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とある星の力を使いし者

作者:wawa
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第26話

八月二八日、天気超晴れ。
おにいちゃーん、という女の子ミルキーボイスで高校生・上条当麻は目が覚めた。

「何だ、今のトリハダボイス?」

上条は半分寝ぼけたまま、うっすらと目を開けた。
女の子の声はドアの向こうから聞こえたみたいだった。
横倒しの視界に映るのは六畳一間の和室。
床はボロボロの畳張りで、天井には古めかしい四角い電灯カバーのついた蛍光灯、油っぽい汚れのついた押し入れの襖に家のトイレにでも使われていそうな簡単なカギのついた木のドア、エアコンの代わりの扇風機はプラスチックのボディが黄色く変色していて、ちょっと鼻を動かすと潮の香りがした。
此処は学生寮の一室ではなく学園都市の中ですらない。
一般世界・神奈川県某海岸、海の家「わだつみ」の二階にある客室なのだ。
別の部屋にはそれぞれ上条の両親やインデックス、そして麻生恭介もいるはずだ。

「そっかー「外」来てたんだっけか。」

上条の住んでいる超能力開発機関「学園都市」は東京西部に存在する。
学園都市では機密保持と各種工作員による生徒(サンプル)拉致(さいしゅ)の危険性などを考慮して、極力学生を街の外へ出す事を好まない。
許可をもらうには三枚の申請書にサインをして、血液中に極小の機械を注入し、さらに保証人まで用意しなくてはならないのだが今回のケースは異例だった。
だが、上条と麻生は一週間ほど前に、学園都市で最強の超能力者(レベル5)を倒した。
正確には上条があと一歩のところまで追い詰めたのだが、思わぬ奇襲を受けてしまって絶体絶命のピンチまで追い詰められた。
その後にやってきた麻生が倒したというのが正しいのだが、上層部は麻生と上条の二人で協力して倒したのだと思っている。
その情報(ウワサ)は夏休みで生徒間の交流の少ない中あっという間に広まり、上条と麻生の地位が飛躍的に向上したかというとそうではない。
逆にあの二人の無能力者を倒せば学園都市の最強の称号が誰でももらえるんだという意見の元、腕に覚えのある不良さん達が大々的な人間狩り(サバイバルゲーム)を始めてしまった。
この騒ぎに頭を抱えたのは学園都市の偉い人だ。
騒ぎが治まるまでどこかに行っていろ、と言われ今の状況に至る。
麻生は四六時中狙われていても何の問題はないと上に言ったが、そっちが困らなくてもこっちが困るからどこかに行ってろ、と言われ麻生も渋々従った。

(けど、行き(チケット)には明らかに悪意が感じられんだよな。)

今年は太平洋沿岸で巨大クラゲが大発生したおかげで、猛暑にも拘らず海の客足はゼロに等しかった。
さらに外出には保証人の動向が義務付けられているがその保証人は親である。
何が哀しくてこの歳で両親と海辺ではしゃがなくてはならないのかと上条の気分は既に下がりつつある。
ちなみに麻生の両親は来てない。
既に死んでしまったとかそんな複雑な事情ではなく、麻生の両親は仕事の都合上一時的だが海外に出ているので事情も事情なので上条の親の同伴で許されることになった。
上条はぼんやりと向かいの部屋でぐーすか寝ているであろう白いシスターの事を思い浮かべる。
当初その白いシスターは海の家「わだつみ」までやってくる予定はなく、小萌先生の所にでも預けて貰おうと考えていた。
何故かと言うと白いシスターは学園都市の人間ではない。
いわゆる、密入国者の様な状態なのでそんな状態で国境線へ向かえば警備員(アンチスキル)に捕まるかもしれないのだ。
しかし、白いシスターはそんな事情など知った事ではなくお留守番命令を受けて、ついには涙目になった白いシスターの視線に耐えられなくなり結果、密入国に挑戦することになった。
麻生からお前は馬鹿か?という視線をチクチク受けてたが、そんな事を気にしていては何も始まらない。
やり方は簡単、タクシーを呼んでその後部座席の下に寝そべってもらった状態でゲートをくぐるというものだ。
隣で麻生はもう馬鹿決定だな、と上条の耳に聞こえる声で言ったがさすがの上条も、こんな安い方法で大丈夫かと思ったが案の定ゲートの所で引き止められた。
逮捕されると思った上条だがゲート管理している警備員(アンチスキル)は特に怒らなかった。
モニタで照会すると「臨時発行(ゲスト)」IDが登録されていたので正々堂々とゲートをくぐった。

