし」
「彼!?」
「孫光龍のことですか?」
クスハがそれに問うてきた。
「それは」
「はい。彼は主を失いましたが己の使命を失ったわけではありません」
「己の使命を」
「きっとまた動くでしょう。ですから」
「彼を追うんですね」
ブリットが問うてきた。
「それじゃあ」
「はい」
シュウもそれに応えて頷いてきた。
「そのつもりです。それでは私もまた」
「ああ、またな」
マサキが応えてきた。
「また会える時を楽しみにしているぜ」
「ええ、こちらこそ」
去ろうとしたところでクスハに顔を向ける。何かを思い出したようだった。
「そうだ」
「何か?」
「その孫光龍ですけれどね」
「何かあるんですか?」
「注意して下さい、貴方とブリットさんとは浅からぬ因縁があります」
二人はその言葉に顔を向けてきた。
「私と」
「俺と」
「そうです。ですから」
「またあの人と戦うことになるんですね」
クスハはそのことに顔を暗くさせてきた。
「やっぱり」
「ええ、おそらくは」
シュウはそれに応えて述べた。
「ですから。覚悟はしておいて下さい」
「わかりました」
クスハもブリットもそれに頷いてきた。
「それじゃあ」
「また戦いに」
「おそらくバルマーもすぐに来ます」
また言うのだった。
「ですからそれへの用心も。それでは」
シュウもまた去った。そうして何処かへと向かったのだった。
こうしてロンド=ベルはまた彼等だけになった。とりあえずは日本の呉で新たなる戦いの時を待っていたのであった。それが運命であるかのように。
「けれどよ」
ディアッカがパフェを作っていた。その中で皆に述べる。
「何か今結構平和だよな」
「そうね」
「今のところはな」
プルとプルツーがそれに応える。
「そうだよな、すぐにまたバルマーや宇宙怪獣が山みたいに来るんだろうな」
「それだけだといいけれどな」
イザークが言ってきた。彼はクレープを食べている。
「他にも敵が出るかもな」
「敵ですか」
ニコルがそれに顔を向ける。彼はケーキであった。
「けれどあれだろ」
ミゲルが言う。見れば赤服になっている。彼だけでなくジャックやエルフィもである。これはザフトが変わった為だ。アカデミーの成績ではなくそれまでの撃墜数や活躍で赤服になることになったのだ。その為彼等も赤服になったのである。
「地球圏の敵は全て倒したんじゃなかったのか」
「とりあえず出ているだけはだよな」
ジュドーがそれに応えてきた。
「まだいるかも知れねえぜ」
「それはあるわよね」
ルーはジュドーの言葉に頷いた。
「また何か出て来るかも」
「けれど出て来るって何が?」
イーノがそれを聞いて言ってきた。
「地下勢力だってもうやっつけたし」
「そうだよな」
モンドがイーノのその言葉に頷いた。
「幾ら何でもこれ以上は出ないんじゃ」
「残党とかいるんじゃ?」
エルは自分でもあまり信じていないことを口に出してきた。
「恐竜帝国とかの」
「流石にあいつ等はないだろ?」
ビーチャがそれに応えて言う。
「あれだけ完全に滅んだらよ」
「そうですよね。邪魔大王国もいないんですよね」
フィリスが述べてきた。
「それだともう流石に」
「宇宙はいないですよね」
エルフィにも思い当たるものはなかった。
「バルマーと宇宙怪獣以外には」
「そうだな」
レイがその言葉に頷く。
「他には」
「いないか。やっぱり」
ハイネがぽつりと呟いた。ここでパフェができて皆に配られる。
「バルマーと宇宙怪獣以外には」
「じゃあある意味楽ってわけか?」
ケーンがそれを聞いてパフェを食べながら問う。
「敵が少なくて」
「そうだな。今までハードだったから」
タップが能天気に言い出す。
「楽させようって神様の配慮だな」
「おいおいタップ」
ライトがその言葉に突っ込みを入れる。
「神様はもういないぜ」
「あっ、そうか」
