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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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第五十七話 自覚


闇慈は姿を消し、空の上から小猫を探していた。そして闇慈は小猫の気配を感じ、森の中に降りていくと、小猫が周りをキョロキョロと見回して何かを探しているような雰囲気だった。

(何をしているだ?小猫ちゃんは?しばらく様子を見るか・・・)

闇慈は姿を消したまま小猫の様子を木の裏から伺っていると・・・

「久しぶりじゃない?」

闇慈にとって聞き覚えの無い声が聞こえ、その方に視線を向けた。そこには黒い着物に身を包み、頭部に猫耳を生やした女性だった。

(・・・小猫ちゃんと同じ猫又の気配。間違いない、彼女が小猫ちゃんのお姉さんだな)

闇慈が理解している間に小猫は酷く驚いた様子で全身を震わせ、その女性の名前を叫んだ。

「っ!!黒歌(くろか)お姉様・・・!!」

「ハロー、白音(しろね)。お姉ちゃんよ」

そして黒歌の足元には黒い猫が擦り寄っていた。

「会場に紛れ込ませたこの黒猫一匹でここまで来てくれるなんて、お姉ちゃん感動しちゃうにゃ~」

「・・・姉さま。これはどういう事ですか?」

「怖い顔しないで。ちょっと野暮用なの。悪魔さん達がここで大きな催ししているって言うじゃない?だからぁ、ちょっと気になっちゃって。にゃん♪」

「ハハハハ!こいつ、もしかしてグレモリーの眷属かい?」

今度は闇慈にも聞き覚えのある声が響くと黒歌の隣にはヴァーリの仲間で孫悟空の末裔・・・美猴が立っていた。そして一本の木の裏に視線を向ける。

「気配を消しても無駄無駄。俺っちや黒歌みたいに仙術知ってると、気の流れの少しの変化だけでだいたい分かるんだよねぃ」

美猴に言われ、一誠とリアスが木陰から姿を現した。どうやら闇慈には気付いていないみたいだ。

(リアス先輩。それにイッセーも来ていたのか。それよりも美猴がここにいるってことは彼女もカオス・ブリゲードの仲間か?)

「・・・イッセー先輩、部長」

「美猴、誰、この子?」

「赤龍帝だ」

それを聞いた黒歌は目を丸くして、一誠を見る。

「本当にゃん?へぇ~。これがヴァーリを退けたおっぱい好きの現赤龍帝なのね」

「黒歌~、帰ろうや。どうせ俺っちらはあのパーティに参加出来ないんだし、無駄さね」

「そうね。帰ろうかしら。ただ、白音はいただくにゃん。あの時は連れていってあげられなかったからね♪」

黒歌が小猫を見て目を細め、それを見た小猫は身体をビクつかせていた。それを見た一誠は小猫の前に出て、それを庇う。

「この娘は俺達リアス・グレモリー眷属の仲間だ。連れて行かせる訳にはいかい」

「いやいや、勇ましいと思うけどねぃ。流石に俺っちと黒歌相手に出来んでしょ?今回はその娘もらえればソッコーで立ち去るんで、それで良しとしようやな?」

それを聞いた一誠とリアスは憤怒の表情で前に出る。闇慈も姿を消したまま怒りの表情を出してきた。

「ふざけんなよ!そんな事、誰がするか!」

「この子は私の眷属よ。指一本でも触れさせないわ」

「あらあらあらあら、何を言っているのかにゃ?『それ』は私の妹。私には可愛がる権利があるわ。上級悪魔さまにはあげないわよ」

場の空気が一変して、お互いに殺気を当てながら睨み合う。一触即発の空気を帯びてきたが、先に睨みを止めた黒歌が言う。

「めんどいから殺すにゃん♪」

その瞬間、言い表せない感覚が襲ってきた。

(何だ?今の感覚は?何だか周りの空気が変わったような)

闇慈が疑問に思っていたがリアスが何なのか分かると苦虫を噛んだ表情で黒歌に言う。

「・・・黒歌、あなた、仙術、妖術、魔力だけじゃなく、空間を操る術まで覚えたのね?」

「時間を操る術までは覚えられないけどねん。空間はそこそこ覚えたわ。結界術の要領があれば割かし楽だったり。この森一帯の空間を結界で覆って外界から遮断したにゃん。だから、ここでド派手な事をしても外には漏れないし、外から悪魔が入ってくる事もない。あなた達は私達にここでころころ殺されてグッバイにゃ♪」