(ぅ、ぁ、ねみー)

夏休み夜型行動パターンが身についた上条にとって、朝はまだ眠気の中だが「おにーちゃーん、おーきろー」という女の子のステキボイスがドアを突き抜けて廊下の方から飛んで来た。
巨大クラゲの発生で海の客足はゼロのはずなので上条は麻生の妹かと考えたが、どうやっても麻生が妹と仲良く話している場面をイメージする事が出来ない。
そんな事を考えていた瞬間、ズバーン!!という大音響と共に部屋のドアが開け放たれた。

「ほーら、いつまで寝てんのよう、おにーちゃーん!
 起きろ起きろ起きろ起きろ!」

可愛らしい女の子のドリームボイスと共に、衝撃のボディブレスが腹の辺りに直撃した。
女の子の全体重に上条はげぼぁ!?という悲鳴をあげる。
しかし、上条当麻に妹などいないなによりとてつもなく眠いので一刻も早く、この間違いドッキリにどうにか片をつけたいので上条は腹筋に力を込める。

「誰だテメェは?
 誰だテメェはおんどりゃあ!?」

叫んでバネ仕掛けの人形の様に勢いよく起き上がった。
上条の上に乗っかっていた体重が、きゃあ!?という悲鳴をあげて転がるのが分かる。
上条は自分の上から転がり落ちた女の子を見ると畳の上に転がっていたのは御坂美琴だった。

「いったぁ、ちょっとーそれがせっかく起こしに来てやった妹に対する態度なわけ?」

その赤いキャミソールを着た女の子は可愛らしく(本当に、真実本当に彼女には似合わない)尻もちをついたまま(彼女のアイデンティティを丸ごとぶっ壊しかねない)ほっぺたを膨らませてちょっと拗ねたような顔を作る。
どういう事!?、と上条の眠気が一気に吹き飛んだ。
御坂美琴、能力開発の名門、常盤台中学のエースで学園都市で七人しかいない超能力者(レベル5)の一人。
とある事件をきっかけに上条と麻生には一個借りがある訳だが、その話をすると問答無用で顔を真っ赤にしてビリビリしてくる。
もちろん、彼女は上条の妹でも義理の妹でもない。
上条は訳が分からないままとりあえず美琴に話しかける。

「え、なに?え?お前も量産型妹(シスターズ)の件で学園都市から追い出されたクチでせう?
 ってか此処は学園都市から追い出された人間が集められる島流しみたいなトコロなのか?」

「ナニ言ってんの?
 私がおにーちゃんの側にいるのがそんなにおかしいの?」

「気持ち悪っ!!
 だからさっきからお前ナニ媚び声だしてんの!?
 テメェはそういうポジションから世界でもっとも遠い位置に君臨してたはずだろーが!!」

なによう!と分かりやすい顔で怒る美琴に上条は全身から鳥肌が立つ。
なぜこういう状況になったのか様々な可能性を考えるがロクな考えしか浮かばない。
上条が考えていると美琴はよっこいしょ、と畳の上から立ち上がって言った。

「ほらほら、そんなに元気なら起きる。
 朝ごはん食べるから一階(した)に下りといでー。」

とてつもなく自然な感じで美琴はぱたぱたと足音を立てて部屋から出て行った。

(えっと、結局何が起きてんだ?)

