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HIGH SCHOOL OF THE DEAD~学園黙示録~ 気まぐれ転生者の地獄の宴

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その日世界は崩壊する(後)


バン!



「来いよ、逃げるぞ」

「え?」


小室は無理矢理麗の腕を引っ張り立たせる。


高城が甲高い声を響かせ、井豪が小室の腕を掴み止める。


「孝、麗をどうするつもりだ!」

小室は井豪に小声で

「校門で殺人事件だ。ヤバいぜ」

「!」

「・・・・・・・・・・本当なのか?」

「こんな嘘ついて何か得でもあるのかよ」

そんな中会話が聞こえていない麗は掴まれていた腕を無理矢理離して問い詰める。

「ちょっと待ってよ!ちゃんとした説明がない限り私は・・・・・・」


パンッ!!


小室が麗を殴って、笑っていた周囲もざわつく。

「いいから言うことを聞け!」

「・・・・・・・・・・・・先生、ちょっと失礼します」



三人が出ていって生徒は雑談に興じる。



「はいはい、喋ってんじゃねーよ。オマエらは自習してろ。何かあったら自分らでするように」

『『『ハーイ』』』






流儀視点



面倒くさいので歩いていくと放送が鳴った。


『全校生徒・職員に連絡します!全校生徒・職員に連絡します!
現在、校内で暴力事件が発生中です。

生徒は職員の誘導に従って直ちに避難してください!!』


「ヘッ!ゾンビ化が暴力事件ね」

『繰り返します!校内で暴力事件が《ブッ!》・・・・・・・・・・・・・・

ギャァァァァァッ!!!助けてくれ!止めてくれ!ひぃっ、痛い、痛い、痛い、痛いッ!!!
助けてっ死ぬ!ぐわぁぁぁぁっ!!』


一瞬の沈黙があり――――――――――――――

ワァァァァァァァァァァ!!!!!!!!

『『『『『『ドドドドドドドドドド』』』』』』

生徒が一斉に駆けだす。

ま、こちらには来ないように結界を張っているが。

お!小室、いや孝達発見。

「おいてめーら!何やってる!!」


!?





孝視点



「おいてめーら!何やってる!!」

「!?」

ヤバイ!俺たちは今現国の脇坂を殺した。
怒られるどころの話じゃない!

「先生違うんですこれは!」

「あ~あ。見事に死んでら」

「あの」

「言い訳はいい。俺も状況は分かっている。咎めることも大切だが、自衛の為ならしょうがない」

「は、はぁ・・・・」

やっぱりこの先生は普通じゃない。

「何を安心している!今の状況を思い出せ」

「!先生、これからどうすれば」

「屋上だ」

「永!」

「お前・・・・・・・・」

「屋上なら救助が来るまで立て籠もれる」

「屋上にこもるって一体どこに」

「天文台がある!・・・・・・先生もそれでいいですね」

「ああ、文句はないよ」


今思えば、この時無理にでも外へ逃げ出しているべきだったのかもしれない。

でも

あの時はそれが一番いいように思えたんだ。






流儀視点



屋上に出た。

町は至る所で黒煙が立ち込め、騒然としている。


「一体何が起こってるんだ・・・・・・・」

全員信じられないという顔で佇んでいる。

「警察が電話に出ないはずだ」

「なんなの、これ。一体何が起こってるのよ!!ねぇ、教えてよ!教えてよ流儀さん!
朝までは・・・・・・・ううん、ついさっきまではいつも通りだったのに―――――――――――――」

「麗・・・・・・・・」


バラバラバラバラ

「ヘリ?」


バラバラバラバラッ


「きゃあっ」

「おっと、大丈夫か?」

麗がふらつくのを俺が支える。

「・・・・ブラックホークだ」

UH-60 ブラックホーク
4翅シングルローター、双発エンジン搭載の中型多目的ヘリコプターである。
「Black Hawk」とはイリノイ州のアメリカ先住民族であり、ソーク族を率いた勇猛な酋長の渾名だ。

