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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第一章 無印編
  第七話        『ジュエルシード探索。そして失敗…』

 
前書き
本日は休日なので早めの更新です。

シホはこの小説では中国拳法を取得しているので『縮地』『瞬動術』『浸透勁』といった中国武術の奥義その他色々を使えます。
ネギまだろ?とかつっこまないでください(>_<)
 

 




それから、シホとなのはは普通に学校に通い、夕方・夜はシホがなのはを守るという事で士郎さん達には公認の許可(もちろん内容は話していない。いずれ話すと言う事で…)をもらっているので、結構派手に夜中は動き回っている。
なのはとユーノはこの事を知らないけど、シホはシホでフィアットとともに二人のサポートに専念している。
まさにシホはなのはにとって縁の下の力持ち状態である。

とうのシホはシホでフィアットを肩に乗せて日常ではよく一緒に出かけているのが主である。
その理由はというと、

「それじゃフィア。人間の姿に戻っていいわよ」
「はい。お姉様!」

フィアットの体が光りだすとフェレットの姿から人間の形になり――戻ったともいう――女の子の姿になっていた。
髪の色はフェレット状態と同じ色で肩くらいまで伸ばしていて、首に白い布を巻いていて活発そうな雰囲気を出している。
服装に関してはユーノとほぼ同一だと言う。


………ここで補足するとシホは普段着ではスカートの下にスパッツを穿いている。


聞いた話だとユーノとはやはり双子な為、性別と女性としての仕草以外はほぼ外見は今のところ一緒だと言う。
それとユーノは捕縛、結界、治癒と補助魔法に長けている支援型のエキスパートだという。
それに対してフィアットはユーノとはほぼ逆位置に対する攻撃型。
当然補助魔法も兄妹ゆえに競い合う形でフィアも同程度で行使できるが、どうにも性に合わないらしく小さい頃から武道にも力を入れていると言う。

ちなみにフィアットはユーノの自然治癒とは違い、シホによる常日頃からの今のところ使い道のないリンカーコア同士でパスを繋いで魔力を送ってもらい、もう人間形態でも大丈夫なくらいには回復していた。
どうやってパスを繋いだかというと普通に魔法陣を敷いてである(と、言ってもいろいろ試行錯誤して繋いだのである。結構大発見かもしれない…)。
シホから魔力を送ってもらう際、内心で「お姉様の魔力が流れ込んできますぅ~♪」と頬を赤らめる為、たまにシホは身の危険を感じている。
ある意味パスを繋いだ為にシホの使い魔的存在になっている現状をフィアットはかなり喜んでいたりする。



閑話休題



それで攻撃魔法をメインに置くタイプらしく、フィアットはシホに武術の指南を申し込んでいた。
シホは少し躊躇いがちに、

「でも、私の使う武術はほぼ我流よ? 魔術だって今まで実戦で培ってきたものだし…」
「構わないですよ」
「そう。まぁ私でよければ指導するわ。所でフィアはどんな技法をおもに使うの?」
「そうですね…。基本はやっぱり手足を自由に変則的に動かして一点集中で一発浴びせたら即座に離脱する戦法を取ります」
「ヒットアンドウェイ…ボクシングに通じている戦い方ね」
「ボクシング…?」
「ああ。フィアはこの世界の人間ではないから知らなかったわね。ボクシングっていうのは…」

シホはどういったものか説明をした。
ちなみに三人には詳しく話していないが、現状自身の使う魔術である投影は転送系の魔術という事にしておいた。
元の世界でも異常とことごとく師達には言われてきたのだから、シホとしてはあまり公けにしたくないのでこう伝えてある。

