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とある星の力を使いし者

作者:wawa
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第33話

「何にも!?何にも感じないってどういう事!
 私はこれでも一応女の子なのであって少しはそう言った感情も抱いてくれなければ、ショックを受けてしまうというのに!!」

と、そんな今にも泣きそうな声が隣の部屋から大音量で聞こえた。
その声で麻生は目が覚めてしまう。
この声に聞き覚えがある。
上条当麻と一緒に住んでいるインデックスという白い修道服を着ていて、イギリス清教という魔術結社に所属している普通の少女とは少し違った少女だ。
一緒に住んでいると聞くと二人はそういった関係なのかと考えてしまうが、そんな彼氏彼女的な関係は一切ない。
麻生は再び寝直そうとするが隣から未だに騒ぎ声が聞こえて寝る事が出来ない。
麻生は能力を使って上条の部屋の間にある壁を防音の壁に作り変えようかな、と本気で考えるがそれを実行するのもなんだか面倒くさいそうなのでやめる。
時間を見ると深夜の十二時を過ぎた所だ。
これから寝直そうにも隣のバカ騒ぎのせいで完全に目が覚めてしまった麻生は、立ち上がるとさっさと服を着替えていつもの散歩に出かける事にする。
部屋の鍵をかけずに学生寮のエレベータに乗り込み最下層について学生寮を出た時だった。
麻生が立っている所から右の方を見ると、とある人物が麻生に向かって歩いて来ていた。
正確にはその人物の進行進路に麻生がたまたま入ってきたという表現の方が正しい。
その男は麻生と同じ白髪で右手にはコンビニの袋が持っていた。
その人物、一方通行(アクセラレータ)は麻生の姿を確認すると驚いた顔をしている。
まさかこんな所で再開するとは思ってもみなかったのだろう。

「よう、久しぶりだな。
 あの操車場で戦った以来だな。」

対する麻生も少し驚いた表情をしていたが意外にも麻生から一方通行(アクセラレータ)に話しかける。
麻生が話しかけてくるの聞いて一方通行(アクセラレータ)は少し不愉快な表情になる。

「オマエ、何で俺に普通に話しかけてンだ?」

「俺がお前に話しかける事がそんなに変か?」

「当たり前だろうがァ。
 オマエと俺はあの操車場でお互い戦った仲だ。
 少なくとも此処で偶然にも出会った時に馴れ馴れしく話しかける仲じャねェ筈だ。」

「俺はそんな事はあまり気にしていないがな。」

麻生の態度を見て一方通行(アクセラレータ)はいらついてきた。

「そんな事よりよォ、オマエは俺の報復を受けるって事を考えなかったのかァ?」

そう言うと一方通行(アクセラレータ)は若干腰を落として両手を広げる。
麻生と上条が一方通行(アクセラレータ)を倒した事で一方通行(アクセラレータ)絶対能力(レベル6)になる為の実験、絶対能力進化(レベル6シフト)という実験を凍結させてしまったのだ。
学園都市の「上」は麻生と上条の二人が協力したという結果を出しているが、一方通行(アクセラレータ)から見れば麻生のせいで実験を凍結させられたようなものだ。
一方通行(アクセラレータ)の戦闘準備を見ても麻生は態度を変えなかった。

「ふ~ん、まぁ俺はお前と戦う気は全くないけどな。」

それを聞いた一方通行(アクセラレータ)の動きがピタリと止まる。
そのまま麻生は言葉を続ける。

「俺はあの時にお前を倒したのは別に最強の称号が欲しいとか、何か恨みがあった訳じゃない。
 あの実験を中止させる為にはお前を倒すのが一番手っ取り早かったから、倒しただけでお前に何か個人的恨みは全くない。」

「そっちになくてもこっちには、オマエに恨みがあるって場合はどうするンだ?」

「そっちが喧嘩を売ってくるのなら話は別だが、俺はお前をどうこうするつもりもない。」

麻生の言葉を聞いて一方通行(アクセラレータ)は舌打ちをする。
一方通行(アクセラレータ)を見た瞬間に麻生が逃げ出したり、麻生から攻撃してきたのなら自分の中の変化に見切りをつける事が出来たのに麻生の態度のせいでますます変になった気がした。
麻生は一方通行(アクセラレータ)の顔を見ると少しだけ笑った。

「いい顔してんじゃねえか。」

「あン?」

麻生の言葉をうまく聞き取れなかった一方通行(アクセラレータ)だが麻生は何も、と言って一方通行(アクセラレータ)に背を向けて歩きはじめる。
今なら後ろから攻撃することも出来るだろうが一方通行(アクセラレータ)はしなかった。
一方通行(アクセラレータ)は麻生に完敗している。
普通に攻撃しても勝てる相手ではない事は一方通行(アクセラレータ)が一番分かっている。
何より一方通行(アクセラレータ)は麻生を攻撃する気が全く起こらなかった。
ある程度散歩してから学生寮に戻ると騒ぎ声も止んでいたので麻生はベットに寝転がり寝る事にする。
そして、唐突にインターホンが部屋に鳴り響く。
もう少しで寝そうだったので麻生は一気に不機嫌になる。
そのまま寝ようとするが何度もインターホンが鳴り響き寝る事が出来ないので麻生は立ち上がりドアへと向かう。
ドアを開けると目の前には人はなく代わりに下を見ると深々を頭の額を地面につけている人物がいた。
その人物は麻生の隣に住んでいる上条当麻だ。
そして土下座している上条の目の前にはプリントの束が置いてあった。
麻生はこのプリントの束に見覚えがあった。
これは夏休みの宿題だ。
土下座したまま上条は麻生に言った。