良く分からないまま上条は外着に着替えて部屋の外に出た。
短い直線の廊下の左右に客室のドアが三つずつ並んでいる。
上条の部屋は一番端でその向かいがインデックス、隣の部屋に麻生、インデックスの部屋の隣に上条の両親が泊まっている。
上条はとりあえず麻生の所に行こうとするが麻生の前の部屋のドアががちゃいと開く音が聞こえた。

「おはよう当麻。
 ん?おい、後ろ寝癖がひどいぞ。」

どこか当麻に似た顔立ちの無精ヒゲで三〇代中盤の男の名前は上条刀夜、上条当麻の父親でもある。
しかし、記憶喪失の上条にとって親というのは微妙なポジションである。
だが、親である事に変わりないので朝の挨拶をする。

「ん、おはよーすって、あれ?」

上条刀夜の後ろから現れた人物を見て上条はギョッとした。
その上条を見て刀夜は眉をひそめるが上条はそんな刀夜の表情を気にする余裕はなかった。
なぜなら刀夜の後ろから現れたのは銀髪で緑目の外国少女が立っている。

「ちょっとインデックス?
 お前ナニ着てんの?」

普段の上条なら「白いシスター」と表現していただろうが、今のインデックスは足首まである薄手の長い半袖ワンピースにカーディガンを肩に引っ掛けて、おまけに頭には鍔広の大きな白い帽子。
はっきり言う、極めて活動的な彼女には圧倒的に似合わない。

「どっからそんな服手に入れてきた訳?」

上条の問いに対して何を言っているんだ?、という顔で刀夜は上条の顔を見て言った。

「当麻、母さんが自分の服を着ているのがそんなに不思議な事なのか?」

はい?、と上条は刀夜の顔を見る。
刀夜は自分の隣に立っている少女を見て間違いなく「母さん」と言った。

「え、なに?
 ひょっとして父さん、アンタそいつが母さんに見えるとでも?」

「当麻、それ以外の何に見える?」

「待て、ちょっと待て、何だその身代わりの術は?
 ボケるにしてもそれはない。
 そこまでボケられちゃうと、どこからどうツッコんで良いのか全然分からない。」

「当麻、お前は母さんの一体どこが納得いかないと言うんだ?」

「どこがって言ったら全部だ全部!その姿形で「母さん」はありえねーだろ!!」

上条に指を指された一四歳以下の少女は自分の服を軽く摘んで少し哀しそうに言った。

「あら、あらあら、当麻さん的には母さんのセンスが許せないのね。」

「こら当麻、母さんが哀しそうな顔してるだろ。」

「そこじゃねーよテメェどっからどう見ても俺より年下だろうが!!
 たとえこれが小学生の文化祭の演劇だとしても、テメェに「高校生の子を持つ母」の配役(キャスト)は絶対無謀!!」

「あら、あらあら、当麻さん的には母さん歳より若く見えるのかしら。」

「こら当麻、母さん嬉しそうな顔してるだろ。」

記憶のない上条が一ヶ月前に頭部損傷の大怪我という非常事態を受けて、父母が病室にやってきたとき「初めて」自分の両親と対峙した際二人が同い年と聞いて、普通に疑ってしまうくらい母、詩菜は若く見える。
だが、いくら何でも見た目一四歳以下のインデックスを使った代わり身の術に騙される上条当麻ではない。
さらに、次の瞬間に上条をさらなる混乱へと巻き込む。
上条のすぐ隣の部屋のドアががちゃりと開いたのだ。
おそらくインデックスが廊下で騒いでいる音で目が覚めたのだろう。
インデックス?と上条がそちらへ目を向けると真っ白い修道服を着た、青髪ピアスが部屋から出てきた。
身長一八〇センチに届く大男で、しかもインデックスの修道服を無理矢理に着込んでいる訳でもなく、どこで手配したのか全く同じデザインで特大サイズの修道服を新たに用意したらしい。
世界三大テノールもびっくりの野太い男ボイスは重々しく告げる。

「あふぁ、んー?とうま、何だか朝からテンション高いみたいだけどなんかあったの?」

「・・・・あ」

大男はいかみも可愛らしい動作で目をこする。

「遅くなったけどおはようとうま。
 それより海だねうみうみ、日本の海ってコンクリで固められてて油でも浮いているのかと思ってたけど割とキレイだったし、うーん、遊ぶぞー」