「それで…フィアとしてはその戦法が現状一番しっくりと来るわけだけど、やっぱり一撃の重みが軽い為になかなか実戦では使用できなくて結局はサポートに回ることになってしまっているわけね?」
「はい、そうなのです…。それでお姉様は色々な武術を嗜んでいると言っていましたのでなにか参考に出来ないかと思いまして…」
「そうね…? それだと中国武術とかもお勧めだけど、一応聞いておくけどフィアは槍の使い方はわかるかしら?」
「槍、ですか…。はい、故郷でも師が自衛のために使う事が多々あって一応得意の分野に該当します」
「そう。それなら手っ取り早いわ」

シホは刃がなくてあまり概念がない槍を投影した。
ゲイボルクなんてもっての他だしフィアットに扱える代物だとも思っていないので練習用としては妥当のものだろう。
それをシホはフィアットに渡した後、

「…でも、なぜかしら? フィアは一応ミットチルダ式魔法を使うのよね。
これじゃどんどん方向性が違ってきているのは私の気のせい…? なんていうか、どちらかというと魔導師というより思考が戦士、騎士よりね」
「あはは…はい。昔からよく言われてきた事ですのでもう気にしていません。それでなにかお姉様にいい方法を学べないかと…」
「…そうね。それじゃフィアはなのはやユーノと違って筋が良さそうだから一つか二つ、武術の奥義を教えるわ。昔に妙ちきりんな爺さんに習って会得したものなのよ」
「あ、はい!」

シホはそういってフィアットに一言、「行くわよ…」という掛け声とともに一陣の風が通り過ぎたような、そんな感じがフィアットの横を通り過ぎた。
それと同時にフィアットの目の前に先程までいたシホは姿を消して、辺りを見回そうとした…が、すぐ後ろからシホの声が聞こえてきてフィアットは驚いて思わず尻餅をついていた。

「今のが武術の奥義の一つともいえる移動法…『縮地法』よ。魔術も魔法も一切使用しない純粋な武の術の一つ」
「すごいです…」
「まだよ。もう一つフィアの悩みに打ってつけの術があるわ。とりあえずフィアは痛い思いをしたくなかったら防御魔法を常時展開しなさい」
「は、はい!」

フィアットの足元に魔法陣が浮かび上がったと同時に防御魔法『ラウンドシールド』が常時展開された。
それを確認したシホは、とある武術の構えをしてすぐに広げた掌をラウンドシールドに向けて放った。
…普通なら強力な魔法でない限りは物理攻撃でも防げる強度を持つシールドだが、シールド自体は砕けず変わりにフィアットが構えていた腕を押さえて痛みに堪えていた。

「うぅっ…。お、お姉様…今の、は? シールドを展開していたのにそれがまるで意味を成していませんでした…」
「今のは、もう一つの武術の奥義、『浸透勁』というものよ。
平たく言えば表面を無視して体の内部に痛みを貫通させるといったもの。
これならフィアの悩みも解消できるかもしれないわ。
まだバリアジャケットには試していないけど、その防御魔法を打ち抜いた事からきっと効くはずよ」
「…後でなのはさんに手伝ってもらいますか?」
「…あのね、フィア。これは二人には秘密の特訓って言っているでしょ?」
「あ、そうでした…」
「でも奥義と言われるだけあって多少武術を嗜んでいたとしてもそう簡単にはたどり着けないもの…」
「それじゃ…」
「まぁ落ち着きなさい。フィアはまだ成長は発展途上…これから私がゆっくりと鍛えていくから焦らないの」
「わかりました。でもお姉様もすごいですね! これだけの術をすでに習得しているなんて…!」

フィアットはますますシホに憧れを抱いた。
だけどシホは少し表情を曇らせながら、

「生きていくためには、どうしても必要だったから習得しただけよ…」
「あっ…」

それを聞いてフィアットは自身の発言に後悔した。
シホは次元世界とは違い、平行世界というまったく別の世界から逃げのびてきて今ここにいるという事を失念していた。
当然この事は最初に打ち明けた高町家だけで、なのは、そしてユーノには年齢的に重過ぎるだろう事として話していないが、フィアットは使い魔兼最も信頼できる友人同然のようになったので特別に教えてもらっていた。
そのせいもあってフィアットはひどく暗い顔になってしまっていたが、シホがフィアットの肩に手を置いた。

