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対決!!天本博士対クラウン

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第七十六話


                   第七十六話  魔法空間
 そこは建物だった。何か教会に似ている。
「ここですか」
「はい、そうです」
 小百合先生はまた六人に答えてきた。
「この建物の中で修行をします」
「ここでですか」
「そう、一日の間」
 そう六人に言う。
「ここで修行ですよ」
「はあ」
「ここでですか」
「何か」
 何か言いたそうな六人にまた声をかけてきた。
「いえ、ここで六人って」
「できるのかなあって」
「大丈夫なんです、これが」
 そう言われても先生の言葉は変わらない。
「それも全然」
「全然なんですか」
「ですから皆さん」
 また六人に言ってきた。
「大船に乗ったつもりでさあ」
「入ったらいいんですか」
「そういうことです」
 扉が開かれた。その中は。
「あれ、何もない」
「それどころか」
 やたらと広い。真っ暗であるがどう見ても外観よりかなり広かった。
「何処まであるんだろう」
「ここって」
「魔法空間です」
 先生はこう言うのだった。
「ここに入って修行するんです。それでは先生も」
「先生もって」
「えっ!?」
 六人と一緒に先生も入る。するとそのまま落ちていく。
「ど、どうなってんの!?」
「この建物の中って」
「ですから魔法空間です」
 何処かに落ちながらでもにこりとマイペースに笑っている先生であった。
「そしてこの先には」
「この先には?」
「何が」
「それは言ってみてのお楽しみです」
 そういえば何故か落ちながらでも皆のスカートはめくれない。魔女の服のスカートは長くてやたらとめくれるものだというのにだ。これも魔法空間だからであろうか。
「それぞれの場所に」
「それぞれって」
「あたし達これからどうなるのかしら」
 それもわからないし何故か先生まで一緒なのかも。全くわからないまま六人はそれぞれの修行の場へと向かうのであった。魔法空間の中で。


第七十六話   完



                  2008・1・2 
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