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対決!!天本博士対クラウン

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第五十六話


                第五十六話  鳥か飛行機か
 その頃陸上自衛隊の市ヶ谷基地が謎の襲撃を受けていた。正体不明のゴキブリに似た人型の無数の異形の化け物達によってだ。
「何だこれは!」
「ゴッキローチよ」
 必死に彼等を倒す自衛官達に老人の声が答えた。それは彼等が嫌でも知っている声であった。
「その声は」
「やっぱり帰って来たのか」
「はっはっはっはっはっはっはっは」
 悪役そのものの高笑いが司令部のある建物の一番上から聞こえてきた。見ればそこには白い満月を背にしてマントを風にたなびかせたあの博士がいた。
「天本博士・・・・・・」
「やはり貴様か!」
「わしは不滅だ!」
 彼は自衛官達を前に高らかに復活を宣言したのであった。
「見事宇宙空間から帰還したわ!」
「報告通りだったのか」
 司令はそのことをあらためて歯噛みした。
「今までで一番聞きたくはない報告だった」
「ですが司令」
 その司令に対して幕僚の一人が述べる。
「実際に今あそこにいるという現実が」
「認めるしかないか」
「絶対に認めたくはないがな」
 彼は歯噛みして述べるのであった。
「北朝鮮のスパイが来たよりもタチが悪いぞ」
「それは同意です」
 彼等は周りのゴキブリモドキ達を倒しながら博士を見上げていた。
「やはりブラックホールに放り込むべきだったか」
「そうですね」
「ははは、無駄よ無駄なことよ!」
 博士は彼等の言葉にも高笑いで応える。
「わしを永遠に封じ込めたければ未来にでも投げ込むがいいわ!」
「異次元とでも言うと思ったのだがな」
「あの博士異次元人とも戦っていますよ」
「つくづく始末に負えない人物だな」
 そのことをあらためて、忌々しさと共に認識する。
「今日はほんの再会の挨拶よ」
 博士はゴキブリ達を自分の持っている鏡の中に召還して話を勝手に終わらせてきた。
「それではな。諸君」
「今度は何をする気だ?」
「さて」
 自衛官達が呆気に取られている中であの車椅子を呼んだ。するとそれに乗ってそのまま何処かへと飛び去っていくのであった。
「また会おう諸君!」
「また来るって言っていますよ」
「もう来るなと研究所に電話しておけ」
「わかりました」
「全く迷惑な」
 司令は忌々しげに呟いた。そのうえでは博士が車椅子に乗って飛んでいた。その姿はまるで魔女が空を舞っているようであった。自衛官達はその後で博士が滅茶苦茶にしていった基地の修繕に徹夜であたるのであった。全く以っていい迷惑であった。


第五十六話   完


                  2007・10・24 
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