「ああ・・・」

大男は下からひょっこり上条の顔を覗き込もうとする。

「うん?どうしたのとうま、固まっちゃって。
 あっ!ひょっとしてとうま、今から私の水着姿の事をあれこれ想像してるんじゃ」

「あああああああああああアアおおおおおおおおおおおァァあああああああ!!」

ついに耐えきれなくなり、上条はこちらに開きかけていた木のドアを青髪ピアスごと思いっきり閉めた。

「と、当麻!
 そこに座りなさい、婦女子に対して先の一撃は警察沙汰だぞ!!」

「あらあら、当麻さんは女性に対して苛烈な思考の持ち主なのね。」

二人は何やら色々話しているがそんな事は放置して上条は考える。

(ちょっと待て、落ち着け、これはおそらく大規模な早朝ドッキリだ。
 何で青髪いピアスが街の「外」にいるのか分かんねーが、派手なリアクションをすればするほどヤツらの思うツボだぞ!!)

刀夜とインデックスがドアごと吹っ飛ばされた青髪ピアスを心配しているのを無視して上条は一階に向かう。
麻生に会いに行くという最初の目的はもはや頭のどこかに飛んでしまっている。
海の家「わだつみ」の一階は板張りの広い空間だった。
道路側の入口と海側の出口はドアどころか壁すら存在しないので、潮風が直接吹き抜けている。
妹と名乗る謎の電撃少女、御坂美琴は部屋の中央にいくつか乱立しているちゃぶ台らしい台の一つを陣取ってつまらなさそうに雑誌を読んでいた。

「だから、そこのビリビリ。
 何でお前は当たり前のようにそこにいんだよ?」

「なによう、おにーちゃんまだ反抗期なの?
 いーじゃんおにーちゃんにぎゅーとしたってベタベタしたってゴロゴロしたって。」

どうやら未だに気持ち悪い媚びキャラは継続中らしく、上条は重たいため息をつく。

「そういえばおにーちゃん、ここのテレビって勝手にスイッチ入れてもいいのかな?」

「な、何だよいきなり?」

「むー、リモコン見当たらないしこーいう所のテレビって「公共(みんな)のものです、勝手にいじんなチビガキ」って感じがするから、触れられないんだよおにーちゃーん。
 それにあの海のおじさんの顔恐いから何となく聞きにくいんだよ。
 おにーちゃーん、テレビ点けて良いかどうか聞いてきて?」

上条も朝は何となくテレビを点ける習慣があるので、それをやらないと何だか落ち着かないので仕方なく店主さんを探す事にする。
すると、海側の出口の方からしょう油が焦げるような匂いが漂ってきた。
上条がそっちの方を見ると出口からちょっと離れた砂浜の上で、炭火+金網で何かを焼いているらしい長身の男の背中が見えた。
髪は真っ赤に染められて長さは肩まで伸びていた。

「あ、ほら、おじさんいたよ。
 テレビ聞いてきてテレビテレビ。」

美琴はそんな事を言いながらテーブルの下で足をバタバタさせるのを見て上条はあの、と声をかける。
赤髪の店主は振り返る。
Tシャツにハーフパンツに首からタオルを引っ掛けたその人物は魔術師ステイル=マグヌスだった。

「なばっっっ!!??」

青髪ピアスの事で頭が混乱している上条の頭は混迷を極めた。
身長二メートル強、赤髪長髪の英国人で炎を自在に操り人間を殺す事を何とも思わないような、魔術師とかいう別世界の人間だ。

「おう、随分早いお目覚めだな。
 まだ海は冷ってぇぞ、それともあれか、昨日も暑かったから寝れなかったクチかい?
 おっと、こいつはまだ焼き上がってねぇからお客さんの口にゃ入れらんねぇな。
 オイ麻黄!客の注文取って適当に食いモン出しとけ。」