「けれどあれだよな」
シンもまたパフェを食べながら言うのだった。
「イルイを安全な場所にやったのは正解だったな」
「ああ、そうだね」
レッシィがそれに頷く。彼女はコーヒーとパフェを楽しんでいる。
「さもないとイルイを戦争に巻き込んでしまうからな」4
「それだけは勘弁して欲しいわよ」
アムは怪訝な顔で言う。
「洒落にならないから」
「そういうことだな。そうした意味でこの選択は間違いじゃない」
ダバは冷静な分析を述べる。
「ただ」
「ただ?」
「バルマーは時折卑劣な作戦も立ててくる。それは注意しないとな」
「そうだな」
その言葉にショウが頷く。
「マーグは正々堂々としているがユーゼスは酷いものだった」
「ああ、あいつか」
トッドはその名を聞いて顔を曇らせた。
「あいつはな。また特別じゃねえのか?」
「そうだと思いたい」
しかしショウの返事は今一つ歯切れが悪い。
「幾ら何でもな」
「それでな」
ここでキャオが言う。
「バルマーで一番やばいって言われてるのはな」
「誰なんだ?」
「ハザルってやつだ」
そう皆に告げる。
「ハザル!?」
「ハザル=ゴッツォって奴だ。バルマーの宰相ユーゼス=ゴッツォの息子さ」
「宰相のか」
「じゃあかなりの家の」
「ああ、とんでもなく嫌な奴らしいな」
そう述べるキャオの顔が嫌悪に歪む。
「バルマーの中でも特にらしい」
「それってどんなの?」
キラが彼に問う。
「性格が悪いってだけじゃないよね」
「それもあるけれどな」
キャオはキラに一旦そう答えた。
「ただそれだけじゃねえ。選民思想の塊で他の人間を虫ケラか何かに思っているらしいぜ」
「何、それ」
ミリアリアはそれを聞いて目を顰めさせる。
「かなりのものね」
「戦闘でもあれだ。一般市民を巻き添えにする作戦を好んでやるそうでな」
「最悪だね」
トールもそれを聞いて顔を顰めさせた。
「それって」
「だからだ。奴も来るかもしれないからな」
「その可能性はゼロじゃないね」
「そうだな」
サイはカズイの言葉に頷いた。
「バルマーと全面対決になるなら」
「嫌だな、それは」
「嫌でも何でも敵が来たら戦うしかないぜ」
キャオはそうカズイに忠告してきた。
「言っておくがそのハザルってのは降伏した相手も平気で攻撃するぜ」
「うわっ」
「それは幾ら何でも」
「そういう奴だってことだ。覚えていて損はねえぜ」
「わかったわ」
「それじゃあ」
皆それに頷く。流石に晴れやかな顔は誰もしていなかった。
「後バルマーでやばいのは」
「グラドスだ」
ここでエイジが来た。そうして皆に言う。
「エイジさん」
「グラドス軍には注意してくれ。彼等はそのハザルの尖兵なんだ」
「尖兵・・・・・・」
「ああ、僕もそこにいたから」
エイジはそう述べて顔を暗くさせてきた。
「わかるんだ。彼等はバルマー十二支族の末裔で帝国の中ではかなり位が高い」
「それでなんですね」
「そうなんだ。プライドを鼻にかけて暴虐の限りを尽くしている」
「そんなに」
「ティターンズなんて生易しい」
エイジのその言葉こそがグラドスについて何よりも雄弁に語ったものだった。
「そんな奴等だってことは覚えていて欲しい」
「わかりました」
「何かどんどんとんでもない連中がいるってことが」
「けれどバルマーだけじゃない」
ファムが能天気に言ってきた。
「それじゃあ楽よ」
「いや、それがそうじゃねえんだ」
しかしキャオがここでまた言う。
「それだけじゃないって?」
「バルマー以外にも勢力は存在している」
ギャブレーが告げる。
「ゲストとインスペクターもまた」
「ゲスト!?」
「インスペクター!?」
皆その聞き慣れない言葉に目を動かす。
「それって一体」
「何なんですか!?」
「わかり易く言うとバルマーとは別の国家だ」
「別の」