「アメリカ軍・・・・・・・あっ・・・・・違う、自衛隊だ!」

「どこから来たんだ?近くに駐屯地なんてないのに」

「助けてー!!」

「無駄だ」

「なんでよ!?」

「孝の言う通りだからだ。きっと特別な任務を与えられてる。俺達を助けてる余裕なんてないさ」

「病気のようなものなんだ、『奴ら』」

「『奴ら』?」

孝が聞き返す。

「ともかく『奴ら』さ。『奴ら』は人を喰う。そして喰われた奴は死ぬと蘇って『奴ら』になる。
理由は分からないが、頭を潰す以外に方法はない・・・・・・・・」

キャァァァァァァッ

孝がドアを閉めようとするが

「クソッ!鍵が壊れてるぜ」

「天文台に上がって階段を塞ぐんだ。それなら入ってこない」

「だが今俺らのいるところも『奴ら』だらけだ。オメェら、このぶち壊れた世界で生きるんなら
それ相応の覚悟がいるぜ。大丈夫か?」

『『『・・・・・・・・・・・・・』』』

「まぁ、いいさ。いきなりだからな。ゆっくりは無理だがお前らは若いから適応出来るよ」

「とりあえずはここから展望台だな・・・・・・・・行くぞ!」



「やぁぁ!」

麗が『奴ら』の心臓を突く。

「バカヤロウ!」

孝が叫ぶ。
先程麗は教師の心臓を突いて動き出したのを忘れたと言わんばかりだ。
孝から考えれば同じ轍を踏むバカに見えただろう。

「だって!―――――――きゃ!?」

モップの柄で突かれた『奴』はそれを掴んで麗を壁に叩きつける。

「麗!?」

永が叫ぶ。

俺は永をどけて『奴』にストレートを決める。

『奴』は下に転げ落ちて他の『奴ら』も巻き込む。

「こっちだ!早く」

孝が叫ぶ。

「麗、こっちへ」

「流儀・・・・」

お腹を押さえながら一緒に上がる。

長机を盾にしてセロテープで手すりと繋ぐ。

「そんなの役に立つのかよ」


俺は孝の頭を掴んで思いっきり握る。

「い゛だ!先生痛い!?」

「セロテープの引っ張り強度は高いと授業で教えたろうが(怒)」

「す、すいません・・・・・・・」

「何にせよ、これからのことを考えなきゃいけねぇ。悪いがお前らのお守をやることも出来ねェからな」

「そうですね。まずはライターかマッチがないか探さないと。
夜に『奴ら』の動きが分かるよ・・・・・ヴッ!」

「永!どうした!?」

永が吐血する。

「ケッ!映画通りってことさ。絶対に死なないような所を噛まれてもこの世から一発退場さ」

「そんな!」

「孝・・・・」

「永!」

「俺の頼みを聞いてくれないか?」

「・・・・・なんだ」

そう言って永は屋上の角を指さす。

「死ぬのを・・・・・・手伝ってくれ」











孝視点







「無理だよ」

「俺は『奴ら』にはなりたくない!な、孝・・・頼む。
・・・・・・・・俺は最後まで俺でいたい・・・・・・・・・・・・・」

そして倒れる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

僕はバットを握る手に力を込めた。

「駄目ッ!友達を殺すなんて」

「・・・・離れろ、麗」

「駄目よ!殺人なんて!」

「ここに来るまでもそうしてきた」

「・・・・・・でも」

ピクン!

「・・・・・・・永?」

永がゆっくりと立ち上がる。
でも僕は分かっていた。永がもう手遅れなことに――――――――――

「ヴゥゥゥゥゥ」


「本当に馬鹿げてるよな。でも

                          本当なんだ!!」






信じたい

『奴ら』が発生したのには原因があってすぐに解決されると


だけど・・・・・・・・・・信じられない
むしろ僕は直感している



この慣れ親しんだ世界は
もう壊れてしまっているという事を―――――――――――――――――
 
 

 
後書き
原作に忠実にしようとするほど変な方向になってしまう。
あと、忠実にしようと本を片手にやると時間が掛かる。
何だか無駄なことをした気がしてならないorz
 
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