「(もう良いかな?有力な情報も得たし)・・・そう簡単に行くと思っているのか?」

『っ!?』

その声にその場に居る全員が一瞬身構えた。そして闇慈が禁手を解除し、木の裏から出てくると小猫の元に寄ってきた。リアスと一誠は驚愕の表情を浮べていた。

「・・・闇慈先輩!?何時から!?」

「小猫ちゃんが君のお姉さんと出会う前から居たよ。少しでも情報を得ようと隠れていたんだよ。ごめんね?すぐに出てこなくて」

「・・・来てくれただけでも凄く嬉しいです」

「どうしてにゃ!?居たのなら気の乱れですぐに分かる筈にゃ」

「黒歌。こいつはカテレアやコカビエルを倒した黒衣の死神だぜぃ。死神なら姿を消す事位、容易だと思うぜぃ」

それを聞いた黒歌は闇慈も興味深そうに見ていた。

「あんたが死神さんかにゃ?中々美男子だにゃ~♪食べちゃいたいにゃ♪」

「俺を誘惑しようとしても無駄だ。俺には心に決めた大事な存在がいる。まあ・・・そいつに食われるのなら、俺も本望だがな」

「「闇慈!?」」

闇慈の意外な返答に一誠とリアスが驚愕の声をあげる。しかしここで・・・

「リアス譲と兵藤一誠がこの森に入ったと報告を受けて来てみれば、結界で封じられているとはな・・・」

「タンニーンのおっさん!」

空を見上げるとタンニーンが飛んでいた。どうやら結界が完全に張られる直前に入り込んだようだ。

「ドス黒いオーラだ。このパーティには相応しくない来客だな」

美猴が空のタンニーンを見て歓喜し始めた。

「おうおうおう!ありゃ、元龍王の『魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)』タンニーンじゃないかぃ!まいったね!こりゃ、もう大問題だぜ黒歌!やるしかねぇって!」

「嬉しそうね、お猿さん。良いわ。龍王クラス以上の首2つと死神の首を持っていけば、オーフィスも黙るでしょうね」

美猴は足元に金色の雲・・・筋斗雲(きんとうん)を出現させ、タンニーンがいる空へ飛び出して行くと如意棒(にょいぼう)を手元に出して、タンニーンに攻撃を仕掛ける。タンニーンは巨体では考えられないほどの速度で回避し、大質量の火炎ブレスを美猴に浴びせていた。

『タンニーンめ、ブレスの威力を抑えているな』

「マジかよドライグ!あの威力で抑えてるのか!?」

「タンニーンが本気になったら、ここら一帯がすぐに焼け野原だよ、イッセー」

籠手に宿るドライグの言葉に驚くイッセーと冷静に判断してる闇慈。しかし美猴はまだ生きていた。

「アハハ!やるねぃ!元龍王!」

「ふん!何者かと思えば孫悟空か!このタンニーンの一撃を受けきるとは、なんとも楽しませてくれるわ!」

「美猴ってんだ!よろしくな、ドラゴンの大将!」

「ククク。猿ごときが言ってくれる。豚と妖仙はどうした?仲違いか?」

「八戒(はっかい)と悟浄(ごじょう)の末裔の事かぃ?ハハハ!俺っちの一族の奴らも含めて、皆保守派さね!どいつもこいつも現状に満足なのさ!けど、俺っちは楽しい事が大好きでねぃ!だからこそ、カオス・ブリゲードの誘いも喜んで受けて、ヴァーリと行動を共にしてたりしてんだよねぃ!」

「フン!白龍皇と何を企んでいる?噂では貴様達の部隊だけ別行動を許されていると言うではないか!オーフィスの『蛇』も与えられていない唯一のチームとも聞いた!」

「聞きたきゃ俺っちに勝ってみなよ!」

「言うか!猿めッ!ここは『あの世』と呼ばれし地獄こと冥界だ!貴様ら雑魚が後悔するには最高の場所だと知れッ!」

タンニーンと美猴が轟音を上げながら、空中で激闘を繰り広げ始めた。
しかしまだ黒歌が残っていた。妖艶な笑みを見せているが、全身からドス黒いオーラを滲み出している。しかし闇慈は気にもせずに、小猫を庇うように前に出る。

「にゃん♪白音は貴方に大分懐いているみたいにゃ?彼氏にゃ?」

「それは想像に任せる。だが、小猫ちゃんを貴様の元にやるわけにはいかないな。目の前で泣いていた妹を助けない姉の元に返すことは出来ない」

「だって、妖怪が他の妖怪を助ける訳ないじゃない。ただ、今回は手駒が欲しいから白音が欲しくなっただけ。あなたやそこの紅い髪のお姉さんより、私の方が白音の力を理解してあげられるわよ?」

