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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第1章:王宮の戦士とヲタ少女
  第1話:出会い…そして冒険へ

 
前書き
章題を見れば誰が現れるかは分かると思います。
そう…ライアンと共に行くのはアイツです! 

 
(バトランド地方・バトランド~イムル間の洞窟)
ライアンSIDE

私の名はライアン…
バトランド王国に仕える戦士である。

昨今、領内のイムル村で子供が神隠しに遭うという事件が多発しており、国王陛下から我ら王宮戦士等に、事件解決の命が下った。
私は当初、バトランド城下町にて情報収集を行っていたのだが、治安の安定している城下町には被害は出ておらず、他の戦士達と同様にイムル村へと向かっている。

とは言え、城下町でも事件は起きており、アレックスという名の夫を持つ妻…フレアが、イムル村周辺に赴いたまま帰ってこない夫の事を心配し探してほしいと懇願してきた。
今回の事件とは無関係だとは思うのだが、美しい女性にお願いされると、男としては了承するしか道はなく、その件も含めてイムル村へと足を進める。

城下町を出て4時間程…
バトランド城とイムル村を隔てる大きな川に出る。
以前はこの川を船で行き来していたのだが、バトランド王家が川を潜る様にトンネルを開通させた為、イムル村への移動が大幅に改善された。

尤も近年になり、このトンネル内にもモンスターが出現する事が多く、非武装で通行するのは困難な状況である。
そして今も、この近辺に生息するモンスター…スライム数匹と大ミミズ数匹に囲まれ、戦闘を余儀なくされている。

「ふん!」(ザシュッ!)
私は1匹ずつ敵を駆逐してゆく…
しかしながら敵の数が多すぎて、少なからず私もダメージを負っている。
バトランド城下町で薬草を大量に購入しておいたのだが、それも残り少なく心許ない状態になっている。

無茶をせず一旦引き返そうと考え始めた時…
(ドサ!)「んぎゃ!」
私の後方で何かが落っこちる音と、少女の悲鳴が聞こえてきた。
思わず振り返る私…

そこには3メートルばかり離れた私の目線と同じ高さの空間に、真っ黒い穴の様な物が浮かび上がり、その真下には黒髪の美しい少女が、1匹のスライムを押し潰し尻餅を付いて唸っていた。

「いたたたた……何よ、もっと優しく落としなさいよね!」
気が付くと穴の様な物は消えており、呆然と見詰める私を少女は見上げて唖然としている…
これは一体何なんだろうか?

ライアンSIDE END



(バトランド地方・バトランド~イムル間の洞窟)
マリーSIDE

(ドサ!)「んぎゃ!」
自分の指先も見えない真っ暗闇から一転…
突如視界が回復したと思ったら、お尻に強烈な衝撃が!

「いたたたた……何よ、もっと優しく落としなさいよね!」
どう考えても神様連合の所為であろう…
私の声は届かないのだろうが、文句の一つも言わないと気が済まない。

しかし気が付くと、目の前で私を不思議そうに眺める、ピンクの鎧を着た男性が一人…
もしかして私は急に出現したのだろうか?だとすれば驚くのもムリはない。
いきなり斬り殺される前に状況を説明するべきだろう…

そう思い話しかけようとしたら、男性の背後から2匹のスライムが襲いかかってきた!
私は慌てて『イオ』を唱えようと思ったが、よく見ると此処は洞窟内の様に見える…
なので慌てて『ギラ』に変更し、男性目掛けて襲いかかってきたスライム2匹を消滅させた。
これによって私が怪しい者ではない事を証明出来たかもしれない。


気を取り直して立ち上がり、プレゼントされたばかりのワンピに付いた土を叩き落とし、目の前の男性に挨拶をする。
「あー…いきなりの事で驚いておりましょうが、私は怪しい者ではございません。その証拠に、先程襲われそうになった貴方を助けたでしょ?………申し遅れました、私はマリー。ちょっとした手違いで異時代より参りました。敵ではないのでよろしくお願いします♡」

「あ…うむ…そ、そうか…えっと…あ、危ないところを助けて頂きありがとう…わ、私の名前はライアン。バトランド王宮に仕える戦士、ライアンだ」
ライアン………!?