「彼等も私達人間と同じ姿形をしている。そうした意味でおそらく同じルーツなのだろうな」
「地球やバルマーと同じなのか」
シンはギャブレーの言葉に目を動かしてきた。
「けれど何か違うみたいな」
「そうだま。基本的にゲストとインスペクターは同じ星を母星とするが勢力が違う」
「というと」
「俺達とティターンズみたいなものか」
「そうだな、それに近い」
ギャブレーもそれは認める。
「彼等は共に共和政体だが指導者がそれぞれ違う」
「指導者が」
「ゲストはティニクエット=ゼゼーナン、インスペクターはウェンドロ」
二人の名前が告げられる。
「彼等がそれぞれの指導者となっている」
「それでその二人の指導者はどうした感じかな」
ユウナがギャブレーに問うてきた。
「敵になるにしても味方になるにしてもそこが重要だからね」
「ウェンドロは子供だ。ただし天才的な戦闘センスとカリスマ性を持っている」
「戦闘センスとカリスマ性を」
「そうだ。それに対してゼゼーナンは大したことがない」
そう言い捨てる。
「自分達以外を下等と見下していて家柄だけで今の地位にある。人望も全くない」
「何だ」
「その程度か」
皆それを聞いて安堵の息を漏らす。暦に回った場合その程度なら大したことはないと判断したからである。それは実際にそうであるが。
「ただしどちらも勢力は大きい」122
ギャブレーはここで付け加えてきた。
「どちらもバルマーに対抗できる程だ。それは覚えておいてくれ」
「了解」
「それじゃあそれも」
皆ギャブレーの言葉に頷く。
「頭に入れておきます」
「さて」
話は一段落したところでダバが言ってきた。
「それじゃあ食べ終わったし」
「ええ」
「解散ってことで」
「何か一難去ってまた一難だよな」
ディアッカが苦笑いを浮かべて言う。
「戦いが終わってもな。次の敵か」
「仕方ありませんよ」
ニコルが彼にそう述べる。
「宇宙怪獣だっていますしね」
「それもそうか。じゃあ訓練でもすっか」
「もうオルガ達は元気でやってるぜ」
ジュドーが言ってきた。
「相変わらずな」
「相変わらずねえ」
勇がそれに顔を向ける。
「何かあの三人がいるだけでもかなり心強いな」
「そうね。最初はとんでもないのが来たと思ったけれど」
カナンが彼の言葉に答える。
「会って話してみればそんなに悪いことはないわね」
「そうか?」
だがヒギンズはそれには異議を呈する。
「あの破天荒さはな」
「それもあいつ等の売りだな」
スティングはこう評してきた。
「俺達も似たようなものだがあいつ等はまた特にな」
「エキセントリックってやつ?」
アウルがそれに突っ込みを入れる。
「あれは」
「エキセントリックというよりは」
サイがそれに応えて述べる。
「無茶苦茶っていうような」
「けれどステラあの三人好き」
しかしステラがここでこう言う。
「悪い感じはしないから」
「影はないな」
クインシィが彼女の言葉に頷く。
「確かにな」
「戦いでも派手に活躍してくれるしな」
ジョナサンもそれは認めている。実際に彼等の常識破りの戦闘力と三機のガンダムのパワーは今やロンド=ベルにはなくてはならないものになっている。
「それは事実だ」
「けれどよ、あれよ」
アムが顔を顰めて言ってきた。
「あの三人何を食べても平気だし何しても死なないし」
「そうそう、それそれ」
「それだよな」
皆そこに突っ込みを入れる。
「俺もあれには驚いた」
イザークが真剣な顔で述べる。
「まさか。クスハの料理を食べて全く何もないとはな」
「マリューさんやミサトさんの料理もね」
「あとユリカ艦長のも」
ロンド=ベルは料理の上手い人間は最高に上手いがそうでない人間は犯罪の域にまで達している。特にラクスを含めた上記の彼女達のそれは筆舌に尽し難い。
「酷いなんてものじゃないよなあ」
「幾ら何でも」
「けれどさ」
ここでトールが言ってきた。