黒歌の言葉に小猫は首を横に振り、涙声でそれを否定する。

「・・・イヤ・・・あんな力いらない・・・黒い力なんていらない・・・人を不幸にする力なんていらない・・・」

闇慈は何かを決心したような顔になると、身体を屈め、小猫と向き合った。

「・・・あ、闇慈先ぱ・・・っ!?」

闇慈は小猫が言い切る前に小猫を自分の胸元に引寄せ、そして抱き締めた。そして顔だけを黒歌に向け、こう言った。

「黒歌・・・貴様は何も理解していない。ここにいるのは『白音』と言う人じゃない。『塔城小猫』という無二の存在だ!!貴様がかつて捨てた『白音』は・・・死んだ!!そして彼女はこれから俺たちと様々な思い出を作り、リアス・グレモリーのルークとして生を歩んでいく!!それを邪魔立てするのなら、俺は貴様に・・・『死』を見せやる!!」

闇慈の言葉に胸の中で小猫は涙を流していた。闇慈はゆっくり立ち上がり、そして今度は小猫に言い聞かせた。

「塔城小猫!!俺たちは全力でお前を助ける!!だから・・・言え!!お前が本当に望んでいる事を!!白音ではなく・・・塔城小猫として望んでいることを!!」

闇慈の激励に小猫も涙を拭うと・・・

「・・・行きたくない!!私は塔城小猫。黒歌姉さま、あなたと一緒に行きたくない!私はリアス部長と一緒に生きる!そして・・・闇慈先輩と!!」

今までに無かった叫びで、小猫は絶縁とも言える宣言を黒歌に放った。それを聞いた黒歌は苦笑した後、冷笑を浮かべる。

「じゃあ、死ね」

黒歌の言葉と同時に黒い霧のようなものが出てきた。そして・・・

「・・・あっ」

「・・・これは」

一誠の隣にいたリアスと闇慈の傍に小猫がその場で膝をつき、苦しみの表情を浮べた。

「ふーん、赤龍帝と死神を宿しているから効かないのかしら?この霧はね、悪魔や妖怪にだけ効く毒霧にゃん。毒を薄くしたから、全身に回るのはもう少し苦しんでからよ。短時間では殺さないわ。じわじわっと殺してあげるにゃん♪」