何と、この人は王宮の戦士ライアンですか!?
つーことは、この世界はDQ4ですね!しかも1章ですのね!?
良いわね良いわね…楽しい冒険旅行になりそうな予感。

しかしお父さん達を巻き込んでしまった事を思いだし、慌ててみんなを探す…
嫌な事(お父さんの説教)は先に済ませてしまおうと、みんなを捜しウルフに甘えようと周りを見渡す。
だが誰も居ない…私の他には、このピンクの鎧を着込んだライアンさんしか存在しない…

どういう事だろうか?一緒にお父さん・お母さん・リューノ・リューラ・そしてウルフも巻き込まれたハズなのに…
この場には居ない…もしやこれは………?

「あの~…ライアン様…」
「ん?な、何かな…?」
「私の他にも一緒に現れた人は居りませんでしたか?この時代に飛ばされたのは、私一人じゃないんだけど………?」

「いや…この何もない空間に、黒い穴の様な物が浮かび上がり、そこから落ちてきたのはマリー…君一人だけだ。他の人物は影も見なかったが…」
何だと!?

あ、あの女神(あま)~…“間違えてみんな一緒に移転させちゃった♥”とか言っておきながら、みんなをバラけさせてんじゃねーよ!
使えない女神(おんな)ね~…当初の約束“ウルフと一緒に”すら守れてないじゃないの!
アイツ何だったら出来んのよ!?

「ど、どうしたのだマリー…誰かとはぐれてしまったのか?…大丈夫なのか?」
目の前ではライアンさんが私の事を心配してくれている。
すっげー良い人じゃん!まぁ分かっていたけど、実物はすっげー良い人じゃんか!

マリーSIDE END



(バトランド地方・バトランド~イムル間の洞窟)
ライアンSIDE

突如現れた異時代の少女マリー…
彼女の言う事には、家族と共にこの時代へ飛ばされたそうなのだが、何故か離れ離れになってしまい困っているのだとか…

私としてもこの可憐で美しい少女の為に、何か力になってやりたいと思うのだが、現状ではイムル村の事件を解決せねばならない。
その事を告げ、近くの村(イムル村)まで送り届ける事を提案したのだが…

「まぁ…何とお優しい…お心遣い感謝します。しかし、家族が何処に居るのか見当も付かない状況…私には行く当てもありません。もしライアン様のご迷惑にならなければ、私にも神隠し事件のお手伝いをさせてください。先程見せましたが、攻撃魔法であれば私は得意ですので、ライアン様のお手伝いが出来ると思うのです………それともダメでしょうか?」

こんな可憐で美しく心の清らかな少女に、瞳を潤まされながら懇願されて断れる男がいれば、そいつは間違いなく同性愛者であろう!
私は違う!出来る事なら、この少女と一緒に事件を解決し、その先にある人生という名の事件も共に乗り越えられれば…

はっ!イカンイカン…彼女は家族とはぐれて心細いのだ。
その様な下心を持っては失礼に値する。
紳士的な態度で彼女に接しなければ…

「この地方の平和を乱す事件の解決を手伝って頂けるのは大変に助かる。無事事件を解決したら、マリーのご家族を捜す事に尽力させて貰うつもりだ」
私はマリーの申し出を快く了承した。

何より、美少女と共に旅をするのだ…
女日照りの続く昨今、こんな嬉しい事はそうないだろう。
私は楽しい未来を想像しながら、新たに加わった仲間と共にトンネルの出口へと進んで行く。
ウキウキとした足取りで……

ライアンSIDE END



 
 

 
後書き
ゴメン…私が書くと、ライアンも緩くなる…
人間味を出したかったんだけど…大丈夫? 
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