「どうしたんだ、トール」
「この前食べたナタル副長の料理は美味しかったよ」
「ナタルさんのが!?」
「それ本当?」
「うん、本当に」
そう皆に告げる。
「かなりよかったよ」
「何か意外」
「いや、案外」
メイリンが言葉を出してきた。
「似合ってるかも」
「そうかな?」
「だってナタルさんってあれで女らしいじゃない」
メイリンはいいところを見ていた。その通りである。
「だからね。そういうのも」
「ありってことか」
「どうかしら」
「はい、シン」
ルナマリアがシンに突っ込みを事前に入れてきた。
「以後ナタルさんに関する言葉禁止」
「おい、何でだよ」
「あんたが誰かの悪口言うと絶対にその人が後ろに立ってるからよ」
「何だよ、それ」
「いや、本当にそうだしな」
「そうだな」
イサムとガルドがそれに応えて言う。
「御前の特殊能力だよな」
「全くだ」
「ちぇっ、じゃあ言わないけれどよ」
「それに越したことはない。それでだ」4
レイがまた言う。
「どの機体も整備は進んでいるな」
「ええ。どの機体も随分傷んでいたけれど」
キーンが彼の言葉に答える。
「戦艦も整備が終わったってところかしら」
「呉のドックをフルに使ってね」
マーベルが言った。
「かなり大変だったみたいよ」
「しかしだ。これでまた安心して戦える」
バーンは冷静な声で言うのだった。
「時折こうして整備しておかないとな。戦えるものも戦えなくなる」
「全くだぜ」
デュオが彼の言葉に頷く。
「俺のデスサイズヘルカスタムもかなり傷んでいたしな」
「マグアナック隊もそうでした」
カトルも答える。
「それもかなり」
「時々こうして念入りに整備をしておかないと満足には戦えない」
トロワの声はクールであった。
「それを考えるといい休みになった」
「しかしだ」
ウーヒェイが注意を入れてきた。
「気は緩められない。それはわかるな」
「ああ」
ヒイロが彼の言葉に応える。
「まだ戦いは終わってはいないからな」
その通りであった。バルマーもいれば宇宙怪獣もいる。だがそれだけではなかった。彼等は暫くしてそれを知ることになったのであった。
十一隻の戦艦も全てのマシンも万全の整備を終えた彼等は一旦宇宙にあるオービットに向かおうとしていた。ところが呉を出るところで緊急警報が鳴ったのであった。
「まさか」
「バルマーがもう」
そう考えたのは当然であった。しかし今回はそうではなかった。
「!?」
「何だありゃ」
呉上空に見たこともないマシンばかりが展開している。彼等はそれを見て顔を顰めさせた。
「バルマー・・・・・・じゃねえよな」
サブロウタが首を傾げさせる。
「あれは」
「ああ、全然違うな」
ナンガがそれに頷く。
「あれは一体」
「若しかして」
ここでエイジが言う。
「インスペクターなのか?」
「インスペクター!?」
「噂のか」
皆はエイジの言葉に顔を向けてきた。
「ああ。何度か彼等のデータを見たことがあるけれどそれに似ている」
そう彼は述べる。
「あのシルエットは」
「そうですか。見たところ結構厄介そうですね」
カントが言った。
「機動力と火力が」
「そうだな」
それにナッキィが応える。
「あれは」
「しかし。妙だな」
シラーがふと言った。
「指揮官機がいないのか?」
「いや、あれじゃないのか?」
ジョナサンが述べてきた。敵軍の後方を指差して。
「あの敵機が」
「あれか」
「あれは確かゲイオス=グルード」
エイジが述べてきた。
「インスペクター、ゲストの指揮官機だな」
「けれどエイジさんよ」
ジョナサンが彼に声をかけてきた。
「何かな」
「何でインスペクターとかゲストってわかったんだ?」
「それはあれを見て」
そう言ってインスペクターの機体を指差す。
「敵の左肩の辺り」
「左肩を?」
「ほら、あの紋章」
見ればそこには紋章がある。皆それを見る。