「ど、毒霧!?」

一誠はどう対処して良いのか分からずにたじろいでいたが・・・

「ならこうするまでだ!!」

闇慈は明鏡止水を発動させ、黒いオーラを纏うとデスサイズ・ヘルを掲げ・・・

「照らし出せ!!」

先端を勢い良く地面に突き刺すと、その衝撃でオーラが周りを飛ぶとそのオーラに触れた霧が消えて行った。

「毒霧が!?何をしたのにゃ!?」

「早い話。毒を『無効化』させてもらった。これで毒霧はもう通用しないぞ?」

そう言うと闇慈は飛翔刃を飛ばし、黒歌を真っ二つにしたが、それは幻影だった。

「良い一撃ね。でも無駄無駄。幻術の要領で自分の分身ぐらい簡単に作れるわ」

そう言っている間に黒歌の幻影が次々と増えて行った。そして妖術で作った球体を次々と撃ってきた。

「イッセー!!俺が奴の気配を読んで本体を見つける!!それまで時間を稼いでくれ!!」

「分かった!ブーステッド・ギア!」

一誠の左腕に赤い篭手が出現するが、いつも鳴る筈の音声が聞こえず、宝玉も薄黒くなっていた。

「ブーステッド・ギアが動かねぇ!?」

「何だと!?」

「あらら、赤龍帝のセイクリッド・ギアは動かずじまい?でも、私は撃っちゃうにゃん♪」

黒歌の幻影の1つが、体内に留まっている毒で苦しんでいるリアスと小猫目掛けて魔力を放つ。闇慈はそれをAMCマントで素早く弾くと・・・

「くそっ!!シャドゥ・ルーラー・・・発動!!」

闇慈の視界の影を操り、無数の影で幻影を消していく。

「仕方ない。俺が相手をしているからイッセーは覚醒させることを優先しろ!!」

「面目ねえ」

そう言うと一誠はドライグと話すように篭手に集中していた。

「さてと・・・これで幻影も俺には通用しない。どうする?」

「ならとっておきを出して殺してあげるにゃ♪」

黒歌は両手を上にかざすと、二色で出来た巨大な球体が出来上がった。

「妖術と仙術をミックスさせた術にゃ♪これで死神さんもグッバイにゃ♪」

そして出来上がった球体を容赦なく闇慈に振り下ろした。昔の闇慈なら少しは慌てただろうが、今ではそんな素振りさえ見せなかった。

ピチャン・・・

闇慈は再び明鏡止水の境地に入り、そしてさらに憑依死神を発動させた。

「今は何の恐怖も感じない・・・。断ち切るまでだ!!」

闇慈は魔力を篭めたデスサイズ・ヘルでそれを一閃した。それは真っ二つになるとそのまま霧散してしまった。

「そんな!?かなりの妖力を練り込んだのよ!?」

「まだだ!!」

闇慈はデスサイズ・ヘルを消すと右手にオーラを纏い始めた。それを見た黒歌は離れようとするが・・・

「逃がさん!!」

「にゃ!?」

影を操り、黒歌の腰に巻きつけ、引きよせると・・・

「必殺必中!!ダークネス・フィスト!!」

「にゃ~ん!!」

黒歌の鳩尾に闇の鉄拳を打ち込み、木に激突させた。そして闇慈は警戒心を持ちながら黒歌に近寄った。

「・・・威力は軽減しておいたから、命に別状はない。しかし衝撃波でしばらく身体を動かす事は出来ないぞ」

「どうして・・・殺さないにゃ?」

「小猫が悲しむ。例え貴様が小猫を捨てたとしても、小猫にとっては家族だ」

「・・・甘い死神さんにゃ」

「何とでも言え。そしてお前は小猫に負けたんだぞ」

「どう言う意味にゃ?」

闇慈は自分の右手を見ながら、黒歌に説明する。

「さっきの格闘術の基本は小猫から習った。だから貴様は小猫に負けたんだ」

しかしそれを聞いた黒歌はどうという事もなかった。そして闇慈の顔をじっと見だした。

「何だ?」

「さっきの一撃・・・中々良かったにゃ~。もう一回ぶってほしいにゃ♪」

「・・・はっ?」

黒歌の願望に闇慈はどう言っていいのか分からず、呆然としていた。
ここで一誠の声が周りに木霊する。

「おっさん!大変だ!右のおっぱいと左のおっぱい!どっちをつついたら良い!?」

闇慈は何をやっているんだ?と思い、見ていると乳房を晒け出したリアスと、それをつつこうとしている一誠の姿が目に入った。そして一誠は遂にリアスの乳房を突付くと・・・

『・・・至った。本当に至りやがったぞォォォ!』

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』

ブーステッド・ギアの宝玉に光が戻り、膨大な量のオーラが一誠の全身を包み、鎧と化した。

「バランス・ブレイカー、[赤龍帝の鎧]『ブーステッド・ギア・スケイルメイル』!!主のおっぱいを突付いてここに降臨・・・」

「遅いわ・・・」

ゴツン!!

闇慈は鎧と化した一誠に今度は容赦ないダークネス・フィストで拳骨し、地面に陥没させたが・・・

「痛って~!!?いきなり何すんだ!?闇慈!!」

「おお・・・かなり本気のダークネス・フィストを打ち込んだが無傷だなんてな」

『相棒、おめでとう。しかし酷い。俺はそろそろ本格的に泣くぞ』

「ドンマイだな、ドライグ」

『うおおおおおん!!!』

二人と一匹が漫才みたいなものをしていると突然空間が裂け、その裂け目から背広を着たメガネの若い男が現れた。そして彼の手には極大なまでに強い聖なるオーラを放つ剣が握られている。その剣を見たタンニーンが叫ぶ。

「全員そいつに近づくな!手に持っている物が厄介だぞ!聖王剣コールブランド。またの名をカリバーン。地上最強の聖剣と呼ばれるコールブランドが白龍皇のもとに・・・」

メガネの若い男が握っているのは地上最強の聖剣。ここで男性が口を開く。

「そこまでです、美猴、黒歌。悪魔に気付かれました」

「二刀か、鞘に収めている方も聖剣だな?」

「こっちは最近発見された最後のエクスカリバーにして、八本中最強のエクスカリバー。『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』ですよ」

(行方不明になっていた。最後のエクスカリバーか?)