「ありがとう、フィア。その気持ちだけで私は十分満足よ」
「お姉様ーーー!」

嬉しい気持ちが我慢できなくなってフィアットはシホに抱きついていた。
それをシホはよしよしとあやしていた。

その後、シホはフィアットにまず『縮地法』の簡易版でもある『瞬動術』という技法を教えた。
これは魔力を足に集中させて『縮地法』の要領で移動すると言うものである。
さらにこれの応用で腕にも試してみたらフィアットはまだ荒削りながらも少しずつ様になってきた。
それでシホはやはり才能ある者は違うわ…と愚痴を零していたり。



◆◇―――――――――◇◆



Side シホ・E・シュバインオーグ



…それから一週間が経ち、ジュエルシードの数は計四つ手にしたが、なのははやっぱりまだ魔法の扱いに慣れていないらしく疲れがたまって布団で横になってダウンしていた。

「頑張ってはいるけどやっぱりうまく立ち回るには当分先の話になりそうね…」
「そうですね。でも数はもう四個も手にしたのですから感謝しています」

ユーノはそう言ってくれるが、やはりなのはの体力の無さは少し考え物だ。
落ち着いたら魔法以外にも無理させない程度に体力づくりの特訓メニューを追加しようかしら?
あ、そういえば…、

「なのは。今日はアリサ達と約束があるでしょ? とりあえず、ジュエルシード探しは中止して体を休めなさい。ただでさえ最近動きっぱなしで体力消耗しているんだから」

なのはは少し渋ったが「はーい…」と返事をしたのでよしとする。



◆◇―――――――――◇◆



そして二人と合流したシホ達がいる場所はとある広いグラウンド。
今日ここでは士郎が監督兼オーナーを務めているサッカークラブ『翠屋JFC』と他のチームとの試合が行われている。
シホ達は観客兼応援要員だ。
三人は元気に「がんばれー!」と言っているが、
さすがに気恥ずかしさを感じていたシホは小さく頑張れと言っている。
だが、そこは見ようによってかなり変化する。

シホ主観では、なんとか苦笑いを浮かべながらもなのは達と一緒に応援しているが…転校してきて一週間…すでにシホの存在を知らないものは少ない。
というより人気は鰻上りで翠屋JFCの選手の中にも何人かファンはいたりした。
よって、選手視点だとシホの苦笑いもやはりどうしてもその美貌に影を潜めてしまい、さらに照れで少しばかり頬を赤くして三人とは違い小さく応援しているのも【清楚で物静か、そして照れ屋】という好印象に取られてしまうという罠。
最後になのは、アリサ、すずかの三人の応援も相乗して威力は何倍にも跳ね上がる。
選手達の気力は一気に跳ね上がる。
それを相手側の選手達は見て少し悔しがっていたりした。

シホは気づいていないが士郎はそれを気づいていた為、苦笑いを浮かべながら、

(…将来どころかもう既に男性を虜にする力を天然で秘めているか。
もし付き合う男性がいたら苦労しそうだ。
だが! なのは同様シホちゃんはもう私の娘同然だ。
だからそう簡単にはやらんぞ…?
もし貰うと言うならば私か恭也を倒してからにするのだな。フッフッフッ…)

と、親馬鹿ぶりを盛大に発揮していた。


そうこうしている内に試合は終了し、『翠屋JFC』が2-0と完勝した。
士郎は勝った祝いにということで翠屋で昼食を取ることになった。
なのは達(+ユーノ、フィアット)は店の中が選手達で埋まっている為、外のテラスで食事を取っていた。
ちなみにシホは士郎と桃子の手伝いで厨房兼接客をしていた。
接客姿のシホの姿に選手達はまぶしい目で見ていたが当然シホは気づかなくて桃子と一緒に料理作りをしていた。
いつまでも見ていたい衝動に駆られていたが…士郎のニコニコとした威圧の笑みに震えていた為、萎縮していた。