トウモロコシを焼く炭火に団扇で風を送りながら魔術師は言う。
ここにきて上条はようやくこの異常な事態に気づく。
他の連中ならともかくこの魔術師はこんな冗談やドッキリに協力的になるものか?と疑問に思う。

「おい父さん!客の前で「適当に」とか言っちゃまずいだろ!」

後ろからパタパタと足音が聞こえたので振り返ると、柑色の海パンの上からエプロンをつけて日に焼けた何とも純朴な御坂美琴が立っていた。

「なっ、一人二役!?
 いや違う、これは量産型の御坂妹か!」

上条の訳の分からないツッコミに、彼女は顔を引きつりながらジャパニーズスマイルを浮かべる。
美琴は痺れを切らしたのかおにーちゃーん、テレビ点けるからね!!と言って勝手に点けはじめる。
テレビからレポーターさんの声が聞こえるのだが上条はどこか聞き覚えのある声だった。
そのレポーターさんの名前は古森と名乗っているのにそこにいるのは上条の担任である小萌先生だった。
上条は慌ててテレビの前までダッシュすると、そのブラウン管の中には外見年齢一二歳の女教師がマイクを握ってニュースの原稿を読んでいた。
画面の下にある小さなボタンを押してチャンネルを変えていく。
美琴はチャンネルを変えた事に不満を言っているが、そんな言葉は上条も耳に入らない。
そこに映っているのは全てがハチャメチャだった。
ニュースキャスターとして扱われているおじいちゃんや、某国大統領として戦争の正しさを演説する茶髪ガングロ女子高生らが映っているなどもうめちゃくちゃだった。
チャンネルをどれだけ回しても全てがちぐはぐだった。
まるでみんなの「中身」と「外見」がそっくり入れ替わっているような、そんな感じに思えたのだ。
上条は頭を抱える、現実的に科学的に考えるのが馬鹿らしくなってきた。
だが、此処である人物をふと思い出す。
麻生恭介。
もしや彼も別の人物にすり替わっているのか?
上条はそれを確かめるために走って二階に上がる。
途中、刀夜とインデックスと青髪ピアスに呼ばれるが無視して二階に上がり麻生の部屋に入る。
すると、麻生は布団に寝転がっていて掛布団がちょうど麻生の顔を隠している。
上条は息をのむ。
もし彼も同じようになっていたらどうしようかと考える。

「誰だ、朝っぱらから騒々しい。
 この硬くて寝にくい床と布団でようやく熟睡し始めていたのに。」

のそのそと掛布団がめくれると、そこには白髪で若干焼けている肌が特徴の男、紛れもなく麻生恭介だった。
上条はその姿を見てようやく一安心する。
麻生は騒がしい原因が上条だと知って不機嫌そうな顔する。

「お前は俺の睡眠を邪魔しに来たのか?
 俺の自己紹介はお前が適当にしておいてくれ俺は寝直す。」

「ちょっと待ってくれ!!
 その前に一回だけでいいから下に降りてくれ!!」

もう一回寝直そうとしている麻生を止め無理矢理立ち上がらせるとそのまま背中を押して一階まで誘導する。
麻生は眠たそうな顔をしながら上条に押されるがままに進んでいき一階に下りる。

「一体俺に何を見せ・・・て・・・・・」

麻生の言葉が途中で止まる。
なぜなら赤いキャミソールを着た御坂美琴、足首まである薄手の長い半袖ワンピースにカーディガンを肩に引っ掛けて、おまけに頭には鍔広の大きな白い帽子のインデックス、白い修道服をきた青髪ピアス、Tシャツにハーフパンツに首からタオルを引っ掛けたステイル、柑色の海パンの上からエプロンをつけて日に焼けた御坂妹(話をした事はないが面識はある)。
何事も冷静に対処してきた麻生が珍しく驚き、対応に困っている。
対する刀夜達は麻生と会うのは初めてなのでこちらも対応に困っている。
そして、麻生は上条だけに聞こえるような声で聞いた。

「これは一体何のドッキリだ?」 
 

 
後書き
感想や意見、主人公の技の募集や敵の技の募集など随時募集しています。  
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