「あれはインスペクターの紋章なんだ。ゲストとはまた違ったもので」
「成程、そういうわけかよ」
忍はそれを聞いて述べた。
「だからか。それでわかったのか」
「ああ。基本的にゲストとインスペクターは同じなんだ」
また皆にそれを言う。
「使っている兵器もな」
「じゃあ大体戦術とかは同じってことかな」
雅人はそれを聞いて述べた。
「ゲストとインスペクターは」
「そうだな、ただ」
「ただ?」
「ゲストの方が問題があると言われている」
「ああ、そのゼゼーナンってやつだね」
沙羅がそれを聞いて言ってきた。
「とんでもない奴だっていう」
「そう、インスペクターの方が手強いかな」
エイジはまた述べた。
「勢力もおおよそ互角だけれど」
「そうか。しかし」
亮はそれを聞いてもなお疑問に思うものがあった。
「何故地球に」
「ただの侵略じゃないのか?」
鉄也が言ってきた。
「今までの勢力と同じように」
「へっ、どいつもこいつもよ」
甲児はそれを聞いて減らず口めいて述べた。
「随分と地球に御執心なこった」
「ガンエデンのせいなのか」
大介は冷静に分析をはじめていた。
「やはりこれは」
「そうかも知れない。ただ」
「ただ!?」
皆またエイジの言葉に顔を向けた。
「ゲストとインスペクターはバルマーとも対立している」
「何かバルマーって」
「敵多いわね」
さやかとジュンはそれを聞いて言うのだった。
「あちこちと戦争しているからかしら」
マリアも言ってきた。
「やっぱり」
「バルマーは確かに敵が多い」
エイジもそれに頷く。
「そのせいで各地で戦力を消耗しているのも事実なんだ」
「やっぱりな」
「それでよく国がもっているな」
「戦争で新たな戦力を手に入れてきたから」
「つまり戦争がないと成り立たないのか」
マシュマーはそう結論を出した。
「危ういシステムのような」
「マシュマー様、おわかりなんですね」
「ゴットン、何か気になる言い方だな」
マシュマーはゴットンに顔を向ける。
「何が言いたいのだ?」
「いえ、何も」
「そうか。ならいいが」
「皆さん」
ルリが口を開いて述べてきた。
「敵が前に来ます」
「やはり」
エイジはそれを聞いて呟いた。
「やはりインスペクターも」
「全軍戦闘用意です」
ユリカはそれを見てすぐに判断を下してきた。
「そして敵を撃退しましょう」
「了解」
「降りかかる火の粉はそれで」
ロンド=ベルはまた戦いに向かうことになった。呉の港に布陣して空から来る敵を迎え撃つ。敵は早速前から攻撃を仕掛けてきた。
「気をつけな!」
スレッガーが叫ぶ。
「こりゃかなり性能が高いぜ!」
「ああ、そうみたいだなこれはよ!」
カイが敵の中の一機の攻撃をかわしてスレッガーのその言葉に応える。
「いい照準してるぜ!」
「照準を合わせて一機ずつ狙え!」
ブライトはその中で指示を出してきた。
「各個撃破だ。いいな!」
「わかった」
アムロがそれに応えて頷く。
「それなら・・・・・・!」
彼の動きはまた特別だった。一機また一機と敵をビームライフルで撃ち抜いていく。やはり彼こそがロンド=ベルで第一のエースだった。
クワトロもまた一機ずつ敵を減らしていく。そうして敵の指揮官が動くのを待っていた。
「エイジ」
アムロはその中でエイジに声をかけてきた。
「はい」
「ゲイオス=グルードだったな」
敵機のことを問う。
「確か」
「ええ、そうです」
エイジは彼に答えた。
「手強いです、注意して下さい」
「わかった。じゃあ」
アムロはあらためて攻撃態勢に入った。フィンファンネルを放つつもりだった。
そしてそれを放つ。無数のファンネルがそのゲイオス=グルードを包んで各方向から攻撃を浴びせる。しかしそれででゲイオス=グルードは落ちなかった。
「何っ!?」
「まさか!?」