少ししてサッカーチームは解散し、桃子にももう大丈夫という指示をもらったのでシホはなのは達の元へ戻った。
それからシホも遅れて食事を取った後、日常の会話を楽しんでいたが、アリサとすずかは用があるらしく、お別れの挨拶をして士郎とシホ、なのは、ユーノ、フィアットは帰宅した。
そしてすぐさまなのはは疲れがどっと出たらしく着替えて少し横になっていると言うので、

「それじゃユーノ? レディの着替えだから出て行きましょうね?」
「そうよ、兄さん?」
「わ、分かってるって…!」

シホに掴まれたユーノはなのはの部屋を退出した。
そして退出後に一同はシホの部屋に集まっていた。

「でも、やっぱり慣れない魔法を行使するのは大変よね? なのはの様子を見れば一目瞭然だし…」
「はい。知識も何も無く魔法を使うのは相当な負担になりますから…」
「兄さん。落ち込んでいてもしょうがないでしょ? 今は私達でできることをサポートしなきゃ、でしょ?」
「そう、だね。ありがとう、フィア」

一応は元気を取り戻したユーノだが、一方でシホも悩んでいた。

「はぁ、せめて私の“これ”の使い方が分かれば、なのはだけに負担を背負さなくて済むのにね…」

胸のサファイアに染まった宝石を手にしながらシホは悩んでいた。
今現在シホは封印の出来る術を持っていなかったのでどうしても援護だけになってしまっているのが現状。
シホの根本的な心の部分で色々とまだ九歳の子供に任せっきりは性にあっていなかった。

「落ち込まないでください、お姉様。お姉様の力はなのはさんにとってとても頼りがいのある力なんですよ?」
「そうですよ。僕達と同い年でその熟練した技術は確実になのはを助けています」

二人の必死の励ましにシホは礼をいった。
と、その時。いきなり巨大な魔力の波動を感じた一同は立ち上がった。
なのはもすぐに起きてきて急いで町に繰り出していく。



◆◇―――――――――◇◆



Side シホ・E・シュバインオーグ



「これはっ…!」

私達は高いビルの屋上に登り、なのははバリアジャケットをまとった後に周囲を見回すとまるで世界樹のような大樹が次々と町から生え出してきていた。

「フィア! こんなこともジュエルシードは起こしちゃうの!?」
「はい。きっと人が発動させてしまったと思います。強い思いを持った人が願いをこめて発動するとジュエルシードは一番強い力を発揮しますから!」
「ッ…!」

その時、なのはの顔が一瞬曇ったが今は保留して、

「やっかいね…。未だに成長している木があるわ。なのは!」
「は、はい!」
「私が成長の進行を抑えているうちにジュエルシードの居場所を特定しなさい!」

なのはに指示を出しながらも私は剣の丘に空を飛ぶ宝具を検索していた。
…ヒット。
ヘルメスのサンダル『天駆ける踵の靴(タラリア)』。
これは飛翔能力が備わっていてヘルメスが神々の伝令を行う際に欠かせない靴である。
逸話では英雄ペルセウスがライダー――メデューサ――を退治した際にも使われたと言う宝具。

…ちなみになぜこんな物を私が持っているかというと、
どうも約束の四日間でギルガメッシュが子供状態の時に、
愚かにも私(正確にはアヴェンジャーだけど思考パターンはやっぱり私…)は修行の為に何度もお願いしてゲート・オブ・バビロンの中に入れてもらい片っ端から解析した。
そのおかげで剣の丘には原初の様々な武器が刺さっている。
しかし、乖離剣はやはり解析不可能な為に無理だったが…。
それ以外にも剣属性に入らないモノも沢山ある…。
さすが原初の英雄王…。
だけど代償としてギルガメッシュが子供の状態だったので殺されはしなかったらしいが、その後に無理難題をいくつも出された。
四日間でリセットされるからよかったものの、内容についてはただ一言…聞かないで!