「どうかお願いします、恭介様!!
 わたくしめの夏休みの宿題を手伝ってください!!」

「嫌だ。」

麻生は即答してドアを閉め珍しく鍵をかける。
あまりの即答に上条は数秒ほど唖然として、すぐに麻生の部屋のドアに駆け寄りドアを叩きながら叫ぶ。

「まじで手伝ってくれ!!
 この夏休み、いろんな不幸に巻き込まれて宿題の存在を今思い出したんだよ!!」

「そうなのか、大変だな、頑張れよ。」

ドア越しから麻生の適当な励ましが飛んでくる。

「本当に頼む、お願いします!!
 夏休みが終わるまであと二四時間しかないんです!!」

その後も何度も何度も諦めずに麻生に助けを求める。
これでは周りの人にも迷惑が掛かるので麻生は大きくため息を吐くとドアの鍵を開けてドアを開ける。

「全部は手伝わない。
 どれか一つだけ俺がやっといてやるから後は自分で何とかしろよ。」

上条の手から適当にプリントの束を取り上げて麻生は今度こそドアを閉める。
そしてベットに寝転がろうとした時ドア越しから上条の大声が聞こえた。

「ありがとうございます、麻生恭介様!!!」

それを聞いた途端に一気にやる気が無くなった麻生。
さらにさっきのやりとりのせいで眠気が素っ飛んでしまった。







御坂美琴は非常に困っていた。
午前七時三〇分に起床して朝ごはんを食べて今日が月曜日である事を思い出し、コンビニに行き漫画を立ち読みするまでは良かった。
学生寮を出て正面にあるコンビニに行こうとした時、横から男に話しかけられた。

「あっ、何だ御坂さんじゃないですか、おはようございます。
 これからどちらへ?自分もよろしければ途中までご一緒しても構いませんか?」

美琴は何かものすごく苦手な物を前にした顔を必死に押し殺しつつ声の飛んできた方に振り向く。
そこには美琴より一つ上の背の高い男が立っていた。
線は細いがスポーツマンのような体型で、サラサラした髪に日本人離れした白い肌、テニスのラケットを握ってもノートパソコンのキーボードを叩いていてもサマになる反則的な容姿の持ち主。
海原光貴。
彼は常盤台中学の理事長の孫であり美琴が苦手とする人間の一人だった。
なぜ美琴が海原を苦手としているのにはちゃんと理由がある。

「あれ、どうかしたんですか?
 気分でも優れませんか?」

「あ、いや、何でもないわ。」

彼は常盤台の理事長の孫という権力を使って女子校である常盤台の寮内や校内に入ってくることはない。
逆言うとそれ以外の場所では遠慮がない。
さっきも言ったように海原は理事長の孫なので、自分にもかなりの権力を持っているのだがそれを決して振おうとはしない。
美琴の高さに目線を合わせてから、対等な立場で話しかけてくる。
美琴からすればそれは「大人」として接してくるのと一緒なので、どこぞの高校生二人みたいにビリビリで対処するのは、自分がひどく子供のように見えてしまうのだ。
そしてなぜ美琴が海原を苦手意識を持っているのかと言うと、四六時中気を遣わなければならないからだ。
友達と接しているというより部活の先輩を相手にしているような気分になる。

(おっかしいわね、一週間ぐらい前ならこんなに付きまとわれることもなかったのに。
 近頃は毎日毎日・・・夏が男を変えたのか?)

それまでは街で会えば話しかけてくる程度だったのだが、ここまでスケジュールに干渉はしてこなかった。
美琴が考えていると海原は美琴にこれからどこに行くのかを訪ねる。
美琴はこれからコンビニに立ち読みに行く所だったのだがそれを正直に言えるわけがない。
何も予定がないと思ったのかさっき朝食を食べたばかりなのに魚料理の美味しい店があるので行きませんか?と誘う。
美琴は朝食の直後に食事に誘うんかいコイツは、と心でツッコむが口で言えるわけがなく顔にも出さないようにする。

(うう、どうしようどうしよう。
 そうだ、他の男と待ち合わせしている事にしよう。
 それならご一緒する事は出来ない。
 ベタな手段だけど「ごめ~ん待った~?」とかなんとかアドリブで演技してみるべし!!
 巻き込んだヤツには迷惑かけそうだけどジュースの一本ぐらい奢ってやるわよ!)

美琴は「恋人役」となるべき男性を探すべく視線を左右に走らせる。
だが、今日は夏休み最終日。
今日一日は「家に引きこもって残った宿題と格闘する日」なので見渡す限り誰もいない。
うわもーこれ絶望的だわ、と美琴が心の中で頭を抱えた瞬間、通りの一角から一人の少年が現れた。 
 

 
後書き
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