皆それを聞いて驚きを隠せない。ニューガンダムのフィンファンネルの圧倒的な攻撃力を知っていたからだ。だがそれは一瞬のことだった。
ゲイオス=グルードはあちこちから火を噴いていく。そうしてゆっくりと海面に落ちた。そうして海の中で大爆発を起こしたのであった。
気がつけば敵はいなくなっていた。とりあえずはロンド=ベルの勝利であった。
「まずは俺達の勝利か」
アムロは敵がいなくなったのを見て言った。
「今日のところは」
「そうだな」
ハヤトがそれに頷く。
「これからはわからないけれどな」
「インスペクターか」
リュウはまた敵の名を口にした。
「今日は数が少なかったがこれで多かったら」
実質一〇〇もいなかった。物量的にこちらが勝っているのが今回は大きかった。
「そうですね。かなりの強敵です」
セイラが冷静にそれを分析してきた。
「彼等もまた」
「今回は宣戦布告か」
グローバルはそう呟いた。
「さしあたっては」
「ええ、おそらくこれからは」
未沙が言う。
「彼等とも激しい戦いになるかと」
また新たな勢力が姿を現わしたのだった。だがそれが果たしてどういった者達かまでは完全にはわかっていなかった。また謎が現われたのだった。
ロンド=ベルが勝利を収めた後で。闇の中でそれについて話す者達がいた。
「データ以上の力か」
「そうね」
スキンヘッドの男に黒いロングヘアの女が応えていた。
「それもかなりね」
「思った以上に手強いか」
「しかしそれも考えれば当然だろうな」
金髪の男が言ってきた。
「今までもかなりの戦果をあげている連中だからな」
「御前はどう思う?」
スキンヘッドの男は黒い肌の男に問うてきた。
「彼等に関して」
「・・・・・・・・・」
だが彼は答えない。黙っているだけであった。
「喋ったらどうだ?」
「別にいいじゃない」
しかし横からそのロングヘアの女が言ってきた。
「別にね」
「ふん、ならいい」
スキンヘッドはそれで諦めた。諦めるしかないといった感じである。
「だが。今後我々も厳しい戦いになりそうだな」
「それはわかってるでしょ?」
女が言う。
「最初から」
「そうだな。あいつ等も地球に向かっているそうだしな」
「そうか、やはりな」
スキンヘッドは金髪の言葉に顔を向けてきた。
「来たか」
「バルマーもまたこちらに来ているわよ」
女がそう付け加えてきた。
「それも今まで以上の数で」
「四つ巴か」
スキンヘッドはそれを聞いて呟いた。
「かなり激しい戦いになるな」
「どうする?一時高みの見物といくか?」
「いや、それはできないだろう」
スキンヘッドは金髪の言葉に首を横に振ってきた。
「あの方がそれを望まれてはいない」
「そうか、なら仕方がないな」
「そうね」
「・・・・・・・・・」
他の三人もそれで納得した。もっとも黒い男は言葉を発してはいないが。
「では我々も積極的に動こう」
「そしてロンド=ベルはどうしているんだ?」
金髪の男が仲間達に尋ねてきた。
「呉から移動している筈だが」
「東京にいるらしい」
「東京か」
「そうだ、そこからまた本格的な作戦行動に移るつもりらしい」
「わかった。では俺が行く」
スキンヘッドの男が言ってきた。
「それでいいな」
「ええ、私はそれでいいわ」
女はそれで納得してきた。
「あんたはどうなの?」
「俺もそれでいい」
金髪も答えた。
「そうか。御前はどうだ?」
「・・・・・・・・・」
黒い男は黙っている。しかしスキンヘッドは問いはしなかった。
「わかった」
「じゃあ行って来い」
金髪が彼を送る。
「死なない程度にな」
「わかった。ではな」
彼は出撃しそのまま姿を消す。東京においても戦いがはじまろうとしていた。

第一話完

2007・5・16  
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