「…―――投影完了(トレース・オフ)

色々な雑念が渦巻きながらも天駆ける踵の靴(タラリア)を足に直接投影した。

(くっ…やっぱり剣属性から離れるものだから魔力を喰うわね。でも、これでいける…!)

同時になのはにああは言ったけど自身も解析を駆使して弓と矢を投影して空を飛ぼうとする。
三人は驚いていたが、フィアはいち早く回復し私の肩に乗ってくる。
そしてそのまま私は空を駆け巡る。
それからは成長しようとする木々を火の魔力が籠められている上級の矢で破壊しながらも解析をかけていく。
なのはも索敵したようで桃色の光が散らばっていった。
そして見つかった場所には二人の男女がいた。

「人が閉じ込められているわ! フィア、なにか手はない!? このままじゃジュエルシードを狙えないわ!」
「…お姉様の魔術は非殺傷設定がないから、今は万事休すです」

くっ! と毒づきながらも木々の成長を抑えようと矢を放つ。
だが、その時後方からもう一つ強大な魔力反応が起こり、何事かと思った矢先に桃色の閃光が大樹に向かって走った。

「なっ!? 遠距離魔法!」

フィアが素で驚いていたが私は違う意味で驚いていた。

(…あの距離から純粋な魔力光を撃つなんて…。私達の世界じゃ考えられないわ。
恐らく神代の魔術で比べて威力だけなら少なからず迫れるかもしれない。キャスターが見たらおそらく呆れるか殺気を覚えるか、ぐらいに…。
異世界の魔法は驚きの連続ね…)

そしてあっという間になのははジュエルシードを封印してしまった。
これはもう才能とかどうとかの問題ではない。
こちらの世界ではどうかは知らないがおそらくかなりの使い手の素質を秘めている事は間違いない。
だけど、なのは達の場所に戻ったらなのはは膝を抱えて座り込んでいた。

「…どうしたの、なのは?」
「シホちゃん…私ね、本当は気づいていたんだ。あの子が持ってたこと…でも、気のせいだと思ってた…」
「………」

私は黙ってなのはの言い分を聞くことにした。

「もしも、私がすぐに気づいていたら…すぐに封印していたら…!」
「なのは…、だったら今回のことを次に繰り返さないようにしよう。僕ももっとがんばるから」

ユーノはなのはを励ますが、私は少し怒りを感じていた。

「…なのは。一つ言っておくわ。今後悔する暇があるなら…ユーノが言ったように次はこんな惨事を起こさないように努力をしなさい。
迷ってもいいの。でもそこから這い上がれないならあなたは一生立ち直れない…。だから一人で背負い込まないで周りにも頼りなさい。あなたは一人じゃないんだから」
「うん。ありがとう、シホちゃん…」

それでやっとなのはは笑顔を見せてくれて皆で家に帰る事になった。
だけど…私は自分の言った言葉に反吐が出る思いだった。
“周りを頼れ”なんて…今更どの口が言っているのか。
私はずっと誰にも頼らずに一人で突き進んできた。
その結果が今の姿…まさに滑稽と言わざるを得ない。

「反面教師もいいところね…」

私は誰にも聞こえないくらいにそう呟いた。
だけどフィアは聞いていたらしく、

「…お姉様。無理なさらないでくださいね? お姉様ももう、一人ではないんですから…」
「ありがとう、フィア…」

フィアの心遣いに感謝し、私は今ある幸福を護っていこうと誓った。


…そういえば、天駆ける踵の靴(タラリア)や洋弓が消してもいないのにいつの間にか手元から無くなっている。
無意識に消したのだろうか?
一瞬、サファイアの宝石が光ったような気がしたが、気のせいだろう。


 
 

 
後書き
サファイアの宝石には秘密がたくさん詰まっています。 
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