ここで一誠が疑問の声をあげる。

「良いのか?そんなこと話してもよ?」

「ええ。私もそちらの方々に大変興味がありましてね。赤龍帝殿、死神殿。聖魔剣使い、そしてデュランダル使い手によろしく言ってもらえませんか?お互い一の剣士として合間見えたいと。では行きましょうか?」

「ちょっと待って欲しいにゃ」

ここで美猴に背負われている黒歌が男性を引きとめた。ここで黒歌の視線が闇慈へと向く。

「死神さん。私たちと来ないかにゃ?来てくれたら色々してあげるにゃん♪」

「それは何とも魅力的な誘いだが・・・」

闇慈は傍に近寄っていた小猫を自分の元へと引き寄せた。

「俺には命に変えても守りたい、かけがえのないものがここにはある。悪いがその誘いは断らせて貰おう」

「・・・闇慈先輩」

「残念にゃ。でも何時か君を食べてあげるから覚悟しておくにゃ」

それだけを残し、カオス・ブリゲードの連中は再び、空間の中へと消えていった。この一件はここで終幕となり、森に居た人達は再び会場へと戻った。そして戻っている間、小猫は闇慈から離れる事は無かった。

~~~~~~~~~~~~

そしてその夜中。リアスたちはグレモリーの本邸に戻っていた。そして闇慈は一人自分の部屋で
ベッドに腰掛けていた。

「・・・よし。行こう」

闇慈は小猫に夜中に中庭に来て欲しいと頼まれた。闇慈は時間になり、夜中の廊下を歩いていると・・・

「アンジ・・・」

「っ!!リアス先輩」

リアスと遭遇した。

「リアス先輩。僕は・・・」

「何も言わないで良いわ。・・・小猫をよろしくね?」

リアスの瞳には闇慈に信頼を寄せているものがあった。
闇慈はコクッと頷くと中庭に急いだ。そして中庭に着くと午後のティータイムを楽しむために設けられたイスに小猫が座って待っていた。そして小猫は闇慈に気付いた。

「・・・闇慈先輩」

「遅くなってゴメンね?小猫ちゃん」

「・・・いえ。私も今来た所ですから、大丈夫です」

そう言うと二人はロングチェアーに腰掛けた。しばらく沈黙が走った後小猫が口を開く。

「・・・闇慈先輩。今日は本当にありがとうございました」

「気にしないで?『仲間』を助けるのに理由は必要ないよ」

「・・・仲間ですか」

「ん?小猫ちゃん?」

そう言うと小猫は闇慈を見ながら真剣な顔で尋ねた。

「・・・先輩にとって私はただの仲間で、ただ後輩なんですか?」

「それは・・・」

「先輩が私を助けてくれたのは!私が眷属だからですか!?」

段々小猫がヒートアップして行き、小猫の声も涙声になっていった。

「私の気持ちはどうなるんですか!?私は・・・私は!!」

「っ!!」

闇慈は小猫の涙と枯れていく声を聞いていく内に耐えられなくなり、小猫の肩を掴んだ。

「・・・あ」

そして小猫が次の言葉を発する前に小猫に優しくキスをした。小猫は目を見開いたが、すぐに閉じた。そしてゆっくりそれを離すと闇慈が続ける。

「ゴメン、小猫ちゃん。僕は君の気持ちを踏みにじる所だったよ」

「・・・あ、闇慈先輩」

「僕はもう隠さない。君に僕の気持ちを伝えるよ・・・僕は君が好きだ。かけがえのない存在だよ」

闇慈は勇気を振り絞り、小猫に告白した。それを聞いた小猫は涙を流し始めた。

「・・・やっと聞けました。初めて私を本気で思ってくれている言葉を聞く事が出来ました」

「小猫ちゃん・・・」

「・・・闇慈先輩。私も・・・先輩の事・・・大好きです」

「小猫ちゃん!!」

闇慈は小猫を離すまいとせんばかりに力一杯、抱き締めた。そして・・・

「・・・小猫ちゃん」

「・・・闇慈先輩」

見詰め合うと・・・

「「・・・ん」」

キスを交わした。今度は長く甘いキスをした。そして二人ゆっくり離れた。二人とも顔を赤面させていた。そしてその後は、恋人同士としての初めての夜を過ごした。
 
 

 
後書き

何だかイマイチな仕上がりなってしまいました(汗)

みなさんに質問なのですがこの暁ではR18の描写は書いても良いのでしょうか?

もし可能ならこの後にその描写を書こうと思います!!知っていらっしゃる方は教えてください!!お願いします!!

感想と指摘。よろしくお願